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大会・評議員会(2020年度)

 第242回評議員会

 仲間がいるから乗り越えられる

2020年2月27日(土),第242回評議員会を開催しました。
コロナ情勢を受け,評議員会としては初のハイブリットによる大会となりました。執行部からの情勢報告や当面のとりくみについての提起を受けて熱心な討議がおこなわれ,3つの議案はすべて賛成多数で可決されました。 冒頭,村田委員長は,小学校での35人学級の実現,核兵器禁止条約の発効に触れ,運動の成果をさらに発展させ,引き継いでいくことの重要性を訴えました。また,職場を基礎とした要求運動においても高教組が大きな役割を果たしてきており,加入の多い4月に積極的な声かけを行い,高教組を強く大きくしようと呼びかけました。
この度は6月の定期大会に向け,2つの予備提案がなされました。
1つ目は,組合加入促進を目的とした,新規加入後2年間の組合費軽減案です。特に若年層にとって組合費の高さがネックになり,加入をためらうケースが多いとの現場の意見を汲んだものです。2年間の軽減期間の間に様々な組合活動や機関紙、組合員との交流を通して,組合の重要性や仕組みを理解したうえで全額負担へと移行することがねらいです。本部役員も新加入者を個別に訪問し,加入していることの意義等について直接お伝えしたいと考えています。
予備提案2つ目は,高教組共済制度「すくらむ」を,類似の共済である学校生協のグループ共済へ移行する件です。すくらむは,高教組独自の助け合い制度として大きな役割を果たしていますが,加入者減によるスケールメリットの減少,書記局体制の縮小により,移行を検討せざるを得ないこと,移行予定先の学生協共済は,引き受け保険会社が同一で移行後の年間負担額にマイナス影響はないことなどを説明しました。
予備提案については,今後引き続き分会や執行部で議論を深め,修正を加えたものを6月の定期大会で議案として提出する予定です。現場からのご意見をお寄せください。 討論では,急速に進められているICT教育を原因とする負担増や,1人1台端末購入を問題視する声が上がりました。端末を使用する条件が教科や学校の事情で異なるため,独自教材を一から作成する場合は多大な労力がかかること,依然情報担当に業務が集中している現状などが報告されました。
組合加入促進については,感染防止のため,分会や本部主催の活動が大幅に制限され、参加することによりメリットを感じる機会が極端に減少してしまったこと,多忙化で組合活動ができにくくなっていることが組織拡大を阻害していることなどが述べられました。一方で,このような時期だからこそつながりが求められていること,加入促進のためには,組合の意義や待遇改善してきた事実などを伝えていくことが重要であることを確認しました。
今年度は新型コロナ感染症拡大という未曽有の事態のもと,会計年度任用職員のボーナス削減など,さまざまな問題が起こりました。これまでも高教組組合員は問題や困難が起こるたびに現場から声を挙げ,要請・交渉をおこなうことで,改善を勝ち得てきました。多忙化が深刻な現時点では,組合活動に参加すること,集まって語り合うことそのものが「たたかい」ですが,法的根拠を持って交渉できるのは組合だけです。苦しい時こそ組合の出番,仲間がいるからこそ困難を乗り越えられることを確信に,組合という大きな傘に入る仲間をふやしていく必要があります。  

