HOME >> くらしと権利
くらしをまもるとりくみ

2022年のとりくみ

定年引上げに伴う条件整備は,今後が勝負
7/28 定年引上げ交渉

 7月28日(木),定年引上げに関する県教委交渉を県教組と同時進行で行いました。
県教委側の出席者は鈴鹿教職員課長をはじめ7名,高教組からは交渉団・分会代表者17名で交渉に臨みました。
ボーナスの支給月数が60歳以前と同様であること,生活関連手当が引き続き支給されること等が示され妥結としましたが,さまざまな深刻な課題が残されています。引き続きねばりづよい交渉で前進を勝ち取っていきましょう。




職務給の原則に反する大問題

 「職務と責任に応じて決められなければならないという職務給の原則に照らし合わせると,賃金が7割になるということは,職務と責任も7割になるということか」という高教組の質問に対し,県教委は,7割賃金は国家公務員の制度に準拠していること(均衡の原則),民間の60歳以上の平均給与などから判断していること(情勢適応の原則)など,総務省と同様の説明に留まり,7割業務とならないことを示しました。
上記2つの原則とともに,本来厳守されるべき職務給の原則については「国としてはそこについては問題はないとしている。それ以上のことは答えにくい」と,納得できる回答は得られませんでした。

再任用待遇の改善無しは「致し方ない」の一言で


 2024年度以降しばらく,再任用制度下の教職員(月例給約28万円),定年引上げ世代(同約30万円),
調整額が適用される元管理職(約34万円)が同時期に存在することになります。現場に混乱と分断がうまれかねない状況を,なぜ放置できるのか,認識を質しました。県教委は「現場が複雑な状況になることは予想しているが,制度移行期間というところで致し方ない。混乱が起きないように運用できれば」と,現場の「理解」頼みの回答に留まりました。現場に「我慢」を強いることを「しかたない」で済ませず,期間が限られるならなおさら,再任用の処遇改善を人事委員会,県教委に強く求めていかなければなりません。

退職金は「なるべくマイナスにならないように」との姿勢

 退職手当については,当分の間「ピーク時特例」(7割月給ではなく60歳以前の月額で算定する)としました。また,60歳で定年退職したとした場合の退職手当を下回るレアケースについても「なるべくマイナスとならないように」最大限配慮する姿勢を示しました。

残り3割の業務は誰が「かぶる」のか―「若い世代を育成してほしい」といいつつ,その余裕も与えない


 「体力が減退する中での7割給料となり,それでも10割業務を維持できるだろうか。かといって,超過勤務を重ねている若い世代に押し付けるわけにはいかない。待ったなしの対応が必要だがどういった解決法があるのか」という高教組の問いに,明確な回答はありませんでした。
 「このまま60歳超世代が増えると,学校のパフォーマンスは下がると考えざるを得ない。その点はどう思うか」という現場からの問いに,「経験に裏打ちされた言葉かけ等で若手を育成していただき,総合的なパフォーマンスを維持していただきたい」と回答。それに対し別の参加者が「若い人に引き継いでと言われるが,話をする時間がない。話しかけられるのは正直迷惑と感じてしまうぐらい忙しい。そのような状況の中で教育を維持するにはどうすればいいか」と問い,人員増を強く求めました。県は「忙しい状況は,ミライムで確認している」としながら,県独自の加配対応は困難との従来通りの回答に留まりました。
 定年前再任用短時間勤務制度の制定や,高齢者部分休業が本人の希望でフルタイムに戻れるようにするなど働きやすくするための施策が講じられていますが,業務量が減らなければ,こういった様々な工夫も絵に描いた餅です。人員増で1人当たり業務量を減らすなど,真に有効な具体策に今すぐ着手しなければ手遅れとなりかねません。本来、学校教育は、未来の主人公を育てるすばらしい仕事です。学校職場の魅力を取り戻し、若い世代も明るい見通しを持って、安心して働き続けられる賃金体系と勤務条件の確立が求められます。
 8月上旬予定の人事院勧告,続く岡山県人事委員会勧告が行われることに合わせて,8月末には分会にブルー署名を提案します。待ったなしの多忙解消,条件改善を,教職員の大勢が強く望んでいることを署名で示し, 60歳以降の教職員を定数外で任用するといった具体的な提案を示しながら,要求実現に大きな一歩を踏み出しましょう。
 
 

参加者感想より


 ・「国準拠」しか理由がない県教委と,職場に根差す高教組の要求の正当性がいつもの交渉以上に浮き彫りになったと思う。
 ・県教職員課が非常にまじめに対応していたと感じるが,定数法に基づく限り人員増は望めないと改めて感じた。せっかく教員になった人が若くしてやめることが無いように,輪を広げていきたい。

60歳以降も安心して働き続けられるように
-定年引上げ交渉へ-

務員法と地方公務員法の改正をうけて、定年の引上げに関する交渉が始まります。県当局は、①定年の引上げ、②管理監督職勤務上限年齢制の導入、③定年前再任用短時間勤務制の導入、④情報提供・意思確認制度の新設、⑤給与、⑥定年前早期退職特例措置、⑦高齢者部分休業制度、⑧施行期日等について組合に提示する予定です。
 ①については、2023(令和5)年4月1日から定年が段階的に引き上げられますが、2年おきに定年退職者がいない年度が生じることになり、新規採用の抑制や臨時教職員の雇い止めが起きないよう要求していく必要があります。②については、現在任用されている再任用校長との整合性をどう図るかが問題です。③については、現行の再任用制度と同様の制度が想定されていますが、期末・勤勉手当の月数が不当に低く抑えられ、扶養手当や住居手当などの生活関連手当が支給されないといった問題や、教員については週20時間勤務(ハーフ)しか設定されていないといった点を改善させる必要があります。④については、次年度に60歳に達する職員に対して、丁寧な情報提供と意思確認を行うものであり、当然の措置です。⑤については、「当分の間」給料月額7割措置がとられることになっていますが、職務給原則に反する取り扱いであり、賃金水準を引き下げないよう求めていかなければなりません。⑥については、定年1年前の割増率を2%から3%に改善するとしています。⑦については、制度利用開始可能年齢を、従来どおりの55歳に据え置くとしています。⑧については、暫定再任用制度が措置されますが、定年退職日以前に退職した者の任用条件である「25年以上勤続、退職後5年以内」といった規定がどうなるのか確認する必要があります。

メーデーと5・3憲法集会 3年ぶりのリアル開催


 毎年恒例のメーデーと憲法集会ですが、昨年と一昨年はコロナの影響を受け、メーデーはSNSやオンラインを併用した屋内での開催に、憲法集会は2年続けて中止となっていました。
今年もコロナ禍が続いていますが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置はなく、オンライン併用でしたが、メーデーも憲法集会も3年ぶりのリアル開催となりました。

メーデーで介助員の待遇改善と端末の公費負担を訴える


 県中央メーデーが5月1日に岡山市の石山公園で開催され、オンライン併用で約200人が参加し、高教組を代表して西備支援分会の市川佑さんが発言しました。
特別支援学校では直接子どもたちの指導にあたる教員だけでなく、介助員、調理員や看護師などさまざまな職種の方々が協力して教育活動を推進しています。
今年のメーデーでは、ケア労働者の待遇改善が大きなテーマになりました。介助員もケア労働者ですが、時間給は930円と大変低い水準にとどまっています。2020年度にはコロナによる臨時休校の影響で、6月ボーナスが減額されるという事態も生じました。高教組は交渉により、12月ボーナスで一部を取り戻しましたが、病気休暇が無給とされているなど休暇制度も常勤職員より不利になっています。今年度も、介助員の年間勤務時間数が70時間減らされており、事前の説明が無かったとすると大問題です。




