しぶきバックナンバー

しぶき記事

すべての世代に賃上げがいきわたるように
広島市労連 人事委員会へ要請書提出

広島市労連が要請書を人事委員会へ提出

 8月27日、広島市労連(7単組)は、例年9月に実施されている市人事委員会勧告に向けて、組合の要求を届けようと「広島市人事委員会の勧告に関する要請書」を人事委員会へ提出しました。
 要請書では「(労働基本権制約の代償措置として)労使合意や組合の意見を十分に尊重し、勧告にあたっては、政府・総務省の不当な干渉に屈することなく、第三者機関としての独立性を守り、公平・公正な立場で勧告を行うこと」など16項目を申し入れました。

◆◆◆ 給与勧告の概要(抜粋) ◆◆◆

<月例給>

◇官民較差 15,014円(3.62%)

 初任給を一般職高卒:12,300円、一般職大卒12,000円引き上げる等、俸給表を引上げ改定
 若年層に重点を置きつつ、その他ての職員も昨年を大幅に上回る引上げ改定

<官民給与の比較方法の見直し>

〇官民給与の比較対照を【企業規模100人以上】とする。

〇較差算出に当たり、本府省職員は、業務執行面での類似性や立地条件、業務の特殊性や困難性を考慮し東京23区本店の【企業規模1,000人以上】と対応させる。

昨年を上回る引き上げ勧告も
地方との格差拡大に懸念

 国の人事院勧告では、月例給の官民較差が15014円(3.62%)、一時金は年間0.05月引上げのプラス勧告です。勧告率が去年を上回り、34年ぶりの引上げ率とされています。
 中でも、本府省職員手当については官民比較方法の見直しとして、東京23区従業員1000人以上の事業所を対象に大幅に引き上げています。このため地方勤務の国家公務員との格差が拡大するほか、地方の自治体では同様の官民比較はできないため、地方の人事委員会がどのような勧告を示すのか、今年度の一つの焦点になるものです。

人事院勧告では置き去りの
再任用職員の改善 強く求める

 山田市労連議長は、「民間春闘では、5.25%の賃上げが実現しており、3.62%でも物価高騰のなかでは納得できる水準とは言えない。再任用職員の処遇改善を組合側は強く訴えているが、年金が支給されないなか不公平な状態になっており、即刻改善すべき。ハラスメント対策や働きがいや成長実感が持てる人事管理など、国同様の対策が求められる部分もある」など、市人事委員会勧告に向けて、意見を述べました。

人材確保のためにも職場環境改善を

 木下事務局長が、要請書に関して説明し、「労働基本権制約の代償機関として、労働組合の意見を尊重すること。国の不当な干渉に屈しないこと」など原則的な要請項目に言及。具体的な要請項目としては、「再任用職員の一時金の格差解消が、当該職員から強い要求であること。人事院勧告で人事制度の見直し等を掲げているが、ブラック職場と言われていては「公務員になりたい」と思われないし、内部からの人材流出も止まらない。人員増で残業を減らす根本の対策が必要だ」と訴えました。
 市職労からは柴野委員長が発言し、「賃上げが物価に追い付いておらず、職員の生活は厳しい。生活改善につながる勧告となるようお願したい。またワークライフバランスが重要と考えている。そのためにも人員体制確保が必要。夏休や育休がとりづらい実態が職場にある」と訴え、ゆとりある職場環境が人材確保にも重要だと指摘しました。
 人事委員会からは、勧告時期は例年並みの見込みとし、国の本府省手当部分を反映しないとなると、地方の勧告との間に格差が生じる可能性があると、組合側の懸念について、見解を示しました。

現業評議会 要求書提出
人員不足・施設の老朽化
命にかかわる現場からの訴え

市職労現業評議会が市当局に要求書を提出

 市職労現業評議会は8月27日、市当局に対し『2025年度要求書』及び『熱中症対策の義務化・罰則化に伴う、現業職場の改善要求』を提出しました。

60歳を超えても
意欲を持って働ける労働条件を

 2025年度の要求として平野議長は、「今年度も広島市全ての現業職場に正規職員の新規採用が行われたことは評価するが、どの職場においても退職者補充には至らず委託化・非正規化の歯止めとはなっていない。また、定年年齢の段階的引き上げにより、高齢化は深刻さを増し、各年齢層の働き方や意欲にも影響を与えている。経験や技術継承はますます軽視され、同一労働同一賃金からは程遠い現状に、賃金を削減されながらもこれまでと同様の仕事量と重責を担う60歳以上の職員や、ボーナス支給月数が据え置かれた再任用職員をはじめ、正規職員も非正規職員もやり場のない不安・不満を抱えている。すべての労働者が安心して職務に専念し、働き続けることのできる労働条件を求める」と発言し、人員・賃金・労働安全衛生への対策等の改善・整備を要求しました。