 
第242回評議員会執行委員長あいさつ 執行委員長 村田秀石

ご出席の評議員のみなさまに執行部を代表してごあいさつ申し上げます。
新型コロナウイルス感染症は,私たちの日常生活だけでなく,学校のあり方にも大きな問題を投げかけました。学校の臨時休業や教育課程のあり方は,だれがどのように決めるのか,効率重視の40人学級のもとでどのように感染防止を図りながら児童生徒の学びを保障するのか,急遽アクセルが踏まれた1人1台端末の導入などICTの活用をどう考えるかなど,先生方は様々な課題に対応を迫られることになりました。
高教組運動も,例年6月に開催してきた定期大会が8月にずれ込み,夏の平和行進も隊列を組んでの行進は中止となり,様々な学習交流集会や集いが中止されるなど大きな影響を受けました。その一方,職場を基礎に支えあい,助け合う高教組運動の重要性も浮き彫りになりました。コロナ禍に対応するため,非常勤講師の時間増やスクールバスの増便が図られ,手洗い場の設置や夏場の空調費の補助が実現しました。また,今年度から会計年度任用職員制度が実施されていますが,学校の臨時休業に伴って減額された介助員などの6月のボーナスが,交渉の結果,12月のボーナスで一部回復されました。これらの成果に共通するのは,当事者が声をあげ,それを組合が正当な要求として取り上げ,当局に働きかけることで実現したということです。
また,今年度は長年の高教組運動の成果が実を結んだ年にもなりました。文部科学省はついに,小学校での35人学級に踏み出しました。また世界に目を転じると,核兵器を違法化する核兵器禁止条約が50か国の批准を得て発効しました。これらは,高教組の先輩方がうまずたゆまず続けてこられた教育署名運動や,酷暑のなか歩き続けた平和行進など核兵器廃絶運動の大きな成果です。私たちにはこの成果を受け継ぎ,発展させ,後輩たちに引き継いでいく責任があります。
職場を基礎にした要求運動でも,全国的・国際的課題の解決を求める運動でも,高教組は大きな役割を果たしてきました。組合加入の時期は,やはり年度初めの4月が多くなっています。慌ただしい年度末,年度初めではありますが,この時期の声かけが重要です。年度末に職場を離れられる先輩方を上回る新加入者を迎えて,高教組を強く大きくしようではありませんか。
限られた日程ではありますが,春闘期の運動方針を確立するため,積極的な討論をよろしくお願いします。
                                                           
 ・運動の総括や今後の運動方針に目を通し,様々な課題を抱え苦しい現状の中で日々の教育活動・仕事に従事しているのかと改めて実感しました。組合員の減少は憂慮すべき事項ですが,日々の業務に追われ,校内で多くの先生方に組合運動の良さ,実績を伝えることができないことを反省しています。自分たち一人ひとりが組合員として,良さを発信できるように行動を心がけたいと思いました。
・グループ討論で組合の魅力を若い先生方にどう伝えたらよいかについて話をしました。組合が必要であることはわかっているが,お金と時間を注いで入る意味をわかりやすく目に見える形で示さなければ若い人たちは遠ざかっていきますよという話になりました。私たちの権利を守るため必要なものだからこそ,組合員の新規加入を増やす効果的な方法が何かあればという話になりました。
・1人1台端末についての緊急調査の質問項目を見て,あらためて学校でのルールがまだ何も決まっていないことに気づきました。こんな状態で今年の新入生から端末を購入させて大丈夫かと思いました。組織拡大について,新採用や2,3年目の方に加入を勧めづらい思いもありました(組合費や組合活動の負担もあるため)が,今日の話を聞く限りでは組合はなくてはならないと思います。今日聞いた話を未組の若い先生に伝えられるような機会があれば,加入増につながるのではないかと思いました。

                                                                                                                                                 

