しぶきバックナンバー

しぶき記事

原水爆禁止世界大会ヒロシマデー集会
3年ぶりの現地開催
世界は「核兵器はいらない」と訴え続ける

原水爆禁止世界大会ヒロシマデー集会

 広島に原爆が投下されて77年となった8月6日、グリーンアリーナで開かれたヒロシマデー集会は、3年ぶりとなる現地開催で1600人が参加し、全国1828カ所の会場でオンライン視聴(主催者発表)されました。

世界中が核兵器を危険視 廃絶に向けての様々な発言

 集会では、「被爆77年 被爆地ヒロシマから世界へ」と「核兵器禁止条約に参加する日本を―国会議員との対話」をテーマに海外など各界の代表者が発言しました。核不拡散条約(NPT)再検討会議第1委員会で議長を務める、マレーシアのサイード・モハマド・ハスリン国連大使は、「一握りの国が核兵器の必要性を主張し、万人の安全保障がおかされている」と指摘し、核兵器廃絶のために「市民社会が死活的な役割を果たす」と発言。ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のペアトリス・フィン事務局長は、「核兵器禁止条約は、被爆者と日本の皆さんの運動と訴えなしにはありえなかった。禁止条約に参加するよう政治家に働きかけよう」と呼びかけました。

発言のようす

「黒い雨」問題 若い世代にも伝えたい

 大学生の西野真李花さんと奥原芽衣子さんは、原爆の「黒い雨」をテーマに自分たちで体験した人たちへの取材を重ね、完成させた映像作品について発言。2人は「黒い雨被爆者の身体には、ケロイドやけがの跡がないため、76年の間、被爆者と認められなかった。裁判を経て、その人たちが『被爆者』と認められるまでを追い続けた。上映会などを通じて同じ若い世代に『黒い雨』問題を伝え続けたい」と述べました。

核は抑止力にあらず 核兵器禁止条約に批准すべし

 その他、海外代表の発言、国会議員との対話や日本での運動の交流、広島市長の来賓あいさつ(代読)がありました。集会の最後に日本政府に対して「核抑止力」論から脱却し、核兵器禁止条約への支持、参加を共鳴することを要求する「広島宣言」を採択し集会を終えました。

ペナントを掲げて並ぶ参加者
全国からたくさんのペナントが寄せられました

職場の声に応え適正な人員体制を
広島市職労 人員増求め要求書提出

広島市職労は「職員が健康に働くための人員体制の確保等を求める要求書」を人事部長に提出

 8月8日、広島市職労は「職員が健康に働くための人員体制の確保等を求める要求書」を人事部長に提出しました。

非正規化で現場の矛盾拡大

 要求書提出に際し、塩見委員長から市職労としての特に問題としている課題について人事部長に伝えました。
●3月の定年延長交渉の際に、当局回答として今後職員を増員することが示された。市労連交渉の場で、かなり踏み込んだ回答があったと評価している。具体的な人員体制確保については、現業職場も含めた市全体の考え方と受け止めている。正規採用がなければ、現場は回らない。
●会計年度任用職員の欠員問題が解消しない。年度当初より欠員が生じており、導入3年目で、制度の矛盾が深まっている。実質的な正規職員からの置き換えで、負担・責任が増えていることが問題。正規職員の配置と会計年度職員の処遇改善が必要。
●学校給食調理員に臨時的任用職員が導入されたが、法改正で厳格化された「臨時的」に当てはまらない運用ではないか。正規調理員の欠員が生じ「臨時的任用職員」を雇用しているのだから、正規調理員を年度中途でも採用する必要があるはず。

