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支えあい、助けあい、高めあう。岡山高教組

大会・評議員会conference

2023年度

6月10日 第81回定期大会 開催

◆互いのしんどさを語り、聞き合う 組合のあたたかさあふれる定期大会

6月10日(土)、第81回定期大会が4年ぶりに1日日程で開催されました。代議員数はのべ96名(うちオンライン20)、執行委員等を合わせると108名が参加し、あたたかく活気のある大会になりました。来賓として、全教から波岡知朗中央執行副委員長、県労会議から西崎直人議長、顧問弁護士の則武透さんをお迎えし、ごあいさつをいただきました。

◆目が離せない「給与制度のアップデート」

村田委員長は、給特法の見直しの中で、残業代の支給については現場の先生方からも様々な懸念が出されているが「4%で定額働かせ放題」と言われる現行の給特法体制に、持続可能性はない。運動を強めていこうと呼びかけました。
人事院は「給与制度のアップデート」と称して、定年までの賃金カーブをなだらかにするとしているが、現在の賃金のピークが抑制されるようなことがあってはならないと訴えました。
〔写真は挨拶する村田委員長〕

◆今がチャンス!

則武弁護士からは、労働基準法第37条に則って教員にも残業代を支払うよう求めるべきだとの提案がありました。フィンランドの教員は4時に帰る。それでも教育水準は高い。学校は問題を抱え込みがちだが、広く外に問いかけていくことが大切で、今、この働き方を変えていくチャンスだと、あいさつをいただきました。

◆「再任用はせめて定年引上げと同水準に」烏城分会からの修正案可決

今年度の活動方針等の提案を受けて、烏城分会から再任用の待遇改善方針を補強する修正案が提出され、可決されました。
〔写真は提案する川野書記長〕





少人数でのグループ討議の後、各グループから様々に発言がありました。
・再任用職員は定年延長の職員よりもさらに低い待遇になっているのは解消を!
・ICT、得意な人は機器管理や教える側としての負担を負わされ、苦手な人は忙しそうな同僚にたずねることの心苦しさを感じている。
・1人1台端末は公費で用意してほしい。
・教員でなくてもできる仕事は外注してほしい。
・修学旅行の入場料自己負担はおかしい。
・部活動の引率で多額の立て替え払いは大変。







◆数字でなく生徒が主役

竹内副委員長は閉会あいさつで、統廃合問題に触れ、80人を切ったからといって、そこにいる70人の生徒にとっては必要で大切な学校。それを数字で切り捨ててはいけないと訴えました。
〔写真は閉会挨拶する竹内副委員長〕




第81回 定期大会 参加者感想


▶自分たちの労働環境について理解し、「駄目なものは駄目」と声を上げることはやはり大切。組合の意義もそこにあると再認識しました。【金田 徹さん/勝山】
▶4年ぶりのリアル開催に参加し、多くの組合員にお会いすることができて、やはり直接に顔を合わせることの大切さに気づくことができました。【水野 淑子さん/玉野商工】
▶久しぶりに会う先生もおられ、知己との交流を深められたことは、また明日から働こうという意欲になった。
▶定年を引き上げるより、若い人材を増やすことが本来のことだと思います。
▶朝から疲れが取れず、正直、本日の定期大会は心が重くなる行事でしたが、久しぶりに多くの先生の生の声を聞き、自分たち労働者としての立場を確認することができ、思った以上に元気が出てきました。何事も行動してみないと分かりませんね。来週からまた頑張ります。
▶大会に直接参加し、今抱えている問題点を改めて認識しました。分かっていても日々の忙しさの中で、先延ばしにしていることも、今考え行動していくことの大切さを感じました。
▶定期大会は、運動部の大会、商業実務競技大会、検定補習と重なることが多く、毎年2名の代議員を確保するのに頭を悩ませます。今日は女性3名が参加させていただき、忙しくて普段ゆっくり話ができないので、楽しくおしゃべりしながら勉強させていただきました。【大西 佳江さん/岡山東商】



大会宣言


 2020年1月以来、人類社会に大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症は、5月8日をもって、感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同じ5類に移行しました。しかし、ウイルスの性質が急に変わったわけではなく、科学的な知見にもとづく感染症対策が求められます。
 コロナ禍を奇貨として前のめりにすすめられた「GIGAスクール構想」の矛盾も解消されていません。ICT機器はあくまでも道具であり、教育の目的を達成するための手段にすぎません。高教組は情報管理者を専任で配置するよう求めていますが、県教委はICT支援員配置事業の予算を削減しています。生徒1人1台端末の原則個人負担もそのままです。教員が本来の業務である児童生徒の指導に注力できる教育条件整備と、教育費負担の軽減を求めていきましょう。
 定年引上げが始まり、今年度末には定年退職者が出ないことになります。定年年齢が段階的に引き上げられますが、60歳以降は給料月額が7割とされています。再任用の賃金・手当のあり方とあわせて、同一労働同一賃金の原則に反する待遇となっていることは大きな問題です。人事院は60歳前後の賃金カーブが「なだらか」になるよう、「給与制度のアップデート」をすすめるとしています。ベテラン層の賃金抑制を許さず、若い世代も安心して将来設計できる労働条件の実現を目指して交渉をすすめましょう。
 教員免許更新制が廃止され、4月から新たな研修制度が始まっています。研修記録の作成と管理職による受講奨励が柱となっていますが、今のところ岡山県教育委員会は、「負担が増えないように」「強制ではない」と回答しています。一方、文部科学省は、現在構築中の研修システムを、来年度から運用するとしています。文部科学省のシステムが教職員の負担増や管理強化につながることのないよう、声をあげていきましょう。
 ロシアによるウクライナ侵攻が長引くなか、中国の台湾問題や北朝鮮の核・ミサイル問題も口実に、大軍拡がすすめられようとしています。近隣諸国の人びとと良好な関係を築くには、粘り強い外交と交流をすすめるしかありません。防衛費の2倍化は、教育費や社会保障費を圧迫し、さらなる国民負担の増大を招きます。「教え子を再び戦場に送らない」と誓った教職員組合運動の原点に立ち戻り、憲法を生かした施策の実現を求めましょう。
 職場を基礎に「支えあい、助けあい、高めあう」とりくみをすすめ、仲間を増やして協力・協働の力を強めましょう。
2023年6月10日
岡山県高等学校教職員組合第81回定期大会

