中央町・阿賀崎・柏島

1.羽黒神社・清瀧寺(はぐろじんじゃ・せいりゅうじ)
 羽黒神社は、万治元年(1658)、松山藩主水谷勝隆(みずのやかつたか)が玉潟干拓の際、工事の成就を祈願して建てた神社です。二代勝宗(かつむね)によって社殿が改築され、清瀧寺も建立されました。末社には住吉神社、水谷神社、熊田神社、菅原神社などがあります。菅原神社で行われる「天神祭り」は徳川時代から続くお祭りで、神輿の練り歩く様は玉島夏の風物詩として行われ、近郷近在に知られた祭りでしたが、現在は市民イベントの玉島まつりと並行して行なわれています。

2.新町通り(しんまちどおり)
 羽黒神社から西に直線的に伸びた新町通りには、明治の漢学者川田甕江(かわたおうこう)の生家があります。彼は天保元年(1830)、玉島新町の綿問屋・大国屋で生まれました。彼の生家は、「安原倉庫」として、現在も昔の姿をとどめ、「川田甕江住居跡」の石碑が建てられています。………人物紀行参照
 
「新町通り」は、古い港町を偲ばせる商家や土蔵が立ち並ぶ、いわば玉島の文化財ストリートです。現在、新町を含む周辺界隈は県の町並み保存地区に指定され、倉敷市の補助金を活用しての建物の保存と整備が進み、倉敷の美観地区につぐ町並み観光のスポットとして、県の内外からの観光客が増えつつあります。又、最近では蔵を活用した「蔵の中コンサート」や、お酒の倉庫を活用した所蔵品の記念館の開設、そして平成4年より8月末の土曜日には、岡山県一の注目を集めるユニークな「備中玉島へそまつり」等のイベントが開催されています。

3.本覚寺(ほんかくじ)
 本覚寺は天台宗の寺です。慈覚大師(じかくだいし)が開き、本尊の十一面観音の木作立像(高さ1m27cm)も慈覚大師の作だといわれています。

4.円通寺(えんつうじ)
 名僧良寛さんが約20年間修行した円通寺は、曹洞宗の寺で、はじめ星浦観音と呼ばれる観音堂がありましたが、中世の戦乱で消失し、荒れ果てていたのを江戸時代中期、高梁・定株寺の良南禅師によって復興され、「円通寺」と改めました。以来高僧が相次いで住職になり、備中の永平寺派の中心道場として栄えました。良寛さんは安永8年(1779)、円通寺の住職、大忍国仙(たいにんこくせん)和尚を慕って越後から円通寺にやってきました。「良寛の銅像」をはじめ、読書に励んだ寮「良寛堂」の他、良寛茶会の開かれる支那様式の茶室「友松亭」。国仙和尚が飢饒で亡くなった人々を慰めるために書き、修行中の良寛の文字も混じる「石書般若塔」。また、彼が悟りを開いたといわれる庵のあった「覚樹庵跡」には良寛椿といわれる白い八重椿の古木があり、良寛が円通寺に来て12年目に国仙和尚から印可の偈(げ=修行を終えた印)を賜わった「高方丈(たかほうじょう=住職の部屋)」もあります。………人物紀行参照

5.円通寺観音堂と円通寺公園休憩舎
 国民宿舎良寛荘から上がった円通寺の境内には「円通寺観音堂」と「円通寺公園休憩舎」があります。観音堂は円通寺観音奉賛会が昭和61年1月に建立したお堂で、毎月18日に縁日が盛大に行なわれています。
  また、観音堂のそばに立つ「円通寺公園休憩舎」は、倉敷市が昭和61年3月に建設した休憩所で、畳の間やテーブルが置かれ、市民憩いの休憩所として瀬戸内海の風光を楽しむことのできる一大展望台です。開設時より玉島商工会議所女性会が管理運営にあたっており、女性会製作の良寛てまりや抹茶・コーヒー等も用意され、中秋の名月には観月会も行なわれています。ぜひ、お立ちより下さい。(休館日は毎週月曜日です)

6.高運寺(こううんじ)
 高運寺は、真宗本願寺派の寺で、川上郡成羽町下原から現在の阿賀崎に移され、名前も本庄寺から高雲寺、そして高運寺と変わりました。開基は不明ですが、本尊は阿弥陀如来。本堂の池、鐘楼、庫裡などがあり、境内には画家・黒田綾山の碑もあります。

7.海徳寺(かいとくじ)
 海徳寺は、柏島にある曹洞宗の寺で、本尊は聖観世音菩薩。文明6年(1474)鴨方町長川寺密山車厳が創建したものですが、戦乱により荒廃、さらに慶長元年(1600)、洪水のために後山が崩れ埋没したので、翌年赤沢久助が再興したもので、本堂、開山宣、庫裡などがあり、周辺に観音霊場があります。

8.天満町(てんまちょう)
 天満町という地名はかつて玉島港が江戸時代から浪速(大阪)との交易があったことを如実に現しています。今に伝える町並みは往時の風情を残しています。この町に残る旧旅館では平成元年(1989年)に、広島の原爆被災者の実話をもとにした映画「千羽鶴」(監督:神山征二郎、主演:倍賞千恵子)の撮影が行われました。区域内に残る「天満宮」は玉島で最初に天神様を祭った社(やしろ)で、「天神祭り」も最も古くから始められた所と伝えられています。

9.福寿院(ふくじゅいん)
 福寿院は、天台宗の寺で、本尊は十一面観音、慈覚大師が承和年間(834〜847)に開基したと伝えられています。本堂の他、護摩堂、客殿、庫裡、位牌堂、山門などがあります。

10.柏島神社(かしわじまじんじゃ)
 柏島神社は、備中の古いお宮のひとつで、祭神は応神天皇と吉備津彦命です。天正12年(1684)に建立され、八幡宮と呼ばれていました。明治45年、本堂などが改築され、大正元年御前神社が合祀され、本殿、幣殿、拝殿などがあり、末社には豊浦神社、稲荷神社など。ご神体は、応神天皇と吉備津彦命の木像、さらに神鏡二面があります。なお参道のほとりには、勇崎で生まれ、自由律俳句の旗手として活躍した中塚一碧楼の句碑が建てられています。………人物紀行参照

※地名のいわれ※
阿賀崎(あがさき)
 古くは「赤碕」「明崎」と書きました。「明崎」は柏島の東部にあたり、朝日が早くあたることからついた名前らしく、その後、おめでたい文字の「阿」と「賀」が当てられました。また阿伽の水(仏に供える水)をくむ場所だったことから「阿伽崎」と呼び、阿賀崎になったとも伝えられています。
唐船(とうせん)
 昔、唐船のあたりがまだ海だった頃、この辺りは航海の難所。旧暦の11月13日、唐からやってきた船が、折からの強風で、難破してしまい、それを見ていた村人たちが唐の人々の霊を慰めるため、ここに唐神様を祀り、この話しにちなんで「唐船」と呼ばれるようになったといわれています。