プラカードコンテストで高教組は、高校生の端末の公費負担を訴えて最優秀賞を受賞しました。








5・3憲法集会で落語と講演を聴く

  「輝け日本国憲法!集会」が5月3日に岡山国際交流センターで開催され、オンライン併用で130人が参加しました。集会では、「平和でなくては落語は笑ってもらえない」と題して古今亭菊千代さんの落語を楽しみ、立命館大学の植松健一さんの講演「『危機の時代』にこそ憲法の精神を」を聴いて、ロシア軍がウクライナに侵攻するもとで、憲法の意義について考えました。高教組は、東備支援分会の柴典昭さんが、落語の高座を準備するなど事務局としての役割を果たしました。

6月ボーナス減額に注意 県教委教職員課と顔合わせ

 4月20日(水)、村田秀石執行委員長と豊田佳香書記長が、教職員課と年度初めの顔合わせを行いました。教職員課では、前年度新見高校校長だった鈴鹿貴久さんが課長に就任し、「月45時間超の教職員ゼロを目指して、月当たりの時間外在校等時間を3年間で15%以上削減する」ことを目標とした学校における働き方改革重点取組について、「気合だけでは進まない状況にきているので、何か糸口を見つけていきたい」と述べました。
 昨年度は、県人勧がボーナス0.15月削減を勧告しましたが、岡山県では国に合わせて年度内の削減が行われませんでした。これに伴い、昨年度ボーナスが支給され、今年度もボーナスを受け取る職員については、昨年度ボーナスの0.15月分に相当する金額が、6月に支給されるボーナスから減額されるので注意が必要です。
 養護教諭の複数配置について20確定で回答のあった、再任用短時間勤務の養護教諭配置については、今年度も条件の合う方が見つからず、配置されていません。昨年度問題になった再任用フルタイム希望者の短時間採用については、高校ではありませんでしたが、特別支援学校では3人でした。県教委は「第2希望で了解してもらっている」と説明しましたが、基本的にフルタイム希望者は全員フルタイムで採用されるべきです。
 部活動指導員は18校に配置され、吹奏楽や和太鼓など文化部も対象になっています。2020年度から配置されるようになった機動的配置講師は、高校が3名から8名に、特別支援学校が3名から5名にそれぞれ増員されています。県教委は「年度当初から配置できる人をできるだけ確保したい」と述べましたが、年度途中での転勤など講師の負担が大きいだけに、その運用には注意が必要です。
 代員の未配置は、4月8日時点ではないようですが、21年度末の早期退職者が高校30人(うち20~30歳代11人)、特別支援学校18人(うち20~30歳代9人)となっている点が気がかりです。県教委は「教職の魅力発信に努めている」と述べましたが、待遇改善と長時間過密労働の解消を実現し、学校を魅力的な職場にしていくことが求められます。


過去のとりくみ

学校を「魅力的な」職場にするための処遇改善を
2021年度 確定交渉

2021年確定 「一太郎」継続使用等を引出し妥結

 
11月17日(水)、第3回確定交渉をおこないました。53分会から87名(執行部を含む)が参加し、県教委からは鍵本教育長以下12名が出席しました。  
県教委は冒頭、県人事委員会勧告による期末手当0.15月削減について「国家公務員の給与改定に準じた形で実施」と回答しました。国家公務員の給与法改正が遅れるため、今年12月のボーナスでの引き去りはなくなり、来年6月のボーナスで減額されることになる見込みです。また、全国でも先進的な不妊・不育治療のための最長1年無給休職を新設すると回答しました。
 高教組は、最後まで粘り強く交渉し、「一太郎」の継続使用や、旅費システム等での「実習教諭」の表示など、一定の最終回答を引出し、20時50分に妥結しました。詳しくは11月26日発行の高教組NEWS(速報)を参照ください。 鍵本教育長への代表質問  交渉に先立ち、村田執行委員長が鍵本教育長に対して代表質問を行いました。村田委員長は、①教員免許更新制、②1人1台端末、③ICTの活用、④PBL=課題解決型学習、⑤定年延長の5点について、教育長の考えを質しました。
■教員免許更新制は「一定の役割を果たしてきた」?
 教育長は教員免許更新制について「一定の区割りを果たしてきた」と述べるとともに、教員確保への悪影響については「臨時免許で対応している」と答えました。中教審が打ち出した研修受講履歴管理システムについては、「情報が十分入ってきていない」と述べるにとどまりました。
■「何もかも全部コンピュータでやる必要はない」  教育長は、生徒用端末はあくまでも「文房具」であり、「何もかも全部コンピュータでやる必要はない」と答えました。端末を原則個人購入としたことについては、「正直大変悩んだ」と述べ、国や県の財政負担や義務教育との違いを考慮して判断したと説明しました。
■給特法は「実態に合っていない」  ICTの活用について教育長は、教職員の1人1台端末を確保するために努力したことを強調し、慣れてくることでメリットとデメリットが入れ替わっていくという見通しを述べました。4%の教職調整額を支給する代わりに時間外勤務手当を支給しないことを定めた給特法について、教育長は「実態に合っていない」と断言し、「国も“見直しを検討”と言ったが変化はない。岡山県としても見直しをお願いしてきた」と述べました。
■教育予算は「かなり厳しい」  教育長はPBL=課題解決型学習を求めていますが、そのための予算の確保については「かなり厳しい」と述べました。県の財政当局は、昨年度も10%のマイナスシーリングをかけましたが、今年度もさらに3%のシーリングをかけようとしています。「税収が減少」との説明でしたが、国からの地方交付税交付金は増額になるとの報道もあり、県全体の予算の使途も含めて質していく必要があります。
■定年延長・再任用の賃金7割は「本当に心苦しい」  教育長は、定年延長や再任用の賃金が60歳までの7割となっていることについて「本当に心苦しい」と述べました。しかし、高教組が求める定数外での配置は「難しい」として、「校内での調整」で校務分掌等の軽減を図るよう求めました。定数内で「調整」しろと言われても物理的に限界があり、ここでも人員の確保が必要です。
◆◇◆ 参加者感想 ◆◇◆
▶時間外勤務の縮減が一番の関心でした。県教委の回答を聞くと「人は増やせないから、業務を各学校で減らしてほしい」と言っているように聞こえました。今、自分が行っている教科と部活動以外の校務分掌について考えると、減らす工夫がなかなか見当たりません。若い講師が業務の多さに民間企業に就職することになり、採用2年目の方も授業以外の分掌の忙しさに休職することになりました。本校の卒業生も、念願の教員に採用されながら、業務の多さに退職を考えていると聞きました。何とかしないと教育の未来が心配です。
▶予算の関係で難しいと言われていましたが、教員数の増や再任用の給料面はもっと考えていただきたいです。再任用といえども同じ授業数、内容の仕事をしてくれています。なぜこんなに低賃金になるのか?と不思議でなりません。給料を半分にするのならば、人数を増やして仕事量を減らすくらいのことはしてもらいたいです。
▶教育の大きな柱として推進していると思っていたICT教育でも、地方交付税では支援員が4校に1人の配置となっているのに、10校に1人程度しか配置されておらず、「地方交付税交付金の使い道は決まっていないから」と言い逃れ…。旗を振っている教育長がコケにされていることに気づいていないのか、それとも影響力がないのでしょうか?ICT担当者の多忙に関しては「ICTだけでなく様々な要素で起こっている」とはよく言ったものです。他の要素が重ならないように指導したり、加配したりして対策するべきなのにごまかしています。
▶業務縮減は難しいですね。「効率よく」とか「無駄をなくす」とか、教員の資質から最も遠くにあるような気がします。生徒にとっては、不器用で一生懸命な先生がいい先生だと思うので…。業務縮減は、ある程度ドライに割り切るといった、そのためだけの特別な資質が必要ですが、教員には困難なことのように思います。

第1回 確定交渉

 

