しぶきバックナンバー

しぶき記事

定数交渉
業務の過剰負担改善へ 来年度定数増
安心して働ける職場環境へ 現場の声届ける

 1月25日、市職労は令和5年4月1日付け職員配置の見直しについて、人事当局と交渉を行いました。

「令和5年度職員増減員について」表

全体で94人の定数増

 人事課長が資料にもとづいて、増員、減員の内容を説明しました。増員の内訳としては保健・医療・福祉の充実で35人、都市基盤の整備で19人、教育行政の充実で7人、その他事務事業の充実で253人の計314人の増員。
 減員では、事務事業の縮小・廃止で189人、事務事業の委託で6人、執行体制の見直しで18人、組織体制の見直しで7人の計220人。増減の差は94人の定数増となりました。
 増減のうち、育児休業の代替要員分が差し引き27人多くなっています。

負荷を減らすために増員

 特徴的な増員としては、地域における保健活動の体制強化として保健師11人、児童相談所の体制強化9人など、負荷が高い保健・福祉の分野への増員が行われています。G7サミットへの対応24人の増員は、すでに配置済みの職員を定数化したものです。
 また、災害対応職員として各局に配置する増員が11人、時間外勤務削減に向けた執行体制の強化で4人、区役所厚生部への業務執行体制の強化で6人など、長時間労働や災害時の業務負荷の軽減などで、増員が行われており、職員増に踏み切るとの当局回答を実行に移しているものとなっています。

技能業務職では減員続く

 減員では、現業職場で正規職員削減が進められています。環境事業所や学校給食で正規採用が認められているものの、退職者に見合った数ではなく、人員削減が続けられています。これまで担当課が説明してきた執行体制の維持が、正規職員が足りず困難となっているのに、無理やりにも民間委託化や会計年度任用職員への置き換え、臨時的任用職員の導入で対応しようとし、現場には大きな歪みが生じています。

人が人を支える業務の再評価を

 コロナ禍での教訓として「人が人を支える」社会の大切さがあり、ケア労働の再評価がされています。公務労働のなかで縮小されてきた業務も、こうした「住民サービスを支える業務」として、その役割をきちんと評価されるべきではないでしょうか。
 定年延長制度に向けて、当局は人員確保のため採用の上積みをしていくとしており、ここ数年の定数増の傾向は、今後も続けられると思われます。まだまだ過労死ラインの残業を強いられている職場もあり、今後も職員の適正配置に向けて、市職労として現場からの声をあげていきます。

ひろしま自治体学校
「共生社会」のビジョンを運動の軸に

広島自治体問題研究所が主催した「ひろしま自治体学校」

1月22日、「ひろしま自治体学校」(広島自治体問題研究所主催)が広島市ひと・まちプラザで開かれ、約37人が参加しました。

放課後児童クラブ 「有料化ありき」でいいのか

 特別報告で広島市学童保育連絡協議会の田中富範さんは「来年度から放課後児童クラブの利用料有料化が始まるが最大で年額6万円の負担となり、保護者会のアンケートでも『通えなくなる』と悲痛な声が出ている。物価高で市民が生活に困窮している《いま》有料化急ぐ必要はない、保育の充実を担う指導員の処遇を改善し欠員を解消するよう引き続き広島市に求めていく」と訴えました。

県教育長 特定業者との癒着問題

 県教委「官製談合疑惑」をただす市民の会の今谷賢二さんは「県教委が委託した『外部専門家』による調査によって平川教育長がからむ契約について入札談合等関与行為防止法違反があったと認定された。特定業者との癒着によって教育行政が歪められた疑いがあり、引き続き全容解明に力を注ぎたい」と訴えました。

記念講演を行った佛教大学名誉教授の鈴木勉氏

政策に「福祉の理念」を

 記念講演では、佛教大学名誉教授の鈴木勉氏が「『反暴力』の共生社会をめざしてー福祉(Wellーbeing)の実現と地方自治住民自治ー」をテーマに講演。政府が設置した「我が事、丸ごと」地域共生社会実現本部の福祉改革は、ノーマライゼーション、インクルージョンなどの福祉理念の検討はされておらず、人々の互助を原則とした「みんなで支え合う社会」で福祉を抑制するものとなる。
 この福祉抑制は一時的ではなく、教育や住宅、子育て、老後生活の確保は家族責任だという政策につながる」と指摘しました。
 「共生社会を構成する理念は、@反貧困としての福祉A反差別・抑圧としての平等B反直接暴力(戦争)と理解すべきで、強い国家づくりは、膨大な戦費調達のために増税と福祉カットを伴うことになる」ことを解説。
 最後に「軍事力(暴力)依存と新自由主義から決別し、社会の構成員が相互に発達の条件となるような社会、住民自治と地方自治に基礎を置く『共生社会』像を労働運動や市民運動から提起すべき」と訴えられ、『共生社会』について考えるきっかけとなる講演となりました。

