日常のスポーツ時によく起こる痛みやケガについて

どうしたらいいのか(現場での整形外科的応急処置を含め)



    目次
  1. 傷がある時の処置(外傷ーケガ)

  2. 傷が無い時の処置(打撲、捻挫、骨折)ーRICE療法

  3. 頭部、頚部などの打撲の時の注意

  4. 肉離れについて

  5. アキレス腱痛とアキレス腱断裂

  6. 鼻部打撲と鼻出血の処置

  7. 踵(かかと)の痛み

  8. 肩の痛み

  9. 突き指での注意


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  1. 傷がある時(外傷ーケガ) 
    1. 砂など異物が付着している時まずは水でよく洗い流す事。その時傷口をこすらないようにする。水圧程度かガーゼのような軟らかい物で表面を少し押す程度とします。異物を除去する事ばかりを考えていると傷口が拡がったり異物をさらに内部まで押しやる事になります。その後はできる限り清潔なハンカチやタオルなどで傷口を被って、そして早めに治療を受けるようにしてください。
      出血している時はハンカチやタオルなどで圧迫する。
      その時ティシュ等の紙は傷口に付着し消毒する時困るので他に何も無い時以外使用しないこと。 また傷口にアロエとか何かの汁を付けるような事は清潔を保つのでは無く逆に感染の危険がありますのでしないでください。

    2. 頭部や顔面の傷は小さくても出血量は本人も周りの人もビツクリするくらい多い事があるので冷静に出血部位を見つける事が重要です。要領としては出血していると思われる領域全体を圧迫し、外側から徐々に圧迫を取っていき、出血部位の確認をするのです。とめどなく出血している場合は無理しないで全体を圧迫したまま病院を受診するようにしてください。

    3. 指先の出血での注意
      指先の出血の時に指の根元をゴムなどできつく縛ったりするのは出来る限りしないでください。すぐに病院を受診できる場合は問題はないのですが、長時間になると血行が悪くなり治療に支障が出る場合がありますので出血部位の圧迫のみとしてください。
      止血されていても傷が大きい時やきたないときは早めに病院で処置を受ける事。  
            

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  2. 傷が無い時(障害ー打撲、捻挫、骨折など)

    処置は救急処置の基本であるRICE (ライス)療法がこれにあたります。もちろん前述の傷がある時にも当てはまります。

    Rest 安静  Ice 冷却  Compression 圧迫 
    Elevation 挙上 
      

    1. 外見上変形している、痛みが強い、見る見るうちに腫れてきた時。
      この様な場合は骨折、脱臼、程度の強い靭帯損傷などが考えれますので出来たらダンボールや棒などをそえてタオルや包帯などで固定するといいです。変形があってもそのままでいいですから動かないようにし安静を保ちます。こんな時は早めに受診してください。
      特に手足の外傷の場合、痛みが強いばかりで無くシビレがあつたりうまく手足が動かなかったり指の色が悪く(紫色や黒っぽい)なったような場合は急を要します。
                            
    2. 軽い打撲や捻挫などで上記以外ではアイシングをして経過をみて翌日の状態で受診を決めてもまず大丈夫です。
      このアイシングですが、基本的には冷蔵庫の氷を4〜5ヶ位をビニールに包みさらにタオルで被つて腫れて痛い部位に15分間当てる(15分でなくても冷えたと感じるまででいい)。1時間後にズキズキするようだとまたそれを繰り返すといい。凍傷になる事があるので冷し過ぎに注意して下さい。冷却スプレーを用いる場合は説明書を十分読んで使用して下さい。2〜3日は腫れが強いので冷やす事、その後は暖めていいのです。

    3. 内出血がひどいと打撲や捻挫の部位以外の所が赤黒くなる事がありますがこれは内出血したものが軟らかい所に流れていくためです。ひどくても2週間程度で消えますから、心配はいりません。
      足首や趾の骨折後、足背の腫れがなかなか引きませんがこのような腫れは状態が悪くて腫れている訳ではありません。普通に歩き始めるようになりようやく引いて来ます。このように見た目はひどくても時期により問題は無い事があります。骨折後だけではなく種々の障害後の運動の再開にも関係しますので状態の把握が重要になってきます。



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  3. 頭部、頚部などの打撲などの時の注意

     頭や頚を強く打つと頭蓋内出血や頚髄損傷で麻痺を起こす事があり注意を要します。意識がなかったり、手足が動かない場合は状態が悪いのはすぐわかるので救急車を要請する事になりそちらに任せておけば問題はないのですが逆にしばらくはおかしい状態があってもその後短時間で元気を取り戻したような場合が問題になる事があります。ほとんどの場合問題ないのですがまれに硬膜内血腫などのように1〜2週してから症状が出ることもあるので注意が必要となります。従って頭や頚など強く打ったりした時は生徒の家族への連絡を忘れないようにする事が必要です。特に頭痛、吐き気や嘔吐などの症状がある時は脳外科を受診すること。
    頭を打つにしても多いのは単なる打撲で、一過性の健忘症程度の事はよくあります。サッカー、ラグビー、レスリングなどはヘッディング、スクラム、ブリッジなどで慢性的な頭部、頚部への強い刺激が加わり特に成長期では頚椎への負担が大きいので注意を要します。手足の痛みやシビレがある時は整形外科を受診させてください。  