6月10日は第81回定期大会です 書記長 川野 吏恵

「こんな分厚い議案書、読めないわ。」「やっとたどり着いた週末。寝ていたい。」こんな声、皆さんの職員室で聞こえてきませんか?昨年度までの私がこれでした。目の前の仕事に追われて、自分たちの夢や願いを語り合うエネルギーなんか無い。忙殺、まさに忙しさに心を殺されていたと感じます。  分会訪問で学校にお邪魔し、組合員の皆さんの声を聴かせていただいて気づいたことがあります。「教員が足りない。休む先生の代わりが見つからない。」「再任用で給料は7割にも満たないのに責任の重い仕事に充てられている。」「教室が足りない。」「一人一台端末の管理を情報係の先生がしているが、それに時間を取られて大変。」「せめて20時には学校を出るように頑張っている。それから家に帰って授業準備をしている。」といった先生方の苦しさは、どれも議案書の中に見つけることができます。あなたの思いに重なる課題がどのように書かれているか、議案書をめくってみてください。定期大会では、同じようなことで悩んでいる人に出会えます。そして、あなたの話を聴いてくれる人に出会えます。参加者にはお弁当も準備しますので、ほっとできるひと時を過ごしにお集まりください。お待ちしています。 私たちの苦しみをデータとして形にし、 県へ、国へ要求をぶつけることができるのが組合

-4/8(土) 春の分会長・評議員会議-

4月8日(土)、春の分会長・評議員会議を開催しました。
新年度スタートの嵐のような忙しさの中、50分会53名(オンライン参加、9日の予備日も含む)が集まりました。冒頭あいさつで村田委員長は,「高教組は分会にある。分会と本部の連携で要求は前進する」と述べ,連携の重要性を強調しました。 新任の川野書記長から、「昨年度現場で経験した人手不足の問題が、『教育に穴があく』(教職員未配置)実態調査として組合ではデータ化されていた。私たちの苦しみをデータで形にして、それに基づいて県や国へ要求をぶつけていけるのが組合。忙しいからこそ組合に入って力を集めよう」と組合の意義を伝えると、たくさんの方が力強くうなずくなど共感を得ました。  
当日は、参加分会から続々と加入届が届けられ、15名が仲間に加わるといううれしいスタートになりました。加入があった分会にはお祝いのお菓子の包みが渡され、また、「新加入者歓迎会」補助制度を活用してぜひ楽しい歓迎会を!と呼びかけがありました。  
少人数に分かれての分会交流の後、参加者からも活発な発言があり、「若い先生方が虐げられている。教員を目指す人が教職を諦めなくていいように」「パート介助員が足りないまま今年がスタートしてしまう」「情報担当者がタブレット等のデジタル管理に使われている」といった問題が出されました。

賃上げで人も増やそう 第244回 評議員会

2月23日、第244回評議員会(オンライン併用)に62分会77名が参加し、定期大会までの運動方針を確立しました。

■声をあげて変えることで前進

 全体討論では片山評議員(倉敷市立工業)が、長年要求してきたエアコン設置について、設置者である倉敷市がついに普通教室への設置を決定したことを報告しました。「冷風扇でやり過ごしてきたが、やっと空調がつく。一方、耐震問題は未解決。避難所指定されているが、かえって危険」と倉敷市立高校の実態を明らかにしました。また、「エアコン設置は、生徒会が目安箱を設置したタイミングで決まった。今回は幸運に恵まれたともいえるが、「自分たちで声をあげれば実現する」という体験が大切」と述べ、アクションを起こすことが主権者教育に直結した実践を報告しました。1月の高教組教研では、興陽高校生徒会の校則改定のとりくみが報告され、参加者から「真の主権者教育だ」との感想が寄せられています。新しい研修制度導入にあたり、研修の押しつけや内容の自主性が損なわれることが心配されていますが、こうした優れた教育実践は、教職員の自主的・主体的な研究と修養から生み出されるものではないでしょうか。

■校地統合問題「意味があったのか」

「業務は増えるが教職員は減る」  校地統合については、新見高校の統合では農地の関係で北校地は残り「意味があったのか」との声があること等が話題に上がりました。井原高校について伏見評議員は、「校地統合に伴い、教職員が10名も減ることになる。ICT関連予算などよりも、人員増が優先であるべきだ。統合に伴う業務もあるうえに、学力差が広がり、指導に手をかけている。教職員の内発的動機だのみの今の方針では、立ち行かなくなる」と、教職員定数や県教委の方針に対して疑問の声をあげました。

■いまが賃金引上げの正念場、年度末・初めの声かけで組合を大きく

 冒頭、村田委員長は、今春闘での焦点として、物価高騰から生活を守る大幅な賃金の引上げと底上げに触れました。教員不足を解消し、1人当たりの業務量を減らすためにも、当事者の声を結集し要求を実現するためにも、仲間を増やして高教組を強く大きくしなければなりません。組合加入の時期は、全国的には特に4月1日が多くなっています。新採用者や転入者はもちろん、再任用の先生方にも声をかけ、現勢を回復して今年度こそ大きな前進を勝ち取りましょう。 第