11月1日(月)、第1回確定交渉をおこないました。高教組から31分会41名(本部を含む)、県教委からは大重教職員課長をはじめ計10名が参加しました。昨年度に続き、ICT問題に対する説明のため、教育情報化推進室の担当者も参加しました。
県人事委員会が勧告した期末手当0.15月削減については「勧告どおり」との回答でしたが、会計年度任用職員の期末手当について、大重課長は「今年度引き下げることにはならない」と述べました。定年延長については、まだ国からモデルが示されていないようですが、県が条例を作る段階で交渉が必要です。再任用については、昨年度、第2希望の短時間勤務に採用される事例が発生しましたが、大重課長は「フルだけしか書かれておらず本人への確認もなく機械的にハーフということはさすがに乱暴」と述べました。県人事委員会からも指摘された時間外在校等時間の縮減については「効果的な取組について研究」と回答しました。
一太郎については「23年以降も教材作成ソフトとして必要と認められる場合には例外的に調達できる」と回答しましたが、県教委は漢文の教材作成くらいしか想定しておらず、「必要と認められる場合」をさらに拡大させる必要があります。情報管理者の専任配置については「ICT支援員等による支援の充実について検討」との回答でしたが、具体的な人員配置増が必要です。また、調査書作成等が負担になっている学校管理システムについて、大重課長は「11月末頃を想定して改修準備を進めている」と述べました。

第2回 確定交渉(専門部)

11月8日(月)に第2回確定交渉をおこないました。参加者は36分会48名(本部を含む)でした。県教委からは大重教職員課長をはじめ9名が参加しました。毎年、第2回交渉は5つの専門部交渉としています。県教委の回答は「前年回答どおり」が多く、中身のある回答はほとんどありませんでしたが、各専門部役員を中心に、切実な要求を県教委に伝えました。 
2面からの続き】女性部が求めた養護教諭複数配置の拡大について、大重課長は「再任用短時間勤務の養護教諭を配置する」と回答していますが、条件の合う方を確保することが課題です。障害児学校部は、寄宿舎教員の妊娠代替に入浴介助も加えることを求めました。育児支援は県人事委員会も求めており、県教委はこれにこたえる必要があります。実習教員部は、2級任用が遅れる原因となっている「教職経験年数10年」の期間を短縮するよう求めました。教員採用試験の年齢制限が撤廃され、前歴の長い方が採用されるケースが出てきており、改善が必要です。青年部は、青年教職員アンケートの結果に基づき、校務分掌等の負担軽減と情報管理者の専任配置を求めました。定時制・通信制部は、SC・SSWの専任配置や通信制への養護教諭配置を求めました。いずれも、第3回交渉で具体的な回答を引き出していかなければなりません。

確定交渉(第1・2回)参加者感想

▶ICTについて、そもそもICTが学校や生徒を幸福にしたのかという本質論も議論されるべきではないでしょうか。いち早く生徒全員にタブレットを配布した中学校出身の生徒たちは必ずしも学力は高くなく、落ち着きがなかった印象があります。オーストラリアでは、デジタル教科書を導入した結果、あまりにも学力が低下したので、紙の教科書に戻したということが報じられました。パソコンのなかった昔のおおらかな時代の教育の方が、個性豊かな人材を輩出していたような気がします。
▶経費削減という言葉を聞いたが、ICTやGIGAスクールを推し進めているにもかかわらず、教材作成用ソフトウェアである「一太郎」を調達しない方向に進めていることに疑問を持ちました。経費を削減すれば負担が増え、可能な作業量も減り、質が落ちることを理解した方がよいと思います。


2021年確定 不妊不育休職等を引出し妥結

 11月17日(水)、第3回確定交渉をおこないました。53分会から87名(執行部を含む)が参加し、県教委からは鍵本教育長以下12名が出席しました。
 県教委は冒頭、県人事委員会勧告による期末手当0.15月削減について「国家公務員の給与改定に準じた形で実施」と回答しました。国家公務員の給与法改正が遅れるため、今年12月のボーナスでの引き去りはなくなり、来年6月のボーナスで減額されることになる見込みです。また、全国でも先進的な不妊・不育治療のための最長1年無給休職を新設すると回答しました。
 高教組は、最後まで粘り強く交渉し、「一太郎」の継続使用や、旅費システム等での「実習教諭」の表示など、一定の最終回答を引出し、20時50分に妥結しました。詳しくは11月26日発行の高教組NEWS(速報)を参照ください。

鍵本教育長への代表質問

 交渉に先立ち、村田執行委員長が鍵本教育長に対して代表質問を行いました。村田委員長は、①教員免許更新制、②1人1台端末、③ICTの活用、④PBL=課題解決型学習、⑤定年延長の5点について、教育長の考えを質しました。
◆教員免許更新制は「一定の役割を果たしてきた」?
 教育長は教員免許更新制について「一定の区割りを果たしてきた」と述べるとともに、教員確保への悪影響については「臨時免許で対応している」と答えました。中教審が打ち出した研修受講履歴管理システムについては、「情報が十分入ってきていない」と述べるにとどまりました。
◆「何もかも全部コンピュータでやる必要はない」
 教育長は、生徒用端末はあくまでも「文房具」であり、「何もかも全部コンピュータでやる必要はない」と答えました。端末を原則個人購入としたことについては、「正直大変悩んだ」と述べ、国や県の財政負担や義務教育との違いを考慮して判断したと説明しました。

◆給特法は「実態に合っていない」
 ICTの活用について教育長は、教職員の一人一台端末を確保するために努力したことを強調し、慣れてくることでメリットとデメリットが入れ替わっていくという見通しを述べました。4%の教職調整額を支給する代わりに時間外勤務手当を支給しないことを定めた給特法について、教育長は「実態に合っていない」と断言し、「国も“見直しを検討”と言ったが変化はない。岡山県としても見直しをお願いしてきた」と述べました。
◆教育予算は「かなり厳しい」
 教育長はPBL=課題解決型学習を求めていますが、そのための予算の確保については「かなり厳しい」と述べました。県の財政当局は、昨年度も10%のマイナスシーリングをかけましたが、今年度もさらに3%のシーリングをかけようとしています。「税収が減少」との説明でしたが、国からの地方交付税交付金は増額になるとの報道もあり、県全体の予算の使途も含めて質していく必要があります。
◆定年延長・再任用の賃金7割は「本当に心苦しい」
 教育長は、定年延長や再任用の賃金が60歳までの7割となっていることについて「本当に心苦しい」と述べました。しかし、高教組が求める定数外での配置は「難しい」として、「校内での調整」で校務分掌等の軽減を図るよう求めました。定数内で「調整」しろと言われても物理的に限界があり、ここでも人員の確保が必要です。

参加者感想

・時間外勤務の縮減が一番の関心でした。県教委の回答を聞くと「人は増やせないから、業務を各学校で減らしてほしい」と言っているように聞こえました。今、自分が行っている教科と部活動以外の校務分掌について考えると、減らす工夫がなかなか見当たりません。若い講師が業務の多さに民間企業に就職することになり、採用2年目の方も授業以外の分掌の忙しさに休職することになりました。本校の卒業生も、念願の教員に採用されながら、業務の多さに退職を考えていると聞きました。何とかしないと教育の未来が心配です。

・予算の関係で難しいと言われていましたが、教員数の増や再任用の給料面はもっと考えていただきたいです。再任用といえども同じ授業数、内容の仕事をしてくれています。なぜこんなに低賃金になるのか?と不思議でなりません。給料を半分にするのならば、人数を増やして仕事量を減らすくらいのことはしてもらいたいです。

・教育の大きな柱として推進していると思っていたICT教育でも、地方交付税では支援員が4校に1人の配置となっているのに、10校に1人程度しか配置されておらず、「地方交付税交付金の使い道は決まっていないから」と言い逃れ…。旗を振っている教育長がコケにされていることに気づいていないのか、それとも影響力がないのでしょうか?ICT担当者の多忙に関しては「ICTだけでなく様々な要素で起こっている」とはよく言ったものです。他の要素が重ならないように指導したり、加配したりして対策するべきなのにごまかしています。

