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誰もが通園できるそんな療育を目指し
現場の声よ 届け
児総センター支部 要求書提出

児総センター支部の要求書提出

 8月24日、児総センター支部は約20名が参加し、要求書提出に臨みました。

支援ニーズの増加 職員の増員を

 要求項目について、現場からそれぞれが発言し、療育センターの現状や思いを伝えました。また、広島市が今後も社会福祉事業団の全施設を非公募とし、指定管理者に指定することを引き続き要求しました。
 特に西部こども療育センターの給食の直営業務を維持するための調理員の採用、そのための引継ぎ体制を強く要望しています。
 また、様々な福祉サービスが出てきている今、児童発達支援センターとしての役割を考えるべきであり、療育センターが地域を支える拠点でありたいと伝えました。受診する前に保育所等の施設へ入園し、その後肢体不自由児であったと判明することもあります。支援のニーズがあるが、実際には手が届いていない状況であるため、施設の人員配置、専任の支援員の増員を要求しました。

児総センター支部の要求書提出

毎日通園できること
子どもや保護者にとって重要

 かつての広島は障害の重い子ども達の通える場がなく、在宅で過ごしていましたが「障害をもつ子ども達にも安心して通える場がほしい」「友だちと過ごす場がほしい」という願いから、保護者が運動を続けてきました。だからこそ、今の毎日通園が保障されているという歴史を強調し、その重要性を訴えました。子ども達にとっては、毎日通うことで生活リズムが整い、見通しをもって過ごせるようになることなど、毎日通園だからこその姿も伝えました。また保護者にとっても、毎日通園できる場が、子育ての支えになっており、保護者間の交流をもつことができ、家族支援も療育の柱であることも伝えました。
 それらの場を継続して保障していくためには、多職種連携による専門的支援を低下させないこと、保育士の配置基準を堅持すること、施設設備などの基準を低下させないことを訴えました。

子どもたちにとっての より良い回答を待ちわびて

 最後に、大原事務局長や山井課長より、現時点で回答できる項目や、方向性についてお話しされました。
 居宅訪問型児童発達支援については、現在段階的に決めていっているところではあるが、来年度から人員と物品等が整えば、事業として開始できるのではないかという前向きな回答が得られました。
 また、肢体不自由児の3歳児からの単独通園の制度化については、試行を3年間しているので、方向性を決めていく時期であり、現場の声も聞きながら、市と検討していくとのことでした。
 今年も、療育センターを利用する子ども達や保護者の熱い思いがあってこその、各現場からの声を届けることができました。参加者同士思いを強め、共有した要望書提出となりました。現場の声が反映された、12月の回答を待ちたいと思います。

最低賃金アップ!
公務員初任給・非正規職員も改善を

だれでもどこでも最低賃金1500円に

広島県の最低賃金
31円引上げ930円

 例年10月1日は、最低賃金の改定日です。
 今年も中央及び各都道府県の最低賃金審議会で最低賃金の引上げが協議され、広島県では31円の引上げが決定しています。
 現在時間額899円の最低賃金は、10月1日から930円へと改定されます。
 経済立て直しに、労働者の賃上げが必要不可欠と認識され、コロナ禍を理由に据え置き基調となった2020年を除き、近年は年3%増を軸にした改定が実施されています。
 経済界は、最賃引上げに消極的です。使用者側は、失業者が増加し景気が後退すると主張していますが、他国の例や国内の実績をみても、顕著な失業増は見て取れません。賃金底上げでのプラス効果が大きいと思われます。

深刻な初任給の低さ 引き上げは重要な課題

 こうした最賃の状況に対し、公務員賃金は抑制が続いています。人事院勧告の官民較差が小さく、据え置きが続き、最賃額が高い東京都や神奈川県では、公務員初任給が最低賃金を下回る事態が起きています。
 広島市でも、給料表の1級1号適用の事務補助員(会計年度任用職員)は、時間額が942円です。ギリギリまで最賃が迫っています。
 今年の人事委員会勧告がプラスになった場合、初任給を引き上げることは、この点でも重要な課題と言えます。

最低賃金の地域間格差 地方で働き手が減っていく

 もう一つ深刻な問題が、最低賃金の地域間格差です。10月1日からの比較で言うと、東京都が最高で1072円になるのに対し、最も最賃が安い愛媛県や沖縄県等8県は、853円で、時間額で219円もの差があります。若い世代が賃金が高い都市部に集まり、地方からの人口流出をより深刻化させています。
 このため、最賃が低い県では少しでも地域間格差を埋めようと、中央最賃審が示した目安額を上回る引上げを行う、地方審議会が増えています。
 地域間格差を是正し、全国一律最賃制を求めている全労連の運動への賛同・連帯が広がっています。