 78回定期大会

 こんなときだからこそ連帯を 第78回定期大会無事開催される


2020年8月9日(日)、岡山高教組第78回定期大会がおかやま西川原プラザ大会議室で開催されました。
今年度は感染防止のため6月の開催を見送っていましたが、組合自治と民主主義を守ること、組織運営の継続、交渉権限を守ることを主眼に、規模縮小、時間短縮で開催することとしました。当日は67分会から代議員が参加し、提案された議案はすべて賛成多数で可決・成立しました。
 村田委員長は開会あいさつで、この間進められてきた効率と競争を重視する政策が、感染拡大により行き詰まりを示していることや、高教組の粘り強い働きかけが行政を動かし要求を実現していることが報告されました。 前半は2019年度の経過報告、2019年度運動総括及び2020年度方針の提案など、執行部からの報告・提案などがおこなわれました。
今年度の重点方針として書記長は、感染症や災害時に対応できる少人数学級、余裕のある人員配置、空調設備やICT環境の整備、労苦に見合う待遇改善を強く要求していくことが示しました。また組織拡大に触れ、業務削減、人員増を切実に願う私たちの声を大きくするためにも、日ごろ助け合い信頼しあっている周囲の同僚を、いまこそ組合の仲間に招き入れようと訴えかけました。予算については、今後も2018年度比で8割減の予算立てを継続することが示されました。 後半は討論を通して2020年度の活動方針を確立しました。
修学旅行について、各分会から対応に悩んでいる様子や意見が交わされました。現在も行き先不明で、しかもキャンセル料の予算化がなされていないことに不安を覚えていること、小学部・中学部が宿泊していることを理由に日帰りに決まりかけていた予定が再び宿泊になったケースなど、現場が右往左往させられている様子が報告されました。タブレット端末購入に関しては、ICT活用推進委員会が立ち上がり、非課税世帯への貸与が2021年度からであることを理由に来年度入学生への導入を見送ろうとしている学校がある一方、職員に結論を知らされないままオープンスクールで「全員購入だから4~5万準備を」と中学生やその保護者に予告したケースがあること、推進するならICT支援員を大幅増が先ではないかといった意見など、学校に考える時間を与えず、混乱と負担を強いて性急に進めようとしている当局の姿勢に疑問を感じる声があげられました。
組織拡大については現場の代議員から、「新採用が加入しない、若い人には(組合が大切だとの)意識がない、女性は入ってくれないなどと言われるが、思い込みで声掛けできていないのはおしい。20代30代の加入率が高い職場もある。新採用から1~2年経って入ってくれた人もいる。意識の高い若い組合員は、加入の呼びかけにいろいろと援護してくれる。管理職との関係においても、自分の背後には過半数近い組合員がいることを心強く感じる」と、様々な世代を巻き込んで身近なところから少しずつ拡大している様子が報告されました。
年度初めは順調だった加入の動きも、学校再開後の多忙で、現在停滞ぎみです。しかし、「人間らしい暮らしをしたい」という願いをかなえるためには、何よりも労働条件・労働環境の改善が必要です。先が見通しづらいこの時勢だからこそ、歴史的にも当事者の声なくして労働条件の改善はあり得なかったことを思い出す必要があります。要求を実現するために最も強いチカラになるのは、一人ひとりは弱い存在の私たちが連帯すること、つまり交渉権を持つ「組合に結集すること」です。歴史長く多くの実績を持つ高教組に入らないなんて、もったいない。声かけの輪を広げていきましょう。


 78回定期大会_参加者感想

◇コロナ禍の中,こうして遅れながらも大会が開催されたことが一番大切なことだと感じている。学校現場では行事等はほとんど行われず,一見落ち着いて,職員,子どもとも過ごしているように思われるが,多くの人にストレスが溜まっているような状況だと感じている。これまでと全く同じような日常は取り戻せないとはわかっているが,今できることを探しながら全体のバランスを取りながら少しずつ取り組んでいくことが大切かなと思う。(早島支援,田邉浩司)
◇多くの他の高校の現状を知ることができて良かった。来年度の高1生に対し,情報端末の全員購入に踏み切るが,非課税世帯に貸与されるのは再来年度?本当?だとしたらひどいですね。公教育って何?と思ってしまいます。本校はどうなるんだろう?修学旅行に関しても,討論で出てきたように県の方で一括して判断してもらえれば,現場が振り回されずに済んだだろうと思いました。
◇コロナ禍にあってさまざまな配慮ありがとうございました。ICT,修学旅行等,他校の困ったことが本校でも起きておりましたので参考になりました。組織拡大についてももっと本校でも声掛けが必要かと思いました。
◇本校は今年の2月にやっとプレハブ校舎から本校舎へ戻ることができました。高教組の皆さまをはじめとして多くの方々のご支援をいただきました。本当にありがとうございました。また,本校をはじめ倉敷市立高校の多くはエアコン設置がなく,厳しい教育環境の中で生徒たちはこの夏授業を受けました。その際も倉敷市教委に意見を届けていただき本当にありがたいです。今後もエアコン設置を訴えていこうと思っています。生徒たちの教育環境をより良くできるよう頑張ります。
◇ICTについて思っていたことが,多くの学校でも同様なんだと心強く感じました。準備ができていない状況で,言われたから進めていくという今の学校の様子に大きな違和感を持っています。学校に帰って今日の様子,聞いた話を伝えていこうと思います。

