月間サワネ 1998年2月号

a.「変な人の書いた成功法則」斉藤一人著 総合法令 1680円

b.景気

c.激変

d.盗んでも乗れない自転車

e.格安お手軽な自作名刺

 澤根哲郎税理士事務所のホームページに戻ります

 

a.本「変な人の書いた成功法則」斉藤一人著 総合法令 1680円

著者の斉藤一人(「ひとり」と読む)氏は,4年連続トップ納税者です。トップというのは、実質トップということで、土地譲渡、株式譲渡を除いてトップということです。非常におもしろい、変わった本でした。前書きがすごい。「私のことを変な人だと言う人が大勢います。他人が言うだけでなく、そう言われる本人も変わった人間だと思っているのですから、本当に変なのでしょう」こういう出だしです。

成功の法則は、「困ったことは起こらない」と知ることです。何が起こっても「困ったことではない」と考えることができれば、運は開けてくる。また、成功するためには苦労する必要などない。とも書いています。

そして、本文の締めくくりが、「困難なものばかり入っていると思っていた箱から、宝が出てくることはよくあることです。だから、人生は楽しいのです。」なんとなく元気が出てきますね。

 

b.景気

去年の末よりは、雰囲気はだいぶ良くなってきていると思います。でもニュースを見るとなかなか厳しい。非常に悪いという報道がほとんどです。

*桜が咲くころには景気が良くなる

時事通信ニュース速報1月24日

 尾身幸次経企庁長官は二十四日、前橋市で講演し、 税制改正や規制緩和などの法案が成立するまでの間、特別減税(の効果)でつなぎ、三月をしのげれば、桜が咲くころには景気が良くなると思うと表明した。

*景気は停滞色の強い状況にある

時事通信ニュース速報1月26日

日銀支店長会議で松下総裁は、景気は停滞色の強い状況にあり、当面は目に見える回復は難しいとの判断を示した。その上で「アジア経済の動向や金融機関の融資姿勢の変化などから、さらに下押しのリスクが働くことがないか十分注意を払っていく」と述べ、景気の一層の落ち込みに強い警戒感を表明した。

*ムードは良くなってきている

共同通信経済ニュース速報1月30日

尾身幸次経済企画庁長官は30日の閣議後、景気の現状について「統計を見ると、今までよりも低下する数字があり、実体経済はより厳しくなっていると認識している」 ただ「1月に入り、金融システムの将来に対する信頼感はかなり回復しており、ムードは良くなってきている」とも述べ、景気が失速状態あるという見方は否定した。      

*大手19行の経営破たん起こさせない

毎日新聞ニュース速報[1998-01-31-19:46]

急きょ登板した松永光蔵相は31日、インタビューに答え、日本の金融システム不安が高まっていることに関して「経済運営をきちっとやって、大手19行の経営破たんが絶対起こらない、起こさせないようにしていく」と述べ、大手銀行を破たんさせないとの決意を表明した。 (澤根の考え→大手19行の中でつぶれそうな銀行があること、そのことをたくさんの人が知っているということの2点を蔵相が実質的に認めた発言、また経済運営で銀行の破綻を防ぐというのはたいへんだろうと思う)

*景気は底を打った

共同通信ニュース速報[1998-01-31-08:16]

スイスで開催中の世界経済フォーラムに出席している大蔵省の榊原英資財務官は三十日、日本の景気について「昨年十一、十二月に底を打ったと思う」と述べた。                          

*建設業支援

共同通信ニュース速報

 自民党は三十日、経営環境が悪化している建設業支援のため融資制度の新設や地方自治体による公共事業費の前払い制度の活用などを柱とした建設業対策をまとめる。建設省も同日午後、ほぼ同様の支援策を決める見込み。

 中小建設会社が工事を受注できるよう、国や自治体が工事の分離・分割を行う。       

「解決するための資金も能力もある」と強調。    

c.激変

1昨年12月、北海道に行きました。そこで、土木関係の設計をしている人とお話する機会がありました。私は、これから土木はたいへんでしょう。公共工事が減るでしょうと言ったのですが、彼は、いや、北海道は開発庁があるから大丈夫だよ。ぜんぜん心配してないよ。ということでした。

しかしながら、拓銀が破綻し、北海道経済は急激に悪化しているようです。公共工事にしても、98年度の北海道開発予算案は、8年ぶりに約8%減少しています。また、北海道開発庁自体も行革で国土交通省に統合されます。開発庁があるから大丈夫だよ、という言葉はちょっと力を失ったように思います。動きの大きい1年でした。

韓国もたいへんでした。年初から不景気だとはされていましたが、年末の3ヶ月でウォンは対米ドルで半分になってしまいました。12月中旬からは、ソウルの小売店の店頭から砂糖や小麦粉など輸入に頼っている食料品が軒並み姿を消したといいます。2月には都市銀行のソウル銀行と第一銀行が公開売却にかけられるといいます。また、今年から生産を開始する予定だったサムソン自動車は生産を断念しました。年産100万台規模の自動車工場が動かないまま閉鎖です。投資額は13億9000万ドルだそうです。

対岸の火事とばかりはいっておられません。ウォン安で韓国の輸出が激増しているようです。他のアジア諸国にしても同様でしょう。日本の輸出に影響してくるはずです。

このたいへんな時代を乗り切るために、ボストンコンサルタントグループ社長の堀紘一社長は次のように言っています。(日経ベンチャー2月付録)

  1. 違うことはいいことだ−今までの「大きいことはいいことだ」から「違うことはいいことだ」にスローガンを変える
  2. 「違い」を作るためには、ものを考えるしかない。中小企業の経営者の中には「どうせウチは」と最初からあきらめている人もいるが、これでは話しにならない。
  3. ものを考える具体的な方法→

@.現在と違う場所、できれば価値観の違う外国に行く。

A.違う業種の人と話しをする。

B.本を読む。月に最低2冊は読む。

C.価値観の違うものにであったらメモする。

以上@-Bで堀氏の考えをまとめてみましたが、「違い」をとても大切なものと考えていることがわかります。「違い」を作ることが大切で、そのためには「違い」と出会いなさいと言っているのですから。「違い」と出会うのは、案外簡単だと思うのです。なにしろ激変の時代なのです。気をつけて、まわりを見渡せば、「違い」だらけではないでしょうか。

たとえば、次の「盗んでも乗れない自転車」は、自転車の盗難が以前とは「違って」大変増えたことに着目して、「違う」自転車を作った話です。

d.盗んでも乗れない自転車

日経ビジネス2月2日から−盗んでも乗れないしかけは、サドルにあります。サドルが地面に対して垂直になるような鍵がついています。サドルにまたがることができないようになっているのです。これが、結構売れているようです。自転車は盗まれるものということを前提に、盗まれない自転車を売り出し、それが良く売れている。目のつけどころには感嘆しますが、日本はいったいどうなってしまっているんでしょうか?自転車の盗難は、その対策が商売に結びつくほど多いのでしょう。

e.格安お手軽な自作名刺

市販の名刺作成ソフトと専門用紙を使えば、パソコンで簡単にしかも格安で名刺を作ることができる。デジタルカメラを使えば、顔写真や商品の写真を印刷することもできる。どうもたいへんな時代になっているようです。名刺屋さんもたいへんでしょう。普通の印刷機も安くて小さくて大量に印刷できるものができてて、社内でいろいろなものを印刷するところも増えているようです。印刷屋さんのライバルがお客様になってしまったのです。