逆転現象の色々

これでもあなたは「一次判定ソフト」を信じますか

 一次判定の欠陥や問題点を知るには一次判定の模擬テスト(シミュレーション)をやってみることをお薦めします。
 ただ概念的に「一次判定はおかしい」と言うだけでは、厚生省の言うように「このソフトは痴呆や問題行動が低く出ている事だけが問題であり、これは再調査をしたり調査員を変えることで改善できる」と言う言い訳を信じてしまうことになります。

 このソフトは勿論痴呆や問題行動は、ほとんど考慮されていない大きな欠陥があると同時に、それ以外の項目でも説明不明の逆転現象があちこちに見られ、一次判定結果に大きな影響を与えているからです。この問題に早くから取り組んでこられたDRハッシーのホームページにはすでに多くの指摘がされています。
 今回はこの中の例を少し分かりやすくまとめてみたのでご紹介します。

厚生省が定めた「状態像」の中の例を取り上げ、逆転現象を実感して貰います。
原則として
調査項目を2つまで変更したときの逆転で、現実にありうる逆転に限りました。
また、要支援・要介護1では身体障害が軽度で、痴呆・問題行動が悪化したときのシミュレーションも行っていますが、一次判定は申請者にとって散々な結果になっています。
今回は各状態像の中の1例のみを取り上げましたが、その他の例でもたくさんの逆転現象が報告されていますので、興味のある方は
DRハッシーのホームページ・逆転現象をご覧下さい。
「状態像」とは要支援から要介護5までの6段階介護度での10例ずつ集めた典型例とされており、認定審査会ではこの状態像のどれに近いかで二次判定を行う事にもなります。
ただ各介護度で10例しかありませんので、どの状態像にも当てはまらない症例は幾らでもあります。痴呆や問題行動の多く見られる状態像はありません。

 要支援 例6 の 逆転とその他の逆転例

 要介護1 例7の逆転とその他の逆転例

 要介護3 例2の逆転

 要介護5 例5の逆転

                       平成12年3月20日 吉岡春紀


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