![]() 愛の懸け橋で、魂が吹き込まれたXR400R 夫婦でダカールに出場するのは91年以来、2度目になる。 ベース車両の選択にあたっては、二人同一車両という大前提を踏まえたうえで、 カアチャンのポテンシャルに基準を合わせた。なぜならば女性であるから。 すなわち体格・体力(筋力)において女性である、ということだ。そのうえで、 大きさ、重量、パワースペックなどの要素をにらんでXR400Rに決定したのだ。 今回のマシン作りのテーマは「プライベーターレベルで手に入る最高のマシンを作る」 ということだ。つまり誰でもが、その気さえあれば手に入る範囲のもので、 最高の戦闘力を持ったマシンを目指した。解りやすくいうなら、 特殊な技術やメーカーとの特別な関係を有しないで、 アフターマーケットの枠を集めて形にしよう、ということだ。以下、 具体的に列挙しよう。 エンジン、サスペンションは、本誌でもお馴染みのモタロー西池氏に依頼。 バランス取り、各部の再調整、再組立の作業で、特別な部品は組み込んでない。 ただしメインジェット、ニードルのみはバクダンキットに変更。 トルクカーブの段付きをスムーズにすることと燃費向上が目的だ。 今年のルートにおける砂漠ステージの多さを考え、オイルは EPLのシングル50を選択。 これにPL500をミックスして完璧。 燃料タンクはフロントにアチャルビス25リッター、 リヤーにラリースペシャリスト・単車屋垣本氏製作のアルミ12リッター。マップホルダー、 ヘッドライトマウント、 3リッターの水タンク付きアンダーガードも単車屋のもの。 シートはマエストロ・秋田・シートジョイ製作。フォーム硬度、表皮は当然のこと、 断面形状までラリーユースを意識した一品モノ。 ダンナ仕様とカアチャン仕様とでは、フォーム厚み、硬度、 さらに断面形状も異なる設計だ。 ヘッドライトはシビエ製高効率バルブを装着。カーボンパーツとスコッツ製ステダン、 さらにハイワッテージACG、 カアチャン用リヤスプリングは、 XRスペシャリストのマルカワレーシングのものだ。 リムはラリーシーンではすでに定番のエキセル製、チェーンはRK。タイヤはBS。 最終減速比は15×42、14×42をルートコンデションによって現場選択、 という方法をとった。42Tのドリブンはハイブリット金子氏による熱処理がほどこされている。 そして仕上げは、ベストテクラリーライディングには欠かせないWSワタナベ製ナックルプロで決まりだ。 このように現在の日本におけるアフターマーケット技術の結晶といえるこのマシン。 東京・栃木・岐阜・広島・愛媛を結ぶ愛の懸け橋が、XR400Rに魂を吹き込んだのだ。 |
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