整形外科医の雑談

    整形外科の外来で このコーナーは私の雑談です。外来診察をしていて気になることや不思議に思うことを勝手気ままに書いてあります。気にさわる事や当てはまるような事があつても貴方の事ではありませんので、なにが書いてあつても気にしないでください。項目をクリックしてお読みください。

    First creat :MAY. 10. 1997


      目次    No.1〜17
    1. 関節の水を抜くと くせ になる?

    2. 痛い場所ところかまわず注射をしてほしい。

    3. 腰の骨や骨盤や股関節がずれているので直しましょう。

    4. 足の長さが違うので直しましょう。

    5. 膝が痛いけれど正座が出来なくなっては困るので無理して正座の練習をしています。

    6. 痛い時に冷やすのか暖めるのか?

    7. 腰や膝が痛いけどがまんして薬は飲まない。

    8. 神経痛なので注射と牽引をしてほしい。

    9. 眠れないので眠剤が欲しい。

    10. 腰の痛みがあるがそれは年齢的なのもといわれあきらめている。

    11. 膝の手術を勧められたが、手術をすると今よりも悪くなると知り合いに言われたのでやめた。

    12. 腰の手術を勧められたが手術をすると歩けなくなると知り合いに言われたのでやめた。

    13. 腰痛のためにコルセットを勧められたが畑仕事でじゃまなのでしたくない。

    14. 膝の痛みに杖を使うように言われたがはずかしい。

    15. 40〜50肩みたいなので治療をしないでいたがいつまでも痛い。

    16. 腰が曲がってきたが無理して真直ぐになるようにしている。

    17. 膝や腰の痛みがあるが運動しなければ身体が弱ると思い無理して歩いている。



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    1. 関節の水を抜くと くせ になる?

      ”これは全くうそです。”水がたまる原因が問題でありそれは炎症(若い人ではスポーツ時の外傷で起こる事が多く、加令現象によるもののほとんどは関節内の軟骨の摩耗による機械的な刺激)により起こります。水を抜こうが抜くまいが炎症が続くか否かが問題であり、何かの宣伝のように元から断たなくては問題の解決にはならないのです。

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    2. 痛い場所ところかまわず注射をしてほしい。

      これは我々を特に整形外科医を非常に困惑させる言葉です。

      確かに腱鞘炎などの場合は局所(痛い部位)に注射はしますが、何処に注射しても効果があると言う訳ではありません。局所麻酔剤(よく用いるのは手術時の一時的な麻酔で使用)は神経そのもの又はその近くに注射する事により効果が出るのですが、筋肉内への薬液をそのように使用することは逆に害になることがあり、やらないわけです。

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    3. 腰の骨や骨盤や股関節がずれているので直しましょう。

      何処かで言われた。とよく耳にします。確かに各々ずれる事はあります。しかしそのずれが問題になるのは交通事故や転落事故のように急に発生した時のみ、といっていいと思います。その場合は緊急手術の対象になります。加令現象での変化によるずれがあって、そのずれが原因で痛みが出ていたとしても治療は、ずれを直すのではなくずれにより神経の圧迫などがあればそれを解除し痛みを取るのが治療なのです。ましてやそのずれは少々の事では直りませんし直すこと自体は危険でもあります。

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    4. 足の長さが違うので直しましょう。

      これも何処かでよく言われようです。普通の人でも数ミリの違いはあるかも知れません。しかしそれは違うとはいいませんし、全く問題にはなりえません。腕の長さの違いはテニスプレーヤーなどでは珍しくはありません。足の長さを見るときに正確には腸骨と内くるぶしの距離を計ります。背柱が曲がっていると骨盤が傾き見かけ上の足の長さの違いがでます。見かけ上という錯覚なのです。それその例として、どちらかの足を前に出して休め、の状態をとって前方から見てもらってください。または鏡で自分でも。前の足の方が長く見えるはずです。

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    5. 膝が痛いけれど正座が出来なくなっては困るので無理して正座の練習をしています。

      膝痛のある人で一番避けていただきたい事は、この正座としゃがみ込みです。正座が出来なくなるのは関節内の軟骨の摩耗です。靴底がすりへるのと同じ事なのです。ということは加令による変化ですので若返らない限りその変化はよくはなりません。従って治療はその変化により生ずる症状を抑えるかクッションである軟骨を保護する必要があるわけです。何事にも無理は禁物です。若い頃と違いますので無理しないようにする必要があります。自然に逆らってはいけないのです。

