高退教会報バックナンバー


154 2018年4月(抄)

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平和とゆきとどいた教育を      ……… 岡山高退教会長 萱 栄次  
万難を排して ~第39回高退教総会報告~ ……… 備西支部 清水親義  
2018年度岡山高退教役員                          
高退教総会 午後の学習と交流          ……… 岡山支部 居郷 毅      
退職後も多方面に活躍示す作品群 ~第20回作品展~……… 岡山支部 小川澄雄 
第20回(2018)岡山高退教作品展目録
2018年定期総会 返信はがき紹介                   
雲辺寺山から豊稔池へ ~第48回自然歴史探訪~……… 岡山支部 美甘 晃  
年金引き下げ違憲訴訟を勝ち抜くために ……… 田中 博(全日本年金者組合岡山県本部書記長)  
編集後記

平和とゆきとどいた教育を

                         岡山高退教会長 萱 栄次

 

今の日本の政治ほど異常な状況はありません先の国会では、民主主義の国では考えられない出来事の連続でした。また、世界でただ一つの被爆国なのに、国連での「核兵器禁止条約」採択には、参加しませんでした。

このような政権が、最も重要視しているのが「憲法9条」の改憲です。当然9条ですので、直接的には、平和・軍事力の問題ですが、同時に、憲法にもとづいて教育活動をしている教職員にとっては、9条改変は、まさに、教育問題そのものといえます。今の政権が主張している9条となれば、たちまち、教師には「教え子を戦場に送る」教育が求められます。日本の教育の180度の転換となります。

歴史的に、教育は、常に社会を変革する重要な役割を担ってきました。教育は歴史を変えると言っても過言ではありません。

現在、私たちには、憲法9条を守るとともに、日常の教育が、子どもたちにとって、より豊かになるよう、教育諸条件の整備など「ゆきとどいた教育」の実現が求められています。この運動を大きく前進させる中で、2020年の高退教創立40周年を迎えたいものです。

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万難を排して
岡山高退教第39回定期総会報告

                            備西支部 清水親義

 

 7月8日、平成最悪の豪雨災害に見舞われ、開催さえ危ぶまれる中での「岡山高退教第39回定期 総会・学習交流会(於岡山県立岡山工業高校)亅開催となりました。在来線が全面的に止まり、道路も各地で寸断という状況でしたが、ひとり増え、もうひとり増えと、最終的には参加予定者(47名)の8割を越える会となりました。

開会に先立って、濱越唯利さんのアコーディオン演奏のもと、懐かしさに浸りながら「鐘の鳴る丘亅を全員で歌いました。合唱後の、この歌の背景についての解説中、「菊田一夫も孤児だった」というくだりでは、いくつもの驚きの声が上がりました。

このドラマに誘発されて、戦争孤児たちと共に靴磨きや道路工事の手伝いをしながら、昭和28年に「おいらの家亅を完成させた品川博青年の行動は、濱越さんの言葉通り、まさに「加計学園と逆亅の方向にあるもので、品川青年の志と比較すると、加計学園のおぞましさが際立ちます。






この後、議長選出で備西地区の西功さんが議長となり、そこから小林軍治副会長、萱栄次会長の挨拶と続きました。

副会長挨拶の中で印象的だったのは「戦争、暴力の反対語は平和ではなく対話です亅というフレーズの紹介でした。対話が成立しない現在の政治状況や世界情勢を考えると、この挨拶に続く会長挨拶の中の「9条改悪は、軍事力問題というだけでなく、教育の問題という捉え方が必要亅で、「我々は『教え子を戦場に送らない教育』から『教え子を戦場へ送る教育』への転換を容認できるのか」という問いかけと共に、今何が必要なのかを厳しく考えさせられるものでした。

総会に移り、藤原斌事務局長による経過報告が行われました。活動はまさに小さなことの積み重ね。岡山高退教の活動も多岐にわたり、一言では言い表せない幅の広さです。

私清水が特に感じたことは二点。まず一点目は「事務局のおかげだなあ!亅ということ。様々な活動の裏には当然必ず準備があり、その中心は事務局ですから、11回という事務局会議の回数には頭が下がります。この上にさらに4回の幹事会もあるのですから。

