かけらになる時


その3




ずっと一緒に 暮らしてた

ずっと一緒に 歩いていた

苦しい事も 悲しい事も

彼が居たから

乗り越えられた

彼が私を見ているから

彼が私を感じてくれるから

彼女が彼を 想っても

彼が彼女と 結婚しても

彼の側に 居るだけで

彼と話が 出来るだけで

ただ 幸せだった

だけど 今 私は

愛しい人と 話せずに

愛しい人に 気付かれずに

ただ

愛しい人の 前に居る

人ではなく

うしとして

奇妙なピンクの

うしとして

私が彼を 想う心は

そんなに罪な事なのか

彼女が彼を 想う心は

こんな罪をも乗り越えるのか

彼は私と気付かずに

私を側から 離そうとする

気付いてよ

ねえ 気付いてよ!

私のこの声に宿る想いに!

私のこの涙で光る瞳に!

別れるのは嫌!

ランス様と別れるのは嫌!

気付かれずに別れるのは嫌・・・



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