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    6. 痛いときに冷やすか暖めるのか。

      捻挫や打撲など急に起こっるような場合腫れて来ます。内出血を起こしたり炎症のためです。これは2〜3日、特に2日目がピークです。この間は冷やすのが原則です。特に腫れが強い場合は入浴しないほうがいいでしょう。どの程度冷やすかとなると、一般的には冷蔵庫の氷3〜4ヶをビニールに包みそれをタオルで包み患部に15分間当てる。これも冷やしすぎは凍傷になりますので冷たくなつてきたら休止、と考えてください。コールドスプレーは凍傷になりやすいので説明書をよく読んで使用してください。慢性的な痛みに対しては暖めた方がいい場合が多いのですが、気持ち良い方でいいと思ってください。

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    7. 腰や膝が痛いけどがまんして薬は飲まない。

      内服薬で100%安全な薬は無いといっていいでしょう。しかしながらもし副作用があるにしても胃の調子が悪くなったり、下痢したり、口内炎が出きたりの程度のものがほとんどです。もちろんそれでさえも無いにこした事はありませんが、重症の事もあります。そのためには以前に内服薬を飲んで副作用があつたとか、アレルギーがある場合は申し出て、少しでも調子の悪い事があれば主治医に話してください。そんな事を言うと嫌がられるのではと気になさる方がいらっしゃるようですが、そんな事での遠慮は全く必要はありません。そして一年に一回の検診で血液検査を受けるようにしましょう。そのようにして身体のチェックをしておけば安心です。

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    8. 坐骨神経痛なので注射と牽引をしてほしい。

      時々、このように自分で診断をつけて治療の指示をされる方がいらっしゃいます。おもわず何処で診察を受けられたのですか、と質問したくなる時があります。御自分の診察はかまいませんが、出来うるならば医師に治療の指示をさせていただきたいものです。何十年も生きているのだから自分の身体は自分が一番よく知っている、と言われても...............。

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    9. 眠れないので眠剤が欲しい。

      日常の外来で眠剤の希望がかなりあります。その中で本当に眠剤を必要としている人は何人いるでしょうか。多くの人はすることが無いこともあり(もっとも目が悪かったり、耳が聞こえずらくテレビやラジオを見たり、聞いたりが困難なこともあり、わかる気もします)早くから床についてウツラウツラしているためにいざ寝ようとしてもすぐに眠れないために寝付きが悪く、眠れない、と勘違いしていらっしゃる方が多いようです。
      そして、夜8〜9時頃に床につくために夜中3〜4時頃眼が覚めてしまい、これまた眠れないとおっしゃるようです。眠れないのではなく寝る必要が無い状態なのです。
      そこで眠剤が欲しい、となるわけです。眠剤に頼ると逆に短時間での睡眠時間でぐっすり眠るために早く眼が覚めて、また眠れないという悪循環となります。ボケ防止のためにも睡眠は習慣ですから眠剤に頼るのはやめた方がいいようです。

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    10. 腰の痛みがあるがそれは年齢的なのもといわれあきらめている。

      年齢的な変化による骨変化などは若返らない限り元のようにはなりません。この加令による変化は治らない、という事だけが頭に残り、あきらめて治療をしないという方がいらっしゃいます。当然の事ながら加令による変化は誰しもありますしそれと痛みとの関係は必ずしも一致するわけではありません。痛みに対しては治療をする必要があります。がまんしたり、放置したりしているとどんどん悪くなり、治るのに時間がかかるようになります。何事でも言える事ですが早めに治療をする方が早く治ります。がまんしていて治るわけではありませんし、何の美徳?にもなりません。

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    11. 膝の手術を勧められたが、手術をすると今よりも悪くなると知り合いに言われたのでやめた。

      このように隣の人や親戚の人が「手術をすると逆に悪くなったり、歩けなくなったりする」というので手術はしたくない。と手術の話しをした後日にこんなことを言われる事があります。なんと隣、近所の素人のお医者さんの多いこと!!これはまったく困りものです。これには病院や地域差がかなりあるようです。
      手術をする時の状態やタイミングなど様々な要素により手術後の状態は変わるのは確かです。手術の内容によっては膝関節の動きは90度しか曲がらなくなります。しかし痛みが無く歩けるのです。

      次の腰の手術に関しては何度聞かされたかわからないぐらいです。

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    12. 腰の手術を勧められたが手術をすると歩けなくなると知り合いに言われたのでやめた。

      腰の手術で例えば神経そのものに関係している病気では多くの神経を切らなければならないような事がおこります。そうすると術後にその神経の麻痺が起こり歩けなくなるような事態になる場合もあり得ます。ただそのような場合は遅かれ早かれ麻痺は起こるのです。手術をしないでいるともっと症状は悪くなり手の施しようが無い状態になる事だってありますし、その他の神経に対しての保護のために手術をしている事にもなります。
      通常の腰の手術は(椎間板ヘルニヤなど)神経に対して刺激をしている骨や軟骨や膜を取り除く手術ですので神経に触れる事はありますが神経そのものの疾患ではありません。従って麻痺がすでにあるような最悪の状態でも神経一本が機能を失うだけですので歩きにくいという事はあっても歩けなくなると言う事はないのです。

