月刊サワネ 1998年12月号

a.本−「稲盛和夫の実学」    著者稲盛和夫

b. 家庭訪問をするス−パ−

c. 売上アップの居酒屋

d. けちけち 

e. 景気

 

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a.本−「稲盛和夫の実学」

             著者稲盛和夫

       日本経済新聞社 1200+税  会計学の話で本が始まります。その昔、京セラ創業後8年目のことです。その頃入社した優秀な経理マンに、社長の稲盛氏がいろいろ質問するわけです。たとえば、「なぜこんな伝票を使うのか」「経営の立場からはこうなるはずだが、なぜ、会計ではそうならないのか?」答えは、「とにかく会計ではそういうことになっているんです」というものでしたが、稲盛氏は納得がいくまで食い下がったそうです。そういう状態が数年続いた後、経理部長は、会計の本質は経営だということに気がつき、経理部で勉強会を始めたそうです。

  本の帯には「会計がわからんで経営ができるか!」と印刷されています。当事務所でも感じることですが、会計をやっているとつい、勘定があうとそれだけでOKという気持ちになってしまって、それ以上読み込むということはなかなかむつかしい。それを稲盛氏はしっかりわかるまでよみこんでいます。

  経理のための経理ではなく、また、勘定合わせのための経理でなく、経営のための経理を稲盛氏は要求しています。 

  当座買いということを書かれています。原材料などの購買について、毎月必要な分だけ購入しているそうです。安いものがあればまとめて買ったら得をしたように思うが、実はそうではない。すこしずつ買うと、高く買ったようでも、社員はあるものを大切に使うようになる。余分にないから倉庫もいらない。だから結局安くつくのだ。

  わたしも当座買いは良いものだと思っています。もちろん、たくさん買ったという失敗があるからですが、封筒なども少しずつ注文しています。安いものをたくさん買っても、長い時間あまっていたりするとつい粗末につかったり、コンピュータ用紙などは、様式が変わったりして使えなくなったりすることがあります。そうなるとつらい。できるだけ、最小の数だけ買うのがよいと思います。

  他にも1対1対応の原則とか、稲盛氏が重要と思われていることがいろいろ書いてありますが、ずいぶんと小さいこと、細かいことまで気を使っているのがわかります。

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b.家庭訪問をするス−パ−         日経ベンチャー12月号から

 

要約−佐世保市にあるス−パ−「ウエルマ−ト」は、現在17店あるが、毎月1店につき200−300世帯家庭訪問して来店依頼をする。1店当たり約50人いる従業員が1人につき4、5世帯を担当する。訪問した客がその後来店したかどうかは2週間ごとにチェックし、来店しない客は再び同じ従業員が訪問する。それでも来店しない客には店長が訪問する。それが、1か月に約20人。来店した客は、担当の従業員が顔を覚えている。

  この家庭訪問で一時は前年比10%減だったのが、現在では前年並みというところまで戻っている。

スーパーの店員が家庭訪問するという話ですが、こんなこと考えたことがありますか。ぼくは、びっくりしました。スーパーはこちら、つまり客が行くところで、スーパーがこちらに来ないのはもちろん、店員にしても来るはずがないと思っているからです。ま、もっとも、スーパーで宅配してくれるところもあるらしいですから、何があっても不思議じゃありませんが。

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c.売上アップの居酒屋

  売上が前年よりも少ないと言う話が圧倒的に多いなか、良い話を聞くと嬉しくなります。居酒屋で前年より売上が5%も上昇したという店があります。平均客単価は4000円から5000円ということですから、居酒屋としてはけっこう高いほうでしょう。なぜ、売上が増えているのか。以下社長から伺った話です。

  仕入れは良いものを安く仕入れている。市販の冷凍品はいっさい使ってないそうです。 知り合いには、お客を紹介してもらえるよう依頼している。知り合いといっても、店に来られるお客様や、近所のコンビニも含みます。お客様のなかに、消費者金融のかたがおられて、キャッシュディスペンサ−に店のチラシを置いてもらったり、コンビニで買い物をしたついでに、チラシを置いてもらうのだそうです。夏には、なかなか高いものがでにくいので、夏向きの新商品を開発し、これがけっこう売れたそうです。また、最近では、熱燗用の酒を1ランク上のものにしたのだそうです。

  いろいろ工夫されているのだなと感心いたしました。また、その工夫をすること自体楽しそうでした。 

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d.けちけち  

しばらく前から車のアイドリングをやめてます。環境運動としてノンアイドリングというものがあるのは知っていたのですが、今までは、信号のたびにエンジンを切るなど面倒でとてもできないと思いやっていませんでした。

  今回始めたのはべつに環境運動としてではありません。燃費がなかなかよくならない。遠距離が多いときでも8.5KM/Lくらいしか走らない。9KM/Lくらい走らないものか。8.5KM/Lが9KM/Lになると、燃費は8.5/9.0=94.4%で、約5.6%の経費節減になる。それじゃ、ちょっとやってみようかとの軽い気持ちでした。

  それでも、ノンアイドリングを始めてみると、意外な効果がありました。ノンアイドリングなどという面倒なことをやってるもんですから、こんなにめんどうなことをしてて燃費がよくならなかったらあほらしい。そう思ったわけです。それで、急加速、急ブレーキはやめ、ゆっくり加速し、ブレーキはなるべく踏まないという運転を心かけるようにしました。そうすると車間距離を広くとらなければいけません。ということは、追突事故の可能性が減るということです。急加速をしないということは、無理な割り込みもしないということですし、交差点で黄信号を見てからアクセルを踏むこともあまりなくなりました。燃費のよい運転というのは結局安全運転だったのです。

  従来8.5KM/Lくらいだったのが、9.5KM/Lくらいまで伸びるようになりました。8.5/9.5=89.5%、約10.5%の経費節減です。最高で9.8KM/Lまで伸びてます。 クロネコヤマトがノンアイドリングに力を注いだ理由が実感できました。

  自分でもこの結果にけっこう驚いています。こんなことって、もっといろいろあるんでしょうね。また、一番面倒なこと(信号でのエンジンストップ)をすれば、それほど面倒でないこと(急加速、急ブレーキをかけない)は簡単にできるのだということも、わかりました。

  これを一般的に言い直してみます。「社長が、お金の使い方を締めると、従業員も節約する。その結果、経費は大幅に減る」ということでしょうか?

売上はお客様あっての売上で、こちらで勝手に数字をつくることはできませんが、経費についてはある程度つくることができるのです。

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e.景気

今年も不景気の内に年末を迎えようとしています。景気が良くなるよう強く願ってはいますが、どうなるかはわかりません。ですから、景気が良くならなくても、やっていけるような仕組みを作っていかなければいけないようです。