あぶあぶさばさば          
『虻々鯖々またおいで』

1997年劇場公開予定
制作協力/(株)セスコジャパン
“Abu-Sava”

*主演/松岡洋子、高城剛



《作品意図》

皆さんは星空を見上げて疑問に思ったことはないでしょうか。
なぜ古代ギリシャ神話の神々の名前で星座を呼んでいるのか…。
まるで私たちには星に対する信仰がないかのようです。
実際、思い当たるのは七夕くらいのものではないでしょうか。
実は古来、日本では星信仰はかなり一般的なものでした。
奈良時代には禁止令が出されるほど庶民の間で熱狂的な広がりをみせ、
平氏を始めとする平安時代の貴族階級、室町幕府の歴代将軍、そして
徳川家康の日光東照宮造営に至まで、その星信仰の影響が見て取れます。
それはいったいどのようなものだったのか…。
なぜ私たちの目の前から消え去ってしまったのか…。
それがこの物語をつむぎ始めた動機です



都市部ではすっかり闇夜が失われ、星空を見上げて感じずにはいられない
ロマンや恐れといった感情も次第に失われていっています。
夜空を見上げると、星はそこにあります。
しかし手を伸ばしても決して届きません。
物事の価値観が不確かな現在、手近な快楽へと手を差し出すのではなく、
じっと見詰めて信じることの大切さが、今、求められているのではないしょうか。



この作品では、主人公・妙子の星への信仰を軸として、
「失うこと」と「取り戻すこと」を物語が展開するエネルギーに、
「ロマンと恐れ」という背反しながら互いに支え合う感情を描きたいと思います。
ストーリーとしては「かぐや姫」や「座敷童」といった日本の民話や昔話に材を求め、
一方で「堕ちた天使」といった西洋の宗教観も借りながら、
建築、小説、香り、ビデオ、宗教…などの様々なテキストを織り混ぜて
豊かな物語世界を展開していきたいと考えています。



「虻々鯖々またおいで」は、江戸時代に子供たちの間で流行した(らしい)、
再会を約束するために唱えるまじない言葉です。



<星神社>
この作品「虻々鯖々またおいで」と関連することですが、
妙見信仰についての情報を集めています。
私がデータ収集しているのは、主に高知県の「星神社」についてのものです。
高知県(土佐)には、最盛期(江戸時代)には
100社を越える妙見社が点在していました。
現在では「星神社」と改称され、90社近くが現存します。
既にそのうち30社ほどはリサーチ済みですが、
今後も民俗学・宗教学的な視点から調べていきたいと思っています。
もし、ご興味がある方はご連絡下さい。



<連絡先>
谷口悌三
tani_po@fna.freeserve.ne.jp
1961年生れ(福岡県)。
現在、企業向けビデオ作品などを演出。

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