職員の定年が65歳に
制度はどう変わる?C

定年延長による職員構成置き換わりイメージ

役職定年制の導入 管理職は60歳まで

 定年延長の解説、4回目は役職定年制についてです。

 定年延長により、定年は延びるものの、60歳に達した翌年度から給料が7割になります。定年を引上げても組織の新陳代謝を維持するためとして、それまで管理職だった職員は、管理監督職から外れる「役職定年制」が敷かれます。
 広島市も「60歳を超えた職員はライン職には配置しない、5級職でも主幹や専門員等のスタッフ職として配置する」としています。なお、通知では60歳に到達した日から、年度中途でも降任できる規定となっていますが、運用上は翌年度4月1日からの降任が原則です。

5級職員が多くなるが昇任・昇格は抑制しない

 60歳を超えた職員は、それまで5級以上だった職員が、管理職だった人も含め、5級の主幹や専門員として配置されます。現役の5級職の職員もおり、5級比率が膨らむことになります。
 かといって、現役の昇格を抑制すると、従来の人事制度が崩れ、新陳代謝も停滞するため、これまでの昇任・昇格人事は保ちながら、60歳を超えた職員の4級・5級格付けでの配置が実施される方向です。
 職員バランスに偏りが出ることは否めませんが、円滑な定年延長制度の実施に向け、制度上の問題と割り切り、「5級格付けのスタッフ職」として、現場の業務を支える役割を担うことになりそうです。

定年延長になっても安心して働き続けられる職場を

 社会全体の高齢化等を考えると、職員構成の高齢化も避けて通れないところはありますが、定年まで健康に仕事を続けるために、より配慮が求められます。賃金が70%になることもあり、負担軽減を考慮する必要があります。

 こうしたことから、定年延長の交渉では、人員配置に余裕を持たせるために、増員を行うとの回答が当局から示されています。人員増の提案内容については、次回紹介します。

強引な「国葬」実施
国民の不信感高めるだけ

 政府与党は、安倍元首相の国葬を9月27日に行うとして、世論の過半数が反対している状況のなか、強行しようとしています。
 安倍氏は選挙演説中の凶弾に倒れ、亡くなりました。8年余り首相を務めた人物ですから、多くの人がその死を悼む気持ちを抱くことは、自然なことではあります。しかし、だからといって法的根拠もないまま税金を投入し、国をあげて葬儀をすることは、話が別です。
 政府・自民党は、安倍氏を「国葬」として国民的イベントにすることで、モリカケ桜などの疑惑への追及逃れや政治の私物化をした負の「実績」に蓋をし、追悼のために飾りつけられた「実績」を、国民にアピールすることで、岸田政権・自民党のイメージアップを狙っています。
 しかし、旧統一教会と自民党との関係が次々と明らかになるなかで、国民の疑問に答えずに「国葬」実施の方向を変えない政府への不信が高まり、こうした目論見が逆効果になりつつあります。
 また、弔意の強制につながる懸念があるなど、内心の自由に踏み込む点でも問題です。
 岸田首相は、国葬を断念し、コロナ禍や物価高など国民が求める政策に注力すべきではないでしょうか。

自治労連第44定期大会
いのちと暮らしを守るため
意見を出し合い改善を訴える

自治労連第44回定期大会がオンラインで開催

 8月28日・29日、自治労連第44回定期大会がオンラインで開催され、代議員280名と傍聴者、本部役員で451名が出席しました。広島からは両日7名ずつが出席しました。
 自治労連桜井委員長は冒頭、医療現場や保健所の実態に触れながら「今、必要なのは医療や公務公共の拡充であり、改めて命・暮らしを守りきる政治と社会を築くために奮闘したい」とあいさつしました。

「住民を守る職員」を守るための改善の呼びかけ

 方針提案では自治体職場・地方自治をめぐる課題が目白押しとなっています。この3年間、コロナ危機の中で未経験の困難に立たされており、自治体・公務公共職場が住民の命と暮らしを守る大切な仕事をしていることが再認識されています。しかし、政府はさらに公務公共サービスの産業化を拡大しようとする動きを強めています。
 こういった動きに対して「住民を守る仕事をする自治体職員を守る」賃金・待遇改善が呼びかけられました。また、会計年度任用職員制度では、「3年目の壁」と言われる問題が全国で懸念されており、雇い止めの阻止や更新回数限度の撤廃や処遇改善(3Tアクション)を広げていくことが提案されました。

3Tアクションで取り戻そう! 公共と人々のいのちと暮らし

 今年は「改憲発議阻止!憲法と地域と職場のすみずみへ 住民とともに公共を取りもどそう」のスローガンのもと、全国から59名が発言し「長時間労働の改善、会計年度任用職員の処遇改善(3Tアクション)で公務公共を取り戻し、住民と職員のいのちと暮らしを取り戻そう、その運動を通じて組織拡大を勝ち取ろう」という発言が多くありました。
 広島自治労連からは、平松代議員が「3Tアクション」や「学童保育の今′ゥえる化アンケート」について発言し、低賃金で不安定な雇用のため働き続けることが困難な指導員の実態を訴えました。垣下代議員は中国ブロック青年未来づくりプロジェクトについて発言し、実行委員間で意見を出し合ったり、共に学習したりすることでつながりをもつ大切さを実感したという報告がありました。