暮らしの最前線支える仕事
知識・技能を次世代に託せる人員体制を
現業評議会 団結署名提出
10月27日、市職労現業評議会は、職場から集められた「現業職場への正規職員補充等を求める団結署名(1219筆)」を児玉人事部長に手渡しました。
現業職場の維持・充実が安全安心な市民生活につながる
平野議長は「直営の現業職員・現業職場は、市民の命とくらしを守るうえで、なくてはならない存在。公務職場を安定的に維持し充実させることは、安全安心な市民生活に直結している。だからこそ、我々が安心して職務に専念できる賃金労働条件と人員体制の充実が必要」と訴えました。
定年延長については、「経験や専門性を活かせる職場環境の整備、新たな職務の創設、給料大幅カットの見直しなど、改善すべき課題が多い。今こそ、将来を見据えてきちんと議論・協議し、制度設計をしていくべきである」、正規職員の採用では「今年度も全ての現業職場で新規採用が行われたことは評価しているが、正規職員の不足と非正規化の加速が深刻な状況に変わりはない。必要なところには必要なだけの人員配置を求める」と発言し、労働条件の改善と正規職員の補充を要求しました。
人事部長からは、国の勧告や他都市の動向等、市人事委員会勧告の内容、市の財政状況について説明がありました。
人手が足りないなか 市民サービス維持の困難に直面
各支部協議会からは、給食センター化計画の見直し、施設・設備・車両の老朽化や性能不足への対応、人員体制の改善の必要性を訴えました。特に人員体制について、慢性的な人手不足のやりくりが現場任せにされ、サービスの水準を守ろうと苦心している各現場の状況を具体的に伝え、早急な抜本的対策の実施を求めました。
現業職員の労働条件改善は 命を守るうえで必要不可欠
現業職員が市民生活の最前線に立ち市民の暮らしを支えるなか、本来正規職員が担うべき役割が、非正規職員に割り当てられてきています。責任の大きさや、経験・技術の重要性を鑑みない人員削減と人員配置は、正規職員・非正規職員双方に過度な負担を強い、技術継承の分断やサービス水準の低下へと繋がります。市民の命、こどもたちの命、働く者の命を守り、質の高い公共サービスを維持するためには、現業職員の賃金・労働環境の改善が不可欠であることを強く訴え、団結署名の提出を終えました。
ユーモア交えて訴える
切実な給食調理員の要求
学校給食調理員要請行動
11月6日、保育園と学校の給食調理員が、人事部長、給与課長、教育委員会に対し、申し入れ行動を行いました。
冒頭、市職労柴野中央執行委員長は「確定交渉真っ只中だが、今日は肩の力をぬいて、現場の声に耳を傾けていただきたい」と挨拶しました
コミカルなパフォーマンスで送る切実な要求
学校給食調理員協議会(調理協)は、おなかをすかせた人たちを助けるヒーロー『アンパンマン』をテーマに、アンパンマンやばいきんまんなど、人気キャラクターに扮して、パフォーマンスを繰り広げました。
年々厳しい暑さのなかの対策強化について、定年延長制度に伴う職員の高齢化の問題、大規模センター化を理由に老朽化した給食室の改修が行われないこと、また、年明けに迫っている北部地区学校給食センターの稼動について、未だ充分な説明がないことなど、現場が直面している問題を伝えました。最後に「ジャムおじさんがいなくなったら、誰がアンパンマンの顔を焼くの? 私たち調理員がいなくなったら誰が給食を作るの?」と、直営調理員の必要性と技術継承の重要性を訴えました。
その後、91校から届いた1240枚の要求を書いた付箋を貼り付けたカレンダーを当局側に手渡しました。児玉人事部長は「素晴らしいパフォーマンスだったが、要求は重たいもの。引き続き担当課と協議していきたい」と挨拶しました。
北部地区給食センター稼働迫る
移管に向けての具体的な方針を
軽やかなパフォーマンスから切り替えて、教育委員会に『北部地区学校給食センターの受配予定校に対する措置等について』の緊急申し入れ書を提出しました。調理協平野議長は「北部地区学校給食センターの稼動時期が目前に迫っている。調理員は最後の最後まで、立つ鳥跡を濁さずという気持ちで、片付けも見越して働いている。給食終了後の雇用の問題や、片付けについてなど、いち早く方針を示し、現場の不安を払拭してもらいたい」と発言しました。
教職員課加茂調整担当課長は「いつもコミカルに伝えてもらっているが、内容は深刻なもの。少しでも良くなるような回答ができたらと思う」と挨拶。健康教育課藤谷課長は「パフォーマンスの中に要求が込められてあり、わかりやすい。我々もできることをやっていきたい。北部地区学校給食センターの詳細についても、受配校連絡会議で検討中である」と述べました。
調理員の申し入れ行動は、毎年趣向を凝らし、ユーモアを交えて行っていますが、内容は切実で、重たいものです。現場の思いが届き、要求実現に繋がる回答を期待します。
調理員要請行動・保育園支部
たくさんの要求の実がなった樹を託す
(要請行動そのA)
保育園支部からは各園の要求を付箋に書いて送ってもらい、インテリアグリーンに飾り付け、現場の声をもとに人事に訴えました。
〇全園に正規調理員を配置すること
〇会計年度任用職員の処遇を大幅に改善すること
〇グリストラップ清掃は完全業者委託すること
を主な要求項目とし、その必要性を保育園給食の様子を記録した写真とともに訴えました。
職員配置の緊急申し入れ
さらに、来年4月開園予定の可部認定こども園では多くの医療的ケア児を受け入れ予定との話を受け、医療的ケア児を受け入れた経験のある調理員からその時の状況を具体的に説明しました。その中で医療的ケア児の食事は保護者・保育士・調理員が連携した慎重な対応が必要なため、必ず正規調理員2名以上の配置をと訴えました。
県民大集会
軍事費削って、くらし・福祉・教育の充実を!
