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支えあい、助けあい、高めあう。岡山高教組

くらしと権利をまもるとりくみpagetitle

2024年度

賃金引上げ、旅費の実費支給 実教・寄宿舎2級任用など改善

 2024年度確定交渉で高教組は、待遇改善要請署名2,660筆を集約して教育長に提出し、3回の交渉にとりくみました。県教委は第1回から賃上げの実施を回答し、第3回では高卒・短大卒の初任給基準改善などを回答。さらに高教組は、実習教員・寄宿舎指導員の2級任用改善、重複障害に対応する寄宿舎への人的措置などの回答を引き出し妥結しました。

中村教育長への代表質問


 第3回交渉に先立ち、村田秀石執行委員長が中村正芳教育長に対して、一問一答形式の代表質問を行いました。村田委員長は、@中教審答申と学校における働き方改革、A教職志望者を増やす魅力ある教育環境づくり、B教育DXと不登校対策、C高校と特別支援学校の再編整備、の4点について教育長の考えを質しました。
■中教審答申は「確実な実現に向けた取組がなされるよう期待」
 教育長は、中教審答申について「確実な実現に向けた取組がなされるよう期待している」と述べました。「定額働かせ放題」と批判される給特法についても「十分に議論を重ねた上で出された結論」との認識で、批判的な見解は述べませんでした。高校の勤務実態については「まだまだ努力が必要な状況」と述べ、早期に45時間以内が達成できるよう努力していくと答えました。
■「学校は自分たちで変えられる、というポジティブな取組を期待」
 教育長は、高教組の新採用アンケートの結果を踏まえた上で、「現在の社会状況は、教職に対するネガティブな印象が強調されてしまっている」として、「学校は自分たちで変えられる、という前向きでポジティブな取組を期待している」と述べました。県教委も国の動向を「注視」するだけでなく、「自分たちで変えられる」という姿勢を持ってほしいものです。
■「課題は端末やICT機器の活用状況に差があること」
 教育長は端末やICT機器について「活用に差が生じている実態が見られること」が課題だと述べました。端末やICT機器はあくまでも道具であり、教育の目的を達成するための必要性によって活用状況に差があることは当然です。
■倉敷市へ「ご意見はしっかり伝える」
 倉敷市立高校の耐震化未実施は、生徒と教職員のいのちと安全にかかわる重大問題ですが、教育長は「担当課長から倉敷市へ、ご意見はしっかり伝えていきたい」と述べるにとどまりました。

2023年度

育児・介護の時差出勤、資格取得の職専免で前進回答

 2023年度確定交渉で高教組は、待遇改善要請署名2,944筆を集約して教育長に提出し、3回の交渉にとりくみました。県教委は第3回交渉の冒頭に、@夏季休暇について2024年度から取得可能期間を6月から10月までとする、A新規採用職員に係る赴任旅費について2024年1月1日から異動による場合と同様に取り扱う、と回答しました。高教組は粘り強く交渉し、高校入試における調査書の電子化、保護者との連絡のためのアプリ導入、育児・介護の時差出勤で15分以内の遅出を通年で可能に、実習教育のために中型自動車免許・食品衛生責任者の資格を取得する試験日を職専免に、などの回答を引き出し妥結しました。

