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お話15・・・師匠と裏切り者

07年10月12日****その壱

かつて私には仕事上2人の師匠がいました。その師匠Aの話で敬称略でいきます。

Aは島では名門の家の当主で戦後のGHQの悪行の一つ

”農地改革”の被害にあったにもかかわらず、まだ多くの土地を所有していて

事業家でもあり、且つ 地元の盟主でもありました。

(この農地改革で小作をしてまだ日が浅いにもかかわらずタダ同然で大きな土地を

手に入れた人たち・・・はっきり言ってドロボーです)

ある時 親戚の若夫婦BとCが岡山付近で店を開きたいので支援して欲しいと

Aのところに頼みに来ました。Aは昔かたぎの人情派で快く引き受けました。

おそらくB・Cはそこにつけ込んだのでしょう。

Aは友人Dのところに行き、新規事業でお金を貸して欲しいと頼みました。

Dは二つ返事でタンスの引き出しから現在の換算で数億円の現金を出し

Aに言いました。”借用書は要らん、お前じゃから信用しよう”・・・と。

あたりまえですが、こんな友人は私にはいません。

そしてAはB・Cに資金を提供、店をオープンさせました。

Aは尾道で自分の業務を終えてから125CCのバイクで岡山まで行き

店の経理(帳面)をして夜中にバイクで尾道まで帰っていました。

当時は高速やバイパスはありませんし、国道2号線も舗装されて

いなかったでしょうから疲れた体で道中大変だったと思います。

私はバイクに32年間乗っていますから、その辺のところ分かります。

やがて店の経営は軌道に乗りAは”やれやれ・・・”と安堵したことでしょう。

そんな折、B・CはAに言いました、”もう来てもらわなくて結構です”・・・と。

そうです、用済み・お払い箱です。

しかしAは静かに引きました・・・何故?それがAという人物なのです。

細かい事は色々あったでしょうし、B・Cにも言い分はあったでしょうし・・・。

07年10月17日****その弐

”師匠と裏切り者”・・・何かマカロニウエスタンの題名になりそうです。

昔モンゴメリー・ウッド(ジュリアーノ・ジェンマ)主演のマカロニ映画で

凄腕ガンマンの弟子になったものの最後には師匠の悪行が許せず

裏切ってしまうという作品がありました。

さて、師匠Bの話です。Bは若い頃

知り合いの会社を手伝いに職人として働いていました。

希少な職人で、さぞかし重宝がられたことでしょう。

ところが時が流れ経営者の長男が成人し会社を継ぐことが決まった途端に

経営者夫婦はBに対し陰湿なイジメをするようになりました。

番茶に毒でも入れそうな雰囲気だったそうです。仕方なくBは退社を決断、

夫婦揃って ”いままでお世話になりました”ときちんと挨拶に行きました。

私は何年か前に所用でその会社の前を通ったのですが、ビックリしました。

ボロボロの空き家になっていました。聞けば倒産したとか・・・。

”ああ、これぞ天罰”と思いました。

私がその会社の経営者なら事情を言って腹を割って話をしますが・・・。

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