どうしたらいいのか(現場での整形外科的応急処置を含め)
処置は救急処置の基本であるRICE (ライス)療法がこれにあたります。もちろん前述の傷がある時にも当てはまります。
Rest 安静 Ice 冷却 Compression 圧迫
Elevation 挙上
頭や頚を強く打つと頭蓋内出血や頚髄損傷で麻痺を起こす事があり注意を要します。意識がなかったり、手足が動かない場合は状態が悪いのはすぐわかるので救急車を要請する事になりそちらに任せておけば問題はないのですが逆にしばらくはおかしい状態があってもその後短時間で元気を取り戻したような場合が問題になる事があります。ほとんどの場合問題ないのですがまれに硬膜内血腫などのように1〜2週してから症状が出ることもあるので注意が必要となります。従って頭や頚など強く打ったりした時は生徒の家族への連絡を忘れないようにする事が必要です。特に頭痛、吐き気や嘔吐などの症状がある時は脳外科を受診すること。
頭を打つにしても多いのは単なる打撲で、一過性の健忘症程度の事はよくあります。サッカー、ラグビー、レスリングなどはヘッディング、スクラム、ブリッジなどで慢性的な頭部、頚部への強い刺激が加わり特に成長期では頚椎への負担が大きいので注意を要します。手足の痛みやシビレがある時は整形外科を受診させてください。
肉ばなれは急激なダッシュ開始時や走行中に起こりやすく、部位は太ももやふくらはぎによく起こります。
程度にもよりますがひどい場合は歩行困難な場合もあり、松葉杖の使用をよぎなくされる事もあります。そんな場合でもほとんどは安静のみで治ります。もちろん内服薬や軟膏や湿布も手助けになります。筋肉がちぎれる訳ですから状態が落ち着くのに3週間はかかりますのでこの間は無理は禁物です。
無理して歩行したりしてはいけません。スムースに歩行が出来るようになったら、関節の運動から開始し徐々にストレッチしていくといいです。
3〜6週間で完治しない場合は何か他の事も関与している可能性がありますので病院を再度受診してください。
アキレス腱痛はアキレス腱周囲炎と言います。これと断裂とは全く別物でアキレス腱痛から断裂へ移行することは無いと言っていいぐらいです。
アキレス腱周囲炎は走ったり、ジャンプなどのケリによる疲れです。従って無理さえしなければ治ります、が歩く事でも負担はかかりますので治りにくいのです。足首の動きを悪くした方が負担は軽くなりますので極端な事を言うと、ハイヒールのように踵を高くするといいのです。といつてもハイヒールでは不安定になり運動どころではありませんし、無理ですので1〜2cm程度の厚さのクッションを踵にひいておくと少しはアキレス腱に対する負担が軽くなりますのでいいようです、やってみてください。
アキレス腱断裂は筋力に腱が負けた状態です。ふくらはぎの筋肉の急激な収縮により腱が引っ張られ、それに耐えきれず切れてしまうのです。断裂は筋力がある程度強くなければ起こりませんので、高校生以下や高齢者では起こりにくいのです。アキレス腱周囲炎の場合は筋力にはあまり関係がありませんので小学生から高齢者まで起こり得ます。
断列は放置していたのでは治りません。何らかの治療が必要です。治療方針としては年令、性別、運動をするか否かなどにより異なってきます。それにより手術をするかギプス固定にするかを決めるのです。
鼻部を打つとひどい場合は尾骨骨折を起こす事があります。その時ははっきりと鼻が曲がっているのがわかります。耳鼻咽喉科を受診してください。処置が必要になりますがきれいに治ります。
鼻出血の場合、顎(あご)を引き口で息をさせ額〜鼻の付け根を冷やしてください。棉やティシュを奥の方まで詰めないでください。特に棉は繊維が残る事がありそれによる再出血を来たす恐れがあります。出来たらガーゼなどを使用して下さい。
スポーツ少年団で活躍する年代の子供さんが痛みを訴える事がよくあります。この年代では踵の骨の成長がさかんで弱い時期であり、ここにはアキレス腱や足底筋腱の付着部があり負担は大きくなります。しかしここの骨端症(骨の成長段階で成長痛をひき起こす疾患を総称してこのように呼びます)は将来に影響を及ぼしませんので心配はいりません。従って余程の事が無い限り運動はOKです。
骨の写真が骨の成長その3の足関節のところにありますので参考にしてください。
また中年の女性に多いのですが踵の真中を痛がる事があります。足底筋腱の付着部の痛みでこの部位に骨棘といってこの腱に引っ張られるために骨が出っ張っているのがレントゲンでわかります。長い場合半年ぐらい続くこともあります。でも必ず治ります。
突き指の時レントゲン上骨には問題がない、と診断を受けた後しばらくの間痛みや腫れが続く場合があります。これは関節軟骨の損傷(この様な状態は2〜3ヶ月続く事があります)が考えられ問題はありませんが、受傷後2〜3週間しても痛みがあったり腫れがあるときは再診してください。変形がなく関節の動きがいい場合はきれいに治ります。指に限らず軟骨の損傷はどの関節でも起こり得ます。骨は大丈夫と診断を受け数週間この様な状態がある時はこんな事もあると考えておいてください。
困るのが指の第一関節が”おじぎしたよう”になる骨折があり、固定してもうまくくっ付かない事が多く、場合によっては手術が必要になります。そのままになつても見栄えが悪いだけで手を使う事に関しては不自由はありませんので意外と知らないうちに曲がっているのに気がつく事もあったりします。