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女性部第50回定期大会
自分らしく生き生きと
働き続けられる職場を

広島市職労女性部第50回定期大会

 2月29日、広島市職労女性部第50回定期大会が市労連室で開催され、31人が参加しました。

誰もが迎える更年期
みんなに知ってもらいたい

 まずはじめに元自治労連女性部長の田頭愛美さんを講師に「女性の身体とはたらき方」と題して学習会を行いました。
 田頭さんはPMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分症候群)について「これは認知もされにくく、我慢している女性も少なくないので女性にとっては大きな問題。症状が重い人はイライラしたり、情緒不安定になるなど、日常生活に支障をもたらす状態になる。男性の方も含め、全ての方にこのことを知ってもらいたい」と話されました。
 また更年期については「女性ホルモンに守られてきた身体が卵巣機能の低下で人生のセカンドステージとして、誰もが更年期を迎える。そしてホルモンの減少、性格、体質、環境が要因で更年期障害になることがある。症状としてはほてり、発汗、動悸・頭痛・冷え・疲れなどの身体症状や、意欲低下・イライラなどの精神症状が現れる。更年期は男性にもあり、男性ホルモンの低下による更年期障害(LDH症候群)も女性と同じように様々な症状がある」と説明されました。
 最後に「自分の身体や心の声に耳を傾け、セルフチェックなど活用し、正しい知識を身につけてほしい。知っていたけど選択しなかったことと知らずに選択できなかったということは意味が違う。大切なことは自分で選んだと納得して生きること」と話されました。

家庭も仕事も大切に 明るく楽しく働きタイ!

 定期大会の来賓は、広島自治労連平松委員長と広島市職労塩見委員長を迎えました。平松委員長は「女性部から平和、仕事、家庭と多岐にわたる勉強の機会が与えられる。知らないことも知ることができ女性部の活動に楽しさを感じる」、塩見委員長からは「当たり前の家事、育児、仕事、それぞれの活動をしていくためには分担しないと無理。ジェンダー運動を進めていくうえで、家族も含めて理解してもらうことが大切」と女性部活動の成果を称え、引き続きの奮闘を呼びかけました。
 大会では2023年度活動報告、活動方針(案)女性役員(案)の提案後、討論が行われ、学校給食調理員協議会からは正規調理員2名の新規採用の獲得と今夏のプチプチ給食まつりの呼びかけ、臨時的任用職員の待遇改善を要求していくことなどの報告、保育園支部からは正規調理員2名の採用を勝ち取ったことなどの報告がありました。
 討論後、活動報告、活動方針、女性部役員を拍手で承認。女性部長は「総務省は現業職をなくそうとしているのに、少しの採用ですが広島市は頑張っている!会計年度任用職員の賃金もまだまだ足りないけどアップさせた。それも労働組合が頑張っているから。市民や子どもたちにとってより良い広島市になるよう皆さん頑張りましょう」と挨拶しました。最後に女性の願いを込めた「〇〇しタイ!」コールを参加者全員で行い、大会を締めくくりました。

憲法擁護義務に照らし 誤解や混乱もたらす
職員研修での引用中止を

 昨年12月に、マスコミの報道により、松井市長が、新規採用職員と新任課長研修で2012年から実施している市長講話で、教育勅語の一部を引用していることが明らかになりました。
 内容をめぐり、全国から厳しい批判や抗議の声が上がり、現在も続いています。
 松井市長が個人として教育勅語をどう思われるかは内心の自由ですが、職員研修は市職員として公式に受ける研修であり、受講する職員は当事者にあたることになります。広島市職労としても見解を示すこととしました。

