すべての職員に賃上げの恩恵が届くように
市労連 人事委員会に申し入れ
市関連労組7組合で構成する広島市労連は、4月15日、市人事委員会に対し申入れ書を提出しました。
37か月実質賃金マイナス
職員が希望持てる処遇改善を
市労連の山田議長は「人事院の『人事行政諮問会議』の最終答申が3月に示され、民間調査の対象事業所を『従業員数100人以上』に戻すよう言及された。市人事委員会としても提言を受けた対応が必要なのではないか。物価高騰のなかで37か月実質賃金マイナスとなっている。希望を持って働けるよう、職員の処遇改善をお願いしたい」と考えを示しました。
社会情勢が変化し労働組合の要求と重なる点多い
木下事務局長が「社会情勢が激しく動くなかで、人手不足や物価高騰など状況変化を視野に入れた勧告が求められている。人員確保のために勤務条件の改善が重要となっており、労働組合と課題が重なる点が増えている。労働基本権制約の代償機関としての役割を発揮していただきたい」と前置きした後、申し入れ項目について説明しました。
「人事行政諮問会議の提言を受けて民間実態調査の事業所規模を100人以上とすること」「初任給の引上げに比べて、高年齢層の職員は物価上昇を考慮すると実質賃金マイナスの厳しい状況が続いている。全世代に賃上げが波及する勧告と、60歳を超える職員・再任用職員の処遇改善」「働くことが難しい家族がいる職員のために扶養手当を」など、今年の課題となる要求項目について言及しました。
また、ハラスメント防止策のルールづくりが整備されてきているものの、実際に事案が発生した後に「再発防止」につながるよう、加害者側へもっと踏み込んだ対応が必要だと訴えました。
職員のライフステージに合った福利厚生や休暇の充実を
市職労からは柴野委員長が発言し、「いま仕事もプライベートも大切にしたいと考える職員が増えていて、子育てや介護など職員のライフステージに合った福利厚生や休暇が重要となっている」と訴えました。
人事委員会事務局からは、「今年度の民間調査も、昨年同様のスケジュールとなる見込みで、事業所規模も、現段階では例年どおりで予定している。3月にカスハラ対策方針が策定され、実効性ある対策となるよう取り組みを進めたい」など申し入れを受けて、今後に向けての見解等の回答がありました。
2025年春闘アンケート@
収入は増えているが生活に余裕は生じていない?
表 2025春闘アンケート 回答者の分布
質問1 あなたの生活実感は、どれに該当しますか
今年2月に市職員及び関連職場のみなさんにお願いしました、2025春闘アンケート(職場アンケート)、今年は昨年の1.1倍の3000通を超える回答をいただきました。ご協力誠にありがとうございました。回答者の分布がわかるプロフィールについては、上の表をご確認ください。
紙面の都合上、今年は質問1から順番に回答状況を紹介します。
質問2 あなたの収入(年間)は、前年に比べてどうなりましたか?
生活実感「苦しい」半数弱で 変化なし
質問1「あなたの生活実感は、どれに該当しますか」では、「まあまあだ」45%と3%増え、その分「かなり苦しい」11%、「やや苦しい」35%、が前年度より微減ですが、全体の回答数が増えたことを考慮すると、傾向としては前年とほとんど変化がないと見て取れます。
質問3 あなたの家庭では月額あといくらくらい必要ですか?