保育園にいま必要なのは統廃合ではなく充実
公立保育園園長・主任・中堅職員セミナー

 1月21日、公立保育園園長・主任・中堅職員セミナーがオンラインで広島から22人、全国から85人の参加で開催されました。
 全国的にも統廃合が進んでいる公立保育園ですが、公立保育園の役割を考え、子どもが「大事にされている」実感を持つ保育とは?そのための職員集団づくりとは?ということを学び、考えることのできる充実した内容のセミナーでした。
 その中で中山徹氏(奈良女子大学)は「コロナ過の中で日本の少子化には拍車がかかっている。国家的な課題である少子化問題は、公立保育所を要とした保育施策の充実が日本を救う鍵と言っても大げさではない。全国に広がっている地方や郊外の人口減少地域の問題は『子どもが減少→保育所の統廃合→子育て環境の悪化→若者の転出→子どもが減少』という悪循環の中で起こっている。子どもが減少し続けている今こそ、統廃合ではなく、職員数を減らさず施設を維持していくことで、これまでとほとんど変わらない予算で最低基準の改善≠ェ図れる」と提案しています。
 広島でも保育ビジョン≠名目に公立保育園の定員削減や認定こども園として統廃合が実施されようとしています。保育条件を整え、保育内容を充実させ、地域をも守るためにも、公立保育園を維持、充実させていく運動の重要性を強く感じるセミナーでした。

広島自治労連「知ろう 話そう 組合のこと」開催
「労働組合があってよかった」の実践例 学ぶ

広島自治労連主催の2023春の組織集会

 1月26日に、広島自治労連主催の2023春の組織集会が「知ろう 話そう 労働組合のこと」と題して、ロードビルで開催され、オンラインを含めて64人が参加しました。

仕事の悩みを労働組合で解決 その経験が加入につながる

 冒頭、木下組織部長は開会のあいさつで「民間の保育・介護等の事業所で、職員が一斉退職するケースを目にする。労働者も利用者も大変な目に遭う。組合があれば、退職の前に交渉やストライキなど方法がある」「各組合で要求実現できた体験を交流し、労働組合加入につなげましょう」と参加者に呼びかけました。

各単組の勝ち取ってきた成果

 今回は7単組から8名が組合で勝ち取ってきた運動の成果を報告しました。広島市職労からは会計年度労組の認定調査員支部と学校給食調理員協議会が次のことを報告しました。

〇認定調査員支部

 認定調査委員は申請者の自宅に訪問し、業務を行っている。市の規定で公用車はエコカーとされていたが、狭い道を通るため、軽自動車が必要であることを要求し続けた結果、公用車に軽自動車を導入させた。また、各区の申請件数や移動距離等を調査し要求したことで、区ごとで1人当たりの業務量に偏りが出ないように人員配置を勝ち取った。

〇学校給食調理員協議会

 緊急事態宣言の際、夏休みが短縮された。市教委より、8月の給食実施の提案があったため、酷暑の調理場での業務は調理員の命に直結するため、暑さ対策の申し入れを行った。その結果、夏場の献立の変更やスポットクーラーの設置をさせた。さらにはファン付き白衣や保冷ベストを調理員全員に支給された。これは全国的も珍しい例。正規調理員については、あらゆる場面で正規がいることを訴え続けた結果、6年ぶりに新規採用を勝ち取った。

 その他の単組からも正規―非正規の賃金格差の解消に向けての取り組みや人員配置についての取り組みが報告されました。

要求実現のため仲間を増やそう

 行動提起では、「助け合う仲間を増やして要求実現!」を柱に、未加入者や新規採用者に向けて、自治労連共済を活かした取り組みを行い、新たな取り組みにも挑戦していこうと運動方針を確認し合いました。
 困ったときに力を発揮するのが労働組合です。あなたも、広島市職労に加入しましょう!