・業務縮減は難しいですね。「効率よく」とか「無駄をなくす」とか、教員の資質から最も遠くにあるような気がします。生徒にとっては、不器用で一生懸命な先生がいい先生だと思うので…。業務縮減は、ある程度ドライに割り切るといった、そのためだけの特別な資質が必要ですが、教員には困難なことのように思います。

長時間労働解消、非常勤の均等待遇、定年延長が課題に
2021年度賃金確定交渉に向けて

 10月6日(水)に県人事委員会からの勧告が行われ、高教組は13日(水)に県教委へ待遇改善重点要求書を提出します。確定交渉は、11月1日(月)、8日(月)と17日(水)の3回にわたって行われる予定です。各職場には、県教委あて全教職員署名(ピンク署名)を提起していますが、圧倒的多数の教職員の声を集めて、確定交渉に臨みましょう。  県人事委は期末手当0.15月削減を求めていますが、コロナ禍でも奮闘する県職員の生活に冷や水を浴びせるものです。特に、もともと月数が少ない再任用職員や会計年度任用職員のボーナスまで引き下げることは理不尽です。  
県人事委は「人材の確保」の必要性を報告していますが、学校現場でも教員不足が深刻です。教員免許更新制と長時間労働や不十分な待遇が、教員の確保に悪影響を与えていることは明らかです。
教員免許更新制については廃止の見通しですが、研修の充実を理由とした管理強化の動きもあり、警戒が必要です。
 教職員の長時間労働解消は引き続き大きな課題です。県人事委は、県立高校における時間外在校等時間について「平均でも月45時間を超える」と指摘し、月45時間、年間360時間の上限を遵守するよう求めています。  非常勤講師など会計年度任用職員の待遇については、勤務時間制限(年平均週15.5時間以上、非常勤講師は週21時間以上必要)のため、ボーナスがほとんど支払われておらず、特別休暇の多くが無給とされています。県人事委は、男性職員の育休取得促進とともに、非常勤職員の妊娠、出産、育児に係る休暇・休業等について検討するよう求めており、制度改善が必要です
。  定年が2023年4月から段階的に65歳に引き上げられることになりましたが、岡山県の条例改正はこれからです。給料を60歳までの7割に引き下げることや、導入される役職定年制や定年前再任用短時間勤務制のあり方、再任用職員では減額されているボーナスや支給されていない扶養手当や住居手当などがどうなるのか、退職手当のあり方など課題山積です。確定交渉で質していかなければなりません。

2020年度賃金確定交渉 妥結を選択


11月18日(水),第3回確定交渉をおこないました。47分会から82名(執行部を含む)が参加し,県教委からは鍵本教育長以下12名が出席しました。
冒頭,県人事委員会勧告について勧告通り実施との回答からスタートしました。内容は期末手当0.05月削減,2020年12月期で調整,月例給改定なしです。最終回は,豊田書記長を中心に項目を絞りながら県教委に対し要求の前進を迫り,5つの専門部も最終的には各部1つ程度の要求に絞り込み実現をもとめました。結果,項目としては多くの最終回答が出されました。
一定の前進回答があったものの大きく前進とはいきませんでしたが21時36分,高教組は妥結という選択をしました。詳しくは11月24日発行の高教組NEWS(速報)を参照ください。

〈特集〉教育長との一問一答


今年の教育長との一問一答は17:00から約1時間のやりとりとなりました。例年は14:00から始めており参加者は少なめでしたが,今年度は夕刻からとなったため多くの参加がある中での村田委員長との代表質問でした。村田委員長は,①新型コロナウィルス感染症への対応について,②教職員の働き方改革について,③「夢育」についての大きく3点について教育長の考えを質しました。
◆少人数学級には後ろ向きも1人1台端末は前のめり
教育長は,臨時休業については県に対して多くの意見やメールがあったが,あの時点ではやむをえなかったと述べました。また,コロナ感染に対応するためにも少人数学級をもとめる村田委員長に対し,教員は増やしたいが必ずしも少人数学級がいいとは考えていないとの認識を示し,この点では知事とも同意見である旨を述べました。少人数学級については全国知事会も国に要求しています。文科大臣も言及せざるをえない状況下でこの発言は再考を求める必要があります。
さらに,準備不足が様々な場面で露呈している1人1台端末導入について,一度立ち止まるよう促した村田委員長に対し,今でも導入は遅いくらいで一定の予算が見込めるこの期に進めると述べました。ただし,混乱は最小に抑えたいと発言し,「現場に負担をかけ申し訳ない」とも述べ,混乱が想定される中の導入との認識も示しました。
◆長時間過密労働解消の手立ては今まで通り
教職員の長時間過密労働問題については配布物やアンケートの減,e-learningの活用などの言及に止まり,今までの回答の域を出ないもので大胆な業務削減の話はありませんでした。今まで話題にならなかった県の税収について200億から300億の税収不足にもふれ,諸要求に応えることは難しいことを示唆しました。教育長は最後に自らが掲げる「夢育」について語り,今年度の代表質問を終えました。

参加者感想

・はじめて交渉に参加をさせていただきました。実際に参加して,改めて大きな労力と長い時間を使い私たちのために交渉してくださっていることに深く感謝をいたしました。私は約9年非常勤として務めていますが,賃金単価の引き上げ等,より良い労働条件を実現していただけて本当にありがたいです。この交渉で助かる先生方が多くおられると思います。
・初めて交渉に参加させていただきました。少数派の意見でも丁寧に考えて,交渉してくださっていることがよくわかりました。私たち教職員のために,多くの時間と労力を使ってくださりありがとうございました。交渉に参加して学校現場の課題が何かということも勉強させていただきました。

・先生はみんな頑張っています。頑張っていない先生はいません。特に若い先生は頑張っています。講師の先生方がせっかく経験して身につけたスキルを活かしてもらえるよう採用試験で講師経験を配慮してもらえるようにしてもらいたい。
・毎年思うことですが常任執行委員の先生方をはじめ教員の待遇改善に尽力されている姿を現場の先生方はどれだけ知っているのか疑問です。この姿を是非,組合に入っていない先生(特に若手)には知ってもらいたいといつも思っています。交渉を前進させるにはやはり数がとても重要なので,私ができることを現場でしていきたいと思いました。

・今年はコロナもあり不安な日々でしたが,組合の皆さんがいてくださるおかげで私たちのつらさも軽減される気がしました。非常勤の方のことや採用試験,家族休暇のことなど聞いてみてそうなのかと思うことばかりでした。周りの組合員の数も昔に比べると少なくなっていきさみしさを感じる中,やはり組合は必要だと感じました。今後も小さい力ですが携わっていけたらと思います。
・確定交渉にあまり参加したことがないが,今回交渉に参加してみて県からの回答を研修や辞令交付式等がオンラインでの開催を検討というのはある意味前進なのかなと思った。ただ,青年教職員を中心に,多忙化の解消については抜本的な改善策が提示されていないのは少し残念だと思った。