現憲法の条規に反するとして国会で排除・失効が決議された

 前回、憲法99条の憲法擁護義務について紹介しました。第九十九条天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふによって、私たち公務員は、憲法擁護義務を負います。時の権力者の独裁や暴走を許さない歯止めとして、憲法は「権力者が守るもの」であり、民主的な国家として大切な「立憲主義」という考え方の根幹をなす大切な条文です。
 また、憲法98条では、この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しないと、国の最高法規である日本国憲法に反する法令等は無効であるとしています。
 教育勅語は、衆参両議院で排除、失効が決議されています。1948年6月19日の衆議院決議では、この98条の本旨にもとづいて排除するとしており、内容以前の問題で、教育勅語は、憲法擁護義務のある公務員が用いるものではないことは明らかです。引用したとされる文章中にも、「爾(なんじ)臣民は」という天皇君主制のもと国民は臣民(家来)であるという文言があり、国民主権の現行憲法とは相いれないものです。

ジェンダー平等と正反対の価値観 引用するには無理がある

 教育勅語は、発布された当時の、男尊女卑・家父長制を土台にした道徳・徳目として構成されたものです。現代の男女平等、均等相続などと同等に解釈するのは無理があります。女性に参政権がなかった時代の徳目を「良いところもあった」とするとは、女性の立場から考えて、とても納得できるものではありません。
 戦時動員の思想統制の道具だったことなど、改めて調べるなかで、職員研修に引用する問題点がいくつも浮き彫りとなりました。
 広島市職労は、日本国憲法第98条により衆参両議院で排除、失効が決議された教育勅語を職員研修で使うことは、憲法違反の疑いがあり直ちにやめるよう求めるものです。

2024ヒロシマ地域総行動
充実したくらしと平和を求めて団結

ヒロシマ地域総行動

 ヒロシマ労連など広島市内の労働組合や民主団体は2月22日、国民春闘としてすべての労働者と住民の要求を実現しようと「ヒロシマ地域総行動」に取り組みました。
 生憎の雨で早朝宣伝は一部中止となりまたが、グリーンアリーナでのスタート集会には50名が参加し、春闘に向けて団結をしました。
 その後、国や広島県・市、経営者団体、医療機関・介護施設など約40カ所を訪問し、要請・懇談を行いました。また、昼には物価高騰以上の賃上げを求めるデモ行進や戦争の早期終息を願う街頭宣伝を行いました。
 ヒロシマ地域総行動は今回で32回を数え、春闘期に労働組合や市民団体などの要求を関係機関に伝える統一行動として取り組んできました。今後も大幅賃上げ、雇用の安定、広島市の暮らし・福祉・教育の充実に向けて連帯した行動に引き続き取り組みます。

再確認 定年延長制度とはE
定年延長 気が付けばいよいよ
新規採用職員は毎年確保

 定年延長の説明 6回目です。

定年延長制度のイメージ図

定年延長の労使協議で
採用を上積みし人員体制確保の方針

 定年延長制度により、制度が完成する2033年度までの10年間、1年おきに定年退職者がいない経過期間が生まれます。
 定年退職者がいない年の新規採用はどうするのか、という課題がありましたが、国家公務員も含めて、世代間の不公平が生じないよう、毎年の採用者の均一化を図った採用計画とする方針が示されています。
 加えて、広島市では定年延長の労使協議の際に、一定の採用の上積みを行うとの回答を引き出し、その後の毎年の賃金確定交渉でも、その当局回答が踏襲されています。
 右図は、広島市職労で作成したイメージ図です。

定年退職者がいない年があっても毎年新規採用する

 新規採用職員は、経過措置期間10年間の定年退職者数を平準化して、毎年確保することになりました。この3月の定年退職者はいません(定年前退職をされる方はいます)が、4月の新規採用者は、採用合格者数から判断すると、これまでと同程度の水準となっています。
 また、定数増の方法として、短時間再任用職員のポストを、フルタイムの職員に置き換えるとしています。
 2年ごとに退職者が少ない年にも、新規採用者が職場に配属されるので、その年は一定の余剰人員が確保できます。ただし、次の年に定年退職によって職員が減ると、その余裕は解消される計算になります。

60歳超えても働ける業務体制を

 実際のところ、60歳を超えて65歳まで働くとなった場合、これまでと同じ一人役として働くには、体力的に厳しい職場もあります。また、災害対応など緊急時に備えた体制や、男性育休取得者の増加への対応など、職場の人員体制に余裕が必要です。