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 【特別決議】 第75回大会 2017年6月10日


安倍「教育再生」路線を許さず,
教育の自由を守り,憲法と子どもの権利条約に基づいた教育を進めよう

 次期学習指導要領は,子どもたち一人ひとりの成長・発達を保障する権利としての教育ではなく,「戦争する国」を主体的に支える人材とグローバル大企業の世界戦略を支える人材づくりをめざすものです。そのための「資質・能力」を国が規定し,さらに教育内容,教育方法,評価のあり方まで管理・統制することをめざしています。「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」を目標とし,国や財界のための人づくりに教育をつくりかえようとしています。

 安倍内閣は3月7日,民進党議員への答弁書において,教育勅語を教育に活用することは「個別具体的な状況に即して判断されるべきもの」としてその活用を否定しませんでした。さらに,稲田防衛大臣は3月8日参議院予算委員会で,教育勅語について「『日本が道義国家をめざすべきだ』という精神は取り戻すべきだ」と答弁しました。1946年に平和主義をかかげた日本国憲法が公布され,その「理想の実現は根本において教育の力に待つべきものである」とした教育基本法が1947年に施行され,これに反する教育勅語は「明らかに基本的人権を損ない,国際的にも疑念を残す」として衆議院で「排除」,参議院で「失効」が決議され(1948年),学校教育から一掃されました。国会で「排除」された教育勅語を子どもたちの教材にすることを「閣議決定」で容認することは許されません。

 共謀罪法案が,国会での論議や国民への説明も明らかに不十分なまま衆議院本会議で強行採決されました。この法案は,「政府や捜査機関の恣意的な運用によって憲法の保障する思想・信条の自由,表現の自由,集会・結社の自由などの基本的人権に対する重大な脅威になる」(岡山弁護士会)とされ,市民運動や教職員組合の活動だけでなく,教育活動そのものも萎縮させ,教育の自由を奪うことにつながりかねません。さらに,秘密保護法,「戦争法」,盗聴法の拡大などに続く「戦争する国づくり」をよりいっそう進める法案となる危険性も指摘されています。

 戦後の民主主義教育は,戦前の国家主義教育と決別し,個人の尊厳を何よりも大切にしてきました。「幸福追求権」(憲法13条)や「生存権」(憲法25条)と一体となって成立した「教育を受ける権利」(憲法26条)に示された「基本的人権としての教育」をつくりあげようとしてきました。私たちはこの営みを大切に引き継ぎ,自国中心のナショナリズムや国益のための「人づくり」ではなく,父母・国民,教職員の共同の力で,子どもたち一人ひとりの成長・発達を支える教育を確立するため,全力で奮闘します。以上決議します。

2017年6月10日 
岡山県高等学校教職員組合 第75回定期大会