2020年度賃金確定交渉 (第1回・第2回)報告


■ 10月27日(火),2020年度1回目の確定交渉をおこないました。
新型コロナウィルスの影響で人事院勧告が大幅に遅れ,県人事委員会の勧告も出ていない中の異例な状況での交渉となりました。
高教組からは多忙な中,30分会44名(本部を含む),県教委からは平田教職員課長をはじめ計10名が参加しました。また,今回は一人一台端末導入問題に対する答弁のため,高校教育課から中塚振興班長も参加しました。
賃金部分の回答は,人事委員会勧告が出ていないため一切ありませんでした。高教組は豊田書記長を中心に,新型コロナウィルス対応により増加した業務負担への対応,長時間過密労働の解消や一人一台端末導入に関わり予想される問題,産育休や病休の代替教員の配置の問題など,県教委に回答をもとめました。
現場からも「情報端末を非課税世帯のみに貸与した場合,家庭の状況が周囲に分かってしまう」ことへの懸念,再任用教職員への諸手当がない問題,特に扶養手当がないことなども指摘されました。 いずれの問題に対しても,第1回交渉では前進回答はありませんでした。ただし,「1年単位の変形労働時間制」の条例制定問題では急がない旨の回答や,2020年度末より常勤講師の退職手当が「自己都合」扱いとならないなど前進回答もありました。
■ 11月4日(水),第2回確定交渉(専門部) をおこないました。
参加者は42分会61名(本部を含む)でした。県教委からは平田教職員課長以下計9名の参加でした。
毎年,第2回の交渉は5つの専門部交渉としています。今年度はこれらの交渉に加えて昨年度妥結に至らず導入となっている賃金リンクの「枠組み」のことについても話し合いの場を持ちました。
この日の交渉で特徴的だったのは養護教諭の現状の訴えと青年の訴えでした。新型コロナウィルス感染の終息が見えない中,学校のコロナ対応の最前線に立つ養護教員の不安と多忙,相談するところもない状況で素早い対応や決断が迫られる苦しい胸の内が訴えられました。
青年部からは,学校のICT化がすすむ中,詳しいかどうかに関係なく青年層に担当が割り振られる実態が訴えられ,県教委に改善をもとめました。県教委は一定の理解は示したものの今回での前進回答はありませんでした。
「枠組み」の部分では多くの教職員が月45時間以上の時間外業務に従事せざるを得ない現状にも関わらず,勤勉手当を本則適用とし,今までよりさらに差が広がり上位処遇者が減少する制度とすることは実態と逆行すると主張しました。制度の再検討はしないものの話し合いは継続していくことでは合意しています。よりよい制度としていくためには高教組の声を聞くことが必須です。
第3回での粘り強い交渉で,待遇の改善,安心して働き続けられる職場環境をもとめていきましょう。

参加者の感想

▶現場の教員の声が直接,県教委の方に届くというのは非常に有意義であると感じました。一人一台端末購入問題については問題解消に向けて県教委の方々には考えていただきたい。本校でも生徒が購入する端末と教員用の端末が異なるという点や教員によって活用する人,あまり活用しない人に分かれるのではという点,あるいは“端末を使うための授業”が展開されるのではないかという点など様々な懸念が生じています。情報端末導入を急ぐ状況を理解しますが,現場はそこまで急な導入は求めていません。
▶初めて確定交渉に参加しました。本部や各専門部の先生方の切実な願いや要求に強く心を打たれました。現在,問題視されている「教員の多忙化」「ハイリスクな職場環境」「メンタルヘルスの悪化」等々,心理的・身体的にも負担の大きな職業なので,地道に訴え,粘り強い交渉を継続していくことが必要だと感じました。

▶各専門部の方から要求,その背景としての現場の具体的な声を聞くことができて良かった。ICT関連(ギガスクール構想など)の急な変化に危機感を感じています。具体的なサポート,フォローがないまま形だけハードウェア先行しており,対応するだけの技術,時間的余裕が全く追いついていません。スマートボードは使える先生方だけが使って終わりでした。今回は各生徒負担が実際に発生します。買わしたのだから使いこなす授業をしっかりやれというのは乱暴な論理だと思います。ビルド&ビルドが相次ぎ,子どもたちの未来ためにというモチベーションもちょっと息切れ気味です。

▶「時間がなく忙しいのはみんな同じだから」「お金の問題ではない」といつも思って仕事をしてきたが,“やりがい”の一言で片づけられる時代ではなくなっていると感じます。体調を崩す同僚が何人もでたり,「やめたい」と新採2年目くらいの若い教員が泣いていたりするのを目の当たりにすると,自分はまだ頑張れるからいいなということではないと思います。心身健康で元気でなくては教職は務まりません。

2020年度 賃金確定交渉 に向けて

未曽有の事態の中で奮闘する
児童生徒・教職員を応援する教育条件を

書記長       豊田 佳香


 確定交渉日程 第1回10/27(火) 第2回11/4(水) 第3回11/18(水) 場所:おかやま西川原プラザ 打合せ 13:15~ 交 渉 14:00~ ※場所、時間は全回共通。 全教職員署名(ピンク)提出
コロナをめぐる新たな問題が噴出、いまこそ訴える力を
新型コロナウイルス感染症が学校現場を大きく揺り動かした今年、いよいよ確定交渉が始まります。 今年の冬、再び波は来るのか、来年度は収まっているのか、全く見通しが立たない中ではありますが、そんな今こそコロナ禍のもと感染予防やICT教育に尽力する私たちの処遇改善、児童・生徒の実態を出発点とした教育条件の改善をもとめ,要求運動を強めていきたいと考えています。 ■多忙が引きおこす様々な問題を明らかに 長時間過密労働に苦しむ学校現場の実態が,アンケートや勤務時間集計などで明らかになりました。人事院の勧告・報告でも、「仕事と家庭の両立」は重く位置付けられ、対策を強化することを強調していますが、両立を最も効果的にすすめるのは、多忙解消をおいて他にありません。私たちの声をさらに積み上げて、業務削減、人員増の必然性を確証あるものにしていくことが大切です。
■教育条件前進の可能性 今年度は、少人数学級の実現をもとめる大きな運動のうねりが全国規模で起こりました。きっかけはこのコロナ情勢かもしれませんが、30年にわたる「教育全国署名」などの私たちの運動の成果であり、それらが国民的欲求として位置付けられたことの証です。 今年は運動の要の時期を迎えています。私たち組合員だけでなく、周囲の先生方など多くの県民の声を集め、積年の願いを大きく前進させる契機とすることがもとめられています。
■知事選、投票日間近 10月25日は岡山県知事選挙投票日です。今後4年間の県の教育行政の方向性に大きく影響する選挙です。「感染症や災害に対応できる教育条件(少人数学級や、ゆとりある人員配置)」、「子どもたちや学校の実態に向き合い、だれひとり取り残さないゆたかな公教育を保障する教育施策」を重要視する候補者か否かを見極める必要があります。10月9日付速報にて、両候補者の公開質問状への回答を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。児童生徒に最も近い立場の私たち教職員が、一票を投じることは大きな意義を持ちます。ぜひ投票へ。
■仲間が増えれば声も大きく この度のコロナ禍は、すべての教職員に影響を与え、多くの人が負担増などの矛盾や困難に苦しんでいます。職場のみんなが願うことを、職場のみんなで訴えれば、その分影響力は強まります。ただいま、秋の組合組織拡大期間です。備前支部総会で、ある代議員が「とにかく気軽に声をかけている。意外だったのは『組合についてよく知らない。まずはどんなものか知りたい』との声があったこと」と発言しました。労働組合の意義について、うまく言葉にしにくいというご意見もよく伺います。今年は分会訪問の機会を使って、本部執行委員が直接、未組や若い組合員に組合の意義についてお話する機会をいただくことが増えています。お申し出があれば、個別訪問もいたします。様々なアプローチで、組合の魅力を伝えていきましょう。 今年度も全教職員署名(ピンク署名)にとりくんでいただいているところです。署名に「教職員の大多数の共通の願い」をこめて提出するために、まずは周辺への声掛けをお願いします。 コロナをめぐる新たな問題が噴出、いまこそ訴える力を 新型コロナウイルス感染症が学校現場を大きく揺り動かした今年、いよいよ確定交渉が始まります。 今年の冬、再び波は来るのか、来年度は収まっているのか、全く見通しが立たない中ではありますが、そんな今こそコロナ禍のもと感染予防やICT教育に尽力する私たちの処遇改善、児童・生徒の実態を出発点とした教育条件の改善をもとめ,要求運動を強めていきたいと考えています。
■多忙が引きおこす様々な問題を明らかに 長時間過密労働に苦しむ学校現場の実態が,アンケートや勤務時間集計などで明らかになりました。人事院の勧告・報告でも、「仕事と家庭の両立」は重く位置付けられ、対策を強化することを強調していますが、両立を最も効果的にすすめるのは、多忙解消をおいて他にありません。私たちの声をさらに積み上げて、業務削減、人員増の必然性を確証あるものにしていくことが大切です。
■教育条件前進の可能性 今年度は、少人数学級の実現をもとめる大きな運動のうねりが全国規模で起こりました。きっかけはこのコロナ情勢かもしれませんが、30年にわたる「教育全国署名」などの私たちの運動の成果であり、それらが国民的欲求として位置付けられたことの証です。 今年は運動の要の時期を迎えています。私たち組合員だけでなく、周囲の先生方など多くの県民の声を集め、積年の願いを大きく前進させる契機とすることがもとめられています。
■知事選、投票日間近 10月25日は岡山県知事選挙投票日です。今後4年間の県の教育行政の方向性に大きく影響する選挙です。「感染症や災害に対応できる教育条件(少人数学級や、ゆとりある人員配置)」、「子どもたちや学校の実態に向き合い、だれひとり取り残さないゆたかな公教育を保障する教育施策」を重要視する候補者か否かを見極める必要があります。10月9日付速報にて、両候補者の公開質問状への回答を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。児童生徒に最も近い立場の私たち教職員が、一票を投じることは大きな意義を持ちます。ぜひ投票へ。
■仲間が増えれば声も大きく この度のコロナ禍は、すべての教職員に影響を与え、多くの人が負担増などの矛盾や困難に苦しんでいます。職場のみんなが願うことを、職場のみんなで訴えれば、その分影響力は強まります。ただいま、秋の組合組織拡大期間です。備前支部総会で、ある代議員が「とにかく気軽に声をかけている。意外だったのは『組合についてよく知らない。まずはどんなものか知りたい』との声があったこと」と発言しました。労働組合の意義について、うまく言葉にしにくいというご意見もよく伺います。今年は分会訪問の機会を使って、本部執行委員が直接、未組や若い組合員に組合の意義についてお話する機会をいただくことが増えています。お申し出があれば、個別訪問もいたします。様々なアプローチで、組合の魅力を伝えていきましょう。 今年度も全教職員署名(ピンク署名)にとりくんでいただいているところです。署名に「教職員の大多数の共通の願い」をこめて提出するために、まずは周辺への声掛けをお願いします。