二点目は、「これも対話かな?亅ということ。2017年に初めて、岡山県退職教職員会、岡山県退職女性教職員の会、岡山高退教という三者で、統一した取り組みが可能となったのです。本来敵対する関係にない組織同士でも中々共闘できないという現実があるのは悲しいことですが、これを乗り越えたわけです。この問題では岩佐仁志さんに特別の発言が求められ、実現に至るまでの経過が報告されました。

中西孝さんの報告は、一筋の希望の光を見せてくれるものでした。

  中西さんたちが、安倍改憲反対の活動をしているその前を、高校生たちが通学のために日々通り過ぎていく。それは何でもない日常的な風景で、それは何度も繰り返されるだけのように見えたのだが、そんなある日、「おじさんたちはもう戦争に行くことはないのに、戦争に行かされるのは私たちなのに、こうやって私たちのために運動を続けて下さっているんですね。亅という声が突然掛けられた、というのです。

対話の誕生です。胸にグッと来ました。

決算や予算関係については、河原和子さんのご尽力のお陰という一言に尽きます。それも、極めて長期間です。

会員の皆様、どうか会費の納入を忘れず、無駄な手数料の掛かる窓口扱いを止めて、ATMかネットによる送金を心掛けて下さい。

総会の締め括りは、衣笠祥子さん朗読による「特別決議」でした。埼玉県から参加の武田昭一さんから、「衣笠さん採用の時、面接をしたのは僕です。亅というような昔話も飛び出し、会場が湧きました。(注面接云々は、実は夜の懇親会の話で、清水の記憶違いでした。)

役員改選では、副会長として長年高退教を支えてこられた難波娃子さんが今回副会長を離れられ、今後は顧問として見守っていただくこととなりました。長年のご労苦とご活躍に感謝と敬意を表して、この報告を終わります。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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 高退教定期総会  午後の学習と交流 

岡山支部 居郷 毅                

岡山高教組書記長の松本太さんを講師に迎え、今の高校現場の抱えているさまざまな課題について、報告していただいた。教職員の働き方、人事評価制度、子どもの貧困、国と県がすすめる教育施策、部活動問題、

どの問題においても状況は深刻かつ複雑。語られた実態は、どれも想像を超えるものであった。

以下、紙数の都合で、学校現場の多忙化と人事評価制度に絞って述べる。   

1972年に制定された、限定4項目以外は時間外勤務を命じられないと定める「給特法」における教職調整額4%は、1966年の勤務実態調査の結果が根拠になっている。当時の時間外労働は1週間で1時間48分、2013年調査の時間外労働は15時間9分。給特法の建前と現実との乖離は明らか。教職員の善意、熱意につけ込んだ「やりがい搾取」によって、賃金抑制は常態化し、無償の長時間労働を強いられている。                   

さらに、特色の維持、成果の上乗せが求められ続ける「看板掲げ競争」限られた人員で限りない仕事をし続けなければならない「ビルド&ビルド」の状況が追い打ちをかける。教員採用試験の志願者数が減少し、休職・退職者も増加傾向にあるのも当然のことだ。そうした学校現場のブラック化に拍車をかけているのが、人事評価制度と「賃金リンク」。

「新しい教職員評価システム」の「全校試行」は2006年度に始まった。あれから10年を経て(2012年の県教委「提示」以降4年間は阻止したものの)ついに「賃金リンク」は導入されるに至った。                                     

以下は、評価システム・賃金リンクに対する高教組アンケートからの抜粋。                                

・働いている者、仕事ができる者が多くの給料を得られることは当然。組合も、働いていない、できない、モチベーションが低い者まで一律に給与を求める考え方を改めては?                          

・職場内に士気の低い先生がおられるのは事実であり、組合としてもこの問題を避けて通っていては、いつまでも県民に理解されないのではないか。   

・「目に見える成果」を出した人だけが評価される。この「目に見える成果」を出すために、新たな試みや短期間で結果が見えることを作り出していく傾向があり、それが自分たちの「首を絞める」ことになっている。「見える形」を重視する成果主義は、教育現場になじまない制度だ。

・賃金リンクがあろうとなかろうと、自分のやるべきことをきちんとしていくだけだ。評価を上げるために頑張ろうという気にもならないし、他人と競争しながら「教育」という仕事に向かう気にもならない。だからといって、手を抜くわけではなく…。目の前の生徒を大切にしながら働くことが、自分の中では一番重要なことだ。       

