9月1日より医療費の負担が変わりました

 患者さんの医療費の自己負担増を目的にした医療保険法改定が国会で審議されて
 いましたが、衆議院案も参議院では、それこそ知らぬ間に修正され可決され、
 衆議院ではこの修正案は審議もなく与党(自・社・さ)多数で再可決されました。
 全国で一千万以上と言われるの国民の反対署名も無視された形です。
 医療費の財政の切迫を国民の負担増のみに求めた悪報と言えます。
 本ページは背景を黒にし、この医療法改悪に反対の意志表示としています。

具体的な内容は  1.サラリーマンの本人負担:1割から2割に  2.老人医療外来負担:月1020円から受診1回500円に(月4回まで)  3.外来薬剤費個人負担(新設);    1種類     0円    外用薬 1種類 50円    2-3種類  1日30円    頓服薬 1種類 10円    4-5種類  1日60円    6種類以上 1日100円  4.政府管掌保険の保険料アップ:8.2%から8.5%に  5.老人入院費自己負担:1日710円から1000円(但し来年より漸増)  実施は今年の9月1日からです。
大きな影響は  1.老人慢性疾患の外来医療費の自己負担が平均3-4倍増になります。   マスコミ報道では老人への影響は2-3倍としていますが、   慢性の多くの疾患を持ったお年寄りでは月6000円近い負担もあります。   特に健康弱者に厳しい制度です。  2.サラリーマン本人の負担も増え(2割)、加えて国民保険本人・家族(3割)   とも薬代は上記の薬の種類により別の負担が加わります。  3.特に社会保険本人は負担が現在の1割から2割になり、給与から   引かれる保険料も増え、加えて薬代の2重負担もあり大幅な増加です。   薬の2重負担    老人以外の患者さんでは社会保険本人の負担が2割に増えますが    国民保険や家族の負担は3割に据え置かれています。    但し、医療費として薬も含めて3割を支払った上に、薬の種類に    よって別の自己負担が増えることになり、薬代は2重負担となり、    この点が理解できないことです。  4.老人入院費自己負担は1日1000円(現行710円)となります。      入院費の自己負担も今年は1000円ですが、毎年増額されることに    決まっています。    食費の自己負担も含めると、1日1760円、月52800円の自己負担    となります。    一般保険にも入れない高齢者では厳しい負担です。  ご存じないかも知れませんが、これは医療費そのものが上がったり、  病院の収入が増えるのではありません。  患者さんの自己負担が増え、政府の負担が減るだけです。  医療費そのものは今後も低く抑えられていきます。 この法案が可決された翌日には厚生大臣は、もう次の改正案を考えている とのことで、それならば急いでこんな法律を作る必要はなく時間を掛けて 国民の納得できる法律を作って良かったのではないでしょうか。 今回の改定は、全く根本的な医療制度の改定ではなくその場しのぎの改悪 でしかないと思います。 引き続き反対運動を行って行きたいと思います。

             平成9年6月16日 玖珂中央病院 吉岡春紀


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