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    13. 腰痛のためにコルセットを勧められたが畑仕事でじゃまなのでしたくない。

      腰痛の時にコルセットをするのは、骨や筋肉の保護が目的です。保護するわけですから腰部の動きを制限する事により安静を保つのです。従ってじゃまにならないようなコルセットは付けても付けなくても同じで意味がない物と言えます。
      症状が軽い場合は簡易なゴム製のベルトもあります。

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    14. 膝の痛みに杖を使うように言われたが恥ずかしい。

      杖を使うように言われたが誰かが見ているかと思うと恥ずかしくて使う事が出来ない。という事がよくあるようです。
      確かに他の人と違う事をするのは恥ずかしい事があります。また言わなくてもいい事まで言うお節介な人がいたりして困りものです。しかしながらこのような時自分が思っている程、周囲の人は気にしていないものです。 他人のために杖を使うのではありません。自分のためですので気にしないで使いましょう。
      どうしてもの時は周辺の同年代の人皆に勧めて、皆で使えば恥ずかしく無い、でいきましょう。

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    15. 40〜50肩みたいなので治療をしないでいたがいつまでも痛い。

      40〜50肩というのは俗称で、肩関節周囲炎といいます。この中には関節内に入り込む腱に石灰が沈着するような特殊な種類もありますが。ほとんどはレントゲン上何の変化もなく骨は異常ありません。
      簡単にいえば関節の”ふくろ”がかたくなり肩の動きを悪くします。そのために腕が後ろに回りにくくなったり、真上に挙げるのが出来なくなったりします。動かしていないと増々動きは悪くなり動かす時に痛みが強くなっていきます。その悪循環のために痛みが長期にわたる事が多いのです。
      必ず治る病気ではありますがただ放置しているより積極的に治療を受け早く治しましょう。

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    16. 腰が曲がってきたが無理して真直ぐになるようにしている。

      脊椎の変形がきたり、骨粗鬆症があったりで背骨があちこちで曲がってくる事があります。加齢現象の一つですが全ての人がなるわけではなく持って生まれたものがあるようです。
      このような変化は自然の流れですから無理して逆らうと負担は増加しそれが痛みの原因になります。従って無理して真直ぐにしない方がいいのです。杖や押し車を利用すると負担が軽くなりますのでお勧めです。押し車などにしても同じ姿勢を長く続けるのはよくありませんので時には休憩を取り、身体を痛く無い範囲で動かしましょう。

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    17. 膝や腰の痛みがあるが運動しなければ身体が弱ると思い無理して歩いている。

      高齢化社会となり最近健康という事が注目されて来ています。運動が健康にいい事は言うまでもないのですがこれは痛みが無くやれる範囲でやる、というのが原則です。
      早足で歩かなければ運動にはならない、一日に20〜30分で運動と言える等は健康でどこにも痛みの無い人に当てはまるのであって誰しもいいという訳ではありません。
      運動をすると、あちこちが痛くなったりしますがこれは単に身体を動かすために筋肉が疲れているだけですので1〜3日休めば治ります。しかし関節や脊椎の変形があるとそちらの負担が増加し、ますます変形が強くなって来ます。変形が基礎にあるときは決して無理してはいけません。
      最低限の運動と考えると歩く事ですが、それでも負担のある時はプール内での歩行、水泳や自転車こぎなどの運動をしてください。それさえも負担のでる場合もありますのでスポーツドクターによく相談をしてください。

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    18. たまには息抜きを

      私には骨折の特別の治療方法があります。
      それは食事療法で、ある焼き鳥を食べさせるのです。

      それを食べると骨はよく`つくね`........。


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    19. 頚椎捻挫(頚部捻挫)をしたが後で症状が出ると聞いた事があり心配だ。

      問題になるのは交通事故で受症し以前はむち打ち症と言われていたものです。以前は大変な状態と考えられていましたので、首に装具を付けて固定する、というのが普通の処置でした。入院をするというのも別に珍しい事では無いような観念がありました。
      頚椎捻挫とあるように足関節の捻挫と同様な状態と考えられてきました。それにより余程の事が無い限りは固定(するにしても柔らかいスポンジの様なもの)はしません。
      また後で再発するのではないか、という心配を以前は多く聞きました。と言うのは前述のように重傷という観念が患者さん、医師の両サイドにあつたのでこのようになったと思われます。100%問題は無いとは言い切れませんが受傷時にほとんどは運命が決まるようで、その時に神経症状が無い限りは問題はまずないようです。

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