人員確保のため処遇改善を要求

 木下書記長は、要求書の趣旨等について説明しました。
●コロナ対応で増員等の努力はいただいているが、非常事体制が2年半続いており、応援で乗り切る状況ではない。保健師の増員等、抜本的な体制強化に踏み切る必要がある。区役所厚生部も人数がいるように見えても、正規職員は少なくなっている。再任用職員や会計年度任用職員が半分を占め、正規は係に3〜4人しかおらず、休みの調整など業務を維持するのに苦労している。
●G7サミットの開催決定で、人員が取られており、繰り上げ採用で人員確保を。保育士も年度途中の異動者が生じ、昨年度のような繰り上げ採用が必要となっている。
●会計年度任用職員も欠員が生じている。人員確保のため処遇改善を。
●期間中の夏休取得が困難な職場は、取得可能期間を延長すること。

正規不在の職場増えて・・・

 保育園支部からは「正規調理員の不在園が増えており、ギリギリの体制で調理をしている。現場の努力でなんとかしてもらっている」「通年任用の会計年度保育士が欠員で、日任用保育士を保育園で常に探している」と現場の声を伝えました。
 学校給食調理協からは「9割が非正規の職場のなかで、臨時的任用職員が正規と同じ立場で、リーダーシップを発揮することができるのか。給料が上がるとの説明だったが、上限が37歳で、ほとんどの職員が採用時すでに上限に達していて、給料が変わらない。正規への道を開いてもらいたい」と訴えました。

広島市の療育 支える現場の声を届ける
児総センター支部と事業団労組
指定管理施設について市と交渉

児総センター支部が社会福祉事業団労組とともに行った健康福祉局、こども未来局との交渉

 児総センター支部は、2022年度の指定管理対市交渉の一環で、7月25日に、健康福祉局、こども未来局との交渉を社会福祉事業団労組とともに行いました。

指定管理施設運営に必要な課題 担当課に伝える

 非公募を継続してほしいことや、施設の修繕については利用者の安全のためにも市が責任をもって行ってほしいこと、そして非正規の待遇改善などについて訴えました。また新型コロナウイルスによる影響が未だ続く中、市として感染対策に必要な用品等の補助をお願いしました。
 また各施設より、それぞれの現状と合わせて要求を伝えたり、新規事業化や定年延長など、現段階でどこまで決まっているのかなどを尋ねたりしました。

正規調理員採用など前向きな回答も

 回答として、新規居宅訪問型児童発達支援事業については市域でニーズもあり、市として事業化を進めていく方針であること、西部こども療育センターの調理員採用については今夏には要求していくことなど、前向きな話も聞くことができました。
 今の療育・福祉の質をどう保っていくかを一緒に考えてほしいこと、施設側も日々質の向上に努力することを伝え、交渉は終えました。

ともに働く仲間として思いを共有

 事業団労組と児総センター支部が共に思いを共有できた時間となりました。広島市の障害児・者の長期的な事業をつくっていくことを見据え、今後も引き続き様々な場で訴え、取り組んでいきます。

一人ひとりの願いが 核廃絶へつながる
自治体労働者平和のつどい

第44回自治体労働者平和のつどいin広島

 8月5日、自治労連の企画として「第44回自治体労働者平和のつどいin広島」が3年ぶりに集会方式で開かれ、全国から41人が参加しました。

平和への思い 冊子とともに

 講演では、新日本婦人の会広島県本部で被爆者の手記や体験が綴られた冊子「木の葉のように焼かれて」の編集委員を務める平岡澄代さんが登壇し、体験記集を通した平和への思いを語られました。
 冊子の題名は、広島で被爆し次男を白血病で亡くした名越操(なごやみさお)さんの手記から付けられました。編集のきっかけは、第10回の原水爆禁止世界大会。「平和を守る人たちに読んでもらいたい」という被爆者の願いからです。
 しかし「被爆者とわかったら差別される」という心配から大半が「仮名」で書かざるをえなかった時代、書き手が自分の名前を出せなかったという当時の被爆者らの不安と苦悩が語られました。
 予断を許さない国内外の情勢のなか、平岡さんは「核兵器廃絶を願う声を手記に残し、平和を実現したい」と訴えられました。

