On the Snow (2005/01/05)


 スタッドレスは去年から履いているのだけれど、余り雪道を走る機会が無かった。今年は年末から正月にかけて大雪が降ってくれたおかげで、それなりに楽しむ事が出来た。あちこちで高速道路が閉鎖されていた為、車で帰省していようとしていた人達にとっては、それどころではなかったのだろうが。

 エリーゼで雪道を走る時にもっとも注意する事は、とにかくコーナーの進入。パワステなんてついていないのに、フロントの軸重が非常に小さく、且つ、タイヤがそれなりに太い為、ミューの低いところでは恐ろしい位にハンドルが軽くなり、インフォメーションも小さくなる。慣れないと、ハンドル切っても曲がるのか曲がらないのか分からないぐらい、軽い。とはいえ、スピードをしっかり落とせば曲がらない事は無いので、普通に走る分には何とかなる。いざとなったらサイドブレーキで曲げる。但し、その後のコントロールができない人はスピンするだけ。
 コーナーの途中では、後輪駆動のセオリー通り、踏めばアンダー、踏みすぎればオーバー。フロント軸重が小さい為、もしかすると何処までもアンダーなのかとも思っていたが、そんな事は無かった。アンダーが出たら、アクセルをじわりと踏み込んでやればオーバーになって、ハンドルを合わせていけば綺麗にドリフト出来る。遊びたければアクセルを踏み増してやって、角度を増すことも可能。さすがに何処まで角度つけられるかは試さなかったけど。ミッドシップなのでコントロールが難しいと思われがちだが、へたなFRよりも遥かに簡単に出来る。これはドライで走ってて思った事だが、コントロールの巾の広さと挙動の素直さは驚くほどで、自分がこれ以上は駄目だと思って攻めれば絶対スピンするし、逆にそこまでは絶対にコントロールできる。それは雪道でも変わらなかった。
 場所を移して街中を運転すると、当然の如く信号があり、ストップ&ゴーが必要になる。後輪駆動なので、発進はクラッチミートに多少気は遣うけれど、特別な程ではない。ま、パワーがあり余ってるわけでは無いので、この辺は普通の車と一緒。問題は交差点を曲がるときで、やはり舵角が増すと曲がらない。なので、アクセルなりサイドブレーキなりで、ちょっとだけお尻を振って曲がってた。
 後は高速道路。実はここが一番気を遣った。というのも、交通量が結構あり、更にスタッドレスとチェーンの車、地元の車と遊びに来ている車が入り混じっている為、どんどん抜いていかないとまともに走れないし、集団に呑まれたまま走るのはかなり危険な状況だったからだ。実際、その日に自分が見た事故だけでも、両手の指で足りないぐらいだった。
 元々直安性が良くない車とは言え、まっすぐ走る分にはいいのだけれど、車線変更の時は、車線間に降り積もった雪が抵抗になって車があちこちに行きたがる。フロント軸重の小ささがそれに拍車をかけているのか、それがかなり顕著で、注意していないと車線変更中に尻が流れ出してしまう。なので、車線変更するときはタイヤの跡を見つけて、その上を走るようにしていた。
 あと、気になるのは車の下回りを擦らないか、だけど、もちろん擦る。とはいっても、下回りは完全にカバーされているので、それほど気は遣わなくても問題は無い(と思う)。あと、マフラー等が下に飛び出しているわけではないので、見た目ほど最低地上高は低くない。

 結論としては「何とかなる」だった。もっとも、自分が雪道に慣れていることはさっぴく必要があるだろうけど。


 余談だが、雪国では冬になると、所謂スポーツ系の車は全くといって良いほどいなくなる(ランエボとかインプレッサとかの4WDは除く)。実際に、駐車場とかに止まってた車までいなくなる。春になると、また戻っている。皆さん、何処に車を隠しているんでしょう?



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