月刊サワネ 2003年11月号

a3分以内に話はまとめなさい 著者 高居信夫 1300円+税 220頁

b小変化から大変化 

c一点突破

 

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a本「3分以内に話はまとめなさい」

著者 高居信夫 1300+税 220

●話を短くするというのはとても大切だと思います。この点について印象的な表現を抜書きしてみます。

「人の話を聞くのは、話すより三倍以上エネルギーがいる。」

だから、長い話を聞いていると結局聞く側の集中力が続かなくなり、要点がわからなくなるのですね。砂漠の中で石を探すような状態になる。

 

「われわれ弁護士の仕事は、相談者の悩みを聞くことから始まります。相談者の多くは、問題を複雑化して考えています。そのようなときは問題を整理し、要約してみると、意外と簡単に戦略・戦術が生まれてくることがあり、相談者も自信を持ち始めます。」

話を短くする、要約するだけで解決の糸口が見えてくる。それは、問題が、「点」としてつかめるからかもしれません。あるいは、問題となる「点」以外に、頭を働かせる必要がなくなり、頭の能力がその一点に集中するせいかもしれません。集中突破ですね。

仕事でも「だらだら話をしていると、それだけで『問題点があいまいだ』『自信がないから多弁になっている』などの悪い印象を持たれて、不利に作用する」

「どんな場合も話はできるだけ『短く済ます』方がよい」「その最大の理由は『時間を合理的に使う』」ことと「短い方が印象に残る」こと。

「本格的な交渉事や込み入った問題になったら、そんな短い時間で済むわけがない。」という意見はあるでしょうが、「デキル人は・・みんな短く済ませています。短く済ませるから多くの仕事をこなせる。」、なるほどそうかもしれないと思います。

 また「短い方が印象的」という言葉にも説得力があります。長いと、焦点がぼやけてしまいます。

 ここで応用ですが、人の「長い話」を聞いていて焦点がぼやけたような感じがしたときは、ときどき「ポイント」でまとめます。つまり、問題を短い文章に置き換えて、相手に確認をとります。

 

●では、話を短くするためにはどうするか。

「話す力を磨くためにも三分以内で話をまとめる訓練をする」

訓練です。でも具体的な訓練法は書かれていません。当事務所では、スピーチの時間があり、タイマーを3分にセットしてやります。それから、もっと短いスピーチのメニューもあります。

 著者は言います。

「事務所で行なわれるミーティングで私は次の三つのことしか聞かない。『今一番困っていることは?』『私にしてほしいことは?』『あなたが考える次の一手は?』」

なかなかいいかもしれない。使ってみますか?

 話を短くすることで仕事はずいぶんうまくいくようになるに違いない。でも、使うところを間違えないようにしないといけない。

たとえば、家庭での使用にはじゅうぶん気をつけなければいけません。

 「ねえ、ちょっと聞いてよ、実はね・・・」

ここで、タイマーのスイッチを3分に設定してスタートボタンを押したら家庭が崩壊するかもしれません

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b小変化から大変化

ジュラシックパークという映画がありました。遺伝子操作で恐竜がよみがえりあばれまくるやつです。そこに、イアン・マルカムという変な数学者が出てきました。彼が言います。「北京で蝶が羽ばたくことが原因となってニューヨークで嵐が起きるかもしれない」小さな変化が原因で大きな変化が起こることがある。これをバタフライ効果といいます。(本当は「カオス理論」というのに関係するなんだかよくわからない理論の話だけど、ここでは、ごく単純に使います。学者の皆様すみません。)

会社を変革するんだなんてことを言っても、最初からどーんと変えようと思ってもなかなかできない。幹部社員を××セミナーなんかに派遣して、顔つきが変わって帰ってきても、数日したらちゃんともとの顔にもどっている。

どーんと変えようと思わずに小さなことをちょこちょこと変えて、チョウチョが空気を揺らすようにする。それで大きな変化を期待する。小さなことをチョコチョコ変えるのは、馬鹿らしいような気もするし、恥ずかしいような気もするだろうけど、ここは変革の時代と割り切る。

変化に慣れる。

うちの事務所もチョコチョコ、小変化があります。今動きつつある小変革は、お客様の書類をとじたファイルの呼び名を変えることです。今は、「一件別」という名前で呼んでますが、これを変える。その意義は?変えることです。

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c一点突破

しばらく前から、「吟醸」、「大吟醸」と書いてある日本酒が増えてきたように思っていました。

それは、たしかにそうだったのです。1980年代後半から、吟醸酒が増えてきたのです。その原因は、なんと新中野工業(岡山市)というメーカーの精米機の開発だったのです。

日本酒の分類として、大きく特定名称酒と普通酒にわかれます。特定名称酒は、原料が米と米麹だけ、あるいはそれに醸造用アルコールを加えたもの。普通酒は、さらに糖類、調味料などが加わったものです。

 特定名称酒は、精米度合いとアルコール添加の有無、香味、色沢によって8種類に分かれます。精米歩合は、米を削ってもとの重量の何%残すかという割合です。大吟醸では半分以下を削り落とす。こうすることで、独特の香り、味わいが出てくるのです。ほんとにすばらしいものがあります。でも、私は、50%以上削り落とすと聞いただけで、もったいない気がして、自分では買いません。

 

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[[[[特定名称酒]]]]

          原料  米・米麹      +アルコール

精米歩合

50%以下    純米大吟醸       大吟醸

60%以下    純米  吟醸         吟醸

60%以下     特別純米    特別本醸造

70%以下         純米        本醸造

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 さて、というわけで、吟醸酒は高級でおいしい酒なのです。ところが、精米度合いの高い米を量産するのはとてもむつかしかった。というか、ほとんどできなかったらしいのです。

新中野工業の前身は、中野工業といって、やはり醸造用精米機メーカーでした。しかし、大手の競合他社に負け業績不振、現社長が買い取り、新中野工業として発足しました。これが1982年。

★ 競争に勝つために、「専門性を磨き、業界で最高の能力を持つ製品を開発すれば生き残れる」と考え、高性能の精米機を開発したのです。そして納入したのが、新潟県の朝日酒造、知る人ぞ知る、幻と言われた「久保田」のメーカーです。

★ 同社の醸造用精米機は国内シェアの7割である。ニッチ市場の醍醐味は、大手を相手に一点集中で打ち勝つことができることである。

さて、シェアだけでは業績がわからないので、帝国データバンクで調べてみると、やはり好成績で、高得点を獲得していました。

新中野工業のおかげで、私も久保田をいただけたわけです。あのおいしさの中に、生き残りをかけた企業の戦いがあったのかと思うと、また飲みたくなりました。

(日経ベンチャー11月号 新中野工業[醸造用精米機]より)

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