肘関節

    骨の成長には骨の形態により成長のしかたが異なります。この部位は最も重要でこの二箇所だけ他の部位の成長のしかたと全く異なっています。そして何が困るかというとこの部位の骨変化は将来に影響が残るという事です。
    1. 肘関節を正面から見たレントゲン写真 

      両肘を正面(手のひらを前に向けた状態で向かって左が右肘)からみたレントゲン写真です。わかりにくいのですが、内則の骨核部に手関節を曲げる動作、ボールを投げたり、スパイクしたり、サービスやスマッシュのとき使用する筋腱の付着部がここにあります。

      そのために無理をすると肘痛を起こすばかりでなく変形を起こす事もあります。つぎでそれらを見ていきましょう。



    2. 右の肘関節正面

      上のレントゲン写真と同様の状態での肘関節正面ですがまだ骨核が形成されていません。この状態で無理をすると肘の動きはすぐに悪くなります。動きが悪くなっても安静が保てるならば元の状態に完全に戻ります。しかし動きの悪い状態で無理をしたり、右のレントゲン写真のように骨がある程度完成された状態で無理を重ねると腱の付着部で骨が剥がれる事があります(向かって右側の方にうすい陰影が剥離した骨です)。こうなると肘関節の動きは悪くなり、野球どころではなく腕を使用するスポーツ全てが困難となります。




    3. 離断性骨軟骨炎の写真

      このレントゲン写真は右肘を正面から見たところ。上の写真と異なり向かって左の外則に注目してください。このような変化は高校生ぐらいになり変化球を投げ始めたころに問題となる変化です。

      周辺部は白っぽく堤防状となっています。その内則は外則と隔絶された状態で栄養障害のようになり剥がれます(貼ってあるタイルの接着剤がだめになり、剥がれるのを想像してください)。このように関節内に剥がれ落ちたものは関節内を移動する事があり、この物を’関節ねずみ’(関節遊離体)とよびます。関節内は栄養状態はよく、関節ねずみは成長し大きくなることがあります。そうなると関節内で引っかかり、ロッキングを起こす事があり手術が必要になります。同じような事は膝関節でも起こります。



    4. 野球肘のまとめ 一般的には上記の肘痛を総称して野球肘といいます。肘痛はどの年代でもおこりうる障害ですが、スポーツ少年団のころは投げすぎや投球フォームが悪かつたりで肘の内則の痛みのことが多く、これは腱の牽引力により骨の付着部に負担がかかり障害がでます。高校時代になると変化球を投げ始めることもあり、肘関節の負荷がかかり(簡単には軟骨同士がぶつかり合うために起こる)今度は肘の外則の障害でこちらは関節軟骨に傷がつくのです。予防は最低限、肘の動きをチェックすることです。1週間に一回でも左右の肘の動きを見る事が予防につながります。



    スポーツ障害の目次
    に戻る