現場で働く職員から安全対策・技術継承へ 切実な声

 熱中症対策の改善要求では、今年度6月からの労働安全衛生規則の改正に伴い、現業職員のいのちと健康を守るため「環境管理」「作業管理」「健康管理」「予算管理」の側面から改善要求を行いました。
 児玉人事部長からは「技能労務職については、必要性を見極めたうえでの採用と、給与の見直しを計画的に進めるよう国から指導を受けている状況。本市では現場としっかりと協議しながら様々な課題の対応を検討していきたい」と発言がありました。
 最後に、労働環境改善への取り組みを早期に具体化し、確実に実行することを強く求め、要求書の提出を終えました。

2025年春闘アンケートG
カスハラ対策 組織的な対応を求める回答多く

 前回から間が空きましたが、アンケートの報告8回目です。
 今回はカスタマーハラスメントについてです。前の年のアンケートでは、市職労独自に設問をしましたが、今回は、全国で統一したカスハラの設問がありました。

カスハラの体験について
質問
(1)あなたは、今までに職場内でカスハラを受けたことがありますか?(内側)
(2)あなたは、今までにカスハラを見た(同僚が受けた)ことがありますか?(外側)

 設問(1)(2)は、カスハラの体験についてです。(1)では自身がカスハラを受けた事があるかとの設問で、時々あるが3割、頻繁と1度だけを合わせると約4割の方がカスハラに接しているという回答でした。(2)は目撃したかという設問で、その分体験した人が増えています。

図(3)「(1)」と「(2)」で@〜Bと答えた方に伺います。カスハラの主な内容を以下から選択してください。
カスハラの主な内容

 図(3)は(1)の自身がカスハラを受けたことがある人に、体調の変化を尋ねています。一部、仕事を休むほどに体調に影響が出たという方も含み、調子が悪くなった人が半分。カスハラで多くの職員がダメージやストレスを受けていることがうかがえます。

図(4) 「(1)」で@〜Bと答えた方に伺います。カスハラ被害によって、健康状態に影響がありましたか。
体調の変化

 図(4)は、ハラスメントの態様で(1)で体験があった人による複数回答です。乱暴な言動が最多で、続いて窓口や電話での長時間の拘束が多いです。執拗な上司への面会要求、不当な謝罪の要求と続きます。

(5) カスハラ問題の解決にむけて主に何が必要だと思いますか。
カスハラ対策について

 (5)はカスハラ対策についてです。複数人で対応できる体制整備を求める声が最多です。次に、対策マニュアルの策定、相談窓口の整備が多い順です。個人で抱えこまないよう、職場で共有をはかったり、相談できる体制が求められているようです。

 広島市ではこの3月に、カスハラ対策マニュアルを策定しています。市職労では、前回に実施したアンケート結果を当局に伝え、対策の策定に際し職員の声を届けているところです。

豊かな保育をすすめる会 要求書提出
配置基準 保育士不足
改善待ったなし!

 8月21日、豊かな保育をすすめる会は62人の参加で2025年度の要求書を提出しました。また、公立保育園保護者会連絡会から「広島市立保育園の園舎建替を求める要望書」も提出しました。
 はじめに幼保企画村上課長から「昨年は台風の影響で要求書提出の日程がずれ、このような(たくさんの人がいる)状況でなかった。民間園や保護者の声を聴ける貴重な機会と思っている」との挨拶がありました。

配置基準についての参加者の声

 参加者からは
●災害時に安全に避難できるか不安。
●食事場面、着脱、排せつ、睡眠など生活の場面でも安全に丁寧に対応したいが十分でないと感じる。
●現状の配置基準では子どもを制止、管理するしかなくなるのではないか。
●保育士のやりがいや気持ちに依存しているのではないか。
●1歳児の配置基準は条件付きで改善されたが、ハードルは高く園運営においても負担になっている。

など具体的な場面を上げながら切実な要求を訴えました。配置基準の改善は待ったなしの課題と言えます。

人手不足の保育園の実情と課題

 また保育士不足も大きな課題で、毎日のように超過勤務をしてなんとかしのいでいる実態や人材派遣会社に一法人だけで年間660万円も支払っている実情などが出され、やりがいと希望が持てる処遇改善もまた急務であることが明らかになりました。当局からは、濱田幼保給付課長が「改善できるところは改善していきたい。協力して保育行政を進めていきたい」と感想を述べました。最後に豊かな保育をすすめる会会長から「広島市も頑張っているが国基準より上げてもらえていない。会員の声を聴き、一緒に広島の保育をよくして欲しい」と訴えました。