11月3日、平和公園噴水前で「守れ!国民のくらし・いのち・平和 11・3県民大集会」が開催され約200名が参加しました。
実行委員会を代表して神部県労連議長は、「高市首相がトランプ大統領に軍事費大幅増を約束したが、国民は望んでいない。被爆地ヒロシマから声をあげよう」と挨拶。リレースピーチでは、民医連が「多くの病院が赤字経営」県被団協から「被団協がノーベル平和賞を受賞した思いに高市首相は背を向けている」など軍事ではなく、暮らし、いのちを大切にする政治への転換を訴える声が続きました。集会後は原爆ドームまでデモ行進し、市民にアピールました。
保育園支部 人事部長・こども未来局要請行動
人的・物的環境を整えて
安心・安全な保育園、認定こども園に
10月29日、市役所9階第1会議室で保育園支部要請行動を行いました。仕事を終えて30人の仲間が駆け付け、人事部長やこども未来局に現場の要求を訴えました。
こどもや職員の安全、安心の条件を整えて認定こども園を始めること
はじめに柴野中央執行委員長が、「新設する認定こども園は保育園の機能とは別にたくさんの機能も担うことになっている。認定こども園の職員配置は子ども・保護者・市民のためにもその機能を十分に発揮できるようにすること。そして、そこで働く職員が疲弊していては仕方がない。市民のためにも職員の労働環境は大切。今年は『労働安全法』も変わり、熱中症対策や職員数に応じた数の男女個別トイレの整備、更衣室や休憩室の整備などにも注力して欲しい」と話しました。
可部南認定こども園に必要な正規職員の配置を
2026年4月1日には可部南認定こども園が開園します。しかし、「個別の保育園だけが背負う問題ではない。全園の問題として、保育条件・労働条件に関することは労働組合との協議をしてから進めるように」と、保育園支部から再三協議を申し入れていたにも関わらず、認定こども園の幼稚園部分について、協議もないまま10月23日から募集を始めました。募集要項には「3歳、4歳、5歳各学年に2人ずつ1号認定の子どもの定員を設ける。1号認定の子どもは安佐北区内に居住し、原則として日常的に医療的ケアを必要とする子どもを受け入れる」などがあげられていました。
保育園支部は専任の主任保育士、調理員、看護師など必要な職員を正規で配置するように強く要求することが必要だと考え、要求書を提出しました。
保育士の味方 先生AI登場
また「(生成AIではなく)先生AIと考えた こんなこども園だったらいいな」と題して寸劇を交えて要望を伝えました。医療的ケア児を受け入れた経験のある保育士からは「集団保育の中で医療的ケア児を保育するために、ただ単に看護師を配置すればいいというわけではない。こどもの発達保障には医療的ケアだけでなく保育の視点も必要。そのことに戸惑う看護師も多い。通常の看護業務とは違う仕事は日任用では続かない。看護師は必要な人数を正規で配置することが必要」と訴えました。
すべての保育園に正規調理員を
調理員からは、「近年は、乳幼児期の食の重要性に関する意識が高まり、この時期の食事は健康な生活を営むための基礎となる。調理員はその重要な食事作りに日々関わり、更にアレルギー食、宗教食、離乳食への対応、個別に配慮が必要な子への対応、食形態に注意のいる食材も増えて、技術と経験を要する場面も多く、ミスの許されない緊張感のある仕事を担っている。保育士と密に連携を取り、きめ細やかに対応しなければならず、会計年度任用職員だけの正規不在園では負担が大きいとの声も聞かれる。すべての園に正規調理員を配置して欲しい。また、新規調理員には現場に入る前の研修や見学の実施、正規調理員が指導に行ける体制づくり等、技術の継承ができる環境を整えて欲しい」と現場の様子を写真などで示しながらグリストラップ清掃の完全業者委託、会計年度任用職員の待遇改善などを訴えました。
老朽化した施設の改修も急務ですが、いのちを守り育てる保育現場にとって人員配置が最も大切です。職員が健康で安心して働き続けられる条件と、子どもたちの成長を安全・安心な保育環境の中で保障できるよう、これからも現場の声を届けていきます。