激動の情勢のなか
働くなかまの仕事・暮らしを守ろう
広島市職労 第113回定期大会 開催
広島市職労は7月13日、第113回定期大会を国際青年会館(アステールプラザ)会議室にてオンライン併用で開催しました。
国民・労働者の暮らしを守る要求を
大会の冒頭、柴野中央執行委員長があいさつに立ち、「この6月から、職場での熱中症対策が義務化され、各支部協議会での要求書の項目に制度改正を踏まえた対策を加えるようお願いしたい。日本の相対的な貧困率はOECDで悪い方から3番目。原因は、所得再分配率が低いためで、社会保障の拡充と大企業や富裕層への応分の負担が急務となっている。被爆80年の取り組みとして、原水爆禁止世界大会や関連行事へ積極的に参加をしてもらいたい」と呼びかけました。
来賓挨拶では、参議院選挙を控え、国民生活に背を向ける政治から、国民・労働者の暮らしを守る政治への転換などへの発言が相次ぎました。
物価高騰のなか求められるのは一握りではなく全体の賃上げ
木下書記長が、1年間の報告や、新年度の方針案を提案しました。
「物価高騰のなか、賃上げは政府も社会的課題に据えている。しかし、医療や介護などのケア労働の現場では、政府の財政支援が不十分で賃上げができないばかりか、事業者が経営困難になっている。人が人を支えるエッセンシャルワーカーを評価し、制度的に賃上げをしていく必要がある」と提起しました。国の「給与制度のアップデート」は一握りのエリート優遇を強めるものであると指摘し、労使協議で広島市に持ち込ませないようにしたい。また組織拡大の取り組みでは、共済プレゼントキャンペーンを実施すること、反核・平和の具体的な取り組みとして、折鶴プロジェクト等の運動を提案しました。
各支部協議会からの報告
大会後半の討論の時間では、各支部協議会から発言がありました。
<学校業務協>
学校業務員は、学校環境整備員と言っても過言ではないくらい多岐にわたる業務をこなしている。教室の改修工事が始まり、工事業者との協議に加わり、工事の工程を確認し、学校運営に支障がないか確認。学校業務員の知識と経験を活かし、学校運営に貢献している。こうした技能は、自己研鑽に任され、事故の予防なども現場任せの状態である。責任をもって働ける職場環境の改善を訴え、仲間をひろげていきたい。
〈環境局支部〉
7月2日に支部の定期大会を開催し、今年度の方針を議論し決定した。昨年度は行事としてみかん狩りを行ったが、今年は従前の似島でのつり大会を行う予定。8月4日に要求書を提出する。組合員の生活を守れるよう当局と協議していきたい。
〈学校給食調理協〉
酷暑のなか、熱中症対策を要求。スポットクーラーは計画された設置が完了したが対策としては限界がある。アイススラリーという補水液を凍らせた熱中症対策用品を一人一つ配布することになった。定期総会に未加入者も参加し、職場の問題を交流するなかで、2名が組合に加入してくれた。7月27日には「第20回ひろしま給食まつり」を高陽公民館で開催予定。運営の協力をお願いしたい。
〈保育園支部〉
保育園では、正規職員が削減され、会計年度任用職員の6Hの欠員が常態化しているため、5月29日に「正規保育士の採用」など要求書を提出した。毎年の要求で不十分ながら主任の複数配置が前進している。調理員は正規不在園が増えるなかで、新規職員の育成が課題になっている。
6月17日の定期大会では、今年度廃園予定の八幡東保育園と、こども園化の計画がある可部東保育園から職場の状況について報告が寄せられた。こうした声を7月15日の要求書提出の際に当局に届けていきたい。
〈児総センター支部〉
毎年の要求のなかで、園バスの更新や、職員の増員(事業団)など成果もある。インクルージョン保育をすすめるため、保育園と連携していきたいが、市からの派遣保育士が欠員となっていて、人員体制の確保や人材育成で課題になっている。12月には「障害児こどもまつり」を開催予定。
〈女性部〉
生理休暇の名称が今年から「健康サポート休暇」に変更されたが、休暇対象は拡大されなかった。男女ともに更年期障害などでも使える制度にしていきたい。オンライン会議ができるようになり、全国集会への参加がしやすくなったので、女性部で様々な取り組みに参加している。「核兵器なくそう女性のつどい」や「母親大会」に男性も女性も参加してもらいたい。
運動方針案、予算案などすべての議案を採択し、団結して要求前進を勝ち取とろうと、決意を固め合いました。
公的保育制度の堅持・拡充を!!