244回 評議員会 参加者感想

▶ 給特法の改正、再任用教員の給与問題など非常に注目しています。賃金のことも非常に大事ですが、それ以上に大事なことは、現場に「人」を増やすこと、現場の教科以外の仕事を減らすことです。それが叶うなら、賃金問題はあまり考えなくてよいかもしれません。(教育実習生が)「教員って本当にブラックですよね」「土日も仕事しているなんて私には無理です」と堂々と言って教育実習を行いました。今の若者に教育現場はまったく魅力のないものです。どうか少しでも若者が憧れる職場になるよう願う次第です。
▶ 組合の要求によって教室内へのクーラー設置、念願かなって良かったと思います。やはり声を上げ続ける大切さを改めて感じました。生徒・教職員の安全・健康を守るために、当事者がまずは声を出すことが大切だと感じています。
▶ 改めて組合活動の重要さを感じた。国や県の考えが必ずしも現場に合うとは限らない。だからこそ、現場の声を伝え、すり合わせていく。そうすることで、目の前の子どもたちにとって最良の教育を行えるのではないか。しかし、一人の声はなかなか届くことはない。組合があるからこそ声が伝わると思った。
▶ グループ討論では他分会との情報交換ができて有意義でした。現状の「定額働かせ放題」は、教職調整額4%を増とか給特法云々とかではなく、抜本的な見直しが必要だと思います。勤務時間の矛盾、業務範囲、賃金など、抱える問題をすべてクリアした上で、全員の給与待遇の改善を強く望みます。 。

当事者の声を反映させる流れは組合から 
-2月23日は希望ある未来へ踏み出そう 第244回評議員会にむけて

 2/23(祝)の評議員会では、今年度(主に年末まで)のとりくみを振り返り、次期定期大会までの運動方針を確立します。別配布の「とりくみのてびき初春」P.2-4の議案書ダイジェストに目を通していただき、各分会での意見を評議員会に反映してください。  当事者でありながら「仕方ない」と傍観するしかない忙しさ。しかし組合に入っているわたしたちは,声を届け,変えていく運動をささえる当事者です。「自己責任論」を押し付けられバラバラになりがちな今こそ組合に結集し,私たちのくらしや教育,人間らしいつながりを守っていきましょう。
 待ったなしと言い続けてもう何年…長時間労働はどうなる?処遇は?人員確保は?

2022年度

 3年ぶりの賃上げも問題山積
確定交渉でさらなる前進を勝ち取ろう

10月8日(土)(予備日9日),オンライン併用で秋の分会長・評議員会議を開催し,情勢の共有と確定交渉にむけたとりくみについての意思統一をおこないました。
参加者は50分会52名でした。
情勢報告では,県人事委員会勧告(ボーナス0.10月,若年層の月例給引上げ)や定年引上げと再任用教職員の待遇問題,新たな研修制度,人事評価制度の賃金リンク,定数改善・多忙解消の情勢,学校統廃合などについて取り上げました。また,秋のとりくみとして,確定交渉にむけてのピンク署名や,「なんといっても数は力」を確信し,加入促進を進めることを提案しました。また,年度末人事に向けて,人事相談窓口としての分会の重要性が高まること,希望をしっかり管理職に伝えておくことの重要性を強調しました。
分会からは,業務用と端末など複数のパソコンを扱う煩雑さや,クラウドがあるとはいえ,紙媒体の代替でデータ化されたものを扱う量が増えたため,浄化作業などで結果的にますます時間がかかっている実態などが報告されました。「我慢しているけど,ただ我慢しているだけになっている。環境を整えて,少しでも時間外や持ち帰りを減らす施策を」との意見に多くの共感がよせられました。
特別支援学校からは,重複障害を抱える子どもも多く,教材作りに時間がかかること,毎年研究事業があてられ,相変わらず時間外労働や持ち帰りが減っていないこと,「働き方改革」といいつつ,県発信の業務が重くのしかかっている現状が述べられました。
再任用と定年引上げの条件については「納得いかない。再任用の方が重たい仕事を持っておられるケースがある。この方々がおられないと回らない」といった意見が主流でした。条件改善はもとより再任用者の定数外での採用を広げる必要があります。 今年度は人事評価制度の賃金リンク「枠組み」交渉が予定されています。育・評システムアンケートによると「忙しい人に仕事が偏っているのに,調整してくれない」「不公平さが解消できていない。目立つ成果の裏には地味な支えがある」「(目標や成果について)毎年右肩上がりは現実的でない」といった意見が寄せられ,賃金リンクによるデメリットの方が大きいことが確認されています。
いよいよ確定交渉【日程は下表参照】が来月1日から開始します。学習を深め,分会での議論をさらに活発にし,粘り強くとりくみをすすめていきましょう。

