NEON GENESIS

EVANGELION

―幸せは何処?― written by 流れる音の流れ星

 

第弐話

−思い出−

 

 

 

 

ベッドに横になりあたしは少し前の事を思い浮かべていた

シンジは告白する前にあたしにキスをした

あの時あたしも知らず知らずの内にキスを受け入れていた

あれは泣いていたから何も感じなかった

でも次にもう一度したキスはすごく恥ずかしかった

そして嬉しかった。シンジがあたしの事を必要としてる

シンジの笑顔・優しさ・強さ・弱さ・あたしの心を受け止

めてくれる暖かいシンジの心・・・

あたしもシンジの事が生きていく上で絶対必要

・・・あたし何時からシンジの事が好きなの?

・・・初めて逢った時からシンジの事が気になっていた

でもあたしはシンジにひどいことばかりしていた

シンジの部屋を占領して、あたしが勝手に自分の荷物を置

いたのよね

そしてシンジは窓もない部屋に移ったの・・・

うぅっ・・・こんなこと考えると少し心が痛くなる

あたしは何時も何時もシンジに嫌がらせをしていた

「そうだっっ」

 

 

 

僕はベッドに横になって考えた

なんで僕は告白する前にアスカにキスしたんだろう・・・

分からない、自分でも気づかずキスしてしまったんだ

あの時アスカにキスした時、涙の味がした

何処か切ない感じのキス

でも次にもう一度したキスは本当に嬉しかった

僕は太陽の様なアスカが好きだ

アスカの優しさ・アスカの恐さ・アスカの暗い部分・

アスカの光の部分・アスカの形・

アスカの弱さ・アスカの強さ

アスカの意地っ張りも

全てが好きだ

と、此処で僕の考えはフスマのノックによって止められた

 

こんこん

「アスカ?」

「開けて良い?」

「うん、どうぞ」

僕の部屋は窓が無い為に真っ暗だから僕は

豆電球を付ける・・・するとロウソクの様な小さな光が照

り出され、アスカの顔がうっすらと見えるようになった

「どうしたの、アスカ?」

「えっと、あの・・・あたしの・・・」

「ん?」

「あ、あたしの部屋で寝ない?」

「・・・あ、アスカそれってっ?・・・ま、まさか」

 

ヤダッ、シンジったら何を考えてるのよっ?!

あたしは顔をブンブン左右に振って言い付け加えた

「バカッ・・・何考えてるのよ、只単にシンジがあたしの

下隣でお喋りしながら寝るだけよ」

「あ、そうだよねっ・・・うんアスカの部屋に行かせても

らうよ」

僕は自分の使ってるフカフカの下にひくフトンと

掛けフトンを持ちアスカの部屋に向かう

・・・あれ?

「アスカ?」

「え、どうしたの?」

 

あたしはやっぱりなっと思い自分の部屋のフスマに付けた

何も書いてないプレートを見つめた

「あぁこれね、うん消したの・・・だからシンジはあたし

の部屋に入りたかったら何時でも入っても良いのよ」

 

僕は嬉しかった・・・アスカは僕を此処まで受け入れてい

るんだ・・・あんなに部屋の出入りを禁じられていたのに

アスカはこんなに僕に優しくしてくれる

「アスカ、ありがとう」

「え、あ、良いのよ、元々はシンジの部屋なんだから」

「ううん、今はアスカの部屋だよ」

「うん、でもこれからはシンジも出入りしてよ・・ね?」

「うん、ありがとう」

 

そしてアスカがフスマを開けて

シンジが自分のフトンをアスカのベッドの下隣にひく

 

僕はアスカの下隣で横になりながら頬杖をしてアスカの方

へ顔を向ける

アスカの顔が外の街灯・星・月明かりによって

何処か神秘的な表情になっている

「どうしたの、何かついてるの?」

「え、いや・・・なんかアスカの顔が光に照らされて・・

・そ、そそそ、その・・・綺麗で可愛い・・・んだ」

 

少しの光でもアスカ・シンジの顔がサクラ色になるのが

分かった様な・・・

「「・・・」」

恥ずかしい・・・少し前のキスより恥ずかしいかも

あたしはもう・・・もう、顔が・・・身体が暑い

「ね、ねえシンジ」

「え、あう、うん?」

「・・・窓少し開けて良い?」

「うん、開けようか」

 

アスカは身体を起こすと自分の隣にある窓のカギを開けて

窓を半分開ける

すると気持ちの良い風がさあぁぁぁぁっと二人を包み込む

 

「気持ち良いね」

「ええ、開けて正解だったわ」

 

「「・・・」」

少しの沈黙二人は居心地の良い雰囲気を満喫する

アスカはさっき一人の時に考えていた事を思い出す

 

あたしはシンジに逢った時からひどい事を言っていた

シンジはそのことについてどう思ってるのかな?

