手話通訳・・・・・・手話を必要とする人たちがこの世に存在する以上、手話通訳が要らないということは絶対に無い。

専任手話通訳者と呼ばれる人たちがいる。あるひとは社会福祉協議会の職員として、またあるひとは自治体の非常勤職員として配置され、手話を必要とする人たちの求めに応じて手話通訳業務をこなしてゆく。しかし、実際には手話通訳だけではなく手話を必要とする人たちの生活をも知らず知らずのうちに背負い込んでしまうこともある。

手話通訳者はスーパーマンでもなければウルトラマンでもない。ましてやエヴァンゲリオンのパイロットとしてマルドゥック機関に選出されたわけでもない。家に帰れば面倒を見なくてはならない家族だっているし、体を壊してしまうことだってある。それでなくても『頚肩腕症候群』という手話通訳者としては死に至る病の恐怖も常に隣り合わせなのである。




決戦!手話通訳者養成講座、せめて手話通訳らしく・・・(後編)


























余談ではあるが、Neonらいぶのコーヒーは美味い。マスターによると一子相伝のブレンド方法なんだそうだ。もし出入りのコーヒー屋がいつもと違う豆を持ってきたり、注文したとおりの豆を持ってこなかったりしたらいつものひょうきんな彼からは想像も出来ないほどの様相になるのであった。以前たまたまその光景を目撃したアスカ達3人は、ジオフロントにいる『ある人物』を思い出してしてひっくり返りそうになってしまった。まあ、そのおかげでこの店のお客はおいしいコーヒーにありつくことができるのである。

ちなみにレイは今日もカプチーノを飲んでいる。そういえば彼女がこの店でカプチーノ以外の飲み物を注文するということはほとんど無い。どうも白いホイップクリームがお気に入りのようだが、ウインナーコーヒーにしないところが彼女なりのこだわりらしい。




「ところでさあ、綾波。中級の試験ってどんなことするの?」

碇シンジ、いまだに試験にはトラウマが残っているのか・・・・・?

「そんなに気にすることはないわ。筆記試験と実技試験、実技は『手話読み取り』『手話表現』だけよ。ふだんサークルでやってることをやればいいだけ・・・。」

「簡単に言うけどさぁ・・・・・・」

ばんっ!

勢いよくアスカは立ち上がると両手を腰に当てて・・・・・

「ちょっとシンジ!さっきはあれだけ人を焚き付けといて、今更何を弱気になってんの?!」

「そ、そういうわけじゃないけど・・・・やっぱり気になるじゃないか・・・・」

「何いってんの!もうサジは投げられたのよ!」

「アスカ・・・投げられたのはサ・イ。サイコロだって・・・・」

「う、うっさいわねぇ!と・に・か・く、今日から特訓よ!ずぇぇぇぇぇったい、合格するんだからね!」

そういうとアスカはどかっと腰を下ろした。

「ね、レイ。それで筆記試験はどんな問題が出るの?」

「なんだよぉ。アスカだって綾波に聞いてるじゃないかよ!」

「あんた、ばかぁ?!これは情報収集なの!じょーほーしゅーしゅー!」

「はいはい・・・・(まったくもう・・・・)」














キッチンにて・・・・・・・

『マスタァ・・・・また騒いでますよぉ・・・あのテーブル。』

食器を洗っていたアルバイト君(某国立大工学部3回生)は手を止めて、この店の主を呼んだ。

『まあそう言うな、さっきまではなにか深刻そうだったからな。どうやら元気になったみたいだし・・・ま、他のお客の迷惑になるようだったら俺が言うよ。』

そういいながらマスター(37歳・独身)の顔は今日も穏やかだ。















レイは残っていたカプチーノを最後まで飲むと、カップをおいて手話サークル学習部としてのお仕事を始めた。

「まず筆記試験については、ろう教育の歴史・社会保障制度・聴覚障害者の福祉問題といった分野から出題されるわ。」

「問題は『表現』と『読み取り』の実技ね・・・・・。こればかりは日頃の積み重ねだから・・・。」

「このくらいかしら・・・・・。」



「・・・・って、それだけ?」

怪訝そうなレイの顔をみつめるアスカの顔は・・・・・・・ポカンと口を開けたままだった。

「そうよ・・・・・・。でもだいじょうぶ。うちのサークルでは中級と上級の受講者には特別講習を開いているし、試験の前には講座もあるじゃない。」

「それもそうね。ま、やるっきゃないかぁ!」

「綾波、その特別講習って学習部がやるの?」

シンジが尋ねた。

「通訳部も一緒よ・・・・。」

「うわー、佐藤さんのとこかぁ・・・・・」

「ええ、佐藤さん、手ぐすね引いて碇君とアスカを待ってると思う・・・・」

なんといってもご意見番の特訓を受けられるのである。感謝するのだな・・・・二人とも。

「それで、肝心の試験は県手連のどのセクションが担当するわけ?あ、すみませーん、あたしチョコパフェくださーい!」

一度決心してしまうとアスカは強い。追加注文をしたのも余裕が出てきたからである。そのことに気づいたシンジは自分も安心したのか、オーダーすることにした。

「じゃあ、僕は・・・・













綾波、手話サークルってなんなんだろうね・・・・・・・

そうね・・・・・・私には・・・新しい絆・・・・・





アスカ、アスカにとってサークルは何?・・・・・

新しい可能性かな?アタシにとって・・・




シンジにはどうなのよ?

僕には・・・まだよくわからない。たしかに僕にとっても新しい絆だし、可能性でもある・・・・・・。それは間違い無いんだ!だけど、それは僕の世界から見た一面でしかない・・・・・・





碇君は何をもとめてるの?・・・・・

わからない・・・・でも、それを見つけるためにサークルにいるのかもしれない・・・・。他人のことを完全に理解することはできない。でも、その努力はしなくてはいけない。耳の不自由な人たちのことをわかるなんてたぶん永遠にできないかもしれない。でもそのことを知っていればサークルの中で自分のすべきことが見つかると思うんだ。だから僕はここにいる・・・・・・・・・・・。






この次もさーびす、さーびすぅ!

第四話からがほんとのエヴァ手話?!


あとがき

ふぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・何書いてんだろ・・・・・・・(T_T)。今回はちょっち自己嫌悪・・・・・です。






P.S

山口県手話通訳者養成講座は県手連が県から委託を受けて、YNH委員会(人類補完委員会かよ・・・まったく。)という県手連・県ろう連・全通研山口支部・山口県手話奉仕員連絡会から選出された委員によって運営され、講座・試験・認定が行われます。

ちなみにYNHとは、Y=YOUSEI(養成)、N=NINTEI(認定)、H=HAKEN((派遣)の頭文字です。なんちゅう寒い、なんちゅう安直な、なんちゅう貧困ボキャなネーミングなのでしょう・・・・・・。


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