厚生省状態像 「要支援の例6」

解説
 2段目のピンクの背景の要支援のこの例は身体障害は麻痺・拘縮はなく例えば腰痛・関節痛などで歩行や
 立ち上がりに支えが必要になった状態で、そのほかには身の回りに少し介助がいる状態です。
 この例での逆転を見てみますと、例えば3.居室の掃除が出来なくなり全介助視力が落ち目の前のものが
 やっと見える
の悪化の項目にチェックが入りますと、基準介護時間は24分となり「自立・非該当」になります。
 一方、症状を軽くしての逆転は、有名な逆転の項目両足での立位できるにし、立ち上がりできるにして
 も基準介護時間は31分となって、「要介護1」となります。
 要支援の例6では、たった2項目の変更、それも状態が重くなったら自立、軽くなったな要介護1となる
 逆転があります。
 また、この要支援例に、痴呆や問題行動が起こったらどうなるのかが痴呆の段です。
 意志疎通の項目全てできないとし、問題行動も危険な行動を4項目追加してみましたが、基準介護時間は25分
 のままで、一次判定結果は「要支援」のままでした。
 これでは何のために痴呆・問題行動の項目を調査したのか全く意味のない結果になっています。
  

調査項目

逆転自立
要支援 例6
逆転要介護1
痴呆

第2群

1.寝返り

(移動)

2.起き上がり

3.両足での座位

4.両足つかない座位

5.両足での立位

支えが必要
支えが必要
できる
支えが必要

6.歩行

つかまれば可
つかまれば可
つかまれば可
つかまれば可

7.移乗

第3群

1.立ち上がり

つかまれば可
つかまれば可
できる
つかまれば可

(複雑動作)

2.片足での立位

支えが必要
支えが必要
支えが必要
支えが必要

3.浴槽の出入り

4.洗身

一部介助
一部介助
一部介助
一部介助

第5群

1.ア.口腔清浄

(身の回り)

イ.洗顔

ウ.整髪

エ.つめ切り

2.ア.ボタンかけ

イ.上衣の着脱

ウ.ズボンの着脱

エ.靴下の着脱

3.居室の掃除

全介助
一部介助
一部介助
一部介助

4.薬の内服

5.金銭の管理

一部介助
一部介助
一部介助
一部介助

6.ひどい物忘れ

7.周囲への無関心

第6群

1.視力

目の前が見える

(意志疎通)

2.聴力

やっと聞こえる
やっと聞こえる
やっと聞こえる
やっと聞こえる

3.意思の伝達

できない

4.指示への反応

できない

5.ア.毎日の日課理解

できない

イ.生年月日をいう

できない

ウ.短期記憶

できない

エ.自分の名前をいう

できない

オ.今の季節を理解

できない

カ.場所の理解

できない

第7群

ケ.介護に抵抗

ある

(問題行動)

コ.常時の徘徊

ある

シ.外出して戻れない

ある

ソ.火の不始末

ある

基準介護時間
24分
25分
31分
25分

一次判定結果
自立
要支援
要介護1
要支援

その他の要支援例
その他、「要支援」には例1・例7・例9で 
5.両足での立位保持が
「できる」になったら「要介護1」へ逆転する例があります。
.両足での立位保持単独でも、金銭管理、居室の掃除、食事摂取などが「できる」との併用でも
「要介護1」となります。
厚生省のお薦めの状態像でも、こんな逆転が起こるのです。

例1
例6
例7
例9

4.両足つかない座位

第2群

5.両足での立位保持

支えが必要
支えが必要
支えが必要
支えが必要

(移動)

6.歩行

つかまれば可
つかまれば可
つかまれば可
つかまれば可

7.移乗

第3群

1.立ち上がり

つかまれば可

(複雑動作)

2.片足での立位

支えが必要
支えが必要
できない
できない

3.浴槽の出入り

4.洗身

一部介助

第4群

7.食事摂取

見守りが必要

第5群

1.ア.口腔清浄

(身の回り)

イ.洗顔

ウ.整髪

エ.つめ切り

全介助

3.居室の掃除

全介助
一部介助
全介助

4.薬の内服

一部介助
一部介助

5.金銭の管理

一部介助
一部介助
全介助
一部介助

6.ひどい物忘れ

ときどきある

7.周囲への無関心

第6群

1.視力

ほとんど見えない

(意志疎通)

2.聴力

やっと聞こえる
大声が聞こえる

3.意思の伝達

要介護認定基準時間
28分
25分
27分
28分


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