「シンジ・・・」

「んん、なに?」

あたしはシンジの顔と面と向かって話しかける

やっぱりシンジの顔は優しい顔だな・・・

「シンジと住み初めて、あたしはシンジにひどい事ばっか

り言ってた・・・ごめんね・・・」

「アスカは悪くないよ」

「え、なんで?」

「僕が何時もいい加減で、人の顔色を伺ってばかりの人間

だったから・・・それに何時かアスカには人としてやって

はいけない事もやってしまった・・・」

 

あたしはシンジから大分前に聞かされた

病院での事を思い出した

そうシンジにあたしはオカズにされたんだ

でも・・・それはシンジの精神状態がおかしい時だから

別に気にしてない

 

アスカはシンジの不安を取り除く為に優しく微笑み

「あの時はシンジも辛くて壊れそうだったのよ・・・だか

ら自分で慰めたのよ・・・それに自分から罪をあたしに言

ってきたから、良い・・・あたしは責めないわよ」

「ごめんね・・・ありがとう」

「うん、この話はもうよそぉ・・・ね?」

「うん、話題を替えるよ」

 

 

 

僕は話の話題を修学旅行にした・・・

だってあの時行けなかったもんな

「アスカ修学旅行に行きたいよね」

「本当にね、行きたいわ・・・だってあんなに友達が出来

たのにあたし達だけが行けないなんて最悪よね」

「そうだね、アスカは新しい水着を買ったのにね」

 

その時あたしは少しイタズラを思い浮かべた

「そうそう、それでネルフの社員プールで遊んだのよね・

・・その時シンジは熱膨張の勉強をしてたのよね?」

 

その時僕はある事を思い出した

そうだあの時僕はアスカに 胸だけ暖めれば、少しはオッ

パイが大きくなるのかな? なんて言われたんだったな

でも僕はあの時 そ、そんな事聞かれたってしらないよ!

・・・あの時のアスカの顔、少しつまんまさそうにしてた

「え、あ、うん・・・」

「本当に暖めると大きくなるのねっ、あたしもやっぱオッ

パイ暖めようかな?」

 

ほら来た、でも今は気のきいた言葉位言えるよ

「アスカのオッパイは暖めなくても十分大きよ」

「え?本当?」

「うん、14才の他の子よりかは全然大きいよ」

って、僕は何を言ってるんだ・・・

こんなに恥ずかしい事をよくベラベラと話せるな

成長したのかな、僕って?

「嬉しい、シンジに誉められた・・・そっかあたしのオッ

パイ大きいかぁ」

「ね、ねえ、アスカそろそろ話題替えない?」

しまった、ついつい自分の胸の事ばかり言っていた

「え、う、うんっ」

「次はアスカが話してよ」

「ええ・・・何が良いかなぁ?」

 

 

あたしは考えた・・・そうだ熱膨張と来たらあれじゃない

そうそう、浅間山の使徒との戦いっ・・・

今となっては良い思いでよね

でも結局また胸の話になりそう・・・

いっか、冷やかしてやろうっと・・・

「さっきまでプールの話をしていたから今度は浅間山での

出来事を話そうか、良いかしら?」

「あ、うんそれいいね」

 

僕は色々思い出して話した

「そう・・・あの時、空軍が手伝ってくれると思ったのに

違ったんだよね」

「ええ、そうね違ったのよね・・・あたしはあんな事考え

もしなかった、まさかあたし達が失敗してたらN2爆雷で

浅間山一帯を破壊してたんだもんね」

「うん、そして使徒の捕獲作戦が始まったんだね」

「そうそう、それであたしはえっと・・・」

・・・

「「ジャイアント・ストロング・エントリー!」」

「ぷっ、シンジ大きな声出さないでよ」

「はは、ごめんごめんっ」

 

