「自分の体を、爆弾にして証拠隠滅
 敵ながら、あっぱれよね、ホント。」
 
「まさか、あそこまで威力があるとはなぁ。」
爆発した瞬間、耳を疑った。
 
結構大きなクレーターが出来ていた。
そのことを思い出すとゾッとする。
 
「連鎖爆破だったんでしょうね、きっと。」
 
「最初から準備していたんだろうな・・・・・間違いなく。」
 
「もう、生き延びるつもりはなかったって事?」
 
「たぶん、補完計画が望んだ通りにいかなかったときに・・・・・」
 
 
「間もなく、空母に着艦します。」
 
加持とミサトの会話、そしてそれを遮るパイロットの声
 
 
先程まで、死にそうになった自分。
まぁ、一度死んだ身か
 
そう思いながら、着艦の際の衝撃を感じた。
 
 
 
 
君と僕があるために
第十二話 それぞれの道
 
 
 
 
「さて、葛城はどうする?」
 
「先に帰るわ、シンジ君達の顔が見たいモノ。
アンタこそ帰るんじゃないの?」
 
「あ、俺か?俺はこれからアメリカに短期出張だ。」
 
「なによぉ、それぇ!」
 
「しょうがないだろっ!さっき言われたばっかり何だから。」
 
「じゃぁ、式は何時あげるのよ!」
 
「スマン・・・・もうちょっと後だな、そんじゃ!」
 
「ちょとぉ、加持ぃ!」
 
 
一通りの夫婦喧嘩が披露された甲板
ネルフ副指令と作戦部長
 
先程まで、久しぶりの戦場にいた二人。
とくに、東へ向かう機上の人、加持は「戦争」といった形式に則ったモノに参加するのは久しぶりだった。
いつもは、スパイやら潜入やら暗殺やらで、まともに集団戦をしたことがなかった。
 
まぁ、出来ればやりたくないのだが。
 
 
既に北へ向かう機上の人、ミサトは自分が死にかけた戦自の本部襲撃以来だった。
あの時は、本当に死を覚悟したが、運良く生きていた。
まぁ、あの時のシンジとの「約束」は果たせそうにないが。
もしも、果たした日にはアスカによって二人とも殺されかねない。
 
 
 
 
既に本部に帰ってきていたシンジとアスカ。
今日の送迎は、諜報部の黒服の皆様だ。
だから、とても安全運転だった。
あの、某臨床心理医師や、尻尾を持つスパイや、ビアクイーンの作戦部長の運転とは
まったく違った快適さを堪能していた。
 
まぁ、半分眠りながら送って貰ったわけで、夕食はまだ食べていなかった。
 
「アスカぁ、晩ゴハンどうする?」
 
「えー!用意してないの?」
 
「だって・・・・そんな暇なかったし・・・・」
 
「それもそうねぇ・・・・じゃぁ、今から作りましょ♪」
 
「え、今から?」
 
明らかに怠そうなシンジ
 
「ほら、さっさとやるわよ!」
 
既にエプロン姿のアスカ
 
「え、アスカもやるの?」
 
今までに聞いたことのないセリフに、シンジは少し驚く
 
「な〜に〜、アタシがやっちゃぁいけないの!」
 
「そんなこと言ってないよ。」
 
「じゃぁ、なに作ろうかな?」
 
「冷蔵庫の中には・・・・・あんまりないや、余り物。」
 
「ホント?」
 
この時、アスカは自分の言ったことに対して少し後悔した。
今までに習ったメニューは、ちゃんと材料が揃っていってはじめてできた物。
しかし、材料無しで、工夫して料理を行うなど、アスカにはまだ未知の段階であった。
 
 
彼らの夕食は、如何に?
 
 
 
その頃、トウジはネルフの食堂で好きなだけ食べていた。
どうやら、支給されたカードを速攻で使っているらしい。
だが、このままでは、彼の使用金額は全てネルフに還元してしまう。
すでに、三品目に入ったようで、ペースはかなり快調だった。
 
まぁ、彼の住まいはネルフの宿舎の中なので、特に問題はないが。
 
 
「ほな、寝るか。」
 
 
一人部屋に響く、悲しい独り言
でも、寂しくはない。
一人でも、寂しくはない。
妹だって、近くに居るはずだから。
 
 
 
 
「シンジィ、お風呂沸いたぁ?」
 
また場所は移って葛城邸
もっとも、主は居ない。
そして、部屋に響くアスカの声
 
「もう沸いたけど、入る?」
 
「当然よ!それとも、一緒に入りたい?」
 
たとえ冗談でも、爆弾発言
 
「え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛、ママママ%&#$@マ・・・まさかぁ?」
 
シンジ、壊れる
制御不能
 
「冗談よ!」
 
それと共に、シンジのおでこに軽くデコピンを見舞うアスカ
デコピンを喰らい、正気に戻るシンジ
 
「そ、そうだよね。」
 
シンジ、何とか再起動するものの、完全には立ち直れず。
 
まぁ、そんなこんなのゴタゴタで、シンジは『はぁ』とため息をついた。
まぁ、何時までも落ち込んでいるわけにはいかなかったから、食器を片付けはじめたけど。
 
 
 
 
『あ、もしもし、葛城か?加持だ。新婚旅行だけどな、ホワイトハウスが取れたから、アメリカにするか・・・・君の返事を待ってる、じゃぁな・・・・プッ』
葛城家の電話に、そんな留守電が入ってたのは余興
その留守電を聞いて『あぁ、二人は結婚するんだな』と、確信したけど。
 
 
 
まぁ、90分ぐらいして、アスカは風呂から上がった。
そして、シンジと廊下ですれ違う際
 
「オヤスミ、シンジ♪」
 
そう言って、シンジの頬に軽く口づけをした。
 
突発的
予想もしなかったこと。
シンジ、フリーズ
 
だが、アスカはさっさと部屋に入ってしまう。
 
数十秒後、シンジ再起動。
だが、ものが手につかず
寝るまでぼぉーっとしていた。
しかも、眠れなかった。
 
 
対するアスカ
 
ベットの上で
「キャー、やっちゃったー♪」
一人転がっていた。

で、思った。

『まぁ、あれぐらいなら充分よね』

 
 
 
まぁ、多分平和だ、今は

 

 

続く

 


後書きという懺悔

どうも、緒方です。
また間があいてしまいました。
何と言ってお詫びして良いのか・・・・・申し訳ありません。>創さん

とにかく第12話、ちょっと短めな理由は、最後が痒かったから。
でも、まだまだ続いてしまう。

それではぁ!


創さんのこめんと

さて、全国うん万人のLASファンのみなさん。痒くなったら、○○コーワ。

非ステロイド系です(意味不明)?

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