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2018年度の主なとりくみ

2018年度定通部学習会・総会 (7/21) ―
 7月21日,西川原プラザにて18定通部学習会・総会を開催しました。
総会に先立ち,山本恵三さん(西大寺)に「高等学校における通級指導について〜岡山御津高校のとりくみ」と題して話していただきました。主旨は、今後定時制高校に限らず、多くの学校での取り組みが求められる通級指導について、文科省の研究指定を受けて取り組んでこられた3年間の経験に基づくものでした。
 具体として、実施方法、対象生徒の絞り込み、支援の計画及び内容から単位認定に至るまでの試行錯誤を振り返っていただきました。結果、多くの生徒は、個別・重点的なかかわりによって、課題は残るものの少しずつでも社会性を身につけ、自らの困難と向き合う姿勢を見せるまでに変わり、進路を決めて巣立つことができたといものであり、大変多くの示唆をいただきました。
 また、真備陵南分会からは、西日本豪雨による生徒宅や学校の被害の様子や、復旧に向けて既に倉敷市立高校からの支援が始まりつつあるものの、情報伝達が困難な状況にあることなどの報告がありました。お亡くなりになった多くの方のご冥福をお祈りするとともに、被災地の一日も早い復旧を願っています。
 総会では,新役員体制,17総括,18運動方針が承認され,ここ数年,前進回答の得られていない確定交渉には是々非々の姿勢で臨むことを確認し,閉会しました。

梅谷広光さん(備前片上分会)

過去のとりくみ

困難を抱える生徒に豊かな「共有体験」の場を
―定時制・通信制部2017年度委員会(総会)&学習会―

7月22日(土),ピュアリティまきびにて17定通部学習会・総会を開催しました。総会に先立つ学習会で岡田英将さん(市立玉島)に「『我流支援』〜高等学校における特別支援の実際」と題して話していただきました。
授業や指導が困難な生徒も多い定時制高校においてどのように生徒・保護者にアプローチしていくのか,くらしき作陽大学の橋本正巳先生の事例検討会での議論も踏まえてのお話でした。橋本先生によれば,様々な問題行動へはソーシャルサポートが必要だが,2つの自尊感情のうち「社会的自尊感情(他者と比較して得られる有用感)」には「成功体験」が,「基本的自尊感情(生まれてきてよかったという感情)」には「共有体験」(日常的な生活を「一緒に」する体験)が必要であり,岡田先生は,学校において共有体験をできる人を増やし,その人との良好な関係を築き,授業の場でも共有体験の場を増やすことが重要だと述べました。日常の実践も踏まえての話でしたが,「我流支援」では十分でなく,専門的知識を踏まえた上での実践が必要との立場でした。
総会では,梅谷広光部長(片上)ほか4名の新役員体制,16総括,17運動方針が承認され,今年度の対県・対市交渉に向けて頑張ることを確認し,閉会しました。


2017年全教定通部総会・学習交流会に参加して
富山市で7月28日(金)〜30日(日)に開かれた全教定通部総会・学習交流会に参加してきました。私用のため、2日目の午前中までではありましたが、「富山ブラック」(富山で話題?の醤油ラーメン)に勝る「濃厚な」時間でした。
特に学習交流会では、「子どもの貧困問題」の取材等を続けている朝日新聞社生活文化部記者の中塚久美子さん、女性クリニックWe!TOYAMA院長の種部恭子さんの「10代の性」についての講演をお聞きし、自分の仕事の意味について、あらためて考えるきっかけになりました。
中塚さんは、子どもの貧困の構造的・制度的な要因、国内での取り組み、海外の先進的な貧困対策などについて、膨大な資料をもとに丁寧にお話され、新たな知識をたくさん得ることができました。
種部さんのお話では、10代の妊娠・出産の実態、性教育バッシングや暗数の多い性虐待など10代をとりまく様々な問題が社会構造の中で深刻化、複雑化していく様子が語られ、暗澹たる気持ちにもなりました。「妊娠・出産した10代の女性こそ、高卒までは必ず達成できるように」という言葉は、高校現場への強いメッセージでした。

中塚さんの講演への質問で、「貧困家庭の生徒や定通制の教師でさえ『自己責任論』で語る。それを論破できない自分にもどかしさを感じる」という声がありました。重い現実です。中塚さんは、「一つひとつの事実を共有して、そのような人とも一緒に考える、という姿勢が大事なのでは。」と答えられました。
今回取り上げられた問題には、「大人が生みだした社会で子どもが苦しんでいる」という共通点があると思います。もし私が自己責任論を唱えたならば大人として、教師として、「責任放棄」になるのではないでしょうか。「当事者の自己責任だ。」は、「自分には責任のない問題だ。」とほぼ同じ意味です。蔓延するJKビジネスにしろ、社会保障の不備にしろ、積極的に容認していないからといって、大人としての責任を免れるわけではありません。責任をもって向き合う大人同士の連帯が、この大会のテーマであった「希望をつむぐ」ことになるのでは、と今は考えています。
【藤原 晋さん/岡山操山通信制】


