キーワード 小学校,6年,音楽,総合的な学習,国際理解,インターネット
インターネット利用の意図
音楽科でアジア近隣の諸国<中国・朝鮮半島・インドネシア>の民族音楽を鑑賞し,各曲の特徴を聴きくらべたり日本の伝統音楽との関連を学習する。その発展的学習(総合的な学習:国際理解)としてアジアの文化など,興味を持って調べてみたいことを学習課題として設定し,調べ学習を行った。これまでも学習課題を解決するための情報収集は関連書籍や資料を活用してきた。ただ書籍などに載っている情報はある程度限られたものとなり,情報量もそれほど多くない。そこで今回は民族音楽や使われている民族楽器・該当国の文化などを紹介するWebページも活用し,そこに載っている多くの情報の中から目的に合った情報を子どもたちが選択して取得し,必要な画像を印刷をしたり書かれている内容を自分なりのことばで表現し(加工し)ワークシートにまとめ発表する学習活動を進めていく。
1 音楽からアジアを感じよう
(1)ねらい
音楽科の鑑賞指導では,曲の感じを聴きとったり作曲者に関することの学習に重きが置かれる。今回の学習ではさらに発展して,それぞれの民族音楽の土壌となっているその国の文化に視点を置き,子どもたちが調べたいことをWebページなどを活用して調べさせた。また日頃見ることができない外国の民族楽器について,紙の資料だけでなく音楽ソフトで実際に音を聴いたり演奏の様子を動画で見ることにより,より身近に感じさせる目的でコンピュータやインターネットを活用して学習をすすめることとした。
(2) 指導目標
日本の伝統音楽の旋律や響きの特徴を感じ取って聴いたり,アジア近隣の諸国の音楽との関わりを理解する。また民族音楽を生み出す土壌となったその国独自の文化や生活を知り,尊重する気持ちを養う。
この学習の発展としてさらに調べてみたいことをWebページなどを活用して意欲的に追求し,まとめて発表することができるようにする。この活動を通して,目的に合った情報の収集,収集した情報の分析・加工・創造・処理,自分なりのことばでまとめた情報を聞く人にわかりやすく伝達する力の育成を図る。
(3) 利用場面
この学習では,次の学習場面でコンピュータ(インターネット)を活用する。
@宮城道雄についてさらに理解を深める学習
近代箏曲の作曲で知られる宮城道雄について,教科書よりさらに詳しい情報を関連Webページから取得する。
A「春の海」で演奏されている琴や尺八について知る。
琴や尺八についてやさしく解説してあるWebページからも情報を取得する。
Bアジアの民族音楽・楽器についての理解を深める学習
民族音楽や民族楽器について情報を取得をするために音楽ソフト「世界の音楽と楽器」や関連Webページ活用。
C子どもたちがもっと調べたい課題についての調べ学習
調べ学習の際,関連Webページを活用してそれぞれの目的に合った情報取得を行う。
D調べたことをまとめ,発表する。
必要な画像はプリントアウトし,取得した情報を自分なりのことばで表現してワークシートにまとめる。
発表時には教材提示装置を活用し,児童用コンピュータのモニターやスクリーンにワークシートを映し出し,関連画像
も見せながら行う。
E雅楽についての理解を深める学習
雅楽の詳しい情報は関連Webページから取得。使われる楽器については音楽ソフト「世界の音楽と楽器」を活用。
(4) 利用環境
@使用機種 PC-98NX MA30D/S
A周辺機器 プリンター6台 教材提示装置1台 液晶プロジェクタ1台 テレビコンバータ1台
B稼働環境 メディアルーム PC-98NX 20台(64Kでインターネット接続) 校内LAN
音楽室 PC-98NX 1台(64Kでインターネット接続) 校内LAN
C利用ソフト インターネットエクスプローラ4.0,世界の音楽と楽器
メディアルーム 音楽室(MIDIはステレオと接続)
1 指導計画
| 指 導 計 画 (8/14) |
教師の支援 (留意点) |
「春の海」の鑑賞。(音楽室)
@作曲者宮城道雄について知る。
★ インターネットの利用
A日本の音楽や楽器に親しむ。
★ インターネットの利用
|
・LDで鑑賞し,曲の感じを聴きとるだけでなく 演奏の様子をビデオで見るようにする。
・実物の琴や尺八を子どもたちにふれさせて,より和楽器に親しみを持たせるようにする。
★Webページ「宮城道雄の世界」より生い立ちや業績などの情報を知る。
★琴や尺八に関するWebページより,詳しい説明や楽器の成り立ちなどを知る。
音楽室での授業は,パソコン1台のため画面をテレビコンバータを使って全員で見られるよう に配慮する。 |
「アリラン」「まつり花」「ケチャ」 鑑賞
B民族楽器に親しむ。
☆音楽ソフト「世界の音楽と楽器」
|
・演奏を聴くだけでなく,演奏形態や民族楽器をLDで見るようにする。
☆音楽ソフト「世界の音楽と楽器」を活用して民族楽器の理解を深めるようにする。
☆ここでは「世界の音楽と楽器」の操作方法についても指導する。 |
