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 【特別決議】 第238回評議員会 2017年2月25日

安倍「教育再生」による「人材育成」を許さず,過労死を生み出さないゆとりある教育条件を確立し,憲法と子どもの権利条約にもとづく一人ひとりの成長・発達を保障する教育を進めます

  憲法改悪と一体に進められる安倍「教育再生」は,政権戦略に沿った「管理と競争」「グローバル人材育成」のための教育を推し進めています。学習指導要領の改訂に向けての中教審「答申のまとめ」では,育成すべき資質・能力を国が示し,その目標達成のために,内容だけでなく,教育の方法や評価が一体のものとして強調されています。「答申」は改悪教基法(2006年)を全面的に具体化したもので,義務制での「道徳の教科化」と一体に「公共(仮称)」の新設など高校における道徳教育の具体化,グローバル人材育成に向けた英語教育の強化,とりわけ小学校での教科化を目指しています。
 全国一斉学力テストは10年目を迎え,年々平均正答率を上げるための対策が過熱しています。独自テストの押しつけや選別競争をあおるような施策が広がり,「過去問の対策,児童疲弊」との報道や「勉強に困っている子が放っておかれる」など本末転倒の事態を招いています。
 
 「教育県岡山の復活」をめざして岡山県は17年度予算で,全国学テ対策として県独自調査を民間委託で対象を拡大して実施します。高校では「学力向上コーディネーター」を配置し,「学力ステップアップハイスクール」を指定,さらに「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の導入に向け試行テストの実施を予算化しています。新たな柱とした「グローバル人材育成プログラム」では高校生の留学支援,国際バカロレアの研究,海外姉妹校提携の拡大などの予算を増額しています。しかしながら,現場の多忙の解消や教育条件の改善につながる実効ある施策は見当たらず,予算の性格は,安倍「教育再生」の教育施策と気脈を通じたものと言わざるを得ません。

 こうした施策のもと,私たちの学校現場では,過労死赤信号に相当する時間外労働をする教師の数が毎年増加の一途をたどっています。進学・検定の補習や土日の部活動指導に加えて,特別な支援を必要とする生徒や保護者への対応の増加,地域連携のとりくみの拡大や社会貢献活動など,業務は増える一方であり,さらにネットワーク分離への対応が教師の貴重な時間と労力を奪っています。また,今年度強行導入された「人事評価制度の本格実施(=賃金リンク)」は,教師たちの協力協同で成り立っている教育現場になじまず,その不合理性そのものが職場全体のストレスや管理職への不信につながり,不合理な仕組みへの憤懣が教師のモチベーションを下げる懸念も生まれています。
 今必要なのは,「能力や実績にもとづく人事評価」に伴う表面的な学力アップ等の指標達成や,エリート教育の代名詞とも言える「グローバル人材育成」施策の押しつけではなく,教育条件を改善し,子どもたちの実態に余裕をもって向き合う時間を教師に保障し,日々の教育実践を創意工夫できるゆとりを回復することです。私たちは,憲法と子どもの権利条約にもとづき,一人ひとりの成長・発達を保障する権利としての教育を日々つくり出すために,教育実践を自由闊達に交流し合える職場づくりをめざして奮闘します。
 以上決議します。
2017年2月25日
岡山県高等学校教職員組合 第238回評議員会