ついついユニゾンしてしまった

やっぱり僕とアスカって生きピッタリなんだな

 

「あの後大変だったわ」

「うん、使徒が羽化を始めたしね」

「でも結局熱膨張でやっつけたのよね」

「うん」

「そして・・・使徒にあたしの命綱を切られて、あの時不

思議に全然恐くなかった・・・死ぬ事に対して只残念ねっ

て思っただけ」

「うん」

僕はあの時の事を考えた

僕はあの時自分が死のうが絶対アスカを助けなきゃ

って思ったんだ

そうか、僕はあの時にアスカの事が好きになったんだ

「僕ねその時叫ぶより先にエヴァでマグマに飛び降りだ」

「うん、あたし多分あの時から本当にシンジの事が好きに

なったと思う・・・でもあの時のあたしは何もかも否定し

ていたからシンジの事が好きなんて考えなかったの」

「うん」

「ありがとう・・・本当にありがとうね、シンジ、あの時

あたしが死んでいたらこうして話す事も出来なかった」

「良い思いでだね」

「ほんとにねっ」

 

僕は気がついた・・・

今まで話に集中していて

自分の腕が痺れて来たのを感じた

「よっと」

「ん、どうしたの?」

「なんか腕が痺れてね・・・だから座っとくよ」

「いいのに、寝てても」

「ううん、アスカの顔を見ながら話したいしね、良いよ」

「は、恥ずかしい事してくれるじゃない」

そう言えば、あたしはシンジに何もお礼をしていなかった

のよね・・・マグマから救出されても何も・・・

何かしてあげなきゃ

「ねえ、シンジあたしね」

「うん」

「シンジにお礼がしたいの」

「良いよ、借りは帰してもらったから」

「駄目よ・・・あれは只の意地だったんだから、だから今

から良い物あげるから・・・目を閉じて手を出して」

「うん、分かった、目を閉じれば良いんだね?」

 

そしてシンジは目を静かに閉じ手を差し出す

 

シンジが目を閉じた・・・行くわよ、アスカッ

あたしはベッドから身体を起こし

シンジに近づく

「シンジッ・・・」

「?・・・ん・・・」

短いキスなんだか心がスッキリする

気持ち良い・・・

あたしはシンジの唇から自分の唇を離す

「あたしの贈物よ」

「あ、ありがとう」

「さ、今日はもう遅いから寝ようか?そのままだとしんど

いからねっ」

「うん・・・その前に喉が乾いたからお茶取ってくる」

「あたしの分も・・・コップはシンジので良いわ」

「ア、アスカァ」

「へへ、早くね」

「うん」

僕は立ち上がりアスカの部屋から出た

リビングに行くとそのままキッチンに行く

冷蔵庫からあらかじめ作ってあるお茶をだし

食器棚からコップを一つだす

トクトクトク・・・

良い音をあげながらコップにお茶を満たしていく

そしてアスカの部屋に戻り

「はい、アスカからどうぞっ」

「ありがとっ」

アスカの喉から可愛い位良い音が聞こえていく

こくこくって・・・

「はい、シンジも飲みなよ」

「あ、うん」

僕は残りのお茶を一気に飲み干した

ごくごくって・・・

「さぁ、寝ようか」

「ええ、お休みシンジ」

「おやすみアスカッ、良い夢見てね」

「うん、シンジもねっ」

「「おやすみ」」

僕らの思いで話しも終わり

気持ちの良い眠りにつくのだった

 

 

 

あとちょっと

 

 

 


此処まで読んでくれた方々に

お疲れ様・有り難う御座います

 

個人的な話しになりますが

もぉ〜〜〜ほんとに寒い

寒くてなかなかフトンが温まらないのです

でも僕は冬が好きなんですよね

空が綺麗に見えるし

流れ星だって一杯見えるし

車で山に行って星の観察とかも出来るし最高なんですよ

(あ、僕は京都に住んでるのですがね)

花背と言う山に行くとそれはそれは凄いですよ

空を見上げると星のジュウタンで埋まってるしね

綺麗ですよ、音が鳴ってる様に聞こえるし

皆さんも息抜きに空を見上げてみたらどうですか?

 

それでは次もよろしくおねがいしますっ

 


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流れる音の流れ星さん

 

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