鍵本教育長への代表質問

 第3回交渉に先立ち、村田秀石執行委員長が鍵本芳明教育長に対して、一問一答形式の代表質問を行いました。村田委員長は、@給特法と学校における働き方改革、A教育DXとICTの活用、B小規模校の教育条件の改善、C「主体的な学び」を指導する教師、の4点について教育長の考えを質しました。
■給特法の議論はこれからだが「仕事が減るか人が増えるかしないと」
 鍵本教育長は、中教審の「質の高い教師の確保特別部会」で臨時委員を務めています。教育長は給特法について、現行4%の教職調整額を上げれば、“もっと働け”ということになりかねず、時間外手当を支給する場合は、時間外勤務の命令や管理が難しいといった問題点を指摘しました。部会における給特法の議論はこれからと述べつつ、「仕事が減るか人が増えるかしないと同じ議論が続く」と主張したことを明らかにしました。村田委員長は「自発的な業務」の問題点を指摘し、部活動など生徒がかかわる業務や入試業務については本来の業務であり、時間外手当の対象になりうると主張しました。
■情報管理業務は「学校でやっていただかなければならない部分が残る」
 鍵本教育長は、採点システムが好評で、EdTechサービスも生徒の学習に効果が見られると述べました。高教組は、情報管理者の専任配置を求めています。教育長は「現状として十分ではない」と認めつつ、人件費が高額であることや人材確保が困難であることを指摘し「学校でやっていただかなければならない部分が残る」と述べました。教育長の態度は、自ら議論に参加してまとめられた提言にある「学校・教師が担う業務の適正化の一層の推進」に反するものです。また、高校生の端末が原則個人購入になっている問題についても、教育長は「日常的に使えるようにするため」とこれまでの説明を繰り返しました。村田委員長は、この問題は教育効果や教育目的の問題ではなく、公教育の公平性に関わる問題であることを指摘し、教育費負担のあり方を見直すよう求めました。
■適正規模はあるが「いくら小規模になっても地域に学校は必要」
 村田委員長は、中教審の「高等学校の在り方ワーキンググループ」が、中間まとめで小規模校の教育条件の改善を打ち出したことを紹介しましたが、鍵本教育長は、「まだ途中段階のもの」として、遠隔授業や学校間連携の推進についてのみ言及しました。また、国も県も1学年4学級から8学級を高校の適正規模としていることについて、教育長は「標準法が変わってくると様子が変わってくるのかも」としつつ、現状としては変わりないと答えました。第1学年の生徒数100人・80人という数字を掲げた再編整備基準について教育長は、昨年12月に県教委の責任として、同一市町に県立高校が1校になっている場合は、2028年まで基準の適用を保留することにしたことを紹介し「いくら小規模になっても地域に学校は必要だろうということは、我々も分かっている」と述べました。
■新しい研修制度は主体的な学びを求めるもので「教師の学びと子どもの学びは相似形」
 教員免許更新制の廃止に伴って導入された新しい研修制度について、県教委は「強制ではなく奨励」「自主的な研修も受講奨励に活用できる」と説明していましたが、高教組の重点要求書に対する回答は、「3年程度の間に記録対象研修のいずれかを受講できるよう受講奨励することが望ましい」というものでした。これについて教育長は「誤解があるので私の言葉で修正をかけさせていただく」として、新しい研修制度については当初説明したことと変わらず、「子どもたちにも求めるように、先生方にも主体的な学びを求めるもの」と述べました。また、教育長は「教師の学びと子どもの学びは相似形」とも述べました。そうであるならば、子どもの学びと同様、教職員の研修に圧迫・強制や上意下達は相容れず、行政研修や管理職からの奨励にとどまらない、教職員の自主的研修権が保障されなければなりません。また、教職員が旺盛に研修にとりくむことができるよう、勤務条件を改善することも必要です。

2022年度

寄宿舎の入浴介助に妊娠代替等を引き出し妥結

 2022年度確定交渉で高教組は、待遇改善要請署名2,900筆を集約して教育長に提出し、3回の交渉にとりくみました。県教委は第3回交渉の冒頭、@離島に所在する公署に勤務する職員の通勤手当について、高速船の運賃を反映させること(23年1月1日から)と、A不妊治療休職にかかる手続について、不妊治療連絡カードも認めると回答しました。@については、真鍋中学校に勤務する教職員が対象で、県教組が粘り強く要求してきた成果です。また、人事評価の枠組みについては、一般教職員の昇給にかかる現行の枠組み(A5号・B5号・C4号で上位30%)を5年間継続し、2027年度以降に話し合いの機会を設けると回答しました。高教組は、最後まで粘り強く交渉し、寄宿舎の妊娠代替を「入浴介助」も対象にする、介助員など時間単価930円の会計年度任用職員の賃金引上げなどを引き出し妥結しました。

鍵本教育長への代表質問

 第3回交渉に先立ち、村田秀石執行委員長が鍵本芳明教育長に対して代表質問を行いました。村田委員長は、@働き方改革、A新たな研修制度、B県立高校再編整備基準、C岡山県家庭教育応援条例の4点について、教育長の考えを質しました。
■ICTを活用して「効率化できる部分はある」
 教育長は働き方改革について、ミライムによって「個人のレベルで全県の把握ができている」と述べるとともに、ICTを活用して「効率化できる部分はある」と答えましたが、35人学級については、「中学校も当然やっていただきたい」としつつ、高校については「厳しい状況」と述べるにとどまりました。
■新たな研修制度で「新しい負担を課そうとは思っていない」
 教育長は、高教組の「新たな研修制度に関する要請書」を踏まえて「新しい負担を課そうとは思っていない」、教員免許更新制が廃止されたのに「また負担がどーんと増えたということにはしたくない」と述べましたが、特別支援学校などで研究事業を押しつける動きもあり警戒が必要です。  
■再編整備基準は変更しないが「地域の状況に配慮する」
 「23年度から第1学年の生徒数が2年連続100人未満で再編整備、同じく80人未満で募集停止」という県立高校再編整備基準について教育長は、基準自体を「変更することには多分ならない」としつつ、基準の適用に当たって「地域の状況に配慮する」とされていることを指摘し、「県立高校が地域に果たす役割が非常に大きい」ことを認識していると述べました。小規模校の抜本的な教育条件の改善こそ求められます。
■保護者負担の軽減について「厳しさが岡山県にはある」
 家庭教育応援条例が私的領域への介入を招かないかという危惧について、教育長は「そんなことはできやしない」と否定しましたが、家庭教育応援に逆行する端末やエアコンの私費負担については「県で出そうという話にならない厳しさが岡山県にはある」と述べました。端末について教育長は「あくまでも道具」としつつ、文部科学省から「使ってください」と圧力をかけられていることを認めました。予算確保のためとはいえ本末転倒です。

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