 第80回定期大会オンライン併用で開催
当事者の訴えで働きやすい職場に


6月11日(土)、第80回定期大会がオンライン併用で開催されました。代議員数は93名(うちオンライン参加35)で,提案された議案はすべて賛成多数で可決・成立しました。来賓として全日本教職員組合から平尾行敏書記次長、顧問弁護士の則武透さんをお迎えし、ごあいさつをいただきました。
■ 紛争を戦争にしない知恵と努力が問われている
 村田委員長は開会あいさつで、常任理事国でありながらみずから国連憲章を踏みにじるロシアの行為は許されないことを踏まえつつ、この危機に乗じて憲法改正や防衛費の増額へ向かうことへの疑問、ウクライナ危機を目の当たりにした今こそ紛争を戦争にしない知恵と努力が問われていることを訴えました。また今年予定されている定年引上げ交渉や枠組み交渉、学校現場を魅力的な職場にするための真の働き方改革を進めるとりくみを呼びかけました。
■ 組合運動は「願いの実現に向かうムーブメント」
経過報告・今年度の活動方針の提案の中で書記長は、働き方改革の重点目標では時間外労働の数字のみが重要視され、一人当たりの業務量削減は個人の裁量に責任転嫁される傾向が強まっていることを指摘しました。加入促進については「組合運動は、私たちの切なる願いをかなえるための運動だ。当事者の声を少しでも大きくすることが要求実現には肝心」と訴えました。
■「ただ働き放置」の給特法の見直しを
教職調整額(賃金の4%)を支給する代わりに時間外勤務手当を支給しないこととしている給特法について、代議員から「矛盾追及を強める必要性がある。青年層が希望を持てる条件整備を」との提起がありました。給特法制定当時は月8時間だった教員の時間外労働は、2006年の調査では月34時間にもなっています。今年10月には、久しぶりに国の勤務実態調査が予定されています。委員長は、国の調査に合わせて全教・高教組もカウンター調査を行う予定であることを紹介し、現場の協力を要請しました。
県も国に給特法の見直しを求めていますが、現時点でも待ったなしの多忙・人員不足を解消する手立てを県独自で模索すべきです。県財政のひっ迫を理由に「働き方改革」のみで解決しようとするのでなく、家庭教育応援条例の可決と同時にパンフレットを発行する財源があるなら、そういった予算を少しでも人件費に充て、多忙緩和・働きやすさで教育職場の魅力を取り戻すことが先決です。
■ 「組合の活動がモチベーションの維持に」
 今大会では「知り合いが民間の管理職だが、離職させるために通えないところに配置換えさせたとのこと。組合がなければ、管理職の一言で失職に追い込まれる」といった発言、「学校現場を離れていたが、やはり組合活動があることが、モチベーションを維持している」といった発言がなされました。
コロナ禍が続きますます組合の存在が重要になっています。再任用制改善と合わせて、安心して65歳まで働き続けられる勤務条件の実現を目指して交渉を進めること、時間外労働時間の多寡や研修を人事評価に結び付けるなどの管理・統制を強めるような動きを許さず、仲間を増やして教育現場の連帯・協働の力を強めることを確認し、閉会しました。

第80回定期大会代議員感想

 ?本校では、昨年度末、若い同僚の教諭3名、講師1名 が退職しました。働き続けていくことが困難な状況を何とかしないといけないと思います。「無理しないでください」という書記長の発言に胸が熱くなりました。組合活動は、私たちの命と健康、生活を守ることだと再認識させられました。
 ?本部の先生方が大変な中、情勢をわかりやすく、また希望の持てる話をしてくださったことに救われる思いです。長時間過密労働、長距離通勤で苦しんでいる同僚に「組合に入って一緒に頑張ろうよ」と伝えたいと思います。
 ?討論での発言はいずれもとても勉強になりました。給特法のできた経緯など知らなかったので、今の状況に合っていない方法で、一律に適用すべきではないと思います。
 ?賃金交渉については、すでに十分な賃金をいただけているという感じが強くあるので、なかなか積極的な気持ちになれずにいます。でも、ぼんやりしていると、とても生活できない水準になってしまうのでしょうから、いい人材の確保のためにも、交渉していきたいと思います!

 第80回定期大会開催に当たって 書記長 豊田 佳香

6月11日(土)、岡山高教組は第80回定期大会を開催します。限られた時間ですが、職場の組合員の声をもとにした代議員の積極的な発言で議案を深めたいと思います。 ■定年引上げどうなる 昨年度、国家公務員法と地方公務員法が改正され、定年引上げが決定しました。とはいえ、確定しているのは、段階的に65歳定年となることと、当面、月例給が7割となることのみです。現在60歳を過ぎた教職員は再任用制度のもとで、ボーナス支給月数が少ない(2.25月)こと、扶養手当や住居手当などが支給されないことなど、生活の維持にかかわる深刻な問題が放置されたままです。 定年引上げのための条例制定は9月議会がタイムリミットであり、それまでに交渉が行われる予定です。若い世代も安心して将来設計ができる明るい「60歳以降の働き方」を実現しようではありませんか。 ■システムにより「育成」でなく「分断」が? 育成評価システム・人事評価が、「賃金リンク」されるようになり、6年が経過しました。県教委の育成評価システム検証推進委員会においても、教職員へのアンケートの中でとりわけ「評価の基準がわからない」がシステムの難点を示す意見として取り上げられています。「チーム学校」を強化するどころか、教職員間の分断を助長しているおそれがあります。 高教組はこれまで、人事委員会が示す「本則」よりも差のつきにくい運用を行わせています。今後も、賃金リンクの廃止を主張しつつ、少なくとも制度の悪影響を最小限にとどめさせる必要があります。今年度は3年ぶりに「枠組み」を見直す年であり、県教委の提示の内容次第では交渉にとりくみます。いまだ教職員の納得を得られておらず、職場の結束をさらに弱めかねない「枠組み」改悪を阻止しましょう。
■当たり前のことを訴えよう 昨年度も残念ながら「人間らしい生活をしたい」、「このままでは家庭生活と両立できない」と、多くの先生方が早期退職していかれました。中には同一の学校から複数の青年教職員が転職していったという報告もあります。 この春、働き方改革の「重点取組」が示されましたが、時間外在校等時間の制限だけでは不十分です。定時退勤をうながすことにより業務量の見直し、無駄の削減につなげることが目指されているものの、懸念されるのは「持ち帰り仕事」の増加です。高教組は、家庭での残業時間を時間外在校等時間と並列するよう求めましたが、「客観性がない」との意見がでて、実現しませんでした。特に家庭生活に責任を持つ教職員について、持ち帰りによりなんとか業務が遂行できている状況が常態化しています。 一人当たりの業務負担を減らすこと、人員を補強することのみが多忙解消の糸口です。健康で文化的な最低限の生活を営むには、お金でなく時間も余力も必要です。希望に満ちた人生を実現するためにも、保障されるべき当たり前のことを、高教組に結集して求めていきましょう。
■孤立を深めやすい今だからこそ仲間づくりを 組合は法的に位置づけられた正式な職員団体で、登録団体として直接、県教委や文科省と話ができます。今年度もすでに50人を超える加入申込書が届いていますが、新採用者の多くは「組合のことは正直よく知らない」と語っています。一人ひとりがバラバラになりがちな多忙の中で、孤立を深めて辞めていく仲間を出さないためにも、まずは暖かい声掛けを実践しましょう。
■火事場泥棒はゆるされない~ウクライナ情勢から見えること 今、憲法を変えようという動きが活発になっています。一方、近年の教育現場は、管理と統制が強められ、政治的中立性を口実に、あたかもすべての政治的行為が封じられているかのような雰囲気が蔓延しています。しかし、これでは戦前戦中の日本のように、教員が統制され、再び教え子を戦場に送る事態を招きかねません。18歳成年が施行された今、私たち教職員こそ主権者として政治を考え、語り、正しい判断を行う必要があります。 ウクライナで起こっていることは、私たちのような市民にふりかかった人災です。ウクライナの人々に心を寄せると同時に、このような事態になる前に何ができたのか、これから何をすべきなのかを改めて冷静に考え、議論していこうではありませんか。自民党の示す改憲案の問題点(緊急事態への対応、教育の無償化は法律で可能)や、国民投票法の問題点(最低投票率が定められていない)について、深い議論が必要です。「知らなかった」、「未来の世代に申し訳ない」という事態を招かないためにも、ウクライナ情勢に乗じた火事場泥棒のような改憲は認められません。

