厚生省状態像 「要介護1 例7」

解説

 要介護1の例7は片麻痺・拘縮がありますが、基本的には要支援例に近い状態で移動・複雑動作に少し
 介助が必要な状態です。背景がピンクの段です。
 この例にも2項目のチェックでの逆転があります。
 左片麻痺と一緒に少し
右の下肢の筋力低下があり、麻痺ありとされ、要支援でも出てきた両足での立位保持
 
支えが必要になったときには、基準介護時間は41分から28分となって、一次判定は「要支援」とダウン
 し介護度の逆転が起こりました。
 一方、
歩行つかまれば可からできるに、浴槽の出入り一部介助からできるに改善したとしたら、
 基準介護時間は50分となって、「要介護2」となり、状態は良くなったにもかかわらず一次判定は1ランク
 悪くなりました。。
 要支援の例と同じく痴呆・問題行動をこの例でも追加してみました。
 
意志の疎通全く出来ない問題行動は全て危険な6項目も追加してみましたが、基準介護時間は35分で、
「要介護1」のままでした。むしろ基準介護時間は痴呆・問題行動のない41分から35分と減っています。
 デタラメな判定基準だといえます。
 説明できる担当者がおられたら、是非解説や弁明を聞きたいと思っています。

調査項目

軽度に逆転
要介護1例7
重度に逆転
痴呆

第1群

1.麻痺 左-上肢

ある
ある
ある
ある

(麻痺拘縮)

右-上肢

左-下肢

ある
ある
ある
ある

右-下肢

ある

その他

2.拘縮 肩関節

ある
ある
ある
ある

肘関節

股関節

膝関節

ある
ある
ある
ある

足関節

その他

第2群

1.寝返り

(移動)

2.起き上がり

3.両足での座位

4.両足つかない座位

自分の支えで可
自分の支えで可
自分の支えで可
自分の支えで可

5.両足での立位

支えが必要

6.歩行

つかまれば可
つかまれば可
できる
つかまれば可

7.移乗

第3群

1.立ち上がり

つかまれば可
つかまれば可
つかまれば可
つかまれば可

(複雑動作)

2.片足での立位

支えが必要
支えが必要
支えが必要
支えが必要

3.浴槽の出入り

一部介助
一部介助
できる
一部介助

4.洗身

一部介助
一部介助
一部介助
一部介助

第5群

2.ア.ボタンかけ

(身の回り)

イ.上衣の着脱

ウ.ズボンの着脱

エ.靴下の着脱

3.居室の掃除

一部介助
一部介助
一部介助
一部介助

4.薬の内服

一部介助

5.金銭の管理

一部介助

6.ひどい物忘れ

ある

7.周囲への無関心

ある

第6群

1.視力

(意志疎通)

2.聴力

3.意思の伝達

できない

4.指示への反応

できない

5.ア.毎日の日課理解

できない

イ.生年月日をいう

できない

ウ.短期記憶

できない

エ.自分の名前をいう

できない

オ.今の季節を理解

できない

カ.場所の理解

できない

第7群

オ.昼夜逆転

ある

(問題行動)

カ.暴言暴行

ある

ケ.介護に抵抗

ある

コ.常時の徘徊

ある

シ.外出して戻れない

ある

ソ.火の不始末

ある

認定基準介護時間
28分
41分
50分
36分

一次判定結果
要支援
要介護1
要介護2
要介護1

「要介護1」のその他の逆転

「要介護1」のその他の逆転は例8・例10にもあります。
この例に、
麻痺が1カ所増え、両足での立位保持が悪化すれば「要支援」に逆転。
逆に
浴槽の出入り「一部介助」から「できる」になれば「要介護2」になります。
是非いろんな組み合わせを楽しんで、呆気にとられて下さい。

例8
例7
例10

第1群

1.麻痺 左-上肢

ある
ある

(麻痺拘縮)

右-上肢

ある

左-下肢

ある
ある

右-下肢

ある

その他

2.拘縮 肩関節

ある

肘関節

ある

股関節

膝関節

ある

足関節

第2群

1.寝返り

つかまれば可

つかまれば可

(移動)

2.起き上がり

つかまれば可

つかまれば可

3.両足での座位

自分の支えで可

4.両足つかない座位

自分の支えで可
自分の支えで可
支えが必要

5.両足での立位

6.歩行

つかまれば可
つかまれば可

7.移乗

第3群

1.立ち上がり

つかまれば可
つかまれば可
つかまれば可

(複雑動作)

2.片足での立位

支えが必要
支えが必要
できない

3.浴槽の出入り

一部介助
一部介助
一部介助

4.洗身

一部介助
一部介助

第4群

2.片手胸元持ち上げ

(特別介護)

3.嚥下

見守りが必要

第5群

エ.つめ切り

全介助

(身の回り)

2.ア.ボタンかけ

イ.上衣の着脱

一部介助

ウ.ズボンの着脱

エ.靴下の着脱

3.居室の掃除

一部介助
一部介助
一部介助

4.薬の内服

要介護認定基準時間
41分
41分
41分


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