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しぶき記事

広島市職労 賃金権利学習会
物価上昇に追い付く賃上げ
労働組合の力で実現しよう

賃金学習会「さあ、どう考える?『毎年賃上げ』社会の再来」

 広島市職労は、賃金学習会「さあ、どう考える?『毎年賃上げ』社会の再来」を開催しました。
 木下書記長が講師になり、前半では勧告制度の仕組みや今年度の人事院(国)の勧告、広島市人事委員会の勧告について説明し、交渉に向けての課題や組合としての諸行動を提起しました。

確定交渉に向けた課題

人事院勧告についてと交渉の課題

 人事院勧告・報告の特徴は、人材確保への危機感が高く、給与勧告より、「人事管理に関する報告」を前面に出し、就活中の世代を意識した広報的内容となっていることです。
 こうしたなかでも、「最優秀職員の勤勉手当を2倍に」「地域手当の大くくり化」「扶養手当の見直し」など、成績主義の強化や勤務条件についての気になる言及があります。
 広島市人事委員会の勧告は、人事院勧告に近い官民較差が示され、月例給で0.91%の引上げ、一時金は国と同じく0.1月の引上げとなっています。
 他の政令市でも、国と同様に、初任給が高卒で12000円、大卒で11000円とする都市が多いため、この初任給を広島市であてはめると、中間層から高齢層の引き上げ幅が小さくなる可能性があります。
 木下書記長は、交渉の課題として表のような点を挙げ、これから組合内で意見をまとめて交渉に臨みたいとしました。

賃上げを進めていくために労働者が声をあげる必要がある

 後半は、社会全体の賃上げをどう考えるかについて、過去の勧告率の変遷や5%台の勧告率があったときの賃金・手当の引上げ結果などと、今の状況と対比し考察しました。
 民間春闘では一定の改善があるものの、利益を生む事業ではない福祉や医療、保育などいわゆるケア労働の現場では、賃上げをすると事業経営を圧迫する状況。労働者全体の賃上げを進めるには、法定最低賃金の引上げや公務公共労働者への制度的な賃上げと、中小企業支援をしていくことが必要。
 政府は、賃上げを後押ししようとしているのに、人事院勧告制度は、半年前の民間の平均値を使っており、賃上げ循環を足踏みさせる結果になっている。現在の物価上昇局面には、従来の人勧制度では限界があると指摘しました。
 過去の賃上げ時期は、ストライキも活発にあり、労働者が声をあげていました。賃上げには当事者が行動すること大切で、「労働者が声をあげる」とは、労働組合に入るということが出発点になると講義をしめくくりました。

子どもたちの健やかな育ちを保障するために
今年も署名に取り組もう!
保育園支部ブロック集会

 保育園支部は10月5〜13日の間、市内各所でブロック集会を行い、のべ100人が集まりました。

保育情勢を学び 子どもたちの権利について考える

 はじめに、情勢学習を行い、こども未来戦略方針に掲げられている「75年ぶりの4・5歳児の配置基準の改善」は加算方式によるもので、公立保育園に反映されない可能性が高いことや配置基準そのものの改善が必要であることを共有しました。「こども誰でも通園制度(仮称)」については、「全国でモデル事業が試行されているが、週1〜2日の預かりでは子どものためになっているのか」「この事業を行うのであれば、保護者の就労を問わずに毎日通えるように予算措置を行い、人員と場所の確保が必要ではないか」など、役員が問題を提起しました。また、「秋の保育署名で子どもたちの健やかな育ちを保障し、安全安心な保育を行うために、国や市に対して子どもの予算を増やすように訴えていこう」と役員から呼びかけました。
 保育雑誌の読み合わせも行い、今行われている保育がすべてではなく、職員との語らいの中で保育を創っていこうと確認し合い、今月29日に福山市で開催される広島県保育団体研究集会への参加も呼びかけました。

欠員解消されず 超過勤務ありきの保育

 職場の状況交流では、「夏休代替保育士が確保できず、年休は時間刻みで2日程度取得」「職員の夏休を確保するために主任や園長が犠牲になっていた」「病休者の欠員補充ができず、欠員で保育を行っている」「長時間保育が恒常化し、常に時間外対応」「駐車場が込みあうため、近隣からクレームの電話があり、職員が時間外対応で駐車場に立っている」など、職員不足で疲労困憊な状態である上に、さらに保育士の専門外の業務を行わざるを得ない悲惨な状況になっています。また、未だに「時間外勤務が申請しづらい雰囲気がある」という声もありました。役員から「時間外申請は事前申請が基本だが、保護者の迎えが遅くなり定時で退勤できなかった場合等、メモ等を上司に残して翌日に口頭で伝えるように」と返答しました。
 職場からの声は年々深刻になっており、職場の努力や工夫では限界に達しています。保育士配置基準の改善や業務内容の見直し、施設設備の改修等を今後も担当課に求めていきます。