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  4. 肉離れについて

    肉ばなれは急激なダッシュ開始時や走行中に起こりやすく、部位は太ももふくらはぎによく起こります。
    程度にもよりますがひどい場合は歩行困難な場合もあり、松葉杖の使用をよぎなくされる事もあります。そんな場合でもほとんどは安静のみで治ります。もちろん内服薬や軟膏や湿布も手助けになります。筋肉がちぎれる訳ですから状態が落ち着くのに3週間はかかりますのでこの間は無理は禁物です。 無理して歩行したりしてはいけません。スムースに歩行が出来るようになったら、関節の運動から開始し徐々にストレッチしていくといいです。
    3〜6週間で完治しない場合は何か他の事も関与している可能性がありますので病院を再度受診してください。

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  5. アキレス腱痛とアキレス腱断裂

    アキレス腱痛はアキレス腱周囲炎と言います。これと断裂とは全く別物でアキレス腱痛から断裂へ移行することは無いと言っていいぐらいです。
    アキレス腱周囲炎は走ったり、ジャンプなどのケリによる疲れです。従って無理さえしなければ治ります、が歩く事でも負担はかかりますので治りにくいのです。足首の動きを悪くした方が負担は軽くなりますので極端な事を言うと、ハイヒールのように踵を高くするといいのです。といつてもハイヒールでは不安定になり運動どころではありませんし、無理ですので1〜2cm程度の厚さのクッションを踵にひいておくと少しはアキレス腱に対する負担が軽くなりますのでいいようです、やってみてください。
    アキレス腱断裂は筋力に腱が負けた状態です。ふくらはぎの筋肉の急激な収縮により腱が引っ張られ、それに耐えきれず切れてしまうのです。断裂は筋力がある程度強くなければ起こりませんので、高校生以下や高齢者では起こりにくいのです。アキレス腱周囲炎の場合は筋力にはあまり関係がありませんので小学生から高齢者まで起こり得ます。
    断列は放置していたのでは治りません。何らかの治療が必要です。治療方針としては年令、性別、運動をするか否かなどにより異なってきます。それにより手術をするかギプス固定にするかを決めるのです。

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  6. 鼻部打撲と鼻出血の処置

    鼻部を打つとひどい場合は尾骨骨折を起こす事があります。その時ははっきりと鼻が曲がっているのがわかります。耳鼻咽喉科を受診してください。処置が必要になりますがきれいに治ります。
    鼻出血の場合、顎(あご)を引き口で息をさせ額〜鼻の付け根を冷やしてください。棉やティシュを奥の方まで詰めないでください。特に棉は繊維が残る事がありそれによる再出血を来たす恐れがあります。出来たらガーゼなどを使用して下さい。

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  7. 踵(かかと)の痛み

    スポーツ少年団で活躍する年代の子供さんが痛みを訴える事がよくあります。この年代では踵の骨の成長がさかんで弱い時期であり、ここにはアキレス腱や足底筋腱の付着部があり負担は大きくなります。しかしここの骨端症(骨の成長段階で成長痛をひき起こす疾患を総称してこのように呼びます)は将来に影響を及ぼしませんので心配はいりません。従って余程の事が無い限り運動はOKです。
    骨の写真が骨の成長その3の足関節のところにありますので参考にしてください。
    また中年の女性に多いのですが踵の真中を痛がる事があります。足底筋腱の付着部の痛みでこの部位に骨棘といってこの腱に引っ張られるために骨が出っ張っているのがレントゲンでわかります。長い場合半年ぐらい続くこともあります。でも必ず治ります。

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  8. 肩の痛み
    スポーツ障害で多いのは野球、テニス、バレーボール、バトミントンなど腕を使用するスポーツです。そのほとんどは肩関節より握りこぶしぐらい内側の部の痛みです。この部(肩甲骨の一部で前方へとび出ている)に付着している腱ー上腕二頭筋長頭ーは腕を前方に押し出したり肘を曲げたりする働きがあります。またこの部に成長線がある年代では成長痛(骨端症)としての痛みの事があるようです。従ってボールを投げたり、スマッシュ、サーヴィス、アタックなどでの機械的な刺激によりここに負担がきます。肩のどこの痛みがあっても最終的にはこの部の負担となって表れるぐらいで重要な働きをする腱であり部位です。
    リトルリーグショウルダーといつて上腕骨の成長線(骨端線)での特殊な障害もまれにはあります。
    水泳ではスイマーズショウルダーといつて関節の動きと腱との間での不都合で痛みが起こる障害もあります。
    40〜50肩に関しては肩関節周囲炎を参考にしてください。

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  9. 突き指での注意

    突き指の時レントゲン上骨には問題がない、と診断を受けた後しばらくの間痛みや腫れが続く場合があります。これは関節軟骨の損傷(この様な状態は2〜3ヶ月続く事があります)が考えられ問題はありませんが、受傷後2〜3週間しても痛みがあったり腫れがあるときは再診してください。変形がなく関節の動きがいい場合はきれいに治ります。指に限らず軟骨の損傷はどの関節でも起こり得ます。骨は大丈夫と診断を受け数週間この様な状態がある時はこんな事もあると考えておいてください。
    困るのが指の第一関節が”おじぎしたよう”になる骨折があり、固定してもうまくくっ付かない事が多く、場合によっては手術が必要になります。そのままになつても見栄えが悪いだけで手を使う事に関しては不自由はありませんので意外と知らないうちに曲がっているのに気がつく事もあったりします。

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