定通部,倉敷市教委へ要請
−耐震診断,エアコン設置,養護教諭の正規化などを要請−


10月24日(火),定通部は倉敷市教委へ要請をおこないました。倉敷市教委は加藤教育企画総務課長ほか計5名が,高教組は梅谷定通部長ほか倉敷市工,市立玉島からの分会代表2名と本部の計4名が参加しました。
市立定時制の今後のあり方については,昨年度の回答同様「県高教研が12月に出す予定の提言を受け検討委員会を再開,現状を踏まえつつ定時制教育の充実や適正配置,校舎の老朽化,設備の改善等を生徒・保護者・地域のニーズに応えるあり方を倉敷としての考え方を元に検討をすすめる」,校舎の耐震化については「耐震診断を準備している」,要望の強いエアコン設置については「方針を整備しながら中学校以外からの要望に優先順位をつけ検討していく」,無害化システムについては「USBメモリを使うことで無害化しなくてもデータのやりとりができるよう11月末を目途に対応する」,SSWの派遣については「手続きの簡素化を県へ要望していく」,市立高退職者の県立高での再任用については「県へ要望していく」とそれぞれ回答しました。
検討委員会の再開については現場の声が届く工夫を要求,定時制高校の大規模化の弊害についても参加者から訴えました。また,これまでの経緯より倉敷市では「正規の養護教諭は異例の任用であり,臨時が普通」とのあり方が示されましたが,養護教諭の定時制高校で果たす役割の重要さを改めて示し,正規専任の任用を求めました。要請後半では,各校の現状とともに個別の要求を述べ,要請を終えました。

多様な生徒に対応できる人員増を!
2017年11月8日 確定交渉−

定時制・通信制部の梅谷部長は,特別な支援を必要とする生徒の「受け皿」として重要な役割を果たしている定時制・通信制高校の要求に対し,前進回答がまったくないことに怒りを隠せない様子でした。

県北の定時制高校整備について,県教委は「現在全日制高校等で中卒者が受け入れられており」,「現時点でのニーズは4,5名程度と想定され」,「津山市内へ設置するまでの状況にない」と回答し,2017年11月に提出される高教研の提言の主旨を踏まえて引き続き検討をおこなうと回答しました。高教組は,ニーズの有無の根拠が中卒者の受け入れ状況のみによらず,高校中退者の数も考慮に入れるべきだと主張しました。

また,烏城分会から,支援を要する生徒への不可欠な対応としてカウンセラーの増員や,転入生が増えている操山通信制分会からは養護教諭の正規・専任化,非常勤養護教諭の時間数増をもとめましたが,前進回答は得られませんでした。 



歩き,語り,身体をほぐす
〜全教定通部中四九ブロ学習交流集会in 岡山(倉敷市)〜


 11/4(土)〜5(日)全教定通部中国四国九州ブロック学習交流集会が岡山県倉敷市で開催されました。2日間で県外7名県内16名の合わせてのべ23名の参加でした。
 初日は「亀島山地下工場跡フィールドワーク」と夕食交流会,翌日は藤原忠雄さん(兵庫教育大学大学院・学校教育研究科教授)による「教師にとって最も身近な支援のあり方〜生徒も教師もストレスフリーな聴き方,話し方〜」と題したお話を聞きながら,演習にもとりくみました。
 事前学習では先の戦争での日本の加害責任を亀島山地下工場で働いた金原哲さんの生涯を描いたスライド紙芝居で学習し, 2人のボランティアガイド(亀島山地下工場を語り継ぐ会)の方に案内してもらいました。最も大きく堅固に作られている1号トンネルには予想外にたくさんの水がたまり,奥まで歩くことができませんでしたが,縦横に掘り進められたトンネル,電球を灯す碍子の跡や機械設備の設置跡などを目の当たりにし,当時強制労働に狩り出された朝鮮人労働者の置かれた状況に思いを馳せました。
 翌日の学習では「背中をゆるめることで表情をつくること」,ペアになって「他者(生徒)に対して声をかける位置」の確認,「肩へ手を添える支援」「腕をしっかり支える支援」などの演習を通して「最も身近な支援のあり方」について学びました。参加者からは「話される内容が身体的に実感できる,驚きました」「困り感を持っている生徒を支え受けとめてやることでどんなに本人が楽になるかということが実感できた」などの感想が寄せられました。各県の定通部運動の前進や課題面の交流に十分時間がとれなかったのは今後の課題です。