現場の声は多様。一筋縄ではゆかないジレンマを孕んでいる。多忙化の中で、仕事への負担感の大きい教職員を中心に肯定的な意見も少なくないことに衝撃を受けた。危惧されるのは、職場のチームワークが壊され、教職員が分断されること。

安倍「教育再生」のもとで、学校現場を管理し、教育の自由を制限する次期学習指導要領による「国づくり」が正体を現しつつある。その危険性を注視、分析をしなくてはいけないが、現場は日々忙しく、目の前のことで精一杯、批判的に対抗していく力が生まれてこない。組合活動の意義、平和、憲法、要求することの意義についても“思考停止”に陥っている。青年部アンケートからも、無理解・無関心が広がっている実態が報告された。組織率の低下(今や3割強)も止まらない。

しかし、絶望、悲観してばかりはいられない。総会の報告で紹介されている体験談の中での中西さんの感想「今どきの高校生も捨てたもんじゃない。」「長野、山口、岡山がかろうじて持ちこたえている。高教組が一定の役割を果たしている。」という岩佐さんの発言等には、大いに励まされた。同時に、退職教職員として、一市民として、私たちに何ができるのか。学校現場の教職員と子ども・生徒たちを応援し、励ますために何をすべきか。痛く考えさせられた。

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退職後も多方面に活躍示す作品群

~高退教第20回作品展開催される~   岡山支部 小川 澄雄

                        

岡山高退教の第20回作品展は、7月3日(火)搬入、7月4日(水)から7月8日(日)までの日程で生涯学習センターを会場に開催されました。耐震工事のため、

展示コーナーがやや狭められましたが、会場いっぱいに作品が展示されました。数年前から出品者の減少が指摘されてきていましたが、今回もこの傾向に歯止めがかからず、出品者は24人(第19回は32人)にとどまりました。それでも出品された作品群は、絵画・写真・書・服飾・手芸・工芸等々内容豊かで、高退教会員が退職後も多方面に活躍していることを示す作品展となりました。

高齢になった先生方がだんだん作品を出せなくなっています。高退教の作品展の維持発展を図るためには、退職後間もない比較的若い先生方に作品展への参加を促すとりくみを本気になって行うことが求められます。

西日本集中豪雨の時期と重なったこともあり、見学者が例年より少なかったことが残念でした。事務局の不手際で、木村徳子先生の漆器作品群が作品目録から漏れていたこともお詫びしなければなりません。申し訳ありませんでした。 目次へ

 

<展示作品目録>

種類

作 者

 

タイトル

点数

サイズ

〈写真〉

 

 

 

 

 

 

犬飼  繁

会員

開封の菊まつり

1

A4

 

炎帝と黄帝

1

A4

 

龍門石窟

1

A4

 

洛陽の露店

1

A4

 

荒木 敏和

会員

歩く

2

半切

 

井上 俊清

会員

北海道 秋の旅

3

A3

 

三宅 茂子

協賛

サンコウチョウ

A4

 

アオバズク(幼鳥)

 

 

トモエガモ

 

 

山本 和弘

会員

折々の美作長福寺

8

A4

 

会員

深山公園のコマドリ

4

2L

絵画〉 

 

 

 

 

 

水彩

三宅 通明

会員

紫モクレン

F6

ネコヤナギ

F6

F6

 水彩

中村 清子

会員

エジプト風景1

1

F6

エジプト風景2

1

F6

エジプト風景3

1

F6

アクリル画

濱越 唯利

会員

王子が岳より

備讃瀬戸を望む

1

縦70㎝、横180㎝

油絵

島田 宏恵

会員

堂々川の砂留

1

F8

藁ぐのある風景

1

F6

枇杷

1

F4

パステル画

渡辺  暉

協賛

裸婦

1

F20

油絵

鈴木 操子

協賛

薔薇

1

F4

1

F4

油彩

武田 芳紀

会員

乙女の祈り①

1

F8

乙女の祈り②

1

F8

乙女の祈り③

1

F8

イワシの頭で茅の輪

1

F2

水彩

水間 正雄

会員

ユースホステル宿泊の旅 

フランス

1

 

出陣と母

1

 

水彩

美甘 晃

会員

室内

 

 

〈書〉

小川 澄雄

会員

掛軸

2

半切

〈工作・手芸〉

 

 

 

 

 

木工

島田 保弘

協賛

欅造り時代箪笥

1

 

