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岡山市北区下中野の大腸・肛門科クリニック。森谷外科医院です。

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ジオン硬化療法zion

ジオン硬化療法とは?

痔核の治療といえば薬物療法と手術療法が一般的ですが、最近新たな治療法が参入してきました。
『ジオン注』と言って、ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)とタンニン酸を有効成分とする局所注射を痔核に注射して、痔核を固めて縮小させ、出血、脱出をなくすものです。
本来、この注射薬は中国で承認されている痔核硬化療法剤『消痔霊』の添加物を一部変更したもので、このたび本邦において内痔核硬化療法として、沖縄のレキオファーマー株式会社と三菱ウェルファーマ-株式会社が共同開発したものです。
元々、『消痔霊』は1981年に故 史兆岐教授によって研究開発されたもので、中国国家のサポートもあって治療方法が確立され、1997年国家衛生部(日本の厚労省に相当)の全国普及使用薬物の指定を受けています。そして中国での奨励賞ばかりでなく、1986年ユーゴスラビアでの第35回国際発明博覧会で国際発明金賞を、ベルギーでの世界発明博覧会で国際発明金賞を、ベルギーでの世界発明博覧会で1級ナイト勲章を受章しています。
ジオン注は厚労省の認可が下りて保険適応となりました。もともと本邦で認可されていた痔核の注射療法は手術の範疇に入っており、硬化療法剤ジオン注も同様です。

薬剤作用

ジオン注は水性の薬剤で、薬理作用は痔核部の@硬化作用A小血管の収縮・閉塞作用B制菌作用です。
注射直後から血流遮断により出血・脱出に対する効果を発揮し、痔核の中に無菌性の炎症を起こします。
2〜3週間もすれば繊維化が起こり痔核の硬化・退縮を起こして治療が完成しました。

治療の実際

この注射療法の最大の特徴は、4段階注射法により痔核の4カ所にジオン注射液を注入することです。つまり痔核の上部1カ所、下部1カ所、本体2カ所(深部1・浅部1)に正確に、痔核あたり7〜10の注射液を注射します。
3カ所の内痔核では全量で20〜30となります。
麻酔は肛門に局所麻酔をしてやるか、腰椎麻酔をしてやるかを選択する必要があります。
入院期間は1〜4日です。

治療成績

臨床試験での注射後28日目の評価は、脱出の消失=94%、排便時出血の消失=94%、痔核の消失=58%でした。再発率は臨床試験では1年後に16%でした。
いずれにしても『ジオン注』は従来にない有効な注射療法剤ですが、専門的な知識と技術をもって安全に使用して初めて、その有効性が発揮されるものです。これからの痔核の治療法の一翼を担うことになるでしょう。

当院ではジオン注射が可能です。

注射部位と術後経過


当院でのジオン症例数

バナースペース

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