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よりよい教育と子ども・青年の未来のために

よりよい教育と子ども・青年の未来をめざすとりくみの一部をご紹介します。

2018年度のとりくみ

高教組分科会別教研

防げたはずの豪雨災害  
〜高教組分科会別教研 社会・平和教育分科会〜

 12月16日(日)、標記の教研を開催しました。
 午前中は「7月の豪雨災害の状況とその原因と課題」について、被災地各所を精力的に訪ねておられる磯部作先生(放送大学客員教授)にお話をしていただきました。
 原因として新成羽川ダムを管轄する中電が、気象庁の緊急会見後も適切な対処をせず緊急放流したことが高梁川の水位の急上昇をもたらし、今回の被災につながったのではないかと述べられた点が印象的でした。また、磯部先生は真備町で最も低い土地に「倉敷まきび支援学校」が立地していることの問題点を指摘されました。「今回の西日本豪雨災害は、決して想定外ではありません。このため、一級河川を管理する国やダムを管理する電力会社、二級河川を管理する県、避難勧告や避難指示を出す市などが事前に防災対策を実施していれば、このような災害は防げたはずです。(磯部論文を引用)」。磯部先生のお話は、「防げたはずの豪雨災害」がなぜ防げなかったのかを、私たちに問いかける内容でした。
 午後からは、田中先生(真備陵南)に被災後の学校や生徒の様子についてお話をしていただきました。2週間は校舎に入れなかったこと、入れた初日の暑さと臭いのこと、7月26日から自衛隊が投入されたこと、生徒がボランティア清掃活動や募金活動をしたこと、8月末には他県の生徒が来てボランティア活動をしてくれたこと、9月3日から倉敷市立工業高校で2学期をスタートしたこと、10月からはプレハブの校舎で学校生活を再開することができたこと、今も避難生活を余儀なくされている生徒や教職員がいること等。こうした困難な状況のもとでも「高校生の手で真備を元気に」を掲げて、被災した4つの幼稚園園児70人を文化祭等に招待したり、12月には地域清掃や花壇整備のボランティアをおこなったそうです。
 お二人のお話を伺う中で、防災に関わる高教組としての要求を練り上げ、運動の課題にしていくことの必要性を痛感しました。
【菅木 一成さん/倉敷古城池】

2018「夏の教研」

クラスづくりの実践報告と、主権者教育のあり方を考える
―夏の教研 生活指導分科会―

夏の教研「生活指導分科会」が7月28日(土)に高教組会議室で開催されました。この分科会は、今春3月31日に続いての開催です。平松先生(倉敷南)からは前回のレポート「『ラッキーとは言わせない!』2年7組は進む」に続いての3年7組の1学期のとりくみ、馬場先生(岡山城東)からは30数年の教員生活で初めての1年担任をしている様子が報告され、2学期への実践の手がかりを探りました。
後半は、8月に開催された高生研全国大会(鳥取)の基調発題「若者の生活現実からはじめる主権者教育〜ありたい自分・生きたい社会を語り合うために〜」を読み合わせました。
参加者からは、「生活指導分科会に初参加した。クラスを『創っていくこと』の難しさ、楽しさをあらためて知ることができた」「小さな工夫をたくさんおこなうことでクラスの活性化が図れるということが実践報告でよくわかった」などの感想をもらいました。今後も、春と夏の2回程度開催していけたらと思っています。
【岸本幹雄さん/東岡工】

明日からの実践に勇気もらった   ―夏の教研 障害児学校分科会―

7月29日(日)、鳥取大学の三木裕和教授を講師に、おかやま西川原プラザで夏の発達保障講座を開催しました。台風の日にもかかわらず11名が参加し、熱心に耳を傾けました。
講演では、授業づくりから評価、学習指導要領改定の課題など多方面にわたる話が、実践を基にわかりやすく語られました。「教師の専門性は、ルールを守らせることではなく、その子の気持ちや成長に目を向け個に応じた対応ができる力である」ということ、「数値にあらわせない直感が大切であること」など数々のご指摘をいただきました。また、成果主義や過度なマニュアル化、ルールを守る子どもを育てることの危険性、子どもたちが自分で考えて判断したり教師が子どもと一緒に考え躓きながら学びとったりすることの大切さについてもお話しいただきました。
多方面からの圧力に息苦しさを感じていた私たちに、自分たちの方向性が間違っていないとの確信と、明日からの実践への勇気をいただきました。参加者の一人ひとりが温かい気持ちで明日からの授業への意欲と希望をもって帰ることのできる会となりました。
【青山 敬さん/岡山ろう】