「空白の1日」問題解消,「枠組み」は継続交渉
2019年度賃金確定交渉終わる

■三上執行委員長,鍵本教育長と「代表質問」 三上執行委員長は,岡山県の教育が直面する様々な課題について教育長の考えを質しました。 普通科高校の将来について鍵本教育長は,普通科高校を「学び続けたい学校」として位置づけ,探求するという過程を通してこれからの時代に求められている力をつけていくことが重要だと答えました。この考えに三上委員長は賛同の意を示しつつ,それらの実現のためには予算と人員の拡充が不可欠であり,教職員の声に耳を傾けるようもとめました。 また,STEAM教育,Society5.0に対応していく上での課題について教育長は,AIにはできないような,人間の強みを生かせる人材育成が重要だと答えました。三上委員長は,それらの必要性を認めつつも,輸出大企業のための人材育成教育一辺倒の可能性があることを指摘しました。 また,共通テストの混乱にふれたところ,鍵本教育長は,「子どもたちのための議論であってほしい」と述べました。委員長は「岡山に限らず全国で困っている学校が当然多い。不安を払しょくすることでできることがあればぜひとも取り組んでいただきたい」と適切な対応をもとめました。 そのほか,会計年度任用職員制度導入,学校現場の多忙化,教職員配置,免許更新制度など,教育現場が直面する待ったなしの課題についてやりとりをおこないました。 ■1月末までに再度話し合いで交渉継続 ―「枠組み」交渉 第3回交渉冒頭,県教委は第2回交渉の高教組の指摘を踏まえた検討の結果として回答をおこないました。その中で,昇給については現在の経過措置である「最上位」と「上位」の昇給幅を同じとする形を3年間延長すると回答したものの,勤勉手当の「枠組み」については,「本則」を適用した差のつきやすい「枠組み」に執着し,高教組の意見を取り入れることはありませんでした。そのため,この度の交渉で決着せず,交渉継続をもとめたところ県教委が応じ,1月末までに交渉を持つことになりました。 交渉において,ひとりでも多くの教職員にとって処遇改善となる「枠組み」となるよう,もとめていく構えです。 ■前進面を評価し,本体要求では妥結 そのほか,長時間過密労働の問題,深刻な人手不足についてやりとりをおこないましたが,いずれも財政的な課題を理由に前進はありませんでした。しかし,「空白の1日」問題の解消,初任者研修日数削減,人勧の実施を約束するなどしたため,妥結としました。

「空白の1日」問題解消示唆するも前進回答なし
2019年度賃金確定交渉 


10月31日(木),高教組は2019年度1回目の確定交渉に臨みました。
高教組は32分会50名(本部含),県教委は平田教職員課長以下計8名が出席しました。 高教組の重点要求に対し,県教委は県人勧の通りに月例給・一時金の改定をおこなうと回答しました。
高教組は,今回の月例給引き上げは中堅以上のベテラン層には一切反映されないこと,一時金の引き上げは再任用職員が除外である点については大いに問題があると指摘し,これらの是正を強くもとめました。
臨時教職員について県教委は、常勤講師の「空白の1日」問題解消に向けての検討を示唆するなど,高教組による積年の要求に応える姿勢を見せる一方で,会計年度任用職員制度導入目前にもかかわらず,非常勤講師等の賃金単価の具体は未だに示されませんでした。
また,長時間過密労働解消については,新たに45時間以上の時間外業務を把握するとしたものの,持ち帰り仕事時間は対象とはせず,多忙解消が劇的に解決できるような抜本的な手立ては述べられませんでした。
11月7日(木),専門部要求を中心とした第2回確定交渉及び「賃金リンク」に関わっての「枠組み」交渉に臨みました。県教委による冒頭回答では前進回答と呼べるものは極めて乏しく,各専門部が第3回目の最終回答での前進回答をもとめました。専門部交渉後におこなわれた「枠組み」交渉では,現行よりも処遇反映に差のつく運用に執着する県教委と,処遇反映対象者を広げ,差のつきにくい運用をもとめる高教組の意見は,最後までかみあうことはありませんでした。
11月18日(月)に第3回の交渉をおこないます。現場の声を届ける貴重な機会として,全教職員署名(ピンク署名)の最後までの集約と,第3回交渉への組合員の参加を強く呼びかけます。