収入「増えた」が 3分の2
質問2の「あなたの収入(年間)は、前年に比べてどうなりましたか?」では、昨年度の給料表改定によって、約30年ぶりとなるプラスの賃上げ幅となり、それに伴う差額支給があったことが反映し、「増えた」が3分の2を超える68%に到達し、特徴的な結果となっています。60歳超で定年延長に該当する正規職員の方や、年齢や個人の希望で短時間勤務に切り替わった方など、減った方も一定数生じています。
3人に1人が「あと5万円」は必要
質問3の「あなたの家庭では月額あといくらくらい必要ですか?」では、「5万円」の回答が、昨年より増加しています。それより多い金額の項目では割合が下がり、「4万円」より小さい項目の回答比率が若干増加しています。
人手不足にきちんと対応し 学校給食を守れ
〜学校給食調理員 年度末に駆け回る〜
緊急申し入れ書を提出
〇調理協が訴えるも策を講じられないまま進められた計画
2026年1月から、北部地区学校給食センター(仮)で作られた給食の配送が始まります。しかし、受配校となる学校で調理員の退職が相次ぎ、センター開始までの給食提供がままならないのではないかという状況が生じました。
3年前にセンター化計画が出された時点で、問題は予想できており、調理協は何度も策を講じることを伝えてきましたが、教育委員会は動こうとはしてくれませんでした。
〇調理員足りない! 安全・安心な給食を作るためには雇用の安定は必須
センター受配開始後の雇用が約束されないため、前もって他校への異動を希望する人や、学校給食以外の仕事に就くため退職する人が増えたことが退職者増加の原因です。
人員不足は、子どもたちへの安全安心な給食提供への大きな妨げとなりかねません。欠員のまま調理作業を進めることで、焦りが生じ、公務災害の発生も心配されます。また、代員の確保に多くの時間を割くことは、心身に強いストレスが生じます。
3月24日、『学校給食の提供体制を維持するための緊急申し入れ書』を提出し、「教育委員会が責任を持って職員を確保すること。センター受配予定校に勤務する会計年度任用職員に対して、意向調査を行い、自校調理校での勤務を希望する職員については、令和8年1月以降の雇用の継続を約束すること」という現場の声を強く訴えました。
似島学園の給食業者が撤退 似島小中校で提供
〇調理員の確保が難しいと業者が委託契約解除を申し出る
教育委員会は、長年民間業者に調理委託してきた似島学園小学校・中学校=i以下学園=jの給食を、令和7年度から、似島小中一貫校≠ナ調理し配送する親子方式に変更することを決定しました。学園の給食調理を請け負っていた業者が、調理員の確保が難しいため委託契約の解除を申し入れたことが理由です。民間委託の脆弱さが露呈され、やはり公的責任を果たせるのは直営だということを、改めて認識しました。
〇こどものために給食は止めない! 栄養教諭の配置を!
急な提案に似島小の給食室には、激震が走りました。しかし「子どもたちのためだから!」と懸命に準備を進めました。中学校だけでなく、学園(小学生から高校生まで)との親子給食であり、食育の推進も必要、学校間の連絡も複雑となり、「栄養教諭は不可欠!」と申し入れてきましたが、今回は見送られました。今後もあきらめず要求し続けます。
採用年齢の上限引上げへ 会計・臨時の調理員 正規採用へ道
〇給食調理員の専門性を生かし 経験を重ねられる制度に
調理協は「培ってきた経験を学校給食現場で活かせる制度に」と採用年齢の引き上げを要求しました。令和8年度の募集から、上限39歳の採用年齢を定年年齢の引き上げとともに段階的に引き上げ、最終的には65歳とすることになりました。今まで年齢を理由に、正規への道をあきらめていた多くの調理員にとって、大きなチャンスです。
〇採用年齢の引き上げと共に臨時的任用職員の賃金改善も要求
また、当然である年齢ごとの初任給の設定と併せて、採用年齢を理由に39歳の初任給で頭打ちとなっていた臨時的任用職員の賃金を、各々の年齢の初任給額で賃金を支給するよう要求していきます。これからも子どもたちに安全でおいしい給食を提供するために、調理員が安心して働き続けられる処遇をめざしていきます。
住所異動で市民が殺到し大混雑
3月31日、年度末の月曜日、区役所市民課窓口は住所異動の市民が多数来課し、近年にない大混雑となりました。待ち人数が業務終了の19時になっても解消されず、その日のうちの手続きを断った方や、20時には、住基ネット端末が止まり、マイナンバーカードの情報処理ができず、後日対応になるなど、かつてない状況でした。
混雑を分散するために、休日開庁日を設けたり、平日は夕方19時までの時間延長など、例年通りの対策をとっていましたが、今シーズンは、こうした分散対策の効果が小さく、特に3月31日に集中してしまった印象です。
それ以外の要因としては、
◆外国人の転入が増加していること ◆マイナンバーカードの普及など市民のニーズに合わせて選択肢が増え届出時に行う説明が多岐にわたるようになっていること ◆住基システムが1月に更新されて、初めて迎える繁忙期であることなどが考えられます。
想定外の事態に、会計年度の業務推進員も含め、夜遅くまで残業。後日への余波も大きく、例年になく負担が大きい年度替わりになってしまいました。