月刊サワネ 2002年10月号

a吉野家の経済学  著者 阿部修仁・伊藤元重著 600円+税 

b!戦略カードを作りましょう! 

c要注意:証券税制が変わります

 

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a 本「吉野家の経済学」

阿部修仁・伊藤元重著 600円+税 277頁

著者の阿部さんは、牛丼の吉野家の社長です。経済学者の伊藤さんとの対談なんですけど、内容がなかなかすごくて、書き写してしまいたいところがたくさんあります。安全っていうのはあたりまえで、安心じゃなきゃいけないということとかです。書き写しと要約をしていきます。

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株式会社吉野家の設立は昭和33年で、当時は築地にあった15席の1店舗だけでした。そこで当時の松田社長は年商1億円を目指すと言い出した。どういう状況かというと、日曜祭日が休み、営業時間が8時間だから、営業時間中はずっと15席満席でお客は平均7分ちょっとで食べて出て行き、66回転しないといけないわけです。で、これが実現してしまう。

驚異的な66回転というのを実現するためにどうやったか。

松田さんは、客が何を求めて来ているかを考えて、牛丼の具材から糸コンニャク、長ネギ、豆腐を取り除いて、玉ねぎと肉だけを残し、牛丼以外のメニューもなくした。

客が着席したら間髪をいれず商品を出さなければならないが、客は築地の食のプロだから、味には非常にうるさく、ああしろこうしろという「マイオーダー」があった。それを2000人分の顔とオーダーを覚えた。

 

4店くらいの時から、「200店」にしたいという構想があって、そのことを突き詰めて考えていってようやく「安い」という要素が登場するんですね。築地店では国産の霜降りを使っていました。

 

安全は当然の話であって、安心をテーマにしないといけない。添加物に関していえば、うちは防腐剤どころか、化学調味料も極限的におさえているんですよ。肉と玉ねぎから出てくるジュースや、ワインから作ったタレだけで味を造っていく、自然調味にこだわっています。

 

買う側の優先順位と、売る側の優先順位がぴたっと一致しているものほどブランドが強力だ。お客様に優先順位を変えろというわけにいかないから、自分の優先順位を変えるしかない。

 

 鍋の前で肉を盛るときの、立ち位置なんかも決まっています。鍋からの距離は握りこぶし一つ分。右足を半歩うしろに引くことで、下半身の重心移動がやりやすくなる。つまり、右足のかかとがちょっと浮くぐらいの感じ。一定のリズムで連続動作をするので、こういうのが意外とばかにならない。

最後にも驚かされます。対談ですから、社長が何にも見ないで喋っているようです。現場のことを熟知している。マニュアルだけでなく、なぜそうなのかも知っている。う-ん、すごい。それから、こういう細かいことがいっぱい決まっていて、それにも驚かされます。細かいことって大切なんだと思います。だから、アルバイトの教育が早い。一人前の人を育てるのに何年もかかっていてはいけないんだと思います。牛丼屋だから、それくらいでできるんだと思われるかもしれませんが、吉野家のように作業のマニュアル化、標準化が進んでいなければ、こんな単純作業でも何年たっても身に付かないんだろうなと思ったのでした。

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b!戦略カードを作りましょう!

 

うちの会社がこんなだったらいいのにとか、こんなになればいいのにということを考えられることがあると思います。それをもっと突き詰めて考えて、紙に書いてみませんか。

次に、そうなるためには、どうしたらいいのかも考えてみましょう。

会社にとって、仕事にとって、業績アップのために、何がたいせつなことなのかを時間をとって考えて見ましょう。

*まず大切なのは、お客様にとって、自分の会社がどのように見えるかということです。お客様のニーズにあったものを提供しているかどうか、品質、価格、納期ははどうかが大きな問題になります。別の言い方をすれば、何を売っていくのか。

*次に、お客様にそのような商品・サービスを提供していくためには、会社の中身、働き、製造、内部の業務はどのようになっていなければならないか。あるべき姿はどうなのかを考えます。

*あるべき姿と、現在の自分、社員たちと比較したら、差が見えてくると思います。その差を埋めるために、どのように学習したら、よいか、訓練したらよいかを考えます。

以上*印3点、お客様に対してどうあれば良いか、内部業務がどうあれば良いか、学習をどのようにするか、についてそれぞれ3つか4つ考えて、考えたことを紙に書き出しましょう。

そうすると、自分が自分で考えた「何をすればよいのか」ということをいつも見ていることができます。それだけでも、経営が安心してできると思うのですが、もう一歩すすんで、そうやって書いたあるべき姿を実現するためにはどうすればよいのかも考えて、順次書いてゆけばよいと思います。

以上のことをするのにお金はいりません。仕事のことを考えて整理し、紙に書く、紙に書きながら整理することです。未完成でも書き始めることで、生き残りと繁栄のための戦略の実施が始まります。A4で1枚のカードが出来上がります。これを戦略カードと呼びましょう。

戦略カードの作成と経営への活用について澤根がお手伝いします。

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c要注意:証券税制が変わります

  来年から証券税制が変わります。原則では、株式売買をすると確定申告をしなければいけなくなります。そのとき、一番の問題となるのは、取得価額、つまりその株式をいくらで買ったかということです。その中でも、手持ちの株式の取得価額を確認するのが大変な作業になります。

   その他、今回の改正はかなり面倒で複雑です。株式を持っておられる方は、必ず年内に、なるべく早く証券会社に相談してください

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