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賃金確定交渉が決着
若年層など昨年より大幅増の差額支給
改定差額にも期待

給料表の見方・差額支給の計算式

今年も初任給に重点を置いた改定

 しぶき号外(一次回答、確定交渉決着)でお知らせしておりますが、広島市労連の今年度賃金確定交渉が決着しました。世代間の格差があるため、素直に喜べないところではありますが、昨年度の3倍超の人事委員会の勧告率(官民較差)があるなかで、若年層には数十年来の大幅な賃上げとなりました。
 高卒初任給に該当する行政職1級13号が最大の上げ幅で、12000円。大卒初任給の1級33号が11000円で、それぞれ国家公務員と同額の引上げになります。民間初任給が上昇しており、この上げ幅でも、まだ民間より低いとして、当局は初任給に重点を置く給与表の改定を行いました。この号給の近辺にいる若い職員さんや会計年度任用職員さんには、かなりの改定差額が見込まれます(12月末頃支給)。

85年賃上げと違い 世代間で大きな差が

 賃上げ率では、事務補助員初任給の1級1号は昨年と同率の引き上げ幅を用いて、賃上げ率で6.2%、高卒初任給1級13号が最高率で7.9%、大卒1級33号では6%です。
 大卒水準6%と比較した場合、過去をさかのぼってこの水準の賃上げがあったのは、1985年の人事委員会勧告5.7%以来となります。この頃は、ほぼすべての世代の給料表に5%超の賃上げがされており、給料が多い人ほど、改定差額も多くなる、ある意味当たり前の賃上げの姿がありました。今回の給与改定では、40歳代以降の職員の改定差額(1200円)は、額面で高卒初任給の10分の1に過ぎません。

物価上昇に及ばない厳しい状況も

 近年、額面上は賃上げ基調に向かっているものの、物価上昇による実質賃金マイナスの厳しい状況に変わりなく、世代間格差が大きいものとなっています。賃金のフラット化が進み、長く勤めても給料が上がらない給与構造がつくられ、若い世代にとっても将来のマイナスにも繋がります。

民間春闘へつなげ 賃上げの好循環を

 とはいえ、若年層や会計年度任用職員への大幅な賃上げは、来年の民間賃金を間違いなく押し上げる効果があります。民間春闘の賃上げによる好循環が生まれ、幅広い世代に賃上げが行きわたる「賃上げサイクル」がつくられていくことに期待したいところです。
 物価上昇に追いつく、3%程度の賃上げを労働者全体に波及させ、景気の好循環へつなげていくことが求められています。最低賃金は3%引き上げられているなか、人事院(国)の民間賃金調査で0・96%しか上がっていないのは、賃上げが全体に波及していない現れです。官民問わず、労働者自らが声をあげることが大切です。声をあげるとは、労働組合に入り使用者に対し賃上げの声を上げるということ。未加入の方の組合加入を呼びかけます。

世界のトレンドに追いつこう
労働者が行動し 大幅な賃上げを
2024広島県春闘共闘結成総会

2024年広島県春闘共闘結成総会

 12月8日、広島ロードビルにおいて、2024年広島県春闘共闘結成総会が、オンライン併用で開催されました。
 総会では、全労連の柳 恵美子 副議長を講師に、「労働者の力で大幅賃上げと最賃1500円の実現を!」と題して記念講演が行なわれました。

非正規労働者の格差是正 全国一律の最低賃金制を

 記念講演では、労働者をめぐる情勢として
◎実質賃金は18年連続マイナス、額は上がっていても物価高騰などで実際に手元に残るお金は減っている
◎年収200万円未満の労働者は全労働者の20%、そのうち女性が占める割合は73%
◎世界にパートタイム(短時間労働者)はいるが、パートタイム労働者で賃金が安いのは日本特有
◎賃上げは世界の常識になっているが、いつまでたっても上がらない日本の賃金はOECDで最下位

など労働者の実態を明らかにしました。こうした労働者の置かれている実態を踏まえ、労働者の生活実態から対話を広げる。全国どこでも必要なお金は同じ、地方からたたかいを広げる。春闘のたたかいが最賃の大幅引き上げにつながることを共通の認識として運動を広げることが必要と力説しました。

国民春闘をたたかい 労働者の賃上げと保障の充実を

 24国民春闘では、
@最低賃金全国一律制への法改正キャンペーン
Aジェンダー平等推進キャンペーン
B「非正規春闘」

をかかげ24国民春闘をたたかうことを柱に、たたかう労働組合のバージョンアップ、低賃金と物価高騰から生活をまもる、大幅賃上げ・底上げを、軍拡・増税ではなく社会保障の充実をかかげ、24春闘団結して奮闘しようと訴えました。

 続いて植永県労連事務局長から2024年国民春闘方針案、運営要綱およびと役員体制の提案がありました。労働組合からの決意表明ののち、満場の拍手で承認し、春闘に向けて取り組むことを集会参加者で確認しました。