分会長評議員合同会議

「これ以上仕事を増やせない」からこそ、組合に集結を -2022年度 分会長・評議員会議(春)-職場の悩みを声にして,本部とともに当局に届けよう
4月9日(土)、分会長・評議員会議を開催し、年間の組合活動のポイントや情勢等を確認しました。冒頭挨拶で村田委員長は、「高教組は分会にある。分会と本部の連携で要求は前進する」と述べ、職場に組合があることの重要性を強調しました。
この日、早速新採用者からも加入届が届きました。
分会交流(全体会)では、加入促進について、「育休を経て、加入する気になった人もいる。権利意識のない人に最初から組合の意義を語っても嫌悪感を持たれる。それよりも、『数は力』の方が理解されやすい。『お付き合い』で加入していた人は、転勤を機にやめていくが、また新たな職場で新しい関係をつくればいい」「加入の声掛けをするが、近年は政治色に難色を示す向きがある。平和の問題に対してもそういった傾向が出てきた。平和だからこそ日常の教育活動ができているのに、そこに踏み込まないことは心配だ」と言った意見が述べられました。
昨年度も、一度組合を離れたけれど数年を経て戻ってこられた方が複数おられます。私たちは現代においても、香港やウクライナのように、民主主義社会や平和な日常がいつのまにか当たり前でなくなるケースを目にしています。組合が勝ち取ってきた権利や勤務条件を守り続けていくこと、安心して働ける職場、のびのびと学べる教育条件・環境を実現するには、仲間をふやして組合を大きくすることの重要性も訴えながら、すべての人を対象に声掛けをしていきましょう。
参加者感想
◇若い先生方も出席されている姿を見て,励みになった。
◇村田先生が退職してまで組合活動を継続してくださるとのことで,本当にありがたい。どうか無理なさらず,ご自愛願いたい。
◇加入率が減少しているが,この状況だからこそ,改めて組合の必要性を強く感じた。組合は絶対必要だと思う。
◇現在抱えている課題について,参加分会の先生方から参考になるお話が伺えた

2021年度

                                                                                                                                                

第243回評議員会で春闘方針固まる


2月23日、第243回評議員会をオンライン併用で開催し、64分会74名が参加しました。
■定年延長、人事評価制度の枠組み交渉など、正念場の時期 冒頭、村田執行委員長は、コロナ禍のもとでの春闘の重要性を訴えました。今年は特に医療、介護、保育などケア労働者の待遇改善と、最低賃金の大幅引き上げが焦点になっています。学校現場でも代員不足は多くの職場で起こっており、臨時教職員や再任用教職員の待遇,会計年度任用職員の時給などの改善が喫緊の課題です。また、全国的に教員採用試験の倍率の低さが問題になっています。次年度は定年延長にともなう制度設計や枠組み交渉の重要な年となる予定です。これから人生設計を考える若年層も安心して働ける労働条件を求める運動や学習を強化していきましょう。
■とにかく先生が足りない…原因は、長時間過密労働による「魅力」の減退 この度提案した2022度待遇改善要求書には、コロナ禍中の2020年でさえ7兆円も増加した内部留保の一部で8%の賃上げが可能というデータに基づき、月26,000円の賃上げ要求を掲げました。しかし、賃上げだけで教職希望者の減少に歯止めがかかるわけではありません。 全体討論の中でも、出退勤時間の正確打刻をひかえている実態が報告されましたが、現在進められている働き方改革の最大の問題点は、抜本的な業務削減や人員増には踏み込まず、時間外在校等時間の平均値減少を強調している点です。この流れで行くと、時間外勤務を目に見える形で減らすことにより、教員を増やすことも、業務の削減も必要ないという方向に誘導されかねないことに十分警戒しなくてはいけません。時短ハラスメントに負けることなく、ミライムを正確打刻することが最終的に私たちを守る行為です。
■3月は対話のチャンス! 組合加入の時期は、やはり年度初めの4月が多くなっていますが、年度末の区切りである3月は、対話のチャンスです。新採用者や転勤間もない方、1年間苦楽を共にした身近な方などに「1年終わりましたね」といった気遣いの声掛けとともに加入を勧めてみてください。本部役員も、対話・説明のために訪問します。来年度から再任用の先生方にも残らず声をかけ、現勢を回復して6月の定期大会を迎えましょう。
■会計に関する議案の一部訂正について 訂正箇所を分会発送でお送りしますので,回覧等でご確認ください。多大なご迷惑をおかけし,お詫び申し上げます。 【訂正箇所:第2号議案21年度特別会計追加更正予算、第3号議案22年度特別会計暫定予算】