【県教委は、真摯に私たちの声に耳を傾けてほしい
-2019年度 岡山高教組 第1・2回確定交渉 参加者感想-

勤務条件改善を勝ち取るために団結することが必要
?非常勤については,勤務校が複数でしかも同じ日に長距離の移動を伴うような働きかたをしている場合も少なくない。実態を把握した上で,実態に応じた柔軟な制度設計・改善が必要であるのに「他の職種と同じ」となっている。?再任用教諭の待遇について,民間・行政との比較等々,言い訳があったが,そもそも我々は専門職であり,一般の職種と比較すること自体に問題がある。?代員がいない大きな理由はやはり免許更新制によるところが大きい。大学で共に学んだが教職に就かなかった友だちは更新をまったく受けていなかった。子育てを終え,必要な層だと思うのに。更新制の見直しをもとめます。?根本的な問題はもっと別のところにあるのではないかと思えてきた。そのことで暗くなるのではなく,1日1日を前向きに取り組んでいこうと思いました。
多忙解消なしにゆとりある教育の実現は不可能
?残業80時間オーバーの現状に対して,45時間以下の目標,普通に考えて,人員を倍にして今の業務内容にするか,人員を倍にできないなら,人を少しでも増やしながら,業務削減しかないように思います。それができないなら,給料を大幅に増やしてほしい。?今,放課後の職員室はやっとできる教材研究,保護者や生徒への連絡,各々の仕事に追われざるを得ない先生方ばかりで声をかけるのも遠慮される空気…。教員が互いに支援し合えない,支援しづらい学校現場では子どもの不登校増加は「さもありなん」それぞれの強みも弱さも生かして元気に楽しく生徒の前に立ちたいものです。
県教委の「枠組み」に批判噴出
?「枠組み」を本則に寄せようとする意味がわからない。県教委はその説明すらできない!絶対に阻止しないといけないと思いました。?(「枠組み」県教委案の)24万の差ってなんですか…。今まで教員として働いてきて,お金のことで他の先生方を素直に見れない。これからもっともっと差が広がり,先生のまっすぐな心がお金で歪んでいく…とても辛いです。?「賃金リンク」賛成の意見には,仕事の多い少ないという負担の差によるものが大きいように感じます。際限ない超勤をなんとかしてほしいという「叫び」です。?与えられた仕事を年度問わずやってきました。今日24万の差が出ると聞いてびっくりしました。知らない人も多くいると思うし,このシステムの怖さを初めて知りました。

集まって元気,いっしょに要求実現を。
?初めて参加しました。執行部の先生方の準備のすごさ,参加されている方の熱い思いなど,とても嬉しく,元気とやる気が出ました。このような交渉を毎年毎年して下さっているおかげで,少しずつ環境がよくなっているのですね。?自分が知らなかった問題が十年以上もたなざらしになっているような現状がわかり,なくてはならない場だと強く感じました。

現場で奮闘するすべての教職員に処遇反映できる「枠組み」を!
教育現場に「静かな分断」を持ち込ませないために
差をより小さく、対象者をより多く!

10月10日,高教組は,来年度以降の評価結果の処遇反映内容を決める「枠組み」交渉を県教委とおこないました。
県教委は村木教育次長以下計8名が出席しました。
冒頭,三上委員長は,現行よりも対象者を減らし,かつ差がつきやすい「枠組み」は避けるべきだと訴えました。また,処遇反映内容を決める重大な勤務条件の変更にもかかわらず,提示方法が文書でなく口頭である今回の県教委のすすめかたは丁寧さに欠けるのではないかと不満を示しました。
高教組は事前に県教委に提出していた要求書の内容を中心にやりとりをおこないました。やりとりの中で,昇給への処遇反映の廃止,少なくとも現行の「枠組み」の維持をもとめました。
県教委はこれらの要求に対し,具体的な案は今後の組合との交渉を踏まえて検討する,としながらも,現在より差のつきやすい本則に近づける「枠組み」を念頭に置いた答弁に終始しました。
勤勉手当に対する処遇反映について県教委は,現行では同一としている最上位区分と上位区分の成績率に差をつけ,対象者の割合を減らす案,また現行の1回の評価で6月・12月の両方に反映する形を,6月と12月の処遇反映者を別にできる案を提示しました。これに対して高教組は,今以上に差が開き,対象者が減る「枠組み」の運用は容認できないと訴えました。また,6月期と12月期の処遇反映者が増加することは一定程度評価しつつも,依然として6月と12月の両方で処遇反映される人が生まれる県教委の案では,差がつきやすい「枠組み」であることに変わりはないと指摘し,6月と12月の対象者を完全に分離する運用をもとめました。
そのほか,県教委自身も認識している高い評価を受ける職種に偏りがあること,特定のひとが高い評価を受け続けていることについて高教組が指摘しましたが,具体的な是正案はありませんでした。
また,特定の人が高い評価を受け続けていることは本制度が目標としている資質向上が一部の人に偏っていることを示しているものだと指摘し,すべての教職員が資質向上していく制度運用をもとめました。 今交渉のやりとりを受け,県教委は確定交渉の場で来年度の具体的な枠組みを示す見通しです。

2019年度賃金確定交渉にむけて 書記長 豊田佳香
すべての教職員がいきいきと 健康に働ける教育現場に

いよいよ対県教委確定交渉(第1回10月31日(木)、第2回11月7日(木)、11月18日(月)、いずれも13時30分開始)が始まります。教職員の待遇改善と教育条件整備の前進を勝ち取る大切な機会です。
■長時間労働の是正が急務…と言いつついまだ実効策なし 今年度は県教委の重点事業「働き方改革プラン」3年目です。昨年度11月に本格導入された業務管理システム(ミライム)の集計結果を見ると、18年1月から3月までの時間外業務100時間以上・2か月平均80時間以上の合計人数は、県立学校では全県で月当たり100名前後(前年度比)増加しています。7月に発表された18年度の勤務実態調査も、目標の時間外業務25%減には届かない結果となっており、「プラン」仕上げの年であるにもかかわらず、大きな改善には至っていません。教職員の意識変革頼みや、「夏季閉庁日・定時退庁日の設定」、「電話音声ガイダンスへの切り替え」程度の「工夫」レベルを超えない方策では、抜本的な解決は望めないことは高教組が指摘してきた通りです。中教審の指摘通り、長時間労働の問題は個々の教職員の努力で解決できるものではなく、教育委員会や管理職の責任のもと、一刻も早く有効な施策を実施するべきです。
■変形労働時間制は業務量軽減にはならない この状況のなか、政府は法改正をおこない変形労働時間制の導入を可能にしていく方針です。学期中の勤務時間を増やし、長期休暇中にその分減らすというこの制度は、すでに導入済みの国立学校では結局「時間外勤務隠し」にしかなっていない、という実態も報告されています。業務削減や人員増といった本質的な解決策から目をそらせる「ごまかし」方策を、成立させないよう要求していく必要があります。
■人員確保には、条件改善が必須 あいかわらず教育に穴が空いています。今年度に入ってからも「年度当初から把握していた産育休者の代員が、2学期になっても確保できていない」「管理職から病気休職を思いとどまるように言われる」など看過できない実態が報告されています。過酷な労働条件の下、職場を去る非正規教職員も後を絶ちません。この多忙、この貧しい労働条件を改善しないまま、ますます学校は疲弊し教育は貧弱になっていく道を岡山県はたどるつもりでしょうか。
■すべての職種・世代にとって、賃金引き上げは重要 来年度から施行の会計年度任用職員制度(非常勤講師はこの制度が適用)設計最終年度の今年は、非常勤講師の勤務条件改善の正念場です。時間報酬単価2,660円を切り下げることのないように要求していきます。 常勤講師についても、他県では続々と「空白の一日」問題(3月31日が勤務日とされず、給与にマイナスの影響をもたらす)が解消され、10万円以上の賃金引き上げが実現しています。岡山県もよい例にはならい、「同一労働同一賃金」の理念の下、非正規教職員の労働条件改善を実現させなければなりません。 同様の課題は再任用職員に関しても当てはまります。現役時代と変わらない業務に携わっているにもかかわらず、賃金は「6割」の待遇、扶養手当も支給なしです。これでは、若い世代も明るい未来の展望を持つことができません。 同じように働いている仲間の処遇に違いがあるという矛盾と不合理を改めさせる必要があります。確定交渉では、勤務条件や賃金改善がすべての職種・世代の教職員の労苦に報い、生活実態を踏まえたものになるよう要望していきます。
■多くの教職員の願いを、多くの教職員の声と力で実現させよう 私たちの訴えの影響力を大きくするには、多くの人々の願いを反映した要求であることを示す必要があります。仲間を増やす大切さの根拠は、ここにもあります。 高教組は創立以来、教育労働者の生活と権利を守り労働条件を改善させること、子どもたちが安心して学び成長できる学校教育の実現など、大切な運動を継続してきました。確定交渉は、その核になるもののひとつです。交渉では現場の方々の切実なねがいを訴える声が、要求を前進させる力となります。未組合員を含め、まだ経験していない方も誘ってぜひご参加ください。