広島自治労連女性部第30回定期大会
子どもたちの未来のために
「学ぶこと」「伝えていくこと」が大切

RCC文化センターでオンライン併用で開催された広島自治労連女性部第30回定期大会

 12月10日、広島自治労連女性部第30回定期大会がRCC文化センターで開催され、オンライン併用で50名が参加しました。大会に先立ち、NPO法人緑の風景の高松雅子理事長から快適に過ごすためのアロマセラピーやハンドマッサージを学習しました。連日、心も身体も疲れきっている私たちは周りの人たちとコミュニケーションをとりながら、ハンドトリートメントを行い、ゆったりとした時間を過ごしました。

戦争の犠牲になるのは罪なき市民

 来賓の広島自治労連平松実行委員長は「日本のジェンダーギャップ指数は125位と前年より下がっている。特に政治、経済の面が著しく低いがための結果。本当に腹立たしい。また、ロシアのウクライナ侵攻とイスラエルとパレスチナの戦闘、いつも犠牲になるのは、末端の市民。日本は外交努力をし、戦争を辞めさせてほしい。女性部は平和の問題を学習している。『知る、学ぶ』なくしては、気づいて人に訴えることもできない。女性部と共に学んで行きたい」と挨拶されました。

職場を働きやすく 地域を暮らしやすく

 執行部より、経過報告、運動方針案、特別決議案 役員案を提案・採択された後、各単組から職場の状況の報告がありました。学校給食調理員協議会は次のように報告しました。

●4年ぶりに開催した給食まつり、2000人の来場で大盛況。たくさんの方々のご協力に感謝。大規模センター化計画がある中、6年ぶりに2名の正規採用。給食費無償化の要求されているが選挙運動の材料にならないよう、質を落とさないことをセットにすることも伝えていきたい。令和8年1月から公設民営12000食の可部センターが稼働する。民営ではホーユーのようにならないか心配。給食まつりのアンケートで給食調理員と話したことがない子どもが多かったので積極的に話すよう話し合った。

 最後に、広島自治労連女性部橋本副部長は「広島の転出超過数はワースト1位であり、これを食い止めるためには普通に働いて安心して暮らせる広島にすることが必要」「ジェンダー平等を目指すことや子どもたちに戦争のない未来を手渡していけるように、これからも学習していこう」と参加者に呼びかけ、大会を締めくくりました。

中ブロ現評定期総会&平和学習会
被害と加害の歴史に目を向けよう
旧陸軍被服支廠を見学

 12月2日、広島県健康福祉センターにて、自治労連中国ブロック協現業評議会第34回定期総会を開き、活動方針、新役員体制を確立しました。新規採用実現と賃金労働条件の改善、後進の育成に向けて取り組んでいくこと、また、住民に必要とされる公共サービスの充実と発展のため運動を進めていくことを参加者全員で確認しました。

「旧広島陸軍被服支廠」での第22回平和学習会

 そして、午後からは「旧広島陸軍被服支廠」に場所を移して、第22回平和学習会を開催しました。講師に被爆二・三世の会の古田光恵さんをお迎えして、被爆建物を保存・活用し、歴史を伝えていく大切さについてお話していただきました。
 古田さんは、「被服支廠の周辺には、武器や弾薬を製造する兵器支廠、食料を管理する糧秣(りょうまつ)支廠が建てられ、広島駅と宇品港を結ぶ軍用鉄道も整備された」として、兵器や物資を戦地に送る軍事拠点であった歴史に触れ、「広島=原爆という印象、被害者的な視点だけでなく、加害者としての広島を知るためにも、戦前から戦後の広島を見つめ続けてきた物言わぬ証言者≠フ被服支廠をもっと広く知ってもらい、保存と活用方法を一緒に考えてもらいたい」と語られました。
 私たちも戦争の実相を語り継いでいき、未来へ平和をつないでいく必要性を感じる学習会となりました。

定年延長 気が付けばいよいよ
再確認 定年延長制度とは?@

 定年延長は、今年度から制度上はすでに始まっていますが、60歳を超えて勤務する職員が職場に配置され、具体的な変化が生じるのは、来年度からになります。
 表のように、職員の定年を65歳にするという制度で、これからの経過期間中は1学年ごとに1歳ずつ定年が延び、2年に1度、定年退職者が生じる形となり、2031年の制度完成です。
 61歳で定年退職した後、65歳までは制度の過渡期であるため、再任用職員の名称が、暫定再任用職員に変更されます。勤務条件はこれまでの再任用職員制度と同様ですが、定年延長に伴い来年度から一律4000円月例給が引上げられます。
 60歳を超えて定年までの間に退職し、短時間の再任用職員として勤務することも可能で、この期間は定年前再任用短時間勤務になります。短時間勤務を希望する場合は、定年前に退職することになります。
 次回以降も、適宜解説していきます。

定年延長制度の表

お詫びと訂正

 11/21発行のしぶき(1667号)にて、団結署名3221筆という記述がありましたが、正しくは3062筆でした。訂正しお詫び申し上げます。