付録■はじめて道東に行かれる方に
はじめて北海道に行かれる方で特に単独行の方はとても不安なのではないだろうか。相応の金額の旅費と気苦労の末にいい結果を望みたいのはどなたもしかり。しかし現実はそんなに甘くはない。フライボックスの中身、天候、人間に危害をおよぼす獣の密度など本州で通用する常識的な「コイン」が北海道でどんな場合でも通用するのか?もし周囲に誰も北海道に釣りに行ったことがない場合は海外釣行と同レベルの情報不足に悩み、知識不足によりある種の妄想から得体のしれない不安感、畏れを生む場合があるかもしれない。しかし、実際に何回か北海道(特に道北・道東)に通い始めるとそうした野性に対してのある種の畏敬の念が、微妙なバランスで環境や地域の急激な俗化を抑制する「箍」になっている場合が有ることに気がつく。

例えば本州に住む我々が必要以上に恐れる場合が多いヒグマは北海道のちょっとした奥地にはいくらでもいるが明治の初期のような食害で悲惨な事件が再々起こっているわけではない。ただヒグマの生態や性格を知らないでズカズカ彼らの生息域に踏み込めば自己防衛のために彼らが捨て身になるのは理解できると思う。熊鈴をつけ、見通しの悪いカーブではこちらの存在を知らせる・・こんなちょっとしたことで遭遇事件やうっかり母熊と子熊の間に割って入るとかという最悪の状態は避けられるはずだ。

これらのことから敵対心や征服感を丸出しにして奥地で渓流釣りに興じて、ヒグマに会えば「熊スプレーをぶっかければいい」という考えなどは彼らの身体能力、知恵の高さの前には笑い話にもならない。(木登り、短距離選手並みの疾走、達者な泳ぎ、待ち伏せなどの知恵、強い独占欲など) 地元の人は熊の急所は鼻で有ることはたいてい知っている。不幸にして至近距離で出会えばやはり(ナタ一つで)戦う覚悟を決めるしか手段はない。そういう意味でガイドなしで(遊漁許可された)山岳渓流で釣りをする場合装備は同じ重量でも熊スプレーより熊鉈、熊鈴、熊笛を持つほうが現実的といえる。(そういいながら私はとりあえず熊スプレーもまじない代わりに鞄にいれるが・・)

装備については日程、目的地、宿泊のスタイルによって違うがやはり釣りを中心にした場合、しかも単独行を考えた場合は野営スタイルはよっぽどのこだわりを持たない限りは選択肢から外すのが賢明だ。獣(ヒグマ、野犬)の危険は本州の比ではない。どうしても野営にこだわるのなら常設のキャンプ場の利用をおすすめする。ちなみに私の場合はとりたてて奥深い野性の前に脆弱な身体をさらし出す勇気は持ち合わせないのでもっぱら人並みに温泉地の安い宿を探すのを楽しみにしている。そうすれば装備もぐっと軽くなり釣りの装備品がその分 余計に携行できる。

前出のレンタカースタイルで道内を釣り歩く場合はその車種にもこだわりたい。昨年度は安くあげることに精力を傾けすぎ車種の選定を過った。昨年度利用したトヨタのビッツは町乗りには面白いが釣場へのムーバーとしてはとても向いていない。トランクには釣道具の竿ケースのプラノさえ入らない。また収納スペースが四枚ドアなのにそれぞれいちいち開け締めして厄介だった。今年はほぼ似た料金で同クラスのファンカーゴにした。フルフラットの荷室は簡易ベットルームになり台風で身動き取れなくなった日は開陽台の展望台で暴風に揺られながらも車内でゆっくり朝食がとれた。中標津空港のトヨタレンタカーでは忠類川サーモンフィッシング専用にカローラバン、スプリンターバン、カルディナバンを一日5000円、ハイエースロングバンを8000円という破格のサービスも8/1〜11/30限定で利用できる。その気になればバイカーのように道の駅を利用しながら各地を楽しむこともできるかもしれない。

実際の携行品は種類、例えば網(ネット)一つとっても目的によって身につけるべきタイプは違ってくる。昨年道東の山奥でかなり良型のニジマスをかけたのに最後にリリースネットでどうしてもすくえずもたもたしている内にフックが外れてしまった。それ以来、まさかの大物対策でウエーディングベルトには大振りのインスタネットを取りつけてある

