週刊サワネ
1998年3月第1号 通算第8号 ホームに戻る 本「だからアメリカで起業した」日本経済新聞社発行 佐藤俊之(トム・サトウ)著定価1500円+消費税
税務署長慣行見直し 裸の王様 義務教育「だからアメリカで起業した」
日本経済新聞社発行 佐藤俊之(トム・サトウ)著
定価1500円+消費税
著者はバーゲンアメリカを作った人。バーゲンアメリカはアメリカのデラウエアで設立しカリフォルニアに本店がある会社です。インターネットに仮想マーケットを開き、そこには、アメリカの通販の会社がたくさん入っています。直接購入できる会社もあるし、カタログの注文ができる会社もあります。
本の内容は、著者がどのようにしてバーゲンアメリカを作ったか、どのように仕事を展開していったかが克明に書かれています。面白いのは、著者の学ぶ姿勢です。アメリカの巨大ショッピングモールを見て、インターネットでやろうと考えます。実物を見て、仮想を考える、あたりまえと言えば言えるかもしれませんが、なかなか、たいへんな発想だと思います。また、尊敬する人は、松下幸之助と言いたいが、会ったこともないしよく知らない。という文章から、突然、近所の焼き鳥屋の話になり、その焼き鳥屋さんにたくさんのことを学ぶ、おやじさんにインタビューしていろいろ学ぶシーンにつながっていきます。インターネットに店を持つ人が、焼き鳥屋さんから学ぶ。学ぼうという姿勢はたいへんなものだと思います。まったく違う業態の中に、共通点を見出し、商売の役に立てる。見習いたいものです。
最初に戻る
20代後半で税務署長になる人がいることをご存知でしょうか。税務署長といえば、税務職員の中でも最高峰で成れる人は極めて少ない。そういう地位に20代後半でつき、若殿と呼ばれる人たちがいます。
それが、今後はいなくなるらしい。記事から引用します。
――――――――――――――
<特報・大蔵人事>課長補佐経験後、税務署長に配属 慣行見直し[毎日新聞2月6日]
大蔵省は5日、キャリア(国家公務員試験1種合格者)組の職員を各地の税務署長に20代後半で配属する人事慣行を見直し、異動時期を本省の課長補佐を経験した後に変更し、35歳前後とする方針を決めた。今年6月の定期異動から実施する。若手職員を地方の機関のトップに据えることが、接待慣れの原因になっているとの批判を浴びていることから、長年続いてきた慣例を改めることにした。
大蔵省のキャリア組は、採用後、本省の各課に係員として配属され、係長になった後に全国の税務署長に転勤し、1年程度勤務することが慣例。配属は入省後5、6年目になるため、27、28歳で組織のトップに座る。このため「税務署長として上座に座ることが、接待慣れの背景にある」として、汚職事件を機に、批判が相次いでいた。
三塚博前蔵相の辞任を受けて就任した松永光蔵相が、就任直後、「地方の名士に上座に座らされ、自分は偉いという意識になる。これは変えないといけない」として事務方に見直しを指示していた。人事担当部局で検討した結果、税務署長への人事異動を一度にやめると、税務署側の人事にも影響があるため、係長からの異動を改め、課長補佐を何年か経験した後、本省でも管理職の一歩手前の筆頭の課長補佐級で異動させることにした。
―――――――――――――――――――――
20代後半で税務署長になっていたのが、35歳前後となるようです。20代後半に接待慣れするのはまずいが、35歳前後だとよいのでしょうか。35歳前後だとすでに本庁で接待の訓練を受けているからよいというのでしょうか。良くわかりません。また、地方の税務署長になるのは「慣行」とか「慣例」とかになっていますが、必要性についての論議はどうなっているのでしょうか
最初に戻る
事務所のスタッフを車で職安に送っていった時のことです。ふっと気がつくと道が違う。あともどりしないといけない。助手席にいるスタッフに気がついてたかと聞いてみるとうなずく。なんだか変だなと思っていたとのこと。ちょっとショックでした。道が間違ってると気がついていたのなら教えてくれれば良いのに。道が間違ってると気がついても教えてくれなかった。もう一度ショックを受けました。「所長が道を間違えても教えてくれない」から道を抜いたらどうなるか?「所長が間違えても教えてくれない」
所長は間違えても、なおしてもらえないんだ。道のことだから、まちがえてることがはっきりわかりましたけど、まちがえたまま、そのことに気づかずに済ませてることも多いのではないかと思います。これって裸の王様ですよね。もっと困ることは、王様じゃなくて、ただの経営者だということ。王様だったら、国の中では、国民はみんな王様の間違いを正さないし、国民は国民のままでしょうし、それで王様も王様業をやっていけますが、経営者は、自分の社員以外のお客様を相手にして商売をし、経営者業をしていかなければなりません。お客様も間違いを指摘しはしませんが、逃げていってしまいます。お客様ではなくなってしまいます。社員も、間違いが重なればいなくなってしまうでしょう。これはたいへんです。
我が社では、違う。私は社長として社員の話はよく聞くし、社員は何でも私に話してくれる。そう思われている経営者の方は多いと思います。私もそう思っていました。だからこそ、ショックが大きいのです。
社員従業員の話を聞くのは難しいことだと思います。でも、話を聞くのが社長、経営者の勤めです。いちど聞かなかったら、ずっと話してもらえなくなってしまう。話してもらえるようになるまで、ずいぶん、長い道が待っているでしょう。お客様のお話は、よく聞けると思っています。仕事ですから。でも、考えてみれば、社員の話を聞くのも、大切な仕事です。忘れてはなりません。お客様を大事にするということは、社員を大事にして始めてできることだということを頭にいれておきましょう。
以上。自戒のことばでした。
最初に戻る
栃木・鹿沼の市立中学で、定期テストを全廃するというニュースがありました。定期テストによる評価方法は「生徒の間に競争主義を生み、自主性も失わせるなどの弊害が大きい」というのが理由で、父母からは了解を得ているということです。
父母の了解というのが気になるところです。現在の生徒の父母は了承していても、将来入学してくる生徒の父母はどうでしょうか。大きい問題だと思います。市立の中学校ですから、その学区の生徒は私立等の学校に行かない限り、つまり市立の中学校に行く限りは、定期テストのない学校に行かなければならないのです。定期テストのない学校はいやよ、と言っても、市立中学校に行く限り、その定期テストのない学校に行かなければならない。
学区制がある限り、学校は選べないことになっています。学校は選べない変わりに、市立ならばどこの学校に行っても教育内容は同じだというたてまえになっていました。どこに行っても同じだから、学区の学校に行きなさい。
それが、どこに行っても同じではなくなる。じゃあ、選べないとおかしいと思うのです。きっと、学区外の学校に行きたいという生徒が増えるのではないだろうか、学区制が壊れていくのではなかろうか、と思うのです。世の中の変化はこんなところにも見られるのだと、驚いています。学区制が壊れていき、義務教育自体も大きく変わってくるのではないか、そんな気がしています。