C課題解決のための情報収集をする。
★インターネットの利用
☆ブラウザソフト「インターネットエクスプロー
ラ」
|
★課題に対していろんなメディアから情報収集できるように,Webページをあらかじめ保存してオフラインで活用できるようにしたり,関連書籍や資料等を用意する。
☆ブラウザソフトの操作方法や印刷の仕方などを技術的にサポートする。 |
D調べたてまとめたことを発表する。
☆教材提示装置でモニターやスクリーンに
表示する。 |
☆聞き手にわかりやすいように,画像を教材提示装置で示したり、自分のことばで発表する。
|
雅楽「越天楽」の鑑賞をする。
E雅楽についての理解を深める。
★インターネットの利用
笙や篳篥(ひちりき)などの楽器を知 る。
☆音楽ソフト「世界の音楽と楽器」
|
・演奏を聴くだけでなく,演奏形態や使われてい
る民族楽器の演奏をLDで見るようにする。
★雅楽に関するWebページなどで情報を取得し
雅楽に対する理解を深める。
☆笙や篳篥が中国などから伝来した楽器であることを調べ学習や音楽ソフトで得た情報から知り
日本の伝統的な音楽がアジアの影響を色濃く受けていることを再確認するようにする。 |
3 利用場面
(1) 目標
民族音楽がうまれた土壌となっているそれぞれの国の文化に視点を置き,子どもたちがもっと調べてみたいことを関連するWebページや音楽ソフト・関連書籍などから情報を収集することができる。
(2) 展開
|
|
| 学 習 活 動 |
教 師 の 支 援 |
備考 |
1,自分で設定した学習課題と調べ
学習の方法を発表する。
2,本時のめあてを知る。
「関連書籍やWebページ・資料な
どを活用して自分たちで立てた課
題を解決するための調べ学習をし
よう」
3,各自が設定した課題に即して調
べ学習をする。
・関連Webページ
・音楽ソフト「世界の音楽と楽器」
・関連書籍・資料
Webページに掲載してある必要
な画像などを適宜プリントアウト
したりする。
4,集めた情報を自分なりにまとめる計画 を立てる。
|
・もっとこのことについて調べてみたいという自分の思いを出せ るようにする。
・課題解決のために,いろいろな メディアから情報収集できるよ うWebページを課題別にオフライン活用できるようにしたり, 関連資料を用意して支援する。
・Webページに載っている画像 や資料などのプリントアウトを技術的にサポートする。
「画像の上で右クリック」→「名 前を付けて保存」→「クラスのフォルダ保存」→「画像印刷」
・自分の課題解決に必要な情報を 自分なりのことばでまとめたり画像をレイアウトして,聞く人にわかりやすい発表になるか考えるよう助言する。 |
・コンピュータ
・書籍や資料
・プリンタ
・ワークシート
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Webページから情報を取得(メディアルーム)
2 実践を終えて
課題を解決するための調べ学習では,書籍や資料の他に今回初めてWebページからも情報を取得させた。20台の児童機からストレスなくWebページを閲覧できるように,あららかじめ教師が関連WebページをHDDに保存しオフラインで活用させている。これからWebページ検索に慣れ,情報の取捨選択などの学習経験を経ていくうちに,子どもたちだけで目的情報に到達できるようになってくると考えている。
授業後の子どもたちの感想には,通常の調べ学習よりも意欲的に学習できたという答えが多く聞かれた。民族音楽や民族楽器の音声データを聴いたり,画像などを活用できた点は大きいようだ。書籍に比べWebページは情報量が多いのも良かったと回答している。
だた,Webページのコンテンツが大人向けにつくられている場合がほとんどで,文章表記が難しく子どもたちのことばで書き直すのも大変だったようだ。総合的な学習の導入などで,学校でのインターネット活用が益々増えてくると思われる中,子ども向けコンテンツの一層の充実を強く望んでいる。
今回の実践では調べた結果をワークシートにまとめさせたが,子どもたちのコンピュータスキルアップを図り,デジタルデータにまとめていく活動に移行していきたい。
ワンポイントアドバイス
音楽に関するWebページはほとんど音声データが載っている。作曲家についての情報や楽器の画像,演奏の様子を動画でも見ることができるページもあり,大変役立つと思われる。また,インターネットを活用して子どもたちがつくったオリジナル音楽データ(MIDIデータなど)を離れた学校と交換したり,学校のWebページに掲載することもでき,音楽科におけるインターネット活用用途も広がってきた。積極的にインターネットを活用して音楽を楽しんでみてはいかがだろうか。 |
参考文献
教師と学校のインターネットT,U,V(株式会社オデッセウス)永野和男
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