基本的でも有り 釣り人なら当然遵守しなくてはならない道内の様々な遊漁規則だがこれは忠類川HPのリンク、道庁のHPから確実に予め情報を得ておきたい。

装備・携行品の例(45日宿泊施設利用)
この中には日用品・ウエーディングブーツは含まれていないが平均的な装備ではないだろうか。ネットはインスタネット、リリースネット、湖のアメマス用に柄付きの大網が有れば安心だ。かさばるレインギアはゴアのウエーディングジャケットがあれば他にはいらないだろう。 フライはやはり#8〜#10を中心にドライ、ニンフを実績があるものを中心に揃えるのがよい。忠類川中心ならやはりクリオネのバリエーションをなるべく数多く、9月中旬以降の”スレ鮭”にはより小さいフックでのタイイングがコツ。今回私が実際に現地で使用して反応が良かったフライパターンを掲載したので参考にして頂ければ幸甚である。
一番怖いのは獣ではなく、まちがいなくごく一部の悪い人間だ。特に最近道内では車上狙いが頻発しているらしい。レンタカーで車内に派手な装備、荷物があればいやがおうにも目に付く。できれば盗難にあってもショックで寝込むはめにならないようそこそこ使い古したギアで間に合わせたい。最近はコンパクトな警報機やワイヤレスで釣行中も異変を知らせてくれる便利なツールも有る。 荷物はできるだけ消去法でコンパクトにまとめたい。漠然と装備を決めるといくらでも持って行きたくなるが、逆に実際に釣りのポイントを設定して考えれば最低限必要なものが見えてくる。下記の一覧はあくまでも私が利用しやすくアレンジした装備なので参考程度に考えて欲しい。
1.竿 竿ケースPRANO
エーベル9010 
セージ4711LL
スコットsts907
コートランド786
IZCH128サーモンシューティング
オービスOTTER705
2リール・ライン オービスウエットチップ#10ティーニーT300
ハーディライトウエイト#5フローティング
オービス5/6バテンキル+ウエットチップ「+。
インターミディエイト#6
シルクラインGクラス
3携行品・アクセ 偏光グラス
グリップ、シザース、ヤスリ
虫かごくん、ティムコホタル
ドライマジック(ティムコ)パワーフロート(c&F)
クリーンナップドライ(ストーク)ギンク
UVノットシーラー、シマザキドライシェイク
UVライト、ラインドレッサー、ストレッチャー
アマドゥ、ラインコンデショナー、ウエーディングブーツ
ウエーディングジャケット
リリースネット、インスタネット、長網、リリーサー
バリバススーパーティペット(4X〜10X)
フロロ4号〜5号
リーダー各種(3X〜5X)
リオチェンジャブルウエットチップセット
インジケーターテープ(ティムコ)
ガンダマ各種、ラバーレースレッド
発泡ボールセット(FAIS)
4フライボックス ミッジボックス、アトラクターボックス(釣堀ストック転用)
ニンフボックス
テレストリアルボックス、ウエットボックス
ストックフライボックス大(#8〜#10)
携帯用コンパーメントフライボックス
サーモンフライボックス
マラブー、ゾンカー、クリオネボックス
ゾンカーワレット
5身の回り品 デザインシャツ、カーゴパンツ
下着、靴下日数分
シャンプー、リンス
スキンガード
地図、レジャーマップ
ガイドハット、ゴアハット、綿キャップ
遊漁承認証
熊鉈、熊鈴、熊笛、熊撃退スプレー
携帯充電器
車上狙い撃退ブザー
ヘッドライト、マグライト
名刺
ひげそりレーザー、歯ぶらし、くし、ドライヤー、爪楊枝
デジカメ、35mmカメラ、携帯電話、フイルム、簡易三脚
デジカメスペア電池
ゴム手袋
カロリーメイト
近視メガネ(釣り、一般)メガネケース
ソーラーAMラジオ、ダイバーズウォッチ
黒絶縁ビニールテープ
財布、旅券、通帳、トゲヌキ、ティッシュ、手帳、現金
免許証、クレジットカード、オイルカード、
各河川のヒットフライ例
カムイチェップ・レッド#6 カムイチェップ・オレンジ#6
クリオネ#8 オリジナルレディーゴーストsp#2
ワイルドキャナリー#10(阿寒川) オレンジハンピー#8(阿寒川)
ザグバグ#8(阿寒川) ラビットラーバ#10(阿寒川)
ロイヤルウルフ#8(阿寒川) ホワイトウルフ#8(阿寒川)
これは実際に使用したばかりの虫かごくんの中身です。
皆さんの北海道での素晴らしい一日を心よりお祈り申し上げます!