第243回評議員会(2022.2.23)にむけて

くらしと教育・平和を守るために。
組合は、わたしたちを守る大きな傘
 2月23日(祝)の評議員会では、今年度(おもに定期大会以降)のとりくみを振り返り、次期定期大会までの運動方針を確立します。別配布の「とりくみのてびき冬」p.2以降の議案書ダイジェストに目を通していただき、各分会での意見を評議員会に反映してください。コロナ対応,多忙や多様化する教育課題という冷たい長雨もまだまだ続く気配です。組合という大きな傘のもと,力を結集し、働きやすい労働環境の確立をめざしましょう。 (書記長 豊田 佳香)

変化・改善は、「当事者の声」から
・長時間過密労働の解消は,「現場の工夫・効率化」だけでは実現しません。本質的な解決策である人員増を求めるとともに,働き方改革推進委員会に高教組の意見を反映させましょう。
・定年延長に伴う制度整備の重要な年です。再任用の処遇改善もあわせて,運動をすすめましょう。
・「賃金リンク」で資質向上の実感がある教員は減少傾向です。「評価基準がわからない」「業務全体で評価されない」など,不信感も払しょくできていません。そんな中,さらに差のつく制度に移行する道理はありません。今年は人事評価制度見直しの年です。「枠組み」交渉にむけ,ご意見を寄せてください。
・1人1台端末の公費負担を求めて,保護者の会が立ち上がりました。コロナ禍のもと,児童生徒の学習・生活環境も大きく揺らいでいます。少人数学級の拡充や給付制奨学金制度など,教育条件改善を求める運動をさらにすすめましょう。

 第79回定期大会

安心して働き続けられる学校を実現しよう
定期大会初のオンライン開催
6月12日(土)、第79回定期大会がオンラインで開催されました。代議員数は121名(うち委任状63)で,提案された議案はすべて賛成多数で可決・成立しました。来賓として全日本教職員組合から宮下直樹書記長、顧問弁護士の則武透氏をお迎えし、ごあいさつをいただきました。
 村田委員長は開会あいさつで、昨年度は35人学級の前進など長年の運動が実ったこと,臨時休業で減額された会計年度任用職員のボーナス復元など,職場から寄せられた多くの要求が実現したことを紹介し,安心して働き続けることのできる学校を実現するためにも,職場を基礎に高教組を強く大きくする必要があると呼びかけました。
■ 「困ったときにつながれる場所がある」
続いて2020年度の経過報告・2021年度の活動方針など、執行部からの報告・提案などがおこなわれました。今年度の重点方針として書記長は、コロナ禍のなか浮き彫りとなった職場の困りごとをもとに,職場と本部が連携することで要求運動が実を結んだことを受け,「1つでも2つでも,本当に実現したいと思うことについてだけであっても,アクションを起こす価値がある。『つながりがここにはある』と感じさせる風を職場に吹かせてほしい」と訴えました。
■ 再任用組合費増額は見送り
評議員会で予備提案されていた,新加入者の組合費の期限付き減額と,高教組共済「すくらむ」の学生協グループ共済への移行についても可決承認されました。また,再任用の組合費増額は見送られ,議論継続とされました(内容の詳細は3面)。
■ 職場で組合が「みえる」とりくみを
活動方針を確立する討論では,組織拡大のとりくみについての発言が相次ぎました。本部が作成した紙芝居を活用し,組合を分かりやすく簡潔に説明したとりくみや,2~4年目の若者への声かけのとりくみが紹介されました。また,校長交渉や職場新聞など,組合活動が職場で「みえる」ためのとりくみが,加入者を増やすという発言も複数ありました。
加入をためらう要因として多くの先生方が挙げるのは,「これ以上忙しくなりたくない」というものです。分会が署名や動員のみに追われるのでなく,職場にとって真に求められるとりくみを優先した,持続可能な職場活動にしていくことが重要です。
高教組は今年度の「支えあい,助け合い,高めあう」とりくみとして,困っている仲間を助け,職場の要求を実現することを方針の第一に取り上げています。今後,毎年のように感染拡大や自然災害に見舞われる心配をかかえるいまだからこそ,連帯と共同が求められています。「組合は大切」との思いを確信に,声掛けの輪を広げていきましょう。