一輪挿し(ブナ)

1

 

ペーパーウェイト

(桧・タモ)

2

 

手芸

田中 豊子

会員

布製のブックカバー

3

 

服飾

河原 和子

会員

手織りのジャケット

1

 

手芸

パッチワークの

タペストリー

1

90×150㎝

手芸

衣笠 祥子

会員

パッチワークの

タペストリー

1

50×50cm

手提げ袋

1

 

御殿まり

数個

 

服飾

鳥取 純子

会員

昨秋紬の着物

(紫陽花)

 

手つむぎ糸の名古屋帯

 

工作

難波 欽子

会員

竹の犬

2

 

工芸

杭田 千穂

協賛

粘土人形

3

 

漆器作品 木村 徳子 会員 数点

  

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48回自然歴史探訪 雲辺寺山から豊稔池へ

                           岡山支部 美甘 晃

 5月27日(日),高退教第48回自然歴史探訪の旅に参加した。今回は四国。香川県観音寺市の徳島・高知との県境に近いあたり。四国八十八個所霊場の一つ雲辺寺と,灌漑用貯水池豊稔池(ほうねんいけ)の堰堤を中心とした一帯のバスによる周遊である。

 いつものように午前9時,総社駅前に集合,総勢25名で出発した。天気にも何とか恵まれ,倉敷インターから瀬戸自動車道にのり,おなじみ瀬戸大橋を通過して一路四国へ。

 まず訪れたのが萩原寺、四国別格二十霊場16番札所ということだ。文字通り9月ごろの萩が有名らしいが、あいにく季節外れ。しかし、山門あたりに幾枝か花をつけていた。参道にいくつかおみやげやクッキー販売の出店がならび、日曜を楽しむ人が三々五々訪れている。八十八か所をツアーで全個所巡った身ではあるが、ここはみなさんと同様さらりとお参りし、次の訪問地へ。別格とはいえ、なかなか立派で美しい寺院であった。

 次は雲辺寺が原監的所、戦争遺跡である。日清戦争後、善通寺に陸軍の師団が設立され、観音寺市の雲辺寺が原山麓は山砲射撃訓練所として接収され、終戦まで使用された。細い山道沿いのトーチカは、砲弾の着弾地点を観測するためのもので、昭和初期に設置されたという。内部に入ると分厚い壁に細長いのぞき穴が水平に数メートルほどもあいている。縦幅は十数センチ。ただし、今そこからのぞけるのは木々の緑ばかりだ。異様な姿が、過去の日本の歴史を伝えている。戦争遺跡は日本いたるところにあるのではなかろうか。

昼食は雲辺寺ロープウェイの山麓駅そばの雲海亭で。うどん、そばが中心の食堂で。そば定食を楽しんだ。25名という人数に、男性スタッフ二人が大忙しで対応してくれたが、ほかのお客さんに若干迷惑をおかけしたかも。ここでお詫びをしておきたい。

昼食後はいよいよ雲辺寺ロープウェイで雲辺寺山へ。雲辺寺は四国八十八か所霊場66番札所で、徳島県雲辺寺山の山頂付近にあるのだが、80年代に香川県側からロープウェイが開通し、一気に参拝が容易になった。観音寺市街や瀬戸内の海を眺めながら7分程度で山頂に到着、歩道沿いの幽玄な五百羅漢像に迎えられる。なかなか壮観な光景で、皆さんも興味津々といったところだ。さすがに歴史があり、杉の大木の中の参道をぐるりと徳島側に回り込んで、壮大な本堂や薬師堂に参拝。ただし、木造でない鉄筋コンクリートらしき建物が多く、かなりの違和感あり。百年後も価値あるものであってほしいと願う。前回別のツアーで訪れたときは真冬で、スキー場がにぎわっていてリフトも動いていたが、今回はロープウェイともども閑散。お遍路さんの姿もあまりなく、菅笠姿の中国系の女性の二人連れに出会ったのみ。最後に山頂の毘沙門天の巨象に上って急遽下山となった。

