しぶきバックナンバー

しぶき記事

給与勧告・賃金確定交渉で
市職員の労働条件が変わります

人事委員会→勧告→賃金確定交渉→広島市条例改定→広島市職員

公務員の勤務条件に大きな影響を与える人事院勧告

 8月7日、今年度の人事院勧告が示されました。内容については、職場に回覧しました「自治体の仲間」や「しぶき」の人勧号外をご覧ください。
 公務の労働組合では、人事院勧告や各地方人事委員会の勧告が、労使交渉で重要な基準となっており、広島市職員の勤務条件に毎年大きな影響を与えています。また、公務員のみならず、「公務員準拠」を賃金決定の基準にしている企業や各種団体などの労働者にも影響が波及しています。

広島市人事委員会から給与勧告 人事管理に関する報告も参考に

 9月26日には、広島市人事委員会が、市長及び市議会に「職員の給与等に関する報告及び勧告」を提出しました(市人事委員会勧告の内容は、「しぶき」号外を参照)。市職員の勤務条件に関する内容ですので、自分のこととして、ぜひ目を通していただければと思います。給料や一時金のことだけでなく、「人事管理に関する課題」、とりわけ職場環境改善等に関して、管理職や職員に向けて、様々な取り組みを提起している大事な内容が含まれています。

@人事院とは?(人事院ホームページより)

 公務員は、憲法で「全体の奉仕者」と定められ、職務の遂行に当たっては中立・公正性が強く求められます。このため、国家公務員法に基づき、人事行政に関する公正の確保及び国家公務員の利益の保護等に関する事務をつかさどる中立・第三者機関として、設けられたのが人事院です。
 人事院の主な機能としては、以下のとおりです。

  • ○人事行政の公正が確保されるよう、採用試験、任免の基準設定、研修等を実施
  • ○労働基本権制約の代償措置として、給与等勤務条件の改定等を国会及び内閣に勧告
  • ○人事行政の専門機関として、内外の人事制度の調査研究を行い、時代の要請にこたえる人事施策を展開

賃金確定交渉 本格スタート
「しぶき」の報告を読みましょう

 広島市人事委員会が給与勧告を出した後、「賃金確定交渉」が本格的にスタートします。市職員の労働条件に関して、広島市職労を含む7つの市関連労働組合でつくる広島市労連が例年、3回の賃金確定交渉を行い、当局から人事委員会勧告以上の前進回答を引き出そうと、各単組から様々な職場要求を当局に訴えています。
 交渉が妥結すると、その内容をもとに12月議会で条例改正を行うため、毎年最終交渉を11月中旬に行っています。会計年度任用職員については、非正規連絡会が同様に交渉を行っています。
 毎年、交渉の経過や結果を「しぶき」でお知らせしています。職員一人ひとりの勤務条件に関することで、近年は「給料が上がる」という、嬉しいお知らせも混じっているので、ぜひ読んでみてください。

学校業務員協議会 要求書提出
学校の老朽化と正規職員不足は深刻
職員の安全と育成に配慮した職場環境を

学校業務員協議会は教育委員会教職員課に要求書を提出

 9月11日、学校業務員協議会は教育委員会教職員課に、2025年度要求書を提出しました。

業務員の経験・工夫で
安全に維持されてきた学校施設

 冒頭、宮脇議長は「学校施設は、児童生徒の学習・生活の場である教育施設であるとともに、非常災害時には地域住民の避難生活の拠点としての役割も担っており、日常のみならず災害時においても十分な安全性・機能性を有することが求められている。本市の学校施設は築40年〜60年経つものが多く、市の厳しい財政状況の中、早期修繕が行われず、必要な性能を満たせていない設備が多く存在しており、学校業務員の経験や工夫により、応急的な処置を施すことで、安全・安心な学校環境の維持ができている。学校施設の老朽化により、修繕や点検にかかる負担が年々重たくなる中、学校施設を維持管理するためには専門的な知識・技術が必要。当局には、学校業務員職場を深く理解したうえで業務内容を精査し、職責に見合った職務・位置づけを基にする体制の早期確立を求める」と述べました。

技能研修・安全衛生など育成・教育体制が不十分な現場

 基本要求では、学校業務員の技能研修・安全衛生などの育成・教育体制が不十分で、様々な作業において不安を抱えている者が多くいること、学校整備の方針が示されず個々の判断に任されてしまっている懸念、職責の偏りに疲弊する現場の状況を伝えました。また、公用車(軽トラ)の更新時期、定年延長者の配置などの課題を挙げ、改善を求めました。

培った技能が活かせる人員体制が求められている

 続いて、平野現評議長は「多岐にわたる学校要望に応えることは、誰でも簡単にできる仕事ではなく経験が必要。正規職員がやりがいを持ってステップアップでき、培った技能を現場で活かせる体制を望む。研修については労働安全にも関わることであり、職務上必要なものは当局側の責任で実施すべき。また、危険作業を伴う学校業務員においては高年齢層の働き方への配慮が必須であり、公務災害防止の観点からも、育成の観点からも中堅層を作業の中心とできる人員体制にしなければならない」と発言しました。

