「まちにでよう」
社団法人 尾 道 青 年 会 議 所
1998年度理事長 杢谷 正樹
 地球的規模で既成の概念では理解できない事件や事故が起こり、 私たちのまちにおいては、なんとなく気怠くすっきりとしない暗雲が立ちこめたようなまちの雰囲気、 明日がはっきりと見えないわがまち、私達青年は変革の能動者として私達の住む地域に、社会に 何ができるのでしょうか、いきいきとした活力あるまちを取り戻すにはどうしたらよいのでしょうか。
 そのためには私達を含めそこに住む地域のひとり一人の意識の改革が必要です。 そしてそれを具現化するためには社会システムの変革にまで至らなければならないのですが、 その変革は行政の責任と政治の力で実現するでしょうか。否、私達青年の情熱と行動力で 実現するのです。
 「昨日の夢は、今日の理想となり、やがて明日の現実となる」ある宇宙飛行士の言葉です、 人間の抱く「夢」はそれ自体が正しく多くの人々にとって望ましいものであるならば必ず いつの日か実現してゆくものであると語っているのです。
 私達はもはや警鐘を打ち鳴らすのではなく私達自らが行動しわがまちの進むべき道を探して ゆかなければなりません。



[ 青年会議所の組織を考えます ]
 私達メンバーのエネルギーの多くを青年会議所組織の存続のために使い疲弊していませんか。 そのために青年としてのダイナミズムを失ってはいませんか。
 社会構造が変わりメンバー相互の世代のギャップが在ることを認めつつも組織として正しい ルールというものが必ず在るはずです。そして正しいことが正しく評価されてこそ組織の 存在価値が在り、そこからはじめて変革の能動者として私達の意識はまちにでることができるのです。



[ 人と人とのふれあいを考えます ]
 私達は尾道青年会議所のメンバーと交流するために入会したのではありません。
青年会議所運動は全国に約6万余名のメンバーがおり全ての人にふれあいの機会が均等に 与えられます、さらに青年会議所運動を通じて地域の人々をはじめそのふれあいは無限に 拡がり、世代や価値観の違いを互いに認め合いながらも共に同じ目標に向かうことによって 人間として成長していくことができます。
 能動者として自ら求めれば得るものは無限にあり失うものは何もありません。



[ 環境を考えます ]
 言葉の意味を単純に解釈すると、環(まわり)との境(さかい)です。この「環」が 小さい人は自分の身のことしか考えられない人です、広がりを以って考えられる人はその 「環」が地域であり、我がまちであり地球規模で全ての事象を自らの歓びや傷みとして 捉えることができる人です。大きな「環」の中で地域と地域をパートナーシップで捉えながら 教育、高齢化、福祉、公害等諸問題を勉強しアクションを起こします。



[ 地域(コミュニティー)を考えます ]
 私達は尾道青年会議所のメンバーである前に地域(コミュニティー)のメンバーです。
もちろん企業人である以上会社というコミュニティーのメンバーであり、またその意識は 尾道から地球市民へと発展してゆくのです。ですから尾道青年会議所の全ての活動はコミュニティー に対し何ができるかということであり、その活動を通じて自らを律し高めるためにあるのです。
 自らリーダーシップを発揮しまちの未来をデザインしてゆくにはまちの歴史や青年会議所の 活動の歴史を勉強しなければなりません。しかし社会構造が大きく変革し価値観の多様化に 直面している現代においては目の前にある事実だけを教科書として勉強していたのではそこから 生まれる理論は生まれた先から陳腐化する虞があるのです。これから新しく道を切り開いて ゆくには「何を」学ばなければならないかを調査研究することが重要になってきます。 そしてそこから新しい理論や手段を生み出し恐れず実行に移してゆく勇気を持つことが必要です。



 万難を排し皆が相集う青年会議所には無限のエネルギーが生まれ、ひとり一人が自ら 変革の能動者としてJC運動を通じ時代の潮流を創造することができるのです。