災害対策にダム建設は必要か   ―夏の教研 社会科・平和分科会―

8月11日(土)、JR倉敷駅に4名が集合し、苫田ダムを目指して出発しました。中国自動車道院庄ICを降りて国道179号線を北上すると、地形が山がちになり、やがて奥津湖の一部が見えます。先ず、みずの郷奥津湖の向かいの久田神社に行き、遷座記念碑を見ました。いくつもの神社がここにまとめられたとわかりました。遷座記念碑を見たのち、奥津湖総合案内所で奥津湖のジオラマを見ました。模型ですが、湖底に人々が暮らしていた地区も再現されているのが痛々しく感じました。
みずの郷を後にして苫田ダムへ。堤体を渡り、管理事務所の展示施設でダム関係の展示、VTRで苫田ダムができた経緯を学びました。堤体内見学室から水位維持放流設備や放流している様子を見ることもできました。管理事務所を出て湖周辺を巡る中で、荒れ果てた公園の中に数々の石碑が建っていました。その中で、団結之碑はダム建設が持ち上がった時、村人は団結して闘ったことを無言で知らせているようでした。
その後、奥津温泉街をめぐり、道の駅で昼食をとりました。道中、西日本豪雨の爪痕がいくつもありました。災害を減らすことは必要です。しかし、そのためにダム建設という巨大開発が有効なのか、あらためて考えさせられた1日でした。
【土屋篤典さん/倉敷翔南】

「子育て教育のつどい 2018」

5月13日(日)、「子育て・教育のつどい」がおかやま西川原プラザにて開催され、のべ約160名が参加しました。
午前中の、山本由美さん(和光大学)による講演「みんなで子どもたちを育てよう−いま求められる、本物の教育力」では、学力テスト体制の強化、ゼロ・トレランスが広がっていく中で、教員と子どもの人格的な触れ合いが希薄になることへの懸念が語られました。学校統廃合の全国の動き(岡山は先進的!)については、従来の数年かけて地域や学校と協議しながらの慎重な統廃合に比べ、近年は短い準備期間であっという間に廃校になる事例が増加傾向にあること、パブリックコメント等の地域や市民との対話が不十分なまま済まされるケースも見られるようになったことなどが報告されました。
地域に根付いて生活している私たち保護者、住民によるはたらきかけや運動が不可欠であることを再認識し、一人ひとりに何ができるのかを考えさせられた90分でした。
午後は3つの分科会に分かれ、参加者による報告や議論がおこなわれました。中でも第3分科会は、高教組障害児学校部が「春の発達保障講座」と位置づけて企画運営をしました。
「障害者の豊かな青年期とは〜岡山での専攻科の取組を巡って〜」(参加者22名)と題して、昨年県内でスタートした2つの専攻科であるパルジャ(総社市)とカレッジ旭川荘(岡山市)、そして特別支援学校からの現状報告とパネルディスカッションでした。
青山 敬さん(岡山聾)からは、「特別支援学校高等部の状況」と題して、キャリア教育についての報告がありました。成長のゆっくりした障がい者が卒業後すぐに社会に出なければならない現状や、就労率100%を目標とすること、作業時間の延長、特別支援学校独自の検定試験の是非など、さまざまな問題提起がなされました。
中原美恵子さん(福祉型専攻科パルジャ理事長)からは、就労のための訓練ではなく「心の成長や内面の発達」に目を向けた福祉型専攻科の教育実践として、午前午後各1コマでのゆったりとした時間設定や、魅力のある学びという視点での外部講師プログラム(ヨガ、おしゃれ、芸術など)、1泊2日の旅行など、多彩なとりくみが紹介されました。
赤木 匠(カレッジ旭川荘学院長)からは、自立支援と就労移行支援の2つの渉外福祉サービスを活用し、4年生大学形式の「学びの場」として、科学、介護、リサイクルなど多様なカリキュラム、福祉・医療分野で長い経験をもつ旭川荘の特徴を生かした専門的・実践的な体験実習を提供していることが紹介されました。近隣の「旭川荘専門学院吉井川キャンパス」での講義体験や学生との交流も学びによい影響を与えているとのことでした。
質疑・討論では、カリキュラムや友人関係、進路など幅広いテーマについて、パネラーへの質問や参加者間の議論が活発におこなわれました。