 78回定期大会開催に当たって 書記長 豊田 佳香

 
8月9日(日),岡山高教組は第78回定期大会を開催します。運動方針の決定と意思統一の重要な会議です。限られた時間ですが,職場の組合員の声をもとにした代議員の積極的な発言で議案を深めたいと思います。
■コロナ禍の中浮き彫りとなった学校現場の「密」と過重な負担
新型コロナウイルス感染症の拡大は、コロナ問題以前から現れていた矛盾を一層明らかにしました。貧困と格差の拡大が深刻化し、弱い立場の人ほど重大な影響を受けています。
1980年代以降の新自由主義的な政策により、公的部門の縮小政策が進められ、保健所(92年比で45%削減)や公的医療機関・研究所の縮減が感染症対応の大きな妨げとなりました。各助成金・給付金の遅れも、実務をする公務員が削減されていること(OECD諸国の人件費平均の2分の1)が一因です。経済効率優先で進められた学校統廃合や大規模化により常態化した過密や遠距離通学といった、新型コロナウイルス感染症の拡大以前からあった問題が浮き彫りになりました。現場からも「少人数で密にならないような授業をやりたいが、実際には不可能」「オンライン学習は利点があるものの教材準備は対面授業の準備よりも大変。『働き方改革』にはつながっていない」「公共交通機関での長距離登校の感染リスクが心配で登校できていない」などの報告が寄せられています。無理に無理を重ねてきた結果、感染症拡大の下で学習権を保持することや、いのちと健康をまもることさえ困難を極めるという現状があらわになっています。

■「まったなし」の声に耳を貸さず…間にあわなかった教員増と少人数学級実現
政府は第2次補正予算で教員増を盛り込みましたが、その規模は3100人とあまりに小さく、しかも高校は除外です。この間に発表された日本教育学会や研究機関の提言によると、20人程度の学級指導には10万人強の教員増、約8,600億円が必要としています。これらは、現在OECD加盟国最低レベルの我が国の公財政教育支出を平均並に(対GDP比3.1%を4.4%に)することで、十分に実現できます。
現在の学級規模では、児童生徒が長時間をすごす教室での「身体的距離の確保」は不可能です。この度の新型コロナだけでなく今後も新たな感染症の流行が繰り返される可能性も示唆されています。これまで教育現場の切実な声に耳を貸してこなかったことを反省し、学校における「新しい生活様式」がかなう施策として、教員増・少人数学級の実現が打ちだされてしかるべきです。

■ICT化が教育にもたらす影響
オンラインでの教育活動が進む中、「急遽、全県立学校にG suiteの使用を指示したことは問題だった。各校の現状とニーズを把握すべきだ」「子どもも教員も自前の端末使用が前提となっている」「学校再開後は、通常業務に追加して研究事業がもとめられる。明らかな負担増だ」など、問題点も明らかになっています。休校中のICT活用の経験は、ICTを用いるだけでは十分な学びとはなり得ないこと、ICT環境の格差がそのまま教育格差になりやすいことを実感させるとともに、登校できない児童生徒とのコミュニケーションツールとなりうることも明らかにしました。一方で「Society5.0に向けた人材育成」「GIGAスクール構想」のねらう「個別最適化された教育」実現の裏には、教育産業市場の拡大がうかがえることも見逃せません。ICT化の功罪を検証しつつ子どもの学習権をどうまもるかが焦点です。

■当事者の声が改善の大きな力―組合にたくさんの仲間を
これまで組合は,条件改善は最大限に広げ,条件改悪は最小限に押しとどめてきました。今では当たり前のように享受している権利のひとつひとつは,当事者である労働組合が声をあげて少しずつ獲得してきたものです。今年度から常勤講師の「空白の一日」が解消され、賃金増を実現できたのも、長年にわたり全国規模で展開してきた運動の成果以外のなにものでもありません。条件改善には,ひとりでも多くの「力」が必要です。教育問題や学校のあり方などを日常的に話題にしたり、ちょっとした困りごとを語り合い励ましあうことも周囲に影響を与え、元気の素になります。ほかでもない「あなたにこそ」加わってほしいと声をかけ、新しい仲間を迎えましょう。