仕事を終え駆けつけた67人が厳しい現状を訴える
保育園支部2025要求書提出
7月15日、市職労保育園支部は2025年度の要求書を提出しました。
10年後20年後を見据えた
広島市の子育て施策を
最初に、市職労柴野中央執行委員長が要求書の中から「誰もが安心して子どもを産み育て、働き続けることができるよう、児童福祉法24条に基づく公的保育制度の堅持・拡充をはかること」という一文を引いて、「これは要求の根っこの部分。公立保育園が少しずつ失くされていくことへの危機感を感じている。10年後20年後このやり方が正しかったと言えるのか。保育ビジョンが広島市の子どもたちのためのものであるのであれば、地域にとって良いものとなるよう考えていただきたい」と挨拶がありました。
その後、2025年度の要求書を提出し、幼保企画課長から6月に提出していた3つの要求書についての回答と乳幼児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)について、認定こども園(可部南(仮))・鈴峰園)の現状と今後の予定について等の回答がありました。
子どもも保護者も職員も
安全・安心な保育園生活を送りたい
保育園支部からは「4・5歳児の配置基準改善や広島市が独自に改善を目指している3歳児の保育士配置基準改善を、加算や経過措置ではなく実人員配置にすること」「保育ビジョンに記載のない保育園の統合こども園化は市民、職員の声を軽視している。地域に公立保育園のある意味を考えていない。公立保育園を減らすことを先に考えているのではないか。現在67人と88人在園する園を合わせて、他都市では大規模と言われている160人規模の園にするということは本当に子どものための施策とは言えないのではないか」「技術継承と離乳食や口腔機能に合わせて丁寧な食育をするために全園に正規調理員を配置すること」「調理室の設備点検・改修を定期的、計画的にすること」「グリストラップ清掃は業者委託の回数を増やし、完全に調理員の仕事から外すこと」「会計年度任用職員の働き方に見合う処遇改善をすること」「他国籍の児童が複数いる保育園にはお知らせなどを翻訳したり、子育て支援、保護者支援を的確に行うためにも加配を配置すること」「こどもから離れて事務や保育準備等ができるようノンコンタクトタイムが保障できる人員配置と年休を完全取得できる職員配置を」「熱中症対策はマニュアルを掲示するだけではなく具体的な対応を」など要求書の項目に関して職場の状況を交え訴えました。
雨にも負けず最後まで熱く応援!
カープ野球観戦
市職労の恒例行事、プロ野球観戦を実施し、7月17日のマツダスタジアム・DeNA戦に組合員とその家族、友人等100名が集まりました。
生憎の雨による長時間の試合中断中も、美味しいものを食べ、参加者同士話しながら再開を楽しみに待ちました。試合再開後、モンテロのホームランが飛び出し盛り上がりましたが、4回に追い付かれ、追加点チャンスと思われた6回裏、再度の降雨による試合中断後コールドゲームとなりました。幸い屋根の下の席だったため、熱い声援を送りながら最後まで観戦できました。
職場の課題を共有
熱中症対策を起点に 要求前進めざそう
現業評議会 第45回定期総会
現業評議会は7月9日、第45回定期総会をアステールプラザにて開催しました。
酷暑のなか熱中症対策にも力を入れて
冒頭、平野議長が「今年は6月中に梅雨が明け、長い夏が始まったが、今年6月に施行された、熱中症の重篤化を防止するための労働安全衛生規則の改正は、要求前進の大きなチャンスとなる。熱中症の事後対応だけでなく、予防する手立てを雇用者側に講じさせることが非常に大事。熱中症リスクを抑える具体策を各支部協議会に挙げていただき、現業評議会として要求書に盛り込み当局に届けたい。何事も声を挙げなければ始まらない。本日の定期総会では現場の率直な意見がたくさん出ることを期待している」と述べました。
市職労柴野中央執行委員長からは、「熱中症に関しては、まさにいま効果ある申し入れができる機会であり、要求へと繋げていく。人事院勧告に関しては、給与面では物価高の中でプラス勧告が出される可能性が十分にあると同時に、働き方への対応にも注目をしている。勧告が出次第、市職労でも学習会を開く。組合員には確定交渉へ向けた取り組みへの協力もお願いしたい」との挨拶がありました。
直営を守り住民に対し責任を持てる人員体制を
総会議案では「現業の仕事がなぜ直営で行われることが必要なのかを改めて考え伝えていくことが大切。住民の幸せのために仕事をするには、我々も幸せでないといけない。国や自治体の進める施策・制度の矛盾を追求し、現業労働者の担う役割を発揮できる体制と人員確保、処遇改善を勝ち取ることが求められており、我々が働くうえで、住民に責任をもてるだけの人員確保と労働条件を要求していく」との運動方針案が示されました。
熱中症対策・新規採用・施設老朽化
人員不足など 各職場の課題を共有
各支部協議会の討論では、熱中症について各々の職場の特性に応じた具体的な対策が提案され、当局への要求に繋げる建設的な話し合いが行われました。
また、新規の正規職員採用や、交渉により労働条件の改善へと繋がった喜びが語られた一方、「施設の老朽化や設備不足により、著しく不快な環境で働かざるを得ない状況」「経験や責任の重さが軽視され、やりがいや意欲を見いだせなくなっている危機感」「人員の不足が、現場の奮闘だけでは回っていかないほど悪化している現状」など深刻な現場の報告がありました。
自治体職員として平和の行動に参加を
総会宣言案では「被爆80年となる今年は、広島市で働く職員として、労働組合に結集する組合員として、平和、人権、いのちと暮らしを見つめ直す大きな節目の年となる。平和文化の担い手を育成する観点のもと、若い世代の主体的な取り組みや積極的な参画を促し、平和学習や平和のつどいを大きく成功させましょう。現業職場、公共サービスの重要性を市民に訴えるとともに、住民のために働きがいのある仕事をするために、運動の前進をはかりましょう」と宣言されました。
全ての議案及び提案が承認・採択され、最後に公務労働者の賃上げや人員増、非正規労働者の待遇改善など、安心して働ける労働条件を求めて現業評議会が一致団結して取り組む決意を表明し、参加者全員で「団結がんばろう!」と声を合わせ、総会を締めました。