 
第79回定期大会執行委員長あいさつ 執行委員長 村田秀石
岡山高教組第79回定期大会にご出席の代議員のみなさま、初めての本格的なオンラインによる大会となりましたが、ご多忙ななかお集まりいただき、ありがとうございます。
昨年から世界を襲っている新型コロナウイルス感染症は、今年になっても収まらず、岡山県においても、5月16日に出された緊急事態宣言が6月20日まで延長されたところです。コロナ禍は、学校にも大きな影響を与えており、先生方におかれましては、感染症対策と教育活動との両立に、大変なご苦労をいただいているのではないかと拝察します。
高教組としても、4月当初に分会長・評議員会議を開催し、分会体制の確立や仲間を増やすための声かけをお願いしたところですが、緊急事態宣言が出されてからは、分会訪問もままならず、職場の声を十分にくみあげることができておらず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
県教委は、コロナ禍に便乗する形で、原則個人購入による県立高校への1人1台端末を導入しました。今年度は、すでに導入している3校に加えて県下37の高校と校地で新入生から1人1台端末が導入されています。今のところ大きな混乱は報告されていませんが、先生方にとっても生徒・保護者にとっても負担になっているのではないかと危惧しています。コロナ禍は、非正規雇用労働者や女性、青年など社会的、経済的に弱い立場に立たされている人たちに重くのしかかっています。特に、子どもや青年の貧困は見えにくくなっているだけに、注意が必要です。
中央教育審議会は、1月に「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して」と題する答申を行いました。答申は、ICTについて「その活用自体が目的でないことに留意が必要」と述べています。また答申は、子どもの貧困について「7人に1人の子どもが相対的貧困状態にある」と指摘し、教員の働き方については「教師の長時間勤務の状況は深刻であり、平均の時間外勤務が小学校で月に約59時間、中学校で月に約81時間となっている」と述べています。このような状況にコロナ禍が襲っているわけで、「端末導入ありき」で、生徒・保護者に経済的負担を強い、先生方に過重労働を強いるような県教委の施策は、大きな問題があると言わなければなりません。
学校の先生方と子どもたちを守るうえで、高教組の役割は重要です。昨年度は、長年の運動が実り、小学校での35人学級や核兵器禁止条約の発効が実現しました。要求運動でも、臨時休業で減額された会計年度任用職員のボーナスの一部復元、スクールバスの増車に伴う添乗員の予算の追加、夏季の教室の空調費や修学旅行のキャンセル料の公費負担など、職場から寄せられた多くの要求が実現しています。今年度は、文部科学省が教員免許更新制の「抜本的な見直し」を進めており、高教組も制度の廃止を求める一人一枚署名を提起したところです。公務員の定年を延長する法案が可決されましたが、再任用の先生方を含め、安心して働き続けることのできる学校を実現する必要があります。
そのためには、高教組を強く大きくしていかなければなりません。残念ながら、組合員数はここ数年の減少傾向を脱することができていません。大会には、新加入者の組合費のあり方など重要な議案も提案させていただいています。例年より短い時間しか取れず、しかもオンラインということで、十分に討議を深めることは難しいかもしれませんが、代議員のみなさんの積極的なご参加で、職場を基礎に「支えあい助けあい高めあう」高教組を強く大きくするための方針を確立していただくことをお願いし、開会にあたってのあいさつとさせていただきます。

      

参加者の感想    

 オンライン会議に不慣れなため、大変疲れました。しかし、こういう情勢ではこのような形ででも大会が開けたのは良かったと思います。ただし、やはり意見が言いにくいのは確かです。再任用の先生方の組合費については、リアルの会議ならもっと意見が出たのではないでしょうか。また、学校での1人1台端末の実施状況についてももっと意見が出たように思います。
?初めてオンライン会議に参加させていただきました。県北からの参加では生き帰り合わせて4時間近くかかるため、今までの負担感が非常に重かったので、自宅から参加できる形は新鮮でした。午前中にも、会議後にも、地元での用事を済ませることができ、土曜日を有意義に過ごすことができました。オンラインとはいえ、懐かしい先生方のお顔を画面越しに拝見し、お話をお聞きして、大変刺激を受けました。紙芝居やケーキパーティーなどで仲間を増やすとりくみをしていらっしゃる分会の話に、とても元気が出ました。
?現在も続くコロナ禍で、生徒たちの心理的な部分を含めてどう変化していっているのか。また、我々の仕事の仕方も以前のままでなく、精選できる部分は精選し、働きやすい職場環境を考えていかないといけないと思いました。
?賃金リンク、コロナ、教職員免許更新制、「ICT活用」など教育現場の諸問題を解決するには、組合の存在が大きいと思いました。再任用教職員の勤務条件の不利益を改善するとりくみは大切だと思います。
                                                  

新加入から2年間の組合費を軽減 再任用組合費は継続協議  

6月12日に開催された高教組第79回定期大会で、新加入から2年間の組合費軽減と、再任用教職員の組合費の継続協議が決定されました。
高教組の教諭等の組合費月額分は、給料月額の1000分の10+定額部分2,083円(全教・県労会議組合費等相当額)となっていますが、新加入から2年間については、給料月額の1000分の10のみとします。7月の引き去り分から適用しますが、今年度4月以降に新加入し、すでに5月分、6月分の組合費を納入済みの方については、新加入キャンペーンとして2,000円または4,000円分のクオカードをプレゼントします。また、昨年度までに加入してまだ2年間が経過していない方についても、3年目に入るまでは給料月額の1000分の10のみとします。
再任用教職員の組合費については、2月の第242回評議員会に、2022年度からの増額を予備提案していましたが、反対意見が多く寄せられたことから、定期大会では継続協議となりました。
先日閉会した第204回通常国会で、公務員の定年が2023年度から段階的に65歳まで引き上げられることになりました。(下表参照)こうした情勢を踏まえると、61歳以上の教諭等の組合費とともに再任用教職員の組合費のあり方についても、2023年度の定期大会を目途に結論を得る必要があります。
また、今回の定年延長では、60歳を超える職員の給料月額について、「60歳前の7割水準」とされていますが、劣悪な再任用職員の賃金・諸手当とあわせて改善を求めていかなければなりません。

■参考資料 公務員の定年延長


高教組共済「すくらむ」は学生協グループ共済へ移行します


今回の定期大会では、高教組共済「すくらむ」の学校生協グループ共済への移行も決定されました。

「すくらむ」は1990年に発足し、万一の死亡や高度障害に備えるとともに、入院・手術や三大疾病等に対応する給付を行う高教組独自の助けあい制度として発展してきました。しかし、加入者の減少によってスケールメリットが小さくなっていることや、担当書記の退職によって業務対応が困難になることから、学校生協グループ共済へ移行することとなりました。