長年の採用停止の影響で依然大きく残る課題

 今年度は2年連続となる複数名の新規正規職員の採用を勝ち取りましたが、長年の採用停止の影響は大きく、正規職員の人員減と不均衡な年齢分布への対応は依然大きな課題です。技術の継承の観点から正規職員採用を今後も継続することを強く求めると同時に、山積する職場環境・労働条件の課題の早期改善を求め、要求書の提出を終えました。

保育・子育てを楽しもう!
広島県保育団体合同研究集会

広島都市学園大学で開催された第24回広島県保育団体合同研究集会

 9月7日、広島県保育団体連絡会主催の第24回広島県保育団体合同研究集会が広島都市学園大学で開催され、保育園職員や保護者、子ども、研究者や学生など、広島県内から278名(保育園支部から20名)の参加者が集まりました。
 『楽しむこころ 明日へのいっぽ 〜Let‘s Enjoy 保育♡子育て』をテーマに2つのあそびの講座と5つの分科会と、2つの交流会に分かれ、広島県内の保育関係者が交流しながら学び合いました。

子どもの思いに寄り添う実践発表

 保育園支部からは原保育園の平田和弘保育士が「2・3歳児の遊びと生活」の分科会で、『遊びのなかで育つ子どもの思い〜子どもの内面に目を向け、耳を傾ける大切さ』というテーマで実践発表しました。玩具や順番をめぐってのトラブルを通して、両者の思いを受け止めたり、相手の思いを伝えることを日々積み重ねていくなかでの子どもたちの様子の変化が語られました。発表内容が保育のなかで共感を得やすい内容だったため、その後のグループ討論では参加者自身の経験を踏まえながら、子どもの内面について議論を深めました。
 また、給食・食育交流会が復活し、公立・私立の調理員たちが集い、和気あいあいと語り合いながら、給食や食育の大切さを確認しました。
 今後も子どもたちのために、よりよい保育・調理が提供できるように、公立・私立の垣根を越えて、子どもの最善の利益という視点を軸に語り合いながら学習を深めていきます。

会計年度任用職員の声届ける
残業に頼らない人員体制を
正規職員を増員すべき
認定調査員要求書提出

会計年度任用職員労働組合認定調査員支部は要求書を提出

 9月10日、会計年度任用職員労働組合認定調査員支部は、介護保険課木原課長に賃金、労働条件の改善、向上のための要求書を提出しました。
 以前から申請件数だけでなく、移動方法、移動時間などを総合的に判断し、人員配置を要望していましたが、今年度より安佐南区・安芸区・佐伯区に1名ずつ増員が実現しました。負担の大きかった区の業務負担軽減につながり、大変感謝していることを伝えました。
 認定調査員の連絡会が開催されていますが、今後も引き続き業務の効率化を図り、定期的に現場の意見を聞いて柔軟に対応することや、審査会に関することなどは広島市として文書に残し、すべての合議体で実行するべきだと訴えました。また、調査員がするべき仕事を、できるだけ8区で統一したものにしてほしいと訴えました。
 今年度は、6月28日に認定調査員交流会を開催し、その中で毎年要求している移動手段である車やバイク、電動アシスト自転車が不足しているとの意見が多く出ました。バイクの稼働状況や他課からの車の借り方の煩雑さなど、現場の状況を具体的に説明し要求しました。
 事務補助員からは「窓口対応や業務が多く、遅くまで残業している事務補助員や欠員の職員がいる。会計年度任用職員で欠員を補充するのではなく、正規職員の増員をお願いしたい。時間内に終えられる業務にするべき」との意見が出ました。
 認定調査員支部では、安心して働き続けられる職場にするため、引き続き要求実現に向けて取り組みます。

作って学んで交流
調理員実技講習会

保育園支部の調理員実技講習会

保育園支部は9月12日、ゆいぽーとにて調理員実技講習会を開催しました。

今までと違う調理法に感心しながら 学び実践

 立案から開催までの期間が短かったにも関わらず調理員、保育士19名が集まり、参加者から事前に募った作りたい献立である千草焼き、クラムチャウダー、あじの南蛮漬け、大学いも、りんごのコンポートの5品を調理しました。参加者は今までの切り方、煮方と違うやり方を学び、感心しながら、メモを取り、実践していました。
 併せて離乳食の月齢ごとの形態やオレンジの切り方を学びしました。
 その後の交流では、出来上がった献立に舌鼓を打ちながら、食育についての情報交換をしたり、調理のコツや仕事の楽しい話、悩み事などいろいろな話で盛り上がり、あっと言う間の2時間でした。

普段会えない人達と交流し参加者全員大好評

 参加者からの感想として、以下のような意見がありました。

  • ○いろいろな園の方と交流が出来て良かった。年1回ではなく複数回開いてほしい。
  • ○美味しくて楽しかった。保育園の給食は最高だと改めて思った。これからも頑張ります。
  • ○業務中だと躊躇して聞きそびれることもあるが、いろいろな事が質問できてためになった。
  • ○保育士です。実際に調理している姿を見られて勉強になった。子どもたちにも見せてあげたい。

 「また開催して欲しい」という意見がたくさんありました。
 みんな学びたいという気持ちは持っているが、その機会がないので困っている様子が伺えました。私たち保育園支部としても、大量調理の経験が無いまま働かざるを得ない現状は良しとしません。次の実技講習会の計画も必要ですが、それ以前に、保育課に育成についても責任を持ってもらうよう働きかける必要を感じました。