月刊サワネ 2004月5月号

aカネ持ちの陰謀『年収格差100倍時代』の生き方『基礎の基礎』」 著者 森永卓郎 1500円+税

b61歳米国大陸自転車単独横断 

cベストはベターに劣る

 

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a本「カネ持ちの陰謀『年収格差100倍時代』の生き方『基礎の基礎』」著者 森永卓郎 1500円+税

この本で一番おどろいたのは、イタリアの時間当たり生産力が日本より高いということです。ぼくの持っていたイメージとぜんぜん違います。

 

その次にびっくりしたのが国債の格付けです。何年か前に日本の国債の格付けが下がり、イタリア並みになったというニュースがありましたが、なんとこの本を読むと、日本はA2、イタリアはAa2とイタリアが3ランクも上の格付けになっているのです。

 

イタリア人の平均年収は200万〜300万円ですが、生活費が安くてすむため、多くのイタリア人は田舎にセカンドハウスを持ち、年に3回くらいは旅行するのだそうです。

 

現在進められている経済政策、「金融改革」「税制改革」「歳出改革」「規制緩和」のすべては金持ちにとって有利、庶民にとっては不利な改革なのだそうです。この改革が進められていくと、新しい階級社会が生まれ、次のような所得階層になると言います。

 

年収1億円以上          1%

年収300万円程度            60%

年収100万円程度            39%

 

要するにほとんどの人がビンボーになるというわけです。

そこで著者が勧めるのが、イタリア人や江戸の庶民のように、好きなこと楽しいことで、お金をかけなくてもできることをどんどん実行していけばよいということです。

お金をかけない著者の暮らしが紹介されていて結構おもしろいです。

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b61歳米国大陸自転車単独横断

4月29日日本経済新聞の36面の記事からお送りします。

  走ったのは、比嘉良治さんとおっしゃる方で、走破後「これからは好きなことだけをやろう」と決め退職、62歳でフルマラソンに挑戦、63歳でフランスのレストランで2ヶ月間研修。その時フランス語の知識はゼロだったそうです。

   

なんともすごい方です。比嘉さんは、ぼくにとって他人で、まったく関係のない人ですが、彼の61歳という年齢は生きている限りぼくにもやってきます。彼の61歳はぼくの61歳に通じるかもしれない。

 

ぼくの61歳、ぼくの未来も、このようにしたい、と思ったのです。

   

比嘉さんがおっしゃっています。

 「40年前に米国からボートで大西洋を渡って英国に到達したある冒険家は、目標を達成する秘訣は『とにかくたえずボートをこぐこと』と言っていたのを雑誌の記事で覚えている。それに倣って米大陸横断の時には速さを気にせずにとにかくたえずペダルをこいだ。自転車にしてもマラソンにしても年齢は関係なく、何かを始めたら続ければいつかは達成できることがわかった。」

     **  **  **  ** 

「年齢は関係なく、何かを始めたら続ければいつかは達成できる」

   

なんというすばらしい言葉でしょうか。真理ではないでしょうか。

   

   考えられる反論として、以下が考えられます。

   

「いくら続けても、達成の前に死んでしまったら、達成とは言えない。したがって真理ではない。」

   

でも、死ぬまで続けることができれば、達成できなかったことについては幾分残念かもしれませんが、挑戦し続けたことには十分満足できるのではないかと思います。つまり、心理的達成感は得られると思います。

   

また、こう考える方法もあります。死後にも世界がある、来世があると。こう考えると、ほんとにできないことはなくなってしまいます。

 

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cベストはベターに劣る

変な題で申し訳ありません。

ベストの選択をするとか、最善の方法を取るとかってよく言いますよね。

   

 「今回の経営危機を乗り越えるのは、この方法しかない。これがベストである。」

あるいは

  「これしかない」

   

   なんて感じで使ったりします。これって怖いと思うのです。

   どうしてかっていうと・・・

ベスト、ということは、ベストという意味ですね。変な言い方ですけど。つまり、全ての選択肢の中で最高のものという意味です。

   

   でも、考えてみましょう。

   

   1-全ての選択肢を視野に入れたのか

   2-全ての選択肢を検討したのか

   3-その選択肢はどの時点のものか

   

   1:「全ての選択肢を視野に入れる」というのは、そもそも不可能ですね。もし可能だとしても人生がいくつあっても足りないくらい時間がかかる。普通は、全ての選択肢ではなく、あらかじめ可能性から考えて絞った選択肢を視野に入れます。この段階でベストの選択がこぼれおちてしまうことが多いのではないでしょうか。

「そんなこと、方法については考えてもみなかった」っていうことがありそうじゃないですか。

   2:「全ての選択肢を検討する」のも1が不可能ですからもとより不可能です。

  3:もし仮に1と2をクリアしたベストの選択肢があったとしても、つねに状況は変化している。今日ベストだとしても、明日は違っているかもしれない。今日仮にアジの干物がおかずとしてベストの選択だったとしても、明日もアジの干物を買うと最悪の選択である可能性もある。

   

   そしてなにより、ベストが怖いのは、ベストということばです。

   

   「この方法がベストだ」と叫ぶことで、他の方法を考えなくなってしまう。

   「この方法がベストだ」と叫ぶことで、その方法が今もベストなのか、検討しなくなってしまう。

   「この方法がベストだ」と叫ぶことで安心してしまう。

   

   ですから、ベスト、ということばはできるだけ使わないように気をつけたいと思うのです。

   

   「この方法がベストだ」よりは、「とりあえずこの方法がベターかな、これでやってみよう」の方が良いと思う。そうすれば、その方法に安住してしまうことなくよりよい方法を探すでしょうから。

   

「とりあえず」は、嫌われることばかもしれません。なんとなく宙ぶらりん、いいかげんな印象があるかもしれません。でも、決めてない、決まってない状態の方が、次に進むためにはいいのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。

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