最後の訪問は今回のハイライト豊稔池である。観音寺市大野原町、地元農民の熱意の出役で1929年(昭和4年)に竣工した灌漑用の貯水池だ。長さ145m高さ30mの「石造りマルチプルアーチダム」で、中世ヨーロッパの古城を思わせる威容である。5個のアーチは真下から見上げると青空を背景にごつごつしながらも整然とした曲面をなぞって頭上にそびえたつ。幹事諸氏の下見の折には、突き出た6個の扶壁から勢いよく放水されていたということだが、今回はそれがなく、かえってその雄姿、美しさが堪能できた。それにしても、百年近く前の日本の一地方にこれほどのものがつくられていようとは!今風に言うと、驚きと感動が止まらない。参加者全員去りがたい気持ちを振り切って記念撮影ののち、ダム湖を見学、そのままバスで帰路についた。

総社駅には16:40頃に到着、今回も充実した気持ちを噛みしめながら解散、次回が楽しみである。

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 「年金引き下げ違憲訴訟を勝ち抜くために」

全日本年金者組合岡山県本部書記長 田中 博

78日の高退教第39回定期総会で「『年金引き下げ違憲訴訟』の支援」が議決されました。そして、10,083円の違憲裁判支援募金を寄せていただきました。ありがとうございます。

私たち年金者組合が2015年5月に原告56人で「年金引き下げ違憲訴訟」を提訴して3年余が経過しました。岡山県では第一次(特例水準の解消による減額処分は憲法違反)が56人、第二次(マクロ経済スライドを適用した年金減額は憲法違反)が203人で原告人数は重複もあり217人です。これまで第一次9回、第二次6回の口頭弁論が開かれ、その都度90人を超える参加があり、傍聴席を埋めてきました。公正判決を求める署名(裁判の併合審査を求める署名も含め)は7,966筆を提出しています。

全国的には44都道府県5168人が39の地裁に提訴し史上最大の社会保障裁判になっています。この年金裁判は憲法訴訟です。憲法25条、13条、29条が問われている裁判です。国の立場は年金生活者がどのような生活をしているか、暮らしをしているかということより、年金制度をとにかく形だけでいいから維持する、莫大な積立金は維持するという立場です。年金だけで生活できない人が数百万人いることはみとめるものの、憲法25条は年金だけで保障されるものではない、いざとなったら生活保護があるから、年金だけで健康で文化的な最低限度の生活ができなくても問題ないと主張しています。年金を下げるのは「公的年金制度への不信・不満が高まり、国民年金の納付率が下がっている。この不信解消のために払いすぎている年金受給者に対する年金を下げなければならない」という本末転倒のものです。

裁判は、原告側は今後さらに学者の意見書も提出し、国との論争点を明確にして証拠調べ(立証活動)に入っていく流れになります。原告の陳述書は72人が提出し、弁護団(団長則武弁護士を含め5人)がこれをまとめ、準備書面として裁判長に提出しました。次回10月2日は100号法廷でパワーポイントを活用した弁護団の陳述が行われます。今後、原告の陳述書づくりをさらに進めるとともに、さらに原告側から総論立証、学者、現役世代、若者からの証人をたて、年金制度と社会保障をめぐる本質的対立点を法廷で議論し、安心できる年金制度の確立は可能であることを明らかにしていきます。

私たち年金者組合は、①年金減額するな、②最低保障年金制度をつくろう、③裁判所は憲法にのっとって公正な判決をおこなえ、④年金は毎月支給しろ、などの宣伝・署名を旺盛に進め、さらに幅広い団体の協力も得て世論と運動を広げるとりくみを進めます。

来年中にも地裁判決が出される情勢の下で、これから1年間、裁判が始まって3回目の裁判を支える募金活動をすすめます。引き続きの募金へのご協力をお願いします。また、10月2日(火)14:30岡山地裁集合の第10回口頭弁論にご参加ください。100号法廷の傍聴席は100席あります。お願いばかりで恐縮ですが、「年金裁判を支援する岡山の会」への入会、「公正判決を求める署名」もよろしくお願いします。
編集後記
*正保宏文さんの連載「無謀な世界一人旅」(第3回)が、2号続けて休載となってしまいました。申し訳ありません。
次号にご期待ください。
*いつものことですが、〆切ぎりぎりの編集作業に追われました。ページ数を、表紙を含めて4の倍数にするのが、一苦労。とりわけ今回は、16ページに収まらない紙面を20ページにするのに悪戦苦闘。
*台風19号と20号が接近中とか。21日の印刷、23日の発行のそれぞれ予定を滞りなく終えられますように。 (居郷 毅)

 

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