県人事委員会へ待遇改善を要請 
-3/26 県人事委員会要請-

3月26日(火),岡山高教組は,本部役員3名と執行委員3名の6名で,岡山県人事委員会を訪れ,要請行動をおこないました。
まず賃金・手当の分野について,この間の民間の春闘の動きが鈍いことを話題にすると,人事委員会は「楽観はできない」との見解を示しつつも,西日本豪雨による県内企業への賃金に関する影響は小さいとの考えを示しました。
高教組は,秋に予定されている消費税増税の影響を考慮しても,秋での大幅賃上げ勧告をもとめました。 また,定年延長について,新たに作られる制度が現在の再任用制度の「焼き直し」になってはならないと訴えました。
これに対して人事委員会は,制度設計にあたっては,同一労働・同一賃金,モチベーション維持の観点も重要であるとの考えを示しました。
「賃金リンク」に関して,高教組実施のアンケートで「資質向上・職場の活性化につながっているか」という問いに否定的な意見が占めていることにふれ,「現場は制度としてやることになってしまったから仕方なくやっている」と訴え,この制度のために職場全体が忙しくなっているとも訴えました。
これに対して人事委員会は,「運用がどうなのかと思うところはある」と述べ,とりわけ行政職と異なる学校現場独特の評価の方法について疑問を呈しました。高教組は,今年度は「枠組み」交渉のタイミングであり,現在より対象者が多くなる枠組みをもとめていく考えを示しました。
長時間過密労働解消について,現在の学校現場の異常な多忙な状況を考えると,生徒が教職を希望しても自信をもって勧められなくなっている苦悩や,保護者も将来の職業として教職を敬遠させる傾向が強まっていることが執行委員から訴えられました。人事委員会は,秋に行う勧告・報告において,ここ数年強い表現で多忙解消に向けて県教委にはたらきかけてきたと話し,「書き尽くした感がある」とも述べました。高教組は,県教委には今まで以上に強くはたらきかけをもとめ,要請を終えました。

真備陵南高校分会へ訪問 
~地域とのつながり感じて~

分会を通じて県内教職員のみなさんから高教組に寄せられた救援カンパの一部を、倉敷まきび支援学校、真備陵南高校の各分会に贈呈することとなりました。
1月18日(金)、真備陵南高校分会にて救援カンパをお渡ししました。川嶋分会長、田村評議員、芦田備中支部執行委員の3名が対応し、学校の現在の様子などを報告してくださいました。
校舎の2階以上は使用可能であるものの職員室や特別教室などは現在もプレハブ校舎です。完全復旧での新年度スタートは現時点では不透明で、当面は3月に卒業式会場となる体育館の復旧が急がれているという状況です。他にも、先週調理室が復旧し実習が再開できたことが喜ばしいが、それまでの準備作業に多くの労苦があったこと、農場などの実習も不十分な設備のまま実習がおこなわれていること、被災当初の混乱の中も職場内の連携のおかげで様々な困難を乗り越えられたことなどが報告されました。
 分会の声 ~生徒たちの今~
生徒たちは2学期よりも落ち着いてきている。被災した生徒も多いが、乗り越えていくための力が備わりつつあり、強くなった。
全国からの支援、特に被災地の高校生からの支援に強い感銘をうけ、「全国のみなさんに助けてもらっている」という実感を持っている。
また、被災したことによって周囲の人たちとの関連性を重視できるようになり、学校が立派に復旧することで地域にも良い影響を与えるとわかったようだ。
多くの生徒たちが地域の中での役割を意識し、「地域の人に元気を届ける」ことが使命と感じている。
生徒会活動だけでなく、様々な形で地域の行事やボランティアに出かけるなど、被災前までは考えられなかったより積極的にとりくむ様子がみられる。

全国からの義援金、学校や生徒のために使って
-全教から県教委、倉敷市教委へ義援金贈呈-

10月5日(金),我々岡山高教組も所属する全日本教職員組合(以下全教)は,7月豪雨災害に対する義援金を倉敷市教委と県教委にそれぞれ贈呈しました。
義援金贈呈と懇談には,全教から米田中央副委員長と阿部中央執行委員が来岡し,岡山からは三上執行委員長と教職員の会から代表として大谷さんが参加しました。
倉敷市教委では,井上教育長をはじめ川原教育次長,加藤参事,渡邊学校教育部長他計6名が対応しました。
冒頭,米田中央副委員長から,この義援金は全教傘下の全国の教職員組合に呼びかけて募った義援金であり,学校,生徒・児童のために使ってほしいと伝えました。倉敷市教委からは,感謝状のほか,倉敷の小学校・中学校・特別支援学校の児童・生徒の絵画と英語解説による倉敷市を紹介するパンフと漫画による倉敷の紹介本もいただきました。
懇談の中で触れられた,倉敷市内の教員が校務として学校や地区へ被災者支援活動等にあたったことについて,事故の際に校務災害が適用できる反面,先生方の自主的な参加ではない分,不慣れな作業等でとまどいもあったのではと感じました。
岡山県教委では,佐藤倉敷まきび支援学校校長,小林教職員課副課長他計4名が対応しました。義援金贈呈後の懇談の中で,佐藤校長が被災した倉敷まきび支援学校について触れ,校舎を外から見ると水害のダメージは少ないように見えるが,中は1階が完全に浸水し,完全復旧までにはまだまだ時間が必要とのことでした。 学校や生徒・児童はもとより,真備地区をはじめ,今回の被災された地域の早期の復興を願うとともに私たちができることに引きつづきとりくむ決意を新たにし,両教委訪問を終えました。

岡山県内各地を襲った豪雨災害
支援の輪をひろげよう

学校や生徒、教職員の生活に甚大な被害


7月5日夕刻から西日本を襲った記録的な集中豪雨により、岡山県内外各地において甚大な被害が発生し、学校や生徒、教職員の生活に大きな影響を与えました。まきび支援学校、真備陵南高校は2階まで浸水し、この間敷地内の泥出しや、被災生徒への対応に追われ、2学期からの再開の見通しも立たない状況にあります。7月21日現在で、組合員の被害は口頭によるものを含め22件にのぼり、床上・床下浸水や、通勤の足である自家用車の被害などが多く報告されています。

7月9日からの1週間は、高梁城南高校、総社南高校、岡山御津高校など複数の学校で、「教職員は校舎や敷地内の土砂の撤去や消毒作業に従事、生徒は自宅待機」といった状況が続いたようです。
岡山高教組は全分会に7月10日、FAXにて組合員の被災状況調査と救援ボランティア登録の呼びかけ、7月13日の発送で支援カンパの呼びかけを実施しています。8月以降もボランティアの要請を受け付けています。被災状況報告済みであっても、作業支援が新たに必要になった場合は、遠慮なく本部事務局にお知らせください。ボランティアや見舞金の支給は、被災状況の調査に基づいて支援を行っていきますので、今からでもぜひ、ご報告をお願いします。
 また、高教組組合員の災害支援活動のための物資(ゴーグル、防塵マスク、ゴム手袋など)を準備しました。高教組の呼びかけによるボランティア以外の活動に参加する場合でも支給しますので、必要な場合は本部にご連絡ください。

県教委に緊急要請


この度の豪雨災害で、県内の高等学校・支援学校で甚大な被害が発生したことをうけ、7月19日、岡山高教組は、県教育委員会宛てに要請書を提出しました。「被害の全容把握と復旧計画策定を早急に行うこと、救済に全力をあげる立場で、各学校の要望に応え、様々な支援を迅速に行うこと、教職員やその親族が被災した場合や、復旧作業に携わる教職員に対しては十分な配慮を行うことなどを要請しました。県教委は、迅速な状況把握に努めていることや、緊急の対応として、教職員免許更新講習修了確認期限を延長すること、教職員の親族の住居復旧作業等に従事する場合も職専免を適用できるよう各学校へ通知したと回答しました。