月刊サワネ 2001年7月号

aザ・ゴール  著者エリヤフ・ゴールドラット

1600円+税 520頁 

b新商品・新商売 

.景気

 

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a「ザ・ゴール」

著者エリヤフ・ゴールドラット

1600+税 520

とてもおもしろい小説です。工場でのボトルネック、つまり製品がうまく流れないところを解消するという問題に関する、「小説」です。この本がアメリカでなんと250万部売れていて、日本でも今年5月翻訳出版されました。日本でも絶好調のようです。

著者ゴールドラット博士は物理学の研究者で、生産管理のソフトOPTを作成、販売していました。売れ行きは順調だったのですが、価格が高いため、大企業にしか売れないのでした。それが残念で博士は、OPTの基本原理をわかりやすく説明した小説を書きました。生産管理の小説が売れるはずがないとの周囲の予測に反し、小説は大ベストセラーになりました。小説としておもしろいうえに、工場関係者の多くが日夜悩んでいた問題の解決法を鮮やかに提示していたからです。そして、新しいことがわかりました。本に書かれているOPTの原理を人の手で実行すれば、OPTを使うのと同じ効果が出ることがわかったのです。

この小説の主人公は、ある工場の工場長です。仕事をしているときはもちろん、家にいるときも、車の中にいるときも、飛行機の待ち時間も、こどもと一緒にいるときも、いつも仕事のことを考えています。部下と食事をした後も、会社にもどり、誰もいないところで仕事のことを考えます。生産管理に関するヒントを与えてくれた恩師の電話番号を探すために、生まれ育った家に行き、電話番号を探し出す。世界中に電話を掛け、恩師に通じたのが夜中の3時。電話が終わると、電話での話を復習し、そのまま、電話のある階段で眠ってしまう。激しい仕事人間です。

激しく働くだけでなく、部下の話を良く聞き、意見を引き出すのがうまい。生産管理以外の面からも、学ぶところの多い本です。

博士は、この生産管理の手法を「制約理論TOC」と名づけ、新しい会計方法や、一般的な問題解決の手法へと展開させ、さまざまな問題のあらゆる問題解決に応用できる体系に発展させました。

この本を読んで気のついた大事なことを書いてみます。

1. 現場が大事

2. いろんな人の意見を聞く

3. いつも、仕事のことを考える

4. なんでも、仕事に結び付けて考える

5. あきらめない

とにかく、おもしろい本です。

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b新商品・新商売

「サワデー」「アンメルツ」「熱さまシート」などの小林製薬、年間30点前後新製品を投入しています。そのすべてが、小さな市場をねらったニッチ商品です。新製品の2割が大きく育てばいい、という多産多死の戦略です。

最近の記事から目についた新製品を書いてみます。

*がんなら残高半分に スルガ銀行が新住宅ローン:がんと診断されたら住宅ローン残高が半分に―。地方銀行のスルガ銀行(静岡県沼津市)は6月26日、がん保障特約をつけた住宅ローンの販売を7月2日から始めると発表した。この種の住宅ローンは日本で初めてという。

(コメント:生命保険付の住宅ローンは前からありました。それをちょっと変えて、強調したわけです。スルガ銀行は宝くじ付定期預金でも話題を呼びました。)

*高い!でも登りたい:観光客つかんだ新商売: オペラハウスと並ぶシドニーの象徴といえばシドニー湾に架かるハーバーブリッジ。その鉄製アーチを歩いて登り、水面からの高さが134メートルにもなる最上部からの絶景を楽しむツアー「ブリッジ・クライム」が観光客の心をつかみ、評判となっている。

 料金は、週末の日中で大人一人150豪ドル(約9600円)とかなり高い。1998年10月の開始以来、既に35万人が体験。海外からの観光客も多く、昨年は外貨獲得への貢献で「奨励賞」を受けた。

(コメント:発想がすごい。また、「危険すぎる」との反対もあり、実現化するのにも多大の努力を払ったようです。)

   奇人変人の活用の勧め

柳沢金融担当相、発想の転換訴え

 「今は奇人変人の時代だ。変人が総理大臣になっているんだから、こんな分かりやすいことはない」。柳沢伯夫金融担当相は17日、熊本市でのタウンミーティングで「変人宰相」の小泉純一郎首相らを盛んにPR、奇人変人の活用を勧めた。

 柳沢氏は「むちゃなことはしないだろうと、今まではバランスの取れた人をいいポストに就けてきたが、それでは今の閉塞(へいそく)状況や壁を突き破れない」と強調。「会社の社長は『この人は奇人だからおもしろい』といって採用するようにしなければいけない」とアドバイスした。

(コメント:自民党の新商品です。ユニークということばは、西洋では誉めことばらしいですが、日本では、誉めことばとしてつかわれることはまれでした。奇人変人というのは、その上を行くことばです。変人が首相になり、金融担当相がこんな発言をするのですから、やはり、変な時代なのでしょう。今だけなのか、しばらく続くのか、すっかり変わってしまったのか。そういう疑問をもちつつ、変な時代を生きていきましょう。変なものが売れるのかもしれません。)

◎世界初「洗剤の要らない洗濯機」=電解水を利用−三洋電機が8月発売

 三洋電機は22日、水を電気分解してできる電解水を利用し、洗剤を使わずに衣類の汚れを落とす全自動洗濯機を世界で初めて実用化し、8月1日から売り出すと発表した。洗剤不要のため、洗濯代を半分以下に節約できる上、排水を通じた環境への負荷も少ない

(電解水に洗浄効果があるのは知っていましたけど、ここまでとは思いませんでした。また、数年前なら眉唾物だったでしょうね)

さて、私達の新商品、新製品は何でしょうか。

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c.景気

よくなるという話は聞きません。景気のことは、気にしないことです。でも、見出しだけ書いておきます。

*改革の痛み、弱い労働者に 広がる失業の不安 5月の失業率

*地価下落、8割の人が望む 東京都民1000人調査

*消費支出は2・6%減 5月のサラリーマン世帯

*デフレスパイラルの瀬戸際 構造改革で一段の下落:政府が事実上景気後退を認めるほど経済環境が厳しい中で、全国の消費者物価指数が過去最大の下落幅を記録したことは極めて深刻な事態と言える。

*夏以降に深刻度の高まりも

ということです。今うまく行っていないのなら、何かを変えましょう。小さなことでもいいから、何かを変えてみましょう。飲食店であれば、1人前の量を減らして価格を下げてもいいし、小売店なら、展示の方法を変えてもいいです。その新しく変わったものは、小さいけれど、それでも立派な新商品、新製品になります。

 マクドナルドがハンバーガーを半額にして、その販売個数を4.8倍にしました。それ以上にマクドナルドの収益に貢献しているのはセットメニューです。半額バーガーで来店数を増やし、セットメニューで利益を稼ぐ。この組み合わせを新商品と呼ぶのはちょっと苦しいかもしれませんが、新しい工夫です。

 

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