月刊サワネ 2003年5月号

 

a図で考える人は仕事ができる  著者 久恒啓一 1500円+税 220頁

b「しかない」→「ほかにないか」 

c経営を図解する

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a本「図で考える人は仕事ができる」著者 久恒啓一 1500円+税 220頁

 

 この本は道案内のことで始まります。「○×駅で降りて、三番出口を出て、左にまがり、、、」などという道案内より、地図で教えてもらったほうが良いということです。なるほど、もっともなことです。電話でこのような道案内を受けるときは、自分で地図を書かなければわかりません。

 著者は、

「頭では何となくわかっていたつもりでも、実際に図解を描きながら各項目を並べてみると、不足している部分や情報が自然に見えてくることを実感できるでしょう。」

と図の効用を説明し、アメリカのGE前会長のジャック・ウエルチ氏のことばをとりあげています。

「図表を描くことほど自分の考えを明確にする方法はほかにない、といつも考えている」「複雑な問題を解きほぐして簡単な図表にすることは、実に興奮を覚える仕事だ」

 

箇条書きについて著者は、

「ポイントを箇条書きであげることまではいいのですが、それぞれの項目間の関係が箇条書きでは表現されていないのが問題」と言っていますが、これは、あくまで、箇条書きを図と比較した場合のことです。図も書かない、箇条書きにもしないというのでは、困ることが多いでしょう。

 そして、図の描き方ですが、

 

1.キーワードを見つける:書いているうちに本当に重要なものが見えてくる

2.キーワードをマルで囲む

3.マルを矢印で結びつける:矢印で関係を表現する

4.タイトルをつける

5.コメントをつける

単語だけではだめ、「何がどうした」と主語と述語をはっきりさせることが大事だと言っています。

 こうして図解を作っても、「完璧な図解」などというものはなく、見直ししていくうちによくなるのだそうです。

「電車に揺られながら、一枚の紙にいろいろとキーワードや人物などを思いつくままにプロットしながら、仕事のことや私的な活動のことを考えていると、通勤のたびに考えが深まってきます.会社に着いたら、図メモを見ながらA4のペーパーに大枠の図を描き、細部を考えて図解を完成していけば、企画の原案が仕上がってきます。」

 このように一枚の紙に何かを図解で表現することができたら、それを何度も見ることで、その問題に対する理解が深まり解決策も出てくるのだろうと思います。

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b「しかない」→「ほかにないか」

 

 何かの解決法を探ったり、考えたりするときによく出ることばに「***しかない!」というのがあります.「***しかない」ということばには、ふたつの意味があります。いろいろな方法をたくさん考えて、その方法を互いに比べて、良いものはそれひとつしかないという場合。もうひとつは、よさそうな考えがひとつ見つかったから、それで行こう。もう考えるのはやめた、という場合です。「しかない」はどちらかというと、後者の意味で使われることが多いと思います。経営の中では、「***しかない」というような状況はあまりないのではないでしょうか。「新規のお客様を増やすしかない」場合でも、現在のお客様を大事にしていかなければいけないでしょうし、「新製品の開発しかない」場合でも、現在の製品の生産効率を捨てておいてよいわけではないでしょう。

 何をするか決める、何がキーワードか決める場合には、選択肢の中でしか選べないのです。あれこれいろいろ考えた中でしか、選ぶことはできない。ですから、何をするかを決める場合には、それが重要であればあるほど、とりあえず、いろいろたくさん考えることが大切だと思います。そして経営を進めていく上で何が大切かいろいろ考えたら、一つだけ残してあとは全部捨ててしまうなんていうことにはならないと思います。いくつか残ったキーワードを、優先関係を考えながら経営に取り込んでいかなければならないだろうと思います。

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c経営を図解する

 

経営を図解してみましょう

1. キーワードを見つける

経営のキーワードって何でしょう。会社や事業所ごとに違うと思います。それぞれに特殊な事情があるでしょう。でも、基本はそう変わりません。まず財務の数字がよくないといけません。財務の数字というと、いろいろありますがやっぱり利益が大切です。ですからキーワードのひとつは「利益を出す」でしょうか。利益を生み出すのはお客様です。お客様はどんな方々でしょうか。お客様がわが社の商品やサービスを買ってくれるのはどうしてでしょうか。他の会社に走らないのはなぜでしょうか。お客様にどのように接すれば、売上が上がり、利益が上がるのでしょうか。例えばキーワードは「お客様に信頼していただく」としましょう。この他にもいろいろ考えてどんどん書いてみましょう。

会社の業務をどのように進めれば、満足してもらえるでしょうか。お客様に信頼してもらえるでしょうか。1.で書き出したキーワードを見ながら、その何がキーワードになるか、書き出しましょう。たとえば、お客様に信頼してもらうためには、「商品についての情報を提供する」がキーワードだとしましょう。

 会社の業務を思うように進めるためには、従業員の能力を上げていかなければなりません。そのためには何が大切でしょうか。キーワードを「商品知識を継続的に習得する」にしましょう。

2. キーワードをマルで囲む

たくさん書いたキーワードのうち、重要なものを大きなマルで、そうでもないものは小さなマルで囲みます。

3. マルを矢印で結びつける

矢印は「こうしたら」→「こうなる」という関係を表します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


4. タイトルをつける

利益を出す仕組みとしましょうか。

5. コメントをつける

「商品知識を習得」すれば「商品情報を提供」でき、お客様の役に立つことができる。そうすれば、「お客様に信頼していただ」け「利益を出す」ことができる。

 コメントをつければ、図解が物語りになります。

以上、一つの例で、単純に書いてみました。経営にはこうしたキーワードの関係がもっとたくさんあるでしょう。それは複雑かもしれません。でも、こうして図解してみれば、図解しないときに比べて、自分の考えの良いところ、悪いところ、足りないところが見えてくるでしょう。頭の中だけでは、わかりにくいことがはっきりしてきます。そこから新しい進歩が始まります。図解はみなさんの会社にも使えると思います。

 みなさんの頭の中にある経営を図解してみましょう。

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