「すくらむ」とグループ共済は、どちらも引受保険会社が明治安田生命で、類似した制度となっています。「すくらむ」は保険料を安く抑えることを重視しているため、同様の保障の場合、グループ共済では月々の保険料が高くなってしまいます。ただし、グループ共済は配当率が高いため、配当金を差し引くと「すくらむ」より年負担額が小さくなります。入院保障などの医療保障制度は、全体として「すくらむ」よりグループ共済の方が有利になっています。

 

 今後、最後の「すくらむ」更新・募集とグループ共済への移行手続きを進めていただくことになります。ご不明な点等ございましたら、高教組書記局までお尋ねください。
 

 79回定期大会開催に当たって 書記長 豊田 佳香

 6月12日(土),岡山高教組は第79回定期大会を開催します。運動方針の決定と意思統一の重要な会議です。限られた時間ですが,職場の組合員の声をもとにした代議員の積極的な発言で議案を深めたいと思います。
様々なひずみを生みだす「教員の疲弊」
教員志望者減少が止まりません。
高教組も従来から,「このような職場に若者が魅力を感じるか」と,喫緊の課題として多忙解消を求めてきました。これほどまでに募集に苦労するようになった一因は,間違いなく学校現場の「過剰負担」,ゆき過ぎた多忙です。教員免許更新制の悪影響もあって,「代員が見つからない」ケースは増加傾向です。病育休や育児短時間勤務の代員がいまや非常勤による時間単位勤務をつなぎ合わせることでまかなわれる状況が生まれています。はみ出した校務分掌,部活動などの業務負担は,ただでさえ手一杯の他の教員に上乗せされ,疲弊しきっています。
時間外勤務の上限規制ができたものの,「45時間を超えるな」とのプレッシャーが強くなっただけで負担減の実感は乏しいままです。定時退庁を守るために前日の超過勤務や持ち帰りが余儀なくされる中,「1年単位の変形労働時間制」が導入されれば,ますます見かけ上の時間外勤務がへり,人員増や抜本的な業務見直しの議論は後退することが予想されます。県教委は代員確保等に力を尽くしていますが,長年にわたり「定数内講師を解消し,採用数を増やせ」「教員免許更新制廃止を国に対して強くもとめよ」「県主導の事業を抜本的にみなおせ」という高教組の主張に背を向けてきた責任もあります。まだできることがあるのは,我々現場の教職員の工夫,心がけだけではないはずです。大会では,現場の実態や願いとともに,県に対して提案したい具体策についても持ち寄っていただければと思います。中教審答申の「教師一人ひとりのとりくみや姿勢で解決できるものではない」、教育委員会や管理職が「権限と責任を果たすことが不可欠」を反映させ、実質的な改善策を求めるとりくみをすすめていきましょう。
声を挙げなければ変わらない ーつぶやきから始めよう
コロナ禍のなかで,組合の真価と役割,重要性が浮き彫りにされました。当事者の声こそが当局を動かすこと,そのためにまずは自分の職場に「つながる場所」があること。一人の困りごとや学校の課題をあきらめず,分会と本部とが連携することで条件整備等の前進につなげています。多忙で自分のことさえ後回しなる中,分会活動も下火になりがちですが,分会の存在そのものが「希望のともしび」です。苦しい時こそ,「どうにかしたい」との気持ちは強くなります。今大会では、「私たちの労働条件改善は子どもたちの教育条件改善につながる」ことをあらためて確認するとともに、多くの代議員の発言によって方針を固めたいと思います。一人ひとりのつぶやきを組合の声にして,交渉での前進を勝ち取りましょう。未経験の方もこの機会にぜひご参加ください。


職場の悩みを声にして,本部とともに当局に届けよう -2021年度 分会長・評議員会議(春)

4月10日(土),分会長・評議員会議を開催し,「分会活動のヒント」をもとに,年間の組合活動のポイントなどを確認しました。冒頭,村田委員長は分会の役割について,「各学校で困っている人はいないか,ハラスメントはないか,とアンテナを張っていただくことが一番大切。去年も,現場からの声を受けて直ちに申し入れをしたことで要求が実現した」と述べ,分会と本部が一緒に動くことで,要求は実現することを強調しました。
分会交流では,組合費改定とすくらむの移行に関する予備提案について意見が交わされました。執行部は,再任用組合費の引上げについては再考をとの意見を踏まえ,今後検討の上修正したものを6月の定期大会に提案する,としました。
この春,過半数分会となった備前緑陽からは,新加入促進の取り組みについて前向きな意見が述べられました。「組合員20名のうち11名が20~30代。組合員を増やすなら,一生懸命働いている信頼の厚い人が入っていることを話題にし,『組合の人は仕事に対して誠実で配慮のできる人』という認識になれば加入が進む」と発言しました。
今年も退職者,中途脱退者に加え,頼りにしていた多くの組合員が管理職として組合から卒業して行かれました。組合に理解のある管理職が増えるのは心強い面もありますが,なんといっても仲間をふやして組合を大きくすることが重要です。教職員の過半数を組合員に迎えるべく,すべての人を対象に声掛けをしていきましょう。

参加者感想・声かけについての意見
・辞令交付式の日,「名前を書くだけでよい」と繰り返され,宗教のように感じて加入しなかったという若者がいる。組合の意義を丁寧に説明することが大切。

・組合の集まりに参加すると元気をもらえるということを再確認した。新採用から組合員であることが数少ない自慢のひとつ。

・校長へ分会挨拶に行くことで,管理職の意識が変わるとのこと。今年度はぜひ実行したい。

岡山高教組

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