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推薦のことば                      (「歯科医院外来の口腔外科診療アトラス」(P5)より抜粋)

 徳本博士は私の助教授時代の思い出多い教室員の一人である。学生時代より不言実行の徒として静かな
洗練された物腰とはうらはらに情熱を内に秘めた青年であった。背景としては山口県という風土、徳本里視と
いう父であり教育者であった環境が幸いしていたと思う。特に明晰な情勢分析と先見性は彼の特質であり、
それを裏付けるための努力と忍耐は研究者としても十分に通用する性格と思う。今回はその成果の一つとして
「口腔外科診療アトラス」が出版されたことになる。従来の教科書は学部学生を対象としているため実際の診療
面では総論的すぎて座右の参考書としては不十分な点が多かった。本書は症例中心の解説書であり診療中に
容易に参照できて実地臨床家にとっては便利な参考書となっている。その内容も歯科外科中心の記述であり、
今までにはなかった参考書である。
 大学病院とは違い多くの患者の診療に従事されている臨床家にとってはその要点のみが読みとれる記述は
斬新でわかりやすい。
 口唇裂、鼻変形の二次修正手術などは開業医としては困難な面が多いと思うが短かな在局期間であったが
十分にその技術を修得されていて時代を先取りした内容となっている。
 九州大学口腔外科時代に目指した形成外科医への願望と執念がここまで診療範囲を拡大させたのであろう。
一地方都市での口腔外科診療に大きな夢を与えてくれる参考書であると共に歯科における口腔外科の臨床の
実践的参考書として多くの臨床家に読んでいただける良書であると思う。
 徳本博士の今日までの努力に満腔の拍手を贈ると共に臨床家各位へ自信をもって推薦する次第である。                                                                 (平成4年5月18日)
                              九州大学教授(歯学部口腔外科学第2講座)
                              日本口腔外科学会理事
                                       岡 増一郎



書評                    (日本歯科医師会雑誌 Vol. 45 No.10 , 1993  「ブック」欄より抜粋)

 日常臨床での観血的処置を行うための診断と治療の手引き
−小児・矯正・補綴・歯内・口腔外科・保存との関連性−
◎本書のタイトル
 本書を手にした時、そのタイトル名が「歯科医院外来の口腔外科診療アトラス」という若干「かたい」表現をし
ていたので、またむずかしい「口腔外科」の専門書かと思ったのであった。
 しかし、実はそうではなかったので驚いたのであった。日常臨床で誰もが遭遇するような身近な、しかも今日
的テーマを問題として取り上げ、そして小児から成人に至るまでのあらゆる臨床的な範囲まで取り扱っていた
のである。
◎その内容の特徴を挙げれば
 第1に小児、矯正、補綴、歯内、口腔外科、修復といった問題を「縦割りではなく横割り」にして企画している
ところが特徴である。しかも、処置後の長期観察もしている。私は、「長期観察をしていない臨床例は信用しな
い」ことにしているし、私自身にもその言葉を言い聞かせている。
 第2は、その臨床例から得られた基礎(病理組織像)と結びつけた点であろう。本著者は、臨床家というより、
「基礎臨床家」といった方が当を得ていると思う。地道な臨床資料の採集と基礎学を結びつけた本として、一般
臨床家はもとより、学生の参考書としても活用できると思う。
◎序文を挙げれば・・・・

    −長いので省略−

◎最後に、本書の完成に当たり心よりの拍手とともに花(別掲カット)をそえたい。
                                 日本歯科大学教授(小児歯科学講座)
                                 日本歯科医師会会誌編集委員

                                        荻原 和彦