自治体に広がる核禁条約への批准を求める声

 最後に、高柳自治労連副委員長が行動提起として「日本政府に核兵器禁止条約への参加・署名・批准を求める意見書は639、全自治体の約36%へとひろがっています。そして、核兵器禁止条約が発効され、被爆国である日本政府の批准・署名が核廃絶を求める人たちの何よりの力となります」と語られ、批准に向けた署名運動を拡げて、日本政府に条約参加を求める世論を築くことを訴えて、つどいを閉会しました。

覚悟をもって受け取って!
調理協要求書提出

学校給食調理員協議会(調理協)は要求書を提出

子どもたちの思いを込めて

 8月5日、学校給食調理員協議会(調理協)は、広島市長、教育長にあてた要求書を提出。調理協平野議長は「調理員の子どもたちへの思いが詰まったもの。パフォーマンスではなく覚悟をもって受け取っていただきたい」と教職員課小田調整担当課長に手渡しました。
 広島市職労塩見中央執行委員長からは「切実な問題ばかり。子どもたちの食≠保障するための要求。しっかり受け止めてほしい」、現業評議会の福本副議長からは学校業務員の立場から「給食の提供が続く限り施設の使用も続く。維持管理は教育委員会の責任で」と挨拶しました。

自分たちの言葉と声で職場の要求を伝える

 続いて、調理協役員から重点項目について説明しました。参加した調理員の仲間は12名。今回、初めて発言した役員も多く、みな緊張気味でしたが、各々の立場で思っていることを、自分の言葉で、声で、しっかりと伝えることができました。

調理協の主な要求項目

  • ●センター方式を基本とする方針を撤回し、自校調理方式を基本とする現在の広島市の給食を維持、存続すること
  • ●中学校給食の食缶方式への転換にあたり、安定した提供のための手立てを講じること
  • ●正規調理員の新規採用、臨時的任用職員の正規登用、フルタイム会計年度任用職員の正規登用
  • ●パートタイム会計年度任用職員の待遇改善 欠員対策
  • ●定年延長について、再任用含め60歳を超えた調理員の働き方について
  • ●安全なアレルギー除去食の提供について
  • ●栄養教諭の全校配置
  • ●調理員へのパソコン配備
  • ●施設設備の老朽化に対しての手立てについて
  • ●被服貸与について
  • ●労働安全衛生について
  • ●災害対応について

すべての要求が重要
個々の課題に課長から見解

 調理協の要求はすべてが重点であり、どれも削ることのできない内容です。
 調理員からの生の訴えに、教職員課小田課長は真剣に頷きながら要点を書き留め、調理員にパソコンが配備されていないことについて「仕事の持ち帰り(隠されたサービス残業)の要因となっている。改善が必要」、応援パートの問題点について「校長会で説明する」、施設設備について「計画を立て修繕していくのが真っ当」と自身の見解を述べました。

中学校給食の準備段階でも
センター化の問題点みえる

 調理協平野議長は、9月からスタートする中学校給食を調理配送する業者が現在その練習をしていること、その2回目の練習が急遽中止されたことについて触れ「大規模センターで給食を提供することの大きな問題点が浮き彫りになった。不測の事態が発生した時の損害は大きく、即、生徒に影響する。今一度、センター化計画の見直しを」と強く要求しました。
 また、市職労塩見委員長は「正規の必要性を理解したうえでの臨時的任用職員の配置は、正当な形での対応と言えるのか。採用試験の実施はいつでも可能。速やかな対応を」と詰め寄る場面も見られました。
 それを受けた小田課長から「思いのたけを聞き、重点を理解した。できるところから協議を進め、実現できるように頑張りたい」という言葉を引き出しました。
 要求書提出の場に初めて参加した調理員の仲間から、「私たちの仕事は組合活動のもとで成り立っている部分が多くあることを改めて実感した」と感想が送られてきました。調理協はこうした声を励みに、これからも要求実現に向けて活動していきます。