週刊サワネ1998年5月第2号 通算第15号

5月19日発行

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  金融危機からの脱出 リチャード・クー PHP研究所 1,143円

 覆水盆に帰らず

 

金融危機からの脱出 リチャード・クー PHP研究所 1,143円

「よい円高 悪い円高」「投機の円安 実需の円高」などの著書があります。わかりやすく、単純明解に書かれていて、私はこの著者が好きです。もちろん書かれていることを良く理解しているわけではありません。

さて、金融危機からの脱出ですが、まず財政出動だと言います。それで景気をつけておいて規制緩和をしよう。こう、言っています。こうしないと、あぶない。そして、日本の政治家は、実際的な能力をもっているので、いずれ、財政出動に踏み切るだろうといっています。そして、財政政策は、効果がないという人もいるが、実際に効果はある。1億円使えば、とりあえず、1億円のお金が動くのだから効果が無いはずがない。実際に96年の1月から3月にかけては、その効果がみられます。財政政策を前年比55パーセントよけいにやりました。その結果12.7パーセントの経済成長を達成しています。

金融政策は効かなくても、財政政策は効くのだ。これが著者の主張です。

そして、将来の発展のために、日本はもっと自由度の高い社会になっはどうかと提言しています。ちょっと、元気の出てくる本です。

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覆水盆に帰らず

覆水盆に帰らずという格言を知っていますか。私は、確か高校の英語の授業で習ったと思います。There is no use crying over spilt milk.に対応する日本のことわざということで習ったのです。そのときは、ああ、そうか、と思っただけですが、ずいぶんイメージの違うことばだと思います。

20年ほど前のインドでのことです。ある田舎の農家の前で、若者が壷に入っていたミルクを土間にこぼしました。インドには牛がたくさんいますが、ミルクをあまり出さないせいか、ミルクは高価です。どうするのかなとみていますと、若者は、しゃがみこんで手でミルクをすくって壷に戻しているのです。

こぼれたミルクを見て泣いてもしかたないじゃないか。こぼれたミルクをもとにもどそうじゃないか。こういったメッセージを英語のことわざからは感じることができます。

覆水盆に帰らず。これには、一工夫加えなければいけません。こぼれた水はほっておいたら、盆には戻らないよ。こう読み替えないといけません。だから、覆水盆に帰せというのか、もう一度汲んできなさいというのか。どちらでもかまわないでしょうけど。

事務所の何かの打ち上げで、晩御飯をみんなで食べに行ったことがあります。約15分歩いて、店に着くと満員で座るところがありません。前日に事務所の宴会課長が予約していたのに席がないのです。店の人が調べてみると、予約はその翌日になっているといいます。どうしようもなく、また事務所まで歩いて帰り、近くの店で食事をしました。もちろん、一同あまり良い気持ちではありません。宴会課長は予約の電話をみんなの前でしていましたし、翌日の予約を翌々日の予約と間違えるはずがありません。

翌日の朝、土曜日でしたが、その店がよくはやっている理由がわかったような気がしました。昼近くにお店から電話がかかってきたのです。

昨日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。よろしかったら、本日はいかがでしょうか?

これは、「覆水盆に帰れ」ということなのだなあ、と感心しました。失敗は誰にでもあるけど、泣いてるだけじゃ、お金になりません。

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