国民の意思が反映されない日本の現状
第68回はたらく女性の中央集会

長野市で開催された第68回はたらく女性の中央集会

 第68回はたらく女性の中央集会が10月7〜8日に長野市で開催されました。女性労働者や自営業・農山漁村の女性たち誰もが安心して、自分らしく生き、暮らせる社会の実現のために、「ミサイルよりケアを、増税より賃上げを!」「いのち・暮らし、平和を守る憲法を生かそう」「一人ひとりが大切にされるジェンダー平等社会の実現を」のスローガンのもとに会場とオンライン込みで1000人近い人が参加しました。はたらく女性の要求が毎年増え10年前より倍の101項目にもなっています。今の政権では、要求が解決されず、煩悩の数より(108)増えていくことが見込まれます。

民主主義がないがしろにされている

 全体会では、「私たちにできること〜平和憲法と民主主義、ジェンダー平等〜」と題してジャーナリストの青木理さんと全労連議長の小畑雅子さんが記念対談をされました。そのなかで「今の日本は民主主義がないがしろになっている」「安保3文書などは国会で議論されず閣議決定のみで突き進んでいる」「保険証がなくなることも国民が望んでいない」など、民主主義の根幹が緩んでいることを指摘しました。また、ジャニーズ問題に象徴されるようにマスメディアが権力と癒着し機能を果たしておらず、「報道も批判的に見る視点も必要」と話されました。そして「つくられたものは作り替えることができる。闘う労働組合になる必要がある」と参加者を励ましました。

不足している医師の数 赤字で苦しむ医療・福祉

 2日目の、第4分科会「ケアが大事にされる社会へ〜医療・介護・福祉・暮らしの現場から見えるもの」の助言者としてNPO法人医療制度研究会理事長の本田宏さんが、病院統廃合問題について言及し、「赤字となる背景には、高齢者が増え、医師が不足するなかで、医学部の定員削減、長時間労働が行われており、さらに診療報酬点数を削減するなど制度上の問題がある。赤字になるよう制度をつくっておいて、『赤字だから』と公立・公的再編統合方針が発表され、住民世論を誘導して、地域住民の医療へのアクセスを奪おうとしている」と説明しました。
 医療・福祉が脆弱化し、私たちの生活が脅かされています。正しい情報を知り、「無知は罪、語らないのも罪」との話もあり、語り合うことの大切さを実感できる集会でした。

市民課・出張所業務推進員 要求書提出
業務負担・拡大に見合った報酬改善を
マイナンバーカード業務推進員の通年任用化も要求

 10月10日、会計年度任用職員労組は、市民課・出張所業務推進員の労働条件に関する要求書を、企画総務局区政課長に提出し、組合員の要求や処遇改善等の要求項目を伝えました。

業務の拡大に伴った報酬の見直し・改善を要求

 組合からは、市民課・出張所業務推進員の報酬を見直し、大幅に改善するよう求めました。同様の業務をしているサービスコーナー業務推進員と本来同水準になるべきで、給料表の格付を引き上げるよう要求しました。現在の初任給格付1級14号は、嘱託制度として導入された当時に、年収を103万円に抑えるために設定された処遇の延長線上にあり、業務内容で評価されているものとは言えません。
 当初の証明受付・交付の業務から、住所異動や印鑑登録の受付、戸籍の届出でも受付・入力など、大幅に業務が拡大していること。さらにマイナンバーカードが多用途に機能拡大して業務が関連しているため、幅広い知識を求められるようになっていると指摘しました。

格付・格差の解消を要求

 また、市民課・出張所に関連して、マイナンバーカード業務推進員の待遇改善も求め、通年任用にし、格付(号級)も改善するよう要求しました。
 会計年度任用職員制度導入時から在籍している職員もおり、6カ月で区切る短期任用を繰り返していることは、臨時職員の脱法的な繰り返し任用を是正するために導入された、会計年度任用制度導入の主旨から反すると訴えました。
 マイナンバーカード業務推進員は、マイナポイントなどカード普及政策による大変な時期に業務をこなして、窓口を支えてきました。ずっと半年単位の任用のままで、「互助会に加入できない」「改正差額の支給がない」「年休の付与が10日で半年ずつ」など、通年任用との格差が残っていることは、制度を悪用しているような状況で、もう3年以上こうした状況が続いており、いよいよ見直す時期だと訴えました。