<ハラスメントの被害にあったら記録をとりましょう>
ハラスメントの対策として、記録メモを残すことが、証拠になります。時刻・発言内容・状況・周辺にいた人など具体的な記録をとり、積み重ねていくことで、ハラスメントの程度や証言の真実性を確認できるものになります。事案があったときは、何かのときのためメモを残しましょう。
パワハラアンケート実施中
広島市職労は現在、「パワハラに関する実態調査アンケート」を実施しています。2012年から2025年までの相談件数が226件に対し、認定件数が6件と認定までに至る事例が少ないのではないか、という疑問からです。
回答があったなかには、看過できない具体的な告発についても寄せられているところです。
労働施策総合推進法の改正により、2020年6月1日からパワーハラスメント防止措置が事業主の義務として位置づけられています。本市でもハラスメント対策基本方針にもとづき、相談窓口が複数設置されています。また、倫理研修でも、セクハラ・マタハラとともに、履修項目の一つとなっています。取り組みはされていますが、事案がなくならないのも現状です。
職場環境への負の影響は大きい
パワハラは、被害者の心を傷つけ、ときにストレス性疾患・適応障害など、その人の働く能力を奪ってしまいます。トラウマ、人間不信になるなどその人の将来を左右する可能性もあり、その行為が生む結果は重大です。
しかし、問題はそれだけにとどまりません。パワハラが行われている職場は、周囲の同僚にも悪影響を与えます。自分が直接パワハラ行為を受ける立場でなくとも、ストレスや精神的苦痛を感じたり、業務に集中できなくなります。加害者を除く大半の職員が、「仕事に行きたくない」「早く異動したい」などと考え、自分がターゲットにならないよう怯えている状況は、職場環境として非常に悪い状態です。また、こうした精神的負担によって、病休者が出れば欠員となり、さらに業務の停滞を招きます。早期に是正することが大切です。
事業者が負うべき責務
パワハラ防止対策は、事業者の責務(義務)となっています。相談窓口の設置はもとより、実際に相談があった後、きちんと対応されなければ意味がありません。
◆事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
◆相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
◆職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
・事実関係を迅速かつ正確に確認すること
・速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと(注1)
・事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと(注1)
・再発防止に向けた措置を講ずること(注2)
(注1)事実確認ができた場合
(注2)事実確認ができなかった場合も同様
◆そのほか併せて講ずべき措置
・相談者・行為者のプライバシーを保護するための措置について労働者に周知すること
・相談したこと等による不利益取扱いをしない旨を定め、労働者に周知すること
各地の自治体で相次いでいるパワハラ問題
自治体の首長や幹部のパワハラが全国ニュースになり、辞職や処分に至るなど、パワハラを放置したり見過すと重大な結果につながる懸念もあります。時代変化への認識が足りず、パワハラ行為を「これくらいは許される」という考えは、足元をすくわれるものになります。
職場内でパワハラが発生している状況は、職場環境を悪化させるものです。放置せず職場で問題を共有し、市当局に指針にもとづく対応をしっかり実行させることが、パワハラをなくしていくために大切です。
| 代表的な言動の類型 | 該当すると考えられる例 | 該当しないと考えられる例 |
| (1)身体的な攻撃 (暴行・傷害) |
�@殴打、足蹴りを行う �A相手に物を投げつける |
�@誤ってぶつかる |
|---|---|---|
| (2)精神的な攻撃 (脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言) |
�@人格を否定するような言動を行う。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む。 �A業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う �B他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う �C相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信する |
�@遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をする �Aその企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意をする |
| (3)人間関係からの切り離し (隔離・仲間外し・無視) |
�@自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする �A一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる |
�@新規に採用した労働者を育成するために短期間集中的に別室で研修等の教育を実施する �A懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、その前に、一時的に別室で必要な研修を受けさせる |
| (4)過大な要求 (業務上明らかに不要なことや 遂行不可能なことの強制・仕事の妨害) |
�@長期間にわたり、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下で勤務に直接関係のない作業を命ずる �A新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する �B労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる |
�@労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる �A業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せる |
| (5)過小な要求 (業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと) |
�@管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる �A気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない |
�@労働者の能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減する |
| (6)個の侵害 (私的なことに過度に立ち入ること) |
�@労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする �A労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露する。 |
�@労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等についてヒアリングを行う �A労働者の了解を